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Dominions Phase3a


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「みなさん。本当にご苦労様でした、いい仕事してくれましたね。」
<Dominions>本社、社長室で(といっても簡素なものであったが)
どことなく誇らしげな顔をする6人に アズラエルは声をかけた。

初戦を衝撃デビューで飾り、その後も彼等6人が加わる戦いは
ことごとく統一機構側の勝利で終わった。
実は今も、新南アフリカ共和国の首都付近で戦いは続いているのだが、
ナタルはそれ以上の契約更新を打ち切るように
アズラエルに提案し、アズラエルがその提案を採用したため6人は帰還したのである。

理由は、バックアップ体制の不備であった。
敵も流石にこの厄介きわまりない6機のデータを蓄積し、6機に応じた戦法を取り始め、
その程度でどうにかされてしまうような6人と6機ではないが、
終盤では流石に被弾する回数も増加した。

にもかかわらず、元々資本が乏しい上に6人の場合は
彼等の体を調整するための人員の人件費と
高額医療機器が財務を圧迫するため、整備士が十分にそろえられておらず、
アフリカでの最後の戦闘となった戦いでフォビドゥンが小破し、
それを完全といえる状態まで持っていけず、
その脆弱さがついに決定的な形で表れてしまった。

そして、めぼしい基地・都市は落とし、統一機構の勝利はすでに見えており、
独裁者打倒の目的は達したも同然であったこともあって慎重さとバックアップの充実を
信条とするナタルは、 契約更新の打ち切りをを提案したのだった。
しかし、それまでの戦いで十分すぎるほど<Dominions>の名は世界に轟いており、
社には依頼が次から次へと舞い込んでいる状態だ。

6人の戦力の評価は、交渉に望むに当たり、フレイがまずはと、思いきり強気に、
これボってんじゃないの? と言われても仕方のないと思った値上げを提示しても、
アッサリとそれが通り、 その後も交渉も常にスムーズに進んだことからも伺えた。
それにより多大な利益ももたらされ、今回の仕事はどう厳しく見ても大成功であった。

「おそらく近々、カボサの独裁政権は倒れるでしょう。
そしてそれに対するみなさんの働きは大きかった。」
そこまでいって、アズラエルはテレビをつける。
そこにはカボサの独裁から開放され喜ぶ民衆の姿が映る。

「みなさんがしたことは、誇っていいことだと思いますよ?
私はみなさんを誇りに思います。」
そういって、アズラエルは一人一人に握手を求める。
思いもよらぬ、アズラエルのその仕草に 6人はそろって戸惑ったような、
そして面映ゆいような表情を浮かべ、次々とその手を握った。

オルガ「なんだよ、たいしたことじゃねーって。」
クロト「大・仰!」
シャニ「フ、フン。」
スティ「期待に答えられて何よりだ。」
アウル「ま、次からも大任せってねえ!」
ステラ「・・・アズラエロ・・・すごく・・・嬉しそう・・・ステラも嬉しい。」
アズラエル「ええ嬉しいですよ。そして何より、みなさんが怪我一つなく
     無事帰ってきてくれたのが嬉しいですねえ。」

アズラエルのその言葉により、最早なんと言っていいか、
という感じで6人は頭をかき、顔を見合わせる。
戦場の途中の町で歓呼の声で呼ばれたこともあった。
しかしこれほど自分達の働きが誰かに喜ばれ
無事をねぎらわれることによる喜びを実感できたことはなかった。

やったんだ・・・。そんな思いが6人の心を満たしていき、
自然と互いに笑いあい、拳と拳がぶつけ合わされた。
そんな6人を見てナタルとフレイの顔にも笑顔が浮かび、
二人も互いにそっと握手をかわす。

「それではみなさん、今日はもう休んでくださって結構です。
 ただナタルさんは、少し残っていただけますか?
 今回の仕事の詳細な報告とそれとナタルさんが提出なさった上申書も、
 今検討しちゃいましょう。」
楽しげに話しながら部屋を出て行く6人とフレイを見送った後、
アズラエルは椅子に座りナタルと向かい合った。

「――であるため、新規に整備士を募集すると共に軍に所属したままのドミニオンの元クルーの勧誘も試み―― 武装については、まずフォビドゥンの重刎首鎌をビームハルバードに変更――カオスの兵装ポッドの改良による 大気圏内での分離時間の延長は
戦果につながっており、よって更なる改良を――ガイアの口部にカリドゥス改複相ビーム砲の搭載により 突撃力が――カラミティはギガランチャーを――」

そのナタルの報告を聞きながら、アズラエルはついつい彼女を見てしまう。
最早、軍服は着ていないが その背筋は前と変わらずぴんと伸びており、
その凛とした声にもなんら変わりはない。
「やはり彼女はこういうスーツとかのキッチリした服装がよく似合いますねえ・・・」などと、ついアズラエルは不埒なことを考えるのであった。

「――以上です。」
「流石ですねえ。無駄がなく、適格だ。じゃあ、それでいっちゃいましょうか。」
「分かりました。では、これで進めさせていただきます。」
「いやあ、すいませんねえ。何か私は座ってるだけみたいで。
 ナタルさんみたいな優秀な方がいてくれると楽ですよ。」
そのアズラエルの軽口には答えず、ナタルは再度口を開く。

「ところで、プラントへの対策は成功なさったのですか?」
その言葉にアズラエルは、流石だな、というような表情を浮かべた。

「できるだけのことはやりました。おそらく、大丈夫でしょう。」

アズラエルが、統一機構との交渉をフレイにまかせていたのは、
3機の強奪機体の入手経路の隠蔽工作の仕上げを 行っていたからである。
凄まじい戦果を挙げ、一躍世界に<Dominions>の名前が轟いたのは良い、
しかしその中に変形する三機のMSが混じっていたとあれば話は別である。
プラント側がそれ等が、強奪されたMSであることに気づくのは確実といえた。

今のプラントに地球での大規模な捜査を行うような余裕も権限もないが、
状況はどう変わるかわからない。
状況が変わる前に、死亡したジブリールの息のかかった軍部の一部が勝手にやった破壊工作により奪われたMSが 用済みとなった後、民間に秘かに流され、
流れに流れたMSをムルタ・アズラエルが戦後購入した・・・・
あくまでもこの建前で通していくための工作であった。

これ以上の強化人間がらみの汚点が表に出ることを回避したい、
生き残りの関係者達との利害とも一致し、 工作はスムースに進み、隠蔽工作は成功に終わった。
全てを死んだジブリールと死んだジブリールつながりのあった軍関係者に罪を被せて。
ついでに6人が軍に所属した経緯、事実、行動も全てが完全に抹消され、アズラエルの6人と6機のMSへの危険を回避する工作は 完了したのだった。

「そうですか――。」
複雑ながらも安堵した表情を浮かべたナタルにアズラエルは、
珍しく顔を引き締めた後、低い声で告げた。
「僕は、あの6人を守りますよ。何と戦うことになったとしてもね。
僕の・・・償いですから。」
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