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<Phase2a-01> 「君達、呼ばれた理由はわかりますね?我々の初仕事です。 依頼者は南アフリカ統一機構、敵は新南アフリカ共和国軍です。」 ある夜、6人を前にして、アズラエルは言った。 「新南アフリカ共和国じゃなく、南アフリカ統一機構が依頼主なのかよ。 いっちゃなんだが傭兵使わなくても、戦力は十分なんじゃねえのか?」 このオルガの質問に対し、アズラエルに代わってナタルが説明を始める。 「先の大戦でプラント側の敗北によりZAFT軍が弱体化。 結果として親連合のアフリカ共同体が息を吹き返し、 統一機構はその境界付近に戦力を集中させなくてはならなくなったのだ。 加えて、統一機構自体の求心力が弱まり、連携がつたなくなっている。 新南アフリカ共和国と国境を接する 旧ナミビア・旧ボツワナ・旧モザンビーク 旧ジンバブエといった地域は神経をとがらせているが 他の地域は、どちらかというとできればカネも兵士も使いたくない、 といった態度だ。」 「しかし、新南アフリカ共和国は天然資源が豊富である故におさえなくてはならず、 かつ統一機構の団結を保つためにも看過はできないってことか。」 「そういうことだ。スティング。しかし、繰り返しになるがアフリカ共同体に戦力を向けざるを得ない以上、戦力不足はいかんともしがたい。そこで傭兵の出番というわけだ。 何か質問はあるか?」 これに対し、まずオルガが口を開く。 「敵のMSは?」 「南アフリカ統一機構が親プラントだったせいだな。ディン、ゲイツが主力。 ただザクも確認されている。 後は、アフリカ共同体から提供された ストライクダガー、ウィンダムだ。」 「数だきゃ多そうだな。」 そう言ってオルガは鼻を鳴らした。 「新南アフリカ共和国ってのはどんな国なんだ?カボサとかいう奴が軍事クーデターで掌握した国だ とは聞いたことがあるんだが・・・。」 このスティングの質問に対し、ナタルは彼女には珍しく どことなく、皮肉っぽい口調で説明を始める。 「なかなか素晴らしいぞ。重税をかけそのうちの25%を国防費としている。 そのため国民が次々と餓死している。 一言でも大統領の悪口を言えば死ぬほうがマシといわれる強制収容所送り。 女は選別されてHAPPY組とかいう組織に入れられ、大統領及び大臣どもに奉仕させられるそうだ。後・・・」 「もういい。そういう糞野郎をブチのめすために入ったんだ。 遠慮なくやってやるぜ。」 「質問は以上ですか?初仕事の敵が小なりとはいえ、一国の国軍というのは 多少あれですが、この仕事が上手くいけば営業もやり易くなりますし、 依頼も舞い込んでくるでしょう。言い仕事、期待してますよ。それでは解散。」 そういってアズラエルは部屋を出て行き、オルガとスティングは既に途中から、 白河夜船のメンバーを起こしにかかった。 オルガ「オラ、起きろよテメーら! 」 クロト「・・・・すい・みん・・・」 シャニ「・・・zzz・」 スティング「ステラ、アウル、そろそろ起きろ。」 アウル「これはな、ちゃうニダ、別に寝てたわけじゃないニダ。」 ステラ「・・・ぅぇ~・・・イ」 ナタル「まあいつものことだな。」 フレイ「流石ね・・・みんな。」 <Phase2a-02> ナタルは、彼等の態度に最早慣れたという感じでさっさと部屋をでていく。 フレイもその後に続こうとしたがスティングに声をかけられ振り返った。 「フレイ、お疲れさん。おっさんと散々駆け回って大変だったろ?」 待っていたところで、設立したばかりの会社に仕事が舞い込んでくるほど 世の中は甘くない。 昨日までフレイは、アズラエルと各所へ営業をかけていたが (フレイの仕事にはオペレーターに加えて営業が追加されていた) 実際は大変どころではなかった。 実績のない新規参入者に冷たいのはどこの業界も同じだが、 その上機体とパイロットの出自がアレなため 大抵門前払いをくらわされる始末。 他の民間警備会社や傭兵会社は、連合やZAFT軍でのキャリア何年、 階級は○尉まで登った、どこそこの特殊部隊にいた、 というような非常に説得力のある経歴を持つパイロットを揃え、 モルゲンレーテ社製のMS何機という風にアピールできるのに対し、 こちらは出自・軍歴不明のパイロット(薬物強化人間とは言えない) どこから持ってきたか不明のMS(強奪と横流し機体であるため) というふざけているとしか思えないようなアピールしかできない。 どっかからかき集めただけの機体と兵士(かどうかすら定かではない)を 金を払って雇え、 といわれても相手にすればハア?と言いたくなるだろう、 と営業を行いながらフレイですら思った。 にもかかわらず、門前払いをくらわない相手が存在したのは、 元地球連合軍少佐ナタル・バジルールの経歴と 元ブルーコスモス盟主ムルタ・アズラエルのネームバリューのおかげであった。 しかし、後者はアズラエルが完全にブルーコスモスを離反し、 かつ資産も<Dominions社>というベンチャー企業のみと 相手が調査をして知った瞬間に用をなさなくなり、ナタルの経歴も 指揮するMSとパイロットの圧倒的不足を 埋めるほどではないとみなされた。 お情けで使ってやらないことはないという依頼主もほんの少しはあったが、 採算が取れなくなるまで値切りの嵐、 フレイにはセクハラ(その女と寝させれ ば考えてやらないこともない、などとほざいた奴もいた)。 今回の仕事は、統一機構がかなり大々的に募集していたために なんとか入り込めたという要素が大きい。 仕事だから仕方ないとは思っていても、この契約がとれるまでは、 やはり本当に辛かった。 戦場という過酷な環境に身を置いたことがなければ、 多分耐えられなくてやめていただろうと思う。 それを誰かにねぎらってもらえるというのは嬉しいものだ。 「ありがと、スティング。けどまあ、それが私の仕事だし。」 「けど、なんかすごく大変だったらしいじゃねえか。 ステラが、フレイはいつも倒れるようにベッドに入ってる、って心配してたぜ?」 「あ~、ステラに心配かけちゃったか。ちゃんと大丈夫って言ったのになあ。 心配性なんだから。」 「ま、これで俺達が上手くやりゃ、そっちも楽になるだろ。期待してていいぜ。」 「うん。けど無理は駄目よ?スティング達の場合、仕事の内容が内容なんだから。」 「分かってる。とにかくお疲れ。あとは任せな!」 「ありがと。」 そう言って、部屋に戻ろうとして最後にもう一度振り返ると、 スティングがなかなか起きないステラを ため息交じりにオンブしようとしているのや、 ついにぶち切れたオルガがシャニとクロトの襟首を引っつかんで 引きずって行こうとしているのが見えた。 あいつらが一度戦闘になれば、一騎当千の戦士に変わるのだと思うと、 不思議さ共に笑いが込み上げてくる。 けれど、そんな彼等だからこそ、一緒にいたいと思うのだろうな

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