もしも3馬鹿常夏トリオが種死に出てたら 格納庫

Dominions Phase4a

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<Phase4a-01 >

ある夜、6人とナタル、フレイはいつものようにアズラエルの前に座っていた。
オルガがまず口を開く。

オルガ「で、次は何だ?また危険地帯で物資輸送か?要人警護か?」
スティング「だとしたら楽だな。」
アウル「楽して儲けるのが一番ってね。」
クロト「ですね。」
ステラ「ステラが・・・守って・・・お礼がもらえる。ステラ・・・うれしい。」
オルガ「けどよ、また艦に乗ってるだけじゃ、腕がナマっちまうじゃねえか。」
シャニ「・・・訓練で俺達とやってるだろ。俺達より強い奴なんていないさ・・・。」

彼等がこういうのも無理はなかった。
運が良いのか、正規軍には襲われたことは今の所なく、正規軍意外では
AA級、ドミニオンにチョッカイをかけられるような組織はそうはない。
そしてそれに乗っているのが、新南アフリカ共和国のMS部隊を、
尽く蹂躙したことで有名な,MS6機ではなおさらである。
ある程度の規模の組織はその情報網で、彼等の脅威を十分しっているために、
戦闘を避け、たまに情報に疎い小規模な組織や海賊、山賊が襲う時はあったが、
なけなしのMSを瞬殺され、遁走していくのが常であった。

もっとも、ドミニオン自体の武装は資金不足故、大半が稼動しておらず、
防御は6機にかなり依存しており 実はけっこう張子の虎ではあったのだが、
ハタから見てそんなことは分からない。
<Dominions>社は非常に快調に業績を伸ばしていた。

アズラエル「残念ながら違います。この仕事は今までとは違ってましてね。
まあ、その二種類の依頼はたくさんきてますよ。 今までどおりそういうのにしときます?」
オルガ「前置きがなげーんだよ。おっさんは。」
アズラエル「失礼。けどねえ、ハッキリ言っちゃうと赤字なんですよね、この仕事。
ですよね?フレイさん。」
フレイ「はい。何度試算しても採算が取れません。
ローンを組むという手もありますが、長期にわたる支払い能力には不安があります。」

最近では、便利屋よろしく仕事先での経理もやらされているフレイが答えた。
違った仕事が増えることに 流石にフレイも不満を言ったのだが、
「色んな部署の仕事を経験するのは、当たり前ですよ?
それに僕はできない人には任せません。」という言葉で説得されてしまい、
なんだかんだと勉強にはげみ できるようになってしまっていた。

「<Dominions>社は、慈善団体じゃあない。そういって断るのが、まあ普通ですね。」
アズラエルのこの言葉に、スティングが口を開いた。

「・・・おっさん、意地が悪いぜ?俺達は何も金儲けだけが目的で、
この会社に入ったわけじゃねえ。 入る時に言ったこと・・・忘れてないぜ。」

そのスティングの言葉に、珍しく真剣な顔をして各々に頷いてみせる5人を見て、
アズラエルは少し笑うと表情を引き締めた。

「大変失礼しました。ではナタルさん。説明をお願いします。」
「ユーラシア連邦は今、戦後西ユーラシが独立を宣言したため、東西に分裂し、
争っている。」
「西ユーラシアは戦中から、地球連合寄りなユーラシア連邦からの独立運動が、
盛り上がってたからな・・・。」
「ああ。そして戦後ついに独立へといたったわけだ。そして・・・お前達は、
ディオキアという都市を覚えているか?」
アウル「そこって、ステラが海へ落っこちたトコじゃん。いやあ~、あんときは、
参った、参った。」
スティング「ホント。」
クロト「僕等も探すの手伝わされたよね。」
シャニ「ステラらしかったね・・・海に落ちるなんて。」
フレイ「けど、そのおかげであの黒髪の子とステラは知り合えたわ。
そうじゃなかったら・・・」

「・・・・シン・・・・」
ステラはその会話を聞きながら、いつも身につけている紐に通したピンクの貝殻を、
そっと握り黒髪の少年の名前を呟いた。
その呟きを聞き取ったアウルは少し眉をひそめる。

「お前等、そのくらいにしろ。話が進まねえじゃねえかよ。」
「ザブナックの言うとおりだ。質問以外の私語は慎むようにしてくれ。
そのディオキアの東にガルナハンという元地球軍の、今は東ユーラシア政府の拠点がある。
その周辺で活動するレジスタンス組織からの活動支援要請。それが今回の依頼だ。」
「レジスタンスからの依頼だったのか。そのレジスタンスは何で活動してるんだ?」

「スティング、先の大戦中、ガルナハン周辺つまりコーカサス地方ディオキア周辺が、
手を組み、ザフトの援助でユーラシア連邦から独立したのを覚えているか?。」
「ああ。」
「ミネルバの活動もその一つ・・・だったよなぁ。」
ファントムベイン時代の好敵手だった艦の名前を、アウルが懐かしさとともに、
微かな苦さも含めて口にする。

