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ホーム・ドミニオン-変形!ドミニオン荘より-


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「あ~君達ィ、随分遅かったですね?僕達30分前にはついてましたよ。」
「途中渋滞でもあったのか大佐?」

「……いや~~…それがですねぇ…なんといいますか」

引っ越し当日、25日の午前零時からその言い訳は始めなければいけなかった。
まず、着々と作業をしていたナタル・ネオコンビだが彼等の荷造りが終わったのが午前零時過ぎ。
かなり時間をくってしまったがある種の達成感を覚えた二人は子供達の様子を窺うべく隣室へ。

【終わったか、お前r…………!】
【こ、これは………!!!】

【クロト…行かないでっ!】
【アウル……男同士の約束は命より重いのかもしれないな………】
【来たな!赤い彗星のシャニィ!!!】
【坊やd……安彦先生ごめんなさい】
【(なんでシャニは素なんだ?)で、ステラ。俺はいつまでバレリーナの役を?】
【スティング…恐ろしい子ッ!!!!】

部屋は床に散らばった多くの名作と共に、極限のカオスと化していた。
言葉すら失ったナタルの代わりにネオがフレイを探せば、彼女はちゃっかり毛布にくるまって寝ている。
そんなこんなで大量の未使用段ボールと共に、もうまもなく午前一時を迎えようとしていた…

「で、それからコイツ等の眼を覚まさせて荷造りさせて…結局寝たのが午前六時ってわけ。」
「あ~もうだめだめです…」
「ま、終わり良ければ…ってね!ちゃっちゃと部屋に荷物運びますか、理事。」
「それもそうですね、トラックもいつまでも停めておいちゃ迷惑でしょうから。」

人手だけは十分足りているので、引っ越し作業は全て自分達で行う事になっていた。
男が9人(内5人は強化人間)もいるのだから…と高をくくっていたが作業はかなり押していた。
夕刻からアパートの最終手続きを控えていたジブリールとムルタは早々に引き上げ、
最終的に荷物を全部運び終えたのは夜の八時だった。

「っは~~、やっと終わったぁ?!疲・労!!」
「全くもうっ、業者ぐらい雇いなさいよね!筋肉痛になっちゃうわよ…はぁ」
「フレイなんもしてねーじゃん…」
「何か言った?トラックの中で音楽聴いてたシャニさん?」

何だよ、何よ、と歪み合う二人を他所に一同はひとまずネオの部屋に集まった。
室内は積み込まれた段ボールで占領されており、半ば無理矢理入り込んだ状態だ。
アウルやクロトは早々に、高々と積まれた段ボールの上でくつろいではいたものの。

「よし、皆いるな!じゃあ今から理事より預かった指示書を読むぞ。」
「指示書?」
「部屋割りとかはもう聞いてるし…何のことですかぁ」
「さぁ、俺も知らされてない…ま、ナタルの話を聞くしかないかな。」

指示書とはムルタが去り際にナタルに手渡した物で、A4サイズの用紙が3枚茶筒の封筒に入っていた。
「本当は僕が言おうと思っていたんですけどねぇ」と少し残念そうな彼の顔が思い出される。
ナタル自身も作業に携わっていたため何の指示書かとは聞く暇がなかった。

「まず1枚目、このアパートでの生活について、だ。理事の言葉そのまま読む。
『皆さん、まずは自立への第一歩、引っ越し作業お疲れ様です。
後で引っ越し蕎麦とローストチキン、ケーキ、シャンパンはそちらに送ります。
今日はなんといってもクリスマスですからね。それくらいは手配してありますよ、どうぞ賞味してください。』」

ケーキと聞いてステラの顔がみるみる明るくなる。
隣に座っていたスティングが、咳払いをするナタルとステラの顔を交互に見て小さく息を吐いた。

「やったぁ、ケーキ…ステラすき…」
「しっ…ステラ今は静かに聞こうな?後で食えるらしいから。」
「うんっ、ケーキ…静かにする」

「よし、では続きを読む。ここからが本題だ、よく聞くように。
『まず、このアパートは君達の新しい家となります。大切にしてください。
ご近所の皆さんへの挨拶は僕とジブリールで済ませておきましたが、ご迷惑をかけないように。
掃除洗濯、家事、整理整頓、これからは自分でするんですよ?艦長さんや大佐を頼ってはいけません。
お金はある程度仕送りをしますが、慣れたらアルバイトをして稼いでほしいものですね。
……とまぁ、ここまでは皆さんに共通していることです。きちんと従うようにお願いしますよ。』」

さりげなくムルタの声色を真似ている芸の細かいナタルに、笑いそうになるのを一同はこらえていた。
ここまでの話はそれほど特殊なことを言っている様にも聞こえないので皆リラックスして聞いている。
シャニに至ってはもう半分レム睡眠に入りかけている。

