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ホーム・ドミニオン-今日からお前も友達だ!編-


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「ったく、まっじいい加減だよなぁ!ネオの奴!!」
「学校……だれもいない」
「ま、うっかり今がいつだか忘れてた俺等にも非はあるけどな。まさか冬休み中とは…」

がらんとした校庭に立つ影が三つ、ファントム・ペイン3人組だ。
大きなグラウンドにもバスケットコートにも人っ子一人いやしない、ここは【私立連合学院】である。
学校の下見かつ校内見学をば、と思って出向いた先は見事に休業中であった。
これにはいつも元気な3人組も揃って肩を落とす。

「どーする?」
「どーもこーも、帰るしかないだろ。」
「……ともだち…いないの?」
「ステラ、友達は今皆学校をお休みしてるんだ、又1月になったら来ような?」
「皆…オヤスミ……してるの?……わかった」

わかってないだろうな、とスティングは思ったがそれ以上は言わないでおいた。
しかし今から家に帰って段ボールを整理するのも嫌気がさした。一昨夜詰めたものを又出すのは面倒だ。
(こう考えてしまう奴は大抵向こう一ヶ月は荷物が片付かないのである。彼も例外ではないだろう。)
と、グラウンドの隅に終い忘れたのであろうバスケットボールが転がっていた。

「アウル、あれやるか。折角ここまできたんだし。」
「おっ、負けないよー!ステラはその辺で砂遊びでもしてなっ!!」
「うん……わかった」

わかってないだろうな、とアウルは決めつけていたのでそれ以上は言わなかった。
そうだ部活はバスケ部にしようかな等と、彼の頭の中はそんなことでいっぱいだったからだ。

耳触りの良いバスケットボールの弾む音を少し遠くで聞きながらステラは校舎を眺める。
ここにともだちがあるんだ、と多少間違った言葉を発してはにっこりと笑った。
北風が吹いている。砂埃が軽く舞う。でもどれもステラはいいな、と思っていた。

3人が校庭に訪れたのとほぼ同時刻、
学院からおよそ50mしか離れていないマンションから一人の少年が出てきた。赤い瞳の少年だ。
大きなスポーツバックを肩からかけて、中に入った弁当を横にしないよう気を遣いながら通りを歩く。
途中のコンビニで適当にチョコレートやスポーツドリンクを買って、学院の正門の前で止まった。
待ち合わせをしているのか、携帯電話を上着から取り出し時刻を確認している。

「おっそいだろうなー、ルナのやつ。レイ、それを知って先に現地入り希望したんだろうな…」

あーあ、と手を頭の後ろで組んで通りの眺めに眼をおいた。
通学路指定されている通りなのでさすがに車はあまり通らないが、他に惹かれるものがあるわけでもない。
仕方なく少年は通り行く車のナンバープレートの番号を足して合計を出す、というつまらない遊びを始めた。
まぁ、これも一種の動態視力のトレーニングだと思えばそこまで無駄でもないという気もする。

「27、35、7、11…えー、41」
「いち、ご、たべ、たい…?」
「え」

少年が思わず横を向くと、待人ではない少女が小首を傾げてこちらを見ていた。
金髪で、上着を羽織っているけれどちょっと寒そうな格好をしていて……頼りな気な瞳をしていた。
君は?と聞けばもっと首を傾げだした。言葉が通じていないのだろうか?

「あ、あのね?俺はシン=アスカっていうんだけど、君は…誰?」
「……ステラ」
「そう、ステラ……で、ステラは俺に何の用なの?」
「用…ない。ともだち……いないから…皆……オヤスミ…してるって…スティング」
「(ど、どうしよう…さっぱりわからないぞ!)」

少ない情報を目一杯頭を働かせて整理するとシンの中ではこうまとまった。
彼女は、ステラという名前でこの連学(連合学院の通称)に通っている、かもしれない。
少し身なりが貧相なので、もしかしたら家が貧しく、そのせいで友達がいない。
スティングって人が多分身寄りで、オヤスミしてる(?)、って彼女に教えてやった。
……そして今彼女は苺が食べたい、と。

「ステラ……ここ…すき……こわいのない…」
「(……友達がいない上に苛められているのかな……可哀想に、こんな…)」

可愛い子を、とまで頭の中で考えてシンは赤面した。彼は昨今珍しく純情なのだ。
そして正義感にあつく、曲がったことは大嫌いだったのでなんとかステラの助けになりたいと考えた。

