超流麗凄艶究極使い魔


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「宇宙の果てのどこかにいる私の下僕よ!神聖で美しく、そして強力な使い魔よ!! 私は心より求め、訴えるわ!我が導きに答えなさい!!」
チュドーーーーーーーーーン!!!!!
散々失敗を繰り返し、今日何度目かの爆発がトリステイン魔法学院に響き渡った。
また失敗かとすでにサモンサーヴァントを終えていた他の面々は一様にため息をついた。
が、等の召喚をした本人の心情は周囲とは違った。


(手ごたえあった!今度こそわたしにふさわしい究極の使い魔が!)


ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
トリステイン魔法学院きっての落ちこぼれ。
あらゆる魔法を失敗する所から付いたあだ名が『ゼロのルイズ』
今回のサモンサーヴァントでその汚名を返上する!
今度こそ魔法を成功させ、自分も立派なメイジであると周囲に認めさせるのだ!
そう気合を入れたはいいが、実際に本番になるとまた失敗を繰り返したのだが、今度こそ成功したと確信した。


(そう、この煙の向こうに、世界で最も強く、美しい使い魔が・・・・・)


「ふっふっふっふっふ、我がグラフィックを傷物にしただけでは飽き足らず、不正な転送まで行うとは・・・ついにその本性を表したなトライエッジ!!!」

その爆煙の中から語気の割りに軽い口調の声が響いてきた。

「なっ何なのよあんたは!」
「ふん、悪党に名乗る名前はないわ!!!」

とう!っと、一声上げて爆煙の中から“それが”飛び出した。
そして見事なムーンサルトを決めて大地に降り立ったのは、黄金色に輝く鎧を着けた何かだった。

 

「鈍き俊足のドーベルマン、ぴろし3!ただ今参上!!!」

 

(((((((名乗ってんじゃん!!!))))))))


その時、その場にいた全ての人の心は一つになった
キラーンと擬音が鳴りそうなほど歯を輝かせ、天を指差すベタなポーズを決めながらそれは周囲を見回した。

「・・・・・・・・・」

しばしの沈黙の時間が流れ、

「いや~失敗失敗。単なる不具合による転送ミスであったか。すまなかったな諸君」

その瞬間、止まっていた時が再び流れ出したかのように周囲から喧騒が沸いた。

「おっおい!ルイズが平民を召喚したぞ!」
「まて!あれは平民なのか!?」
「だが杖を持ってないぞ?」
「だが平民にあんな鎧が買えるわけがないだろ!」 
「それ以前にあれは人間なのか!?」

そう言われるの無理はない。
その胴体に比べて異常なまでに広い肩幅を持つ鎧はどう見ても人間に合わせた規格ではない。
それもそのはず。
このぴろし3は正確には人間ではない。
The World R:2という世界最大級のネットゲームで生み出されたPC(プレイヤーキャラクター)なのだ。
なぜただのデータに過ぎないPCが召喚されたのか、またなぜゲームの中でないにも関わらずプレイヤーが操ることが出来るのか、それはあえて突っ込まないでおこう。

平民だ、貴族だ、いや亜人だと様々な憶測が飛び交う中、ぴろし3は現在の自分の状況を分析していた。

「ふむ、何やらよくわからんがどこぞのギルドエリアに飛ばされてしまったようだな」

貴族とか平民とかはそのギルドの決まりの様なものだろうと、予想をつけていた。

「では皆の衆、お騒がせして大変すまなかった、ではさらばだ」
「旅路の果てまでも 頭上に星々の輝きのあらんことを!! ジュバ!」

天に拳を掲げ、軽く飛び上がると、・・・・・・何も起きなかった。

「おんや~?・・ジュバ!」

同じ事を繰り返したが、やはり何も起きなかった。

「ふむ、転送が出来ないとは、これはまた奇怪な・・・・」
「何さっきからブツクサ言ってんのよーーーーー!!」

突然、背後からのとび蹴りをくらい、思いっきり前のめりに転んだ。

「ぬお~~~~~~、何をするか小娘! いきなり人を後から蹴り飛ばすとは笑止千万! 
たとえネットゲームとはいえ、天が許してもこのぴろし3が許さんずぉぉぉぉぉぉ!」

微妙に間違った言葉遣いはデフォなのでお気になさらず。

「何言ってんのよ!あんたはわたしの使い魔になるために呼ばれたんでしょうが!」
「つかいま?」

ふむっと、首をうならせて考え込み一つの結論に至った。

(なるほど、これは強制イベントの一種か)

となると回りの人々はPCではなくNPC(ノンプレイヤーキャラクター)という事になる。
そういえばギルドを作ったときのグランティイベントのNPCはかなりよく出来ていたなあと、自身のギルド、プロジェクトG・U(グラフィック・うまい)を作ったときの事を思い出していた。

(となるとこのイベントを解消しないとここからは出られぬという事か)

そう結論付け、この場に従う事にした。

「よかろう、よき目をした人よ!私が貴殿の使い魔となってやろうではないか!」
「(よ…よき目?)なっ生意気な事言うんじゃないわよ、あんたはわたしの下僕なんだからね」 
「ふむ。して、使い魔になるにはどうすればよいのだね?」
「え!そ・・・それは・・・・」

何やら言い辛いようで、俯いたまま答えようとはしない。
そこにコルベールと名乗る人物が来て、事の詳細をぴろし3に伝えた。

「なんと、そんな簡単な事でよいのか? ではよき目をした人よ、私からの熱いベーゼを受け取るがいい!」
「え!?ちょっとまだ準備が、い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

意識が遠のく中、ルイズが最後に見たものは、頭突きの如く迫るぴろし3の顔面であった。

Fin