「こら、アンドラス!寝るな!まだ1枚目が終わったところだぞ。」
「……なが~い、うざ~い」
「貴様…このスレの誰もが口に出さないで耐えていることを!」
「スレ?なんのことだよナタル」

首を傾げるネオを無視してナタルは2枚目の紙を捲る。
これには事細かに彼等個々の生活指導が書き記されてあった。

「『まず、オルガ・クロト・シャニの3人。
君達は職を探してもらいます。高等学校の年は過ぎてしまいましたからね、学校はちょっと難しいでしょう。
でも遅かれ早かれ、人は職につくものです。職安の手配はしてありますので後日向かって下さい。
それから、薬は定期的に送ります。安心して下さい。毎月第三木曜日は通院治療の日です、忘れない様に。
くれぐれも無茶はしないこと、暴れないこと、だれないこと。これが当面の君達の課題です。』」

「な~んか面倒そうだねぇ、僕達の。」
「ま、仕方ねぇだろ。おっさんの命令なら。」
「命令にしては細か過ぎ。」

ぶつぶつと文句を垂れだす3人を一喝し、ナタルはアウル・スティング・ステラの項目を読み出した。

「『次に、アウル・スティング・ステラの3人。
貴方達には学校に通ってもらいます、アパートから3駅先の【私立連合学院】です。
一応編入と言うことになっていますが、正直授業についていくのは厳しいでしょう。
何せ貴方達は今までまともな学習を受けてませんから……でもその点については対策済みです。
学校とは勉学を学ぶだけの場所ではありません、中で友達を作ったり部活動をしたりしてみてくださいね。
遊んで、学んで、多くの人と触れあう。これが貴方達3人の課題です、いいですね?』」

「わぁ…ともだちだって…」
「部活動~?なんか青春って感じじゃね??」
「そうだな、でもこれはこれで案外難しいかもしれないぞ。」

わいわいと、先ほどの3人とは対象的に騒ぐファントム・ペイン3人組。
残されたフレイが少し緊張気味にナタルに先を読む様促した。

「『そして、フレイ。
貴女も学校の手配をしました、高校3年からのスタートとなりますが貴女なら大丈夫でしょう。
オーブに暮らしていた時と同じ学校に通ってもらいます。ここからそう遠くはないでしょう。
貴女は素敵な女性です、でも、今ぐらいの歳ならもっと輝いてはしゃいでいいはずです。
過去を清算するのではなく、心許せる環境を取り戻そうと躍起になってください。
なぁに、失敗してもいいんです。困ったときは艦長さんや大佐、大人を頼っても構いませんよ。』」

「………!」

フレイはそれを聞いて、思わず肩の力をすとんと抜いた。抜けてしまったという方が正しい。
こんなにも観察されていたのかと、改めてムルタの顔を思い出し彼女なりに尊敬の念を抱いた。
要約すれば「子供になれ」というのだろう。それは本当に肩の力をいい意味で抜いてくれた。

「3枚目は、私と大佐宛のようだ。一応読む。
『最後に、艦長さんと大佐へ。
貴方達にあれこれ言うことは特にありません。子供達の良きサポーターになってください。
就職先は以前にも申した通り、幾つかご用意しました。合いそうなものを選んでみてください。
あ、それからこれは大佐にですが、子供達に如何わしいことを教えてはいけませんよ。
艦長さんの部屋に夜半訪ねるのは禁止とします、女性を連れてくるのもいけません。
ま、このアパートでのことですから…それ以外はお止めしませんがネ。』」

「……ネオ最低だな」
「信・頼、皆・無!!」
「不潔よね…」
「な、お前等!俺をそんな眼で見るなッ!!」

そこまで読み上げた所で玄関の呼び鈴が鳴った。蕎麦とチキンやらが届いたのだ。
食べ合わせのいいとは言えないメニューだったが各々喜んでそれを口にし出した。
新しい生活での初めての食事は味わい深く、ものの一時間もすれば皆残さず食べ終わっていた。

「あ~お腹いっぱい!ステラ頬にクリームついてるわよ?」
「ケーキ…おいしかったの」
「理事もなかなか粋なことをなさる…」

女性陣も華やかに聖なる夜はそのまま楽しく深けて行く……わけもなく。

「あれ、この手紙……3枚目の裏も書いてあるぜ?」
「あ?読んで見ろよシャニ。」

「ええと…
『追伸です、このアパート(命名・ドミニオン荘)のことについて補足があります。
万が一の時のために、このアパートはMS変形機能がついています。フォルムはデストロイを参考にしました。
ちなみにニ階手前の部屋から順に、リフター・頭部・コクピット。一階中央から順に、腕・脚、となります。
つまり各部屋が各部署担当となりますのでマニュアル読んでおいてください。
一階手前の空き部屋にある非常スイッチを押すと1分後に変形が始まります、洗濯物に注意して下さいね。
いざって時には力を合わせて頑張って下さい、合い言葉は【絶対無敵ドミニオンー】で…」


「「「「「「「「「…………言うかよ」」」」」」」」」


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