用語集(ちんこそば/tinko soba)



ニッチツ鉱山など有名な廃墟が存在する秩父地方に伝わる伝統行事である三峯神社の節分祭の
風習を模した蕎麦です。
この地方では祭事の後、社殿で豆まき神事が行われ、裃姿の年男が三方にのせた福枡の豆を
「福は内」の唱えごとと共にまきます。この時、後にひかえた添人が、大声で「ごもっともさま」と叫びつつ、
巨大な「ごもっとも様」を前上方に突き出すのであります。ごもっとも様とは、長さ1メートル余の
檜のすりこぎ棒型のもので、その頭に注連縄をまき、根もとには蜜柑二個をさげた象徴的なものです。
ストレートに言うとちんこです。

つまり、ごもっとも蕎麦とはその象徴的なものを模した形で提供される秩父地方の料理であり、
秩父の道の駅、「大滝」のレストランにて特に季節を問わず通年提供されていましたが、残念なことに
今現在では提供中止になっているようです。
その際の経緯までは把握していませんが、モノがモノだけに要らん想像をしてしまうのは私だけでしょうか。

で、その蕎麦の出来栄えというかクオリティに関してですが、
正直なところ「やり過ぎ」という気がしなくもありません。


そもそもの話、ちん・・もとい、「ごもっとも棒」を模すだけならソーセージ一本で事が足りるのではないか。
百歩譲って根元の蜜柑をうずらの卵で模すところまでは理解できなくもありません。
が、うずらの卵の周囲にワカメを敷き詰めるところまでやるのは流石にどうなのか。
もとい、私とてこういった習慣を下卑するつもりは毛頭無いのです。
それこそ出生率が今よりも低く、「子宝」を願って男根や女穴を模したモノを祭る風習というのは日本各地にも点在します。

しかし、{だからといってその風習を料理にまで持ち込まなくたっていいじゃないかと思わずにはいられない。
もとい、どうせそこまでやるんだったらいっその事、具材にトロロでも加えれば更に
リアリティが上がったんじゃないかという気もしなくもありません、が、
そこは原価の関係で断念したのか、或いは考案者の最後の良心だったのかは私にはわかりません。

今となっては提供が取りやめになってしまった事に関しては非常に残念であり、二度とチン・・もとい、
ごもっとも蕎麦を食べれないのかと思うとノスタルジックな気持ちにもなる今日この頃です。

余談ですがその後、天狗に縁のある東京都のJR高尾駅にて「天狗そば」なるものが発売されました。
ごもっとも蕎麦の大ファンであった私としましては、あの蕎麦の再来だ!と悦びの声を上げたものの
なんかあっという間に取り扱いが終了してしまいました。
残念です、非常に残念です。



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最終更新:2008年08月21日 07:16
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