もしも3馬鹿常夏トリオが種死に出てたら 格納庫

Dominions Phase7

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匿名ユーザー

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「そろそろ、NJの妨害が強くなる地点だ、各々、警戒を怠るな!」
しかも左右には切り立った山。まさに敵には絶好の待ち伏せポイントだ。
といってもコーカサスはこんなところばかりであるが・・・。
ウィンダムを駆るイワン中尉の指示に従い、ダガーLが動き出す。

(ゲリラがMSとはな・・・)苦々しく心の中で毒づく。
最近、各地のレジスタンスにMSが見られるようになり、そのせいでレジスタンス勢力の掃討は困難になってきている。
特に最近出没するMSの中に異様に腕が立つ一機があるらしいという噂だった。
と、遥か前方に一機の黒いウィンダムが見えた。まさか・・・・しかし・・・一時的に思考が混乱する。
それほど、そのMSは堂々と道に立ちふさがっていた。まるで、ここにいるのが当然だというように。

<そこのMS、所属と・・・>
そう呼びかけた瞬間、黒いウィンダムは飛び上がり凄まじい勢いで突進してくる。敵だ。
<シモン、タラース機で迎撃。他は周囲を警戒しろ!車両から離れるな>
変則的だが、視線を一方にひきつけ、その隙に違う方向から忍び寄る典型的な戦法だと中尉は判断した。
タラースのウィンダム、シモンのダガーLが加速して敵に向かっていく。

<タラースは左、シモン、貴様は右から回り込め!>
<了解>
<了・・・が>
<タラース!>
ウィンダムのM9409ビームライフルの射程より先から、タラースの機体が打ち抜かれ落下する。

(高出力ビームライフルか・・・。ゲリラの分際で!)
それにしても、なんという正確な射撃だ。

<シモン、突っかけるな。距離を取れ。マルタ!ヤブリンスキー!前に出てシモンを援護>
<セミョーン、貴様は車両から離れるな。そのまま周囲を警戒しろ>

しかし、シモン機が盾を翳し敵のビームライフルを防ごうとした瞬間、敵はビームライフルではなく
左手のクイックモーションで何かを投げつけた。投擲された何かがシモン機の盾に刺さり盾が爆散する。
MK315スティレット投擲推進対装甲貫入弾!

ほとんど間髪いれずに放たれたビームライフルによりシモン機が撃ちぬかれ倒れ伏す。
このままでは車両が・・・。トラックは脆い。簡単に行動不能にされ、破壊されてしまう。

「やらせるかよぉ!。」
前に出た中尉、そしてマルタ、ヤブリンスキー機がライフルを乱射するが・・・当たらない。
空中で左右にあれだけ機体を高速で自由に操るとは。こちらのビームがむなしく虚空を貫く。
左のマルタ機が被弾して落下。そして敵は中尉のウィンダムに突進してきた。

ビームライフルを放つ。敵はかわすと同時にスティレットを投擲。
かわすか?一瞬そう思ったが歴戦のカンがそれを止める。かわさずにスティレットに盾を投げつける。
避けるのを予想して撃ったと思われる敵のビームが機体の右側に大きく外れて飛んでいく。
ビームを撃ち終わり一瞬動きが止まっている敵機が見えた。好機!中尉のウィンダムがビームライフルを放った。

「ちっきしょう。」
シンは、コクピットの中で舌打ちした。
盾でスティレットを防いでしまい、隙をつかれて撃たれた味方機を見ていたろうに。

よもや避けずに盾を投げて迎撃するとは。自機のビームライフルが虚空を撃った、と思うと同時に
機体を前方下に突っ込ませて相手のビームをかわしたが、それでもビームが掠めた左腕が思うように動かない。
射撃も正確で速い。

(あのウィンダムのパイロット・・・やる!)
しかも、上から背中を撃たれる様な形になってしまっている。機体の左右に容赦なくビームが降り注ぐ。
その時、シンの脳裏にフリーダムとの2回目に戦った時のことが浮かんだ。
しあし、あの時下は海面だったが今度は硬い岩だ、失敗したら・・・。

だがすぐに弱気を振り捨てた。やってやるさ!集中力を極限まで高める。
そして頭の中で何かが弾ける音が響きわたった。
自分の筋肉の動きが頭から足の指先までクリアに分かり、瞬間が引き伸ばされすべてがコマ送りのように感じられる。

シンはウィンダムを回転させ、ほとんど地面に寝そべるような姿勢にすると、そのまま機体を地面と平行に
滑空させた。ダガーと敵のウィンダムが視界の入る。二連射!