「ね、ねぇ!ステラ、俺と友達になろうよ。」
「え………ステラと……ともだち?」
「うん、って!別に変な意味じゃなくてさ!その……俺っ…」
「うん……シン……ともだち…!」

しどろもどろしているシンの手をさっとステラがとった。女の子に触れられ、又頬が紅くなる。
シンは友達など、言い方は悪いが掃いて捨てる程いた。それでもこの手の持ち主のような子はいなかった。
ステラはぴょんぴょんとくるくると、不思議な踊りを始めた。
対路を歩いていた老人がすこし眼をまるくして彼女をみていたが、シンはそれがいいなと思った。

「(マユに似てる…けど全然違くて…ルナは…もっと違うな。ううん…)」
「シン……あげる」
「え?これ…石??」

石は少しいびつなハートの形をしていて、シンの掌にコロンとステラが落とした。
シンは背の中心辺りがむずむずするような、不思議な感覚に襲われながらありがとうと言ってそれを受け取った。
ステラは本当ににこにこと微笑んでいる。友達になれてよかった、ということなのだろう。
シンは急に思い出した様に鞄の中を探り出した。そうして先ほど買ったばかりのチョコを取り出す。

「じゃあ、俺はこれあげる。本物じゃないけどさ、苺味だからそれ!」
「……わぁ…!ステラ、ケーキすき……チョコ…もっとすき…」

そっか、と満足気に微笑むと遠くから赤い髪の少女が駆けてくるのが眼に入った。
待人のルナマリアだ。シンはこれからバスケットの試合を控えていたのだ。

「あ、やっと来た。じゃあ…ステラ、俺行かなくちゃ…」
「シン…ともだち……」
「うん、又、絶対逢いにくるからね!!ホント、絶対!約束するから!!」

あ…とステラが思う頃にはシンは遠くに駆けて行ってしまっていた。
しばらく「ともだち…」と呟いてから、彼女もふらりとバスケットコートに向かって戻って行った。

「あ、ステラ!お前どこ行ってたんだよ!!無茶苦茶探したじゃんか!」
「……ともだち……シン…」
「はぁー?ま、いっか。スティングゥーーー!!ステラいーたーぞーーーー!!!」

アウルの呼び掛けに飼育小屋の辺りを探していたスティングが息を切らせて戻ってきた。
心底心配した、という面持ちにステラも罪悪感を覚えたのかごめんねと謝った。

「ま、いい汗かいたしそろそろ帰るー?」
「うーん…まだ昼なんだよなぁ、困ったことに。」
「おなかすいた…」
「…うん、そうくるよな。今から帰ってもどーせ何も家にないし、マックでも行きますか。」

学院からさほど離れていない駅前はそこそこ栄えており、飲食店や雑貨屋に溢れていた。
中でも一際わかりやすいマック・ドナルドに3人は入っていった。平日なのでさほど混んではいない。
てりたまとフィレオとチーズバーガーのセットをポテトにコーラで三つ頼んで、席に座る。

「に、してもだ。なんで今更学校、なのかねぇ。……ステラ、ケチャップ、口の横」
「さーね、ネオ達のやることはわっかんないよ。……ステラ、玉ねぎ、服に落ちた」
「うぇ……でも、ステラ…たのしい…ともだちできた」

相変わらずボロボロと食べ零しながらステラがはにかんだ笑みを見せる。
それにアウルとスティングは二人して顔を見合わせ首を傾げた。

「あ?なんのことだ?」
「さー?さっきからこんな調子なんだよね、どーせ蟻にでも名前つけたんだろー?」
「違う、ありじゃない…シン」
「シン………シン、ってお前!!!!」

「何だアウル!もしかして俺達が記憶を操作されてなかったことにされている、
怨敵ザフトのエースパイロットで種死の本当にお前主人公?シン=アスカのことだって言うのか?!!」
「はぁあ??なんだよ、そのわけわからん説明口調は。知らねーよそんなやつ!!
俺が言いたいのはエリア88という外人部隊所属のシン=カザマのことなのか、ってね!!!」

「………うざーい」

「「……ステラがシャニに早変わりっ!!!!」」
「してたまるか」


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