「そうだ。しかし、ガルナハンもそうだが旧コーカサス地方は、豊富な地熱資源、
及びレアメタルの宝庫だ。
東ユーラシア連邦にしてみれば西ユーラシア連邦に勝つために、
NJによる慢性的エネルギー不足問題の解消のために、それ等を獲得したかった。
そのため、戦後すぐに旧コーカサス地方やディオキアに侵攻し、占領した。
抵抗したようだが、オーブ軍に敗退し、議長が死んで混乱するプラントから援軍はこず、
いかんともしがたかったらしい。
占領軍から旧コーカサスやディオキアを今一度解放し、東ユーラシア政府から、
自治権を獲得する、 それがレジスタンスの目的だ。」

「コーカサス地方の状況だが、コーカサス地方必要としている、東ユーラシア連邦は
自治権を求める運動はおろか、あらゆる抗議運動を厳しく弾圧している。
行き過ぎの取締りで無実の人間が多数、投獄されたり、殺されたりもしているそうだ。
そればかりか、ゲリラを支援した村や町を焼き払い住民を虐殺しているらしい。
地熱発電からえられる電力のほとんどを他の地域や戦地へと優先的に回し、
レアメタルを買い叩いている。」

アズラエル「とまあ、そういうことです。さてみなさん、この依頼、受けますか?」
オルガ「俺はいいぜ。東ユーラシア連邦政府が相手ってんなら、久々に骨がある奴と、
やり合えそうだ。」
クロト「自由になろうとしてる奴の援助。これがやりたかったんだよね、僕は。
勿論賛成だよ。」
スティング「ったく、これだから元地球連合の国はよ。いいぜ、受けた。」
アウル「な~んか、レジスタンスの方が正しいっぽいじゃん。いいよ、僕も。」
シャニ「・・・いいんじゃないかな。」
ステラ「・・・・」
ナタル「ルーシェ?」
ステラはハッとする。シンのことを考えていて、ほとんど話を聞いていなかったからだ。
けれど、スティングやアウルが賛成といっているのは聞こえた。
彼等二人――特にスティングが賛成するなら大丈夫だ、そう思う。

「ステラも・・・いい。」
「そうですか・・・。分かりました、受けましょう。
ただ、ちょっと準備することもありますし、 このお仕事は赤字です。ということで、
みなさん、明日からその穴埋め分ってことで 別のお仕事をやってもらいますよ。
いいですね?」
「んだよそりゃあ・・・。」
「やっぱり赤字は困っちゃいますよ。みなさんのお給料が、
払えなくなっちゃいますからねえ。」
不満げなオルガに、アズラエルは肩をすくめ飄々とした調子で言った。
「分かったよ。じゃあさっさと帰って明日に備えるとするか。」
そのスティングの言葉で6人とフレイは立ち上がって部屋を出て行き、
ナタルとアズラエルだけが残った。

<Phase4a-02 >

アズラエル「・・・ナタルさん。彼等がこの仕事受けた事どう思います?」
ナタル「彼等らしいと思いますが。」
アズラエル「ですね。彼等この会社に入る時に言ったことを考えれば、
受けるだろうとは思っていました。」
そこまで言って、アズラエルはため息をつく。

「ホント言うと、彼等にはなるたけ危険が少ない表側の依頼のみを、
受けてて欲しいんですけどねえ・・・。
ただ・・・一度はこういう依頼を受ける必要があると思ったんですよ。
仕事に慣れてくれば、自分達で見つけて提案してくることだってあるでしょうし。」
「社長・・・。」
「確かに東ユーラシア政府のやり方は酷いもんですがね・・・。
ナタルさんも、レジスタンスというものがどういうことをやるか、ご存知でしょう?」
「・・・ええ。」
「支援要請してきた組織はそれなりに筋を通す穏健な組織でらしいですが・・・。
 心配ですよ。」
「ですが、社長は彼等なら、乗り越えて何かを見つけると信じたから、
話したのではないのですか?」
「そうなんですけどねえ、どうもこれが。ナタルさん、彼等のこと、お願いしますね」
「はい。私なりの最善をつくします。私も彼等が好きですから。」
「その言葉で少し気が楽になりましたよ。あなたがいてくれて良かったと思います。」
そう言って、アズラエルは立ち上がった。

「・・・・さて、私達も帰りましょうか。」
「ええ。」
部屋から出、エレベーターに向かう途中、アズラエルはふと思いついた、
という感じを装ってナタルに言う。

「思ったより早く終わりましたね・・・。ナタルさん、時間ありましたら、
これから一杯飲みに行きませんか? 最近できたいいお店、知ってるんですけどねえ。」

「せっかくですが、私も明日からの仕事の準備がありますので。」
「そうですか、そりゃすですね。いや、失礼しました
(失策でしたね・・・仕事を明後日からにしとくべきだった。)」
(酒は飲めないとはっきり、言ったほうが良いのだろうか?
いやしかし、それでは酒以外ならOK言っているように 取られるかもしれない。
それは困・・・らないこともないような気もしないではないがいやしかしやはりこれは)

「ナタルさん?どうしたんです?立ち止まってしまって。」
「あ、ハイ。失礼いたしました。」
「(大分困らせちゃったみたいですねえ。もうちょっとさり気なく誘えばよかったかな)」

そんなことを考えながらも、アズラエルはその飄々とした顔の下に、
ナタルはいつもの生真面目な顔の下に それを隠し、エレベーターに向かって歩いていくのだった。

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