人間技ではない・・・。コクピットの中でイワン中尉は驚くのを通り越して敵に賞賛のような思いすら抱いていた。
その体勢からでは撃てまいと、機体を振らずに精密射撃の体勢とっていたのが仇になり、
機体の右腕をビームライフルごともっていかれてしまった。ヤブリンスキー機が落下していくのが見える。

地面に対し機体をほぼ仰向けにして飛ばすなど、誰ができるというのか?
どれほどの技量を持っているのか、あの黒い気体のパイロットは。
そして、鉄のキン○マでももっているのか?少しミスをしたら地面に激突するというのに。

<セミョーン少尉!貴様はここを突破し、何としても基地へ連絡を取り、ここに救援を出すように伝えろ>
<な・・。自分ひとりだけ逃げろと?>
<命令だ!行け!全トラック乗員に告ぐ。各々の判断で撤退せよ>

残った最後のダガーLのパイロット、セミョーン少尉にそう命令を飛ばす。たったの一機に壊滅させられるとは!
だが、物資をゲリラに渡すわけにはいかない。トラックを運転している兵達をゲリラの捕虜にするわけにはいかない。
応援がくるとなれば、悠長に追ったり略奪もしていられまい・・・。
一度、車列の後方まで駆け抜けた黒いウィンダムが機体を旋回させ、右手でビームサーベルを抜き放ち突進してくる。

「うぉおおおあああああああ!」
イワン少尉は吼えた。せめて・・・セミョーンの逃亡だけは。ビームライフルを袈裟懸けに振りおろそうとした瞬間
衝撃とともにウィンダムの左腕が吹き飛んだ、敵が機体を至近距離で加速させこちらの予想したよりも早く駆け抜けたのだ。
視界の端にセミョーン機が離脱していくのが見えた。敵が、ビームライフルを構えて、銃口がひ・・・。


「ふう・・・。」
最後のウィンダムを打ち落とし、シンはコクピットの中で息をついた。汗がどっと吹き出る。
さすがに二度とはやりたくない芸当だ。視界の端にダガーが離脱していくのが見える。
十分追いつける距離だが、シンは機体をNJの干渉地域外に移動させナタルとかいうステラ達の指揮官に通信を送った。

<こっちは終わりましたよ。>
<了解した。・・・早かったな。たいした腕だ>
<別に。・・・あなた方から借りた武器、役に立ちました。ありがとーございました。>
<礼には及ばない。味方の武装を強化するのは当然のことだ>

わざと大して感情がこもらない風に言ってみたのだが、相手はまったく感情を害した風もなく淡々と返してくる。
外見どおりの性格のようだ。だが、MA-BAR721高エネルギーライフル、
カオスのライフルの予備らしいが、やはり高性能な武器だと格段に戦いやすかった。
だが、どうも素直に感謝する気にはなれず、ついついつっかかるような口調になってしまう。

<あなたの指示通りに一機逃がしましたよ。本当に大丈夫なんでしょうね?>
<ああ、まかせておいてくれ。ここからは我々の仕事だ。では>
<あ、ちょ・・ちょっと!>
<何だ?>
<・・・ステラも、出るんですか?>
<ルーシェか。ああ。彼女も欠かせない戦力だからな。>
その言葉に、シンはカッと頭に血が上るを感じた。

<どうしてまだ彼女が戦場にいるんだよ!?>
<勘違いしないで欲しい。ルーシェが戦場にいるのは、今は彼女の意思だ。作戦が終わったら話すといい。では>
それで通信は切れた。シンは歯噛みして通信機を睨みつける。

<シン!・・・聞こえてるか?>
今度はコニールが通信を送ってきた。

<・・・聞こえてるよ。どうした?>
<どうした、じゃないだろ!早く来て、積荷を運ぶの手伝えって。>
<分かったよ、もう!すぐに向かうから。>
<急げよ。それとさ・・当たりだったよ。小麦とトモウコロシだ。>
<そりゃよかった。食料はいくらあってもこまらないよな>
<にしても結局、護衛部隊を全部一人でやっちゃってさ。アフメドなんか出番がなかったって怒ってたぞ>
<アフメド?あいつはまだ早いよ。もっと訓練しなきゃ通用するもんか。>

訓練を終えて戻ってきたばかりの、コニールと同い歳の少年の名前をシンはため息混じりに口にする。
確かに、大人より柔軟性があり筋も良かったことから、大人たちに先んじて機体に乗っているが、シンからみればまだまだ、だ。
なのに、血の気が多くて前に出たがる所があり、度々シンにもつっかかってくる。
あの人も自分にこんな感情を抱いたのだろうか? シンは機体を舞い上がらせながらそんなことを考えていた。

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