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シリアス13


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その時、ステラはまさしく覚醒の寸前だった。

意識が浮上するのにほんの刹那先んじて、怒号が空気を震わせる。

「起きろ! 走れ!」

変声期の少年のような声をからして、シャニがこちらの肩を掴んで無理矢理起こそうと
するのがステラには分かった。その指先を強ばらせる緊張は尋常ではない。

瞼を開く間もなく緊急事態を悟らされたステラが瞠目した瞬間、
爆音にも似た音を立ててうろの天蓋が吹っ飛んだ。

「――っああああああ!?」

ただ驚いてステラは絶叫した。何が起こったのか分からない。

全身に衝撃が――ちょうどラボの訓練で高圧の放水を受けた時のような――
叩きつけられ、身体が浮き上がり、そして地面に投げ出される。

(……痛い! なに!?)

混乱しながらも、とにかく足元に地面の感触を見つけると、ステラは方向も確認せずに
駆け出した。そしてそれは全くもって正しかった。

物体が高速移動する際の奇妙な音と共に、
ステラの背をかすめて巨大な金属が大地に打ち下ろされる。

次いで起こった地震に足元をすくわれながらも、
ステラはその金属塊の「振り下ろしたもの」を見た。

(……なにこれ)

そこに居たのは、あまりにナンセンスな金遣いの産物だった。

まず全高がありすぎた。優に15メートルを超える巨体は、ステルス性をというものを
力いっぱい殺していた。被弾面積も大きく、砲撃の的にしか見えなかった。
加えてあちこちに可動部分が見受けられた。それはむしろ人間の「関節」と呼んだ方が
適切な代物であり、構造上の弱点を少なくとも11個は持っていた。
更に、最悪なのがその「手」だった。それはたった今振り下ろした金属塊――馬鹿の
ように巨大なサーベル――を「握って」いたのである。

実に無駄だらけの物体だ。少なくともそれが兵器として運用されるものである以上、
それは至るところに設計思想から始まる欠陥を抱えていた。

しかし、その無駄だらけの物体が、こんなにも脅威的に見えるのは何故だろうか。

「走れっつってんだろ! 早く行け!」

ガガガガガ、とサブマシンガンの銃弾を撒き散らしながらシャニが叫んだ。

どうしてそんなところに牽制を、と思ってステラが顔を向けると、木々の間から例の
国籍不定の集団が突撃してくるのが見えた。テロリスト。

もう一度、ステラは眼前の無駄の塊を見上げた。塊は地面にめり込んだサーベルを
引き抜こうと、両手でその柄を握ったところだった。

ようやくステラは事態を正しく認識した。

目の前にあるのは、モビルスーツ・ジンに他ならなかった。

「――ひっ」

喉が勝手に変な音を出す。
無駄だらけであろうとなかろうと、目の前の鉄細工が脅威に見えるのは当たり前だ。

何故なら事実としてモビルスーツとは現在この世で
最も確実に任務を果たす兵器であり、そしてその任務とは、

(あ、無理……ころされる)

この自分の抹殺に他ならないからだ。

ジンがサーベルを引き抜いた瞬間、ステラの緊張は恐怖になって爆発した。

「あ……ああああああああ! あああっ! いやあああああああ!!」

滅茶苦茶な叫び声を上げて、ステラはもつれる足で駆け出した。

背後のテロリストが、散発的な銃撃を放ってくる。狙いをつけずとも当たりそうな
距離だが、木が邪魔をしているのか着弾の音は遠い。

ふとすぐ側で、ちっ、という舌打ちが聞こえた。シャニがいつの間にか併走していた。

「嘘ばっか! この装備でどこがテロリストだって……!?」

言うなりステラの背中に腕を回すと、こちらを半ば抱えるようにして加速する。
人間に出せる速度ではなかったし、エクステンデッドに出せる速度でもなかった。

勢いに押されて、ステラはほとんど宙を踏むように疾走した。

どん、どん、と1秒ごとに地鳴りを響かせ、ジンが不気味に追ってくる。

(い、嫌――嫌だ、嫌だ、来ないで、こっち来ないで!)

肩越しに振り返った先に、装甲に覆われた巨大な「足」を見つけ、
ステラは泣きたいような気分になった。あの冗談のようなサイズは、何なのだ。

そう思ったのも束の間、ジンが走りながらサーベルを振り上げた。
咄嗟に、ステラは傍らのシャニの胴に飛びついた。

「シャニ避けてぇ!!」
「!?」

たまらず横転するシャニとステラの頭上を、暴風を撒き散らしてジンがなぎ払う。

ステラは必死でシャニにしがみ付いたまま、ごろごろと地面を転がり、そのまま側に
あった樹木に激突して停止した。
ステラは即座に起き上がろうとし――

――ガガガガガガガガガガガ!!

「ぐっ……あああ!?」

銃声と共に、突然ステラの頬と左肩がかっと熱くなった。
思わず肩を手で押さえて前のめりに倒れると、途端に熱さは痛みに変わる。

痛い。撃たれたのだろうか。反射的に悲鳴をかみ殺す。

「――!」

シャニが何事か、言葉にならない声を発する。

彼は片手でサブマシンガンを構えると、大きく腕を振って弾丸をばら撒いた。
そのまま残った手でステラを抱き起こし、肩を貸しながらまた走り出そうとする。

だが、それはいささか性急な動作だった。

「あっ!」

踏みしめようとした地面が滑り、がくんとステラの膝が落ちる。
右腕がシャニの肩からずり落ち、胸からステラは地面に倒れた。一瞬息が詰まる。

目を見張って振り返るシャニの顔は、焦燥に引きつって少し歪んでいた。

そして更に、駄目押しの追い討ちがくる。

ぼと、ともっさりした音がして、ステラの鼻先に何かが落ちてきた。

濃いカーキ色をした、女の握り拳くらいの球体である。表面にはくっきりと凹凸が
刻まれており、ちょうど“パイナップルにそっくり”だった。

(……手榴弾(ハンドグレネード)!)

ステラは悲鳴を上げようとしたが、そんな暇はなかった。

シャニが、何か叫びながらパイナップルもどきを蹴り飛ばした。
そうして、倒れ込むようにステラの上に覆いかぶさってくる。

炸裂音と共に閃光が瞬き、逆行で彼の表情は見えなかった。

彼女の意識はそこで断絶した。




一般的には誤解されがちだが、
手榴弾は本来、炸薬の爆発によって標的を殺傷する訳ではない。

『……か?』

というのは、これは元々、爆発の際に方々へ四散する金属片によって、
目標を「切り裂く」兵器なのである。
有効範囲は環境にもよるが、大抵は周囲およそ15メートル。

『分からん。ぎりぎりで蹴飛ばしたように見えた』

レバーを引き抜いてから爆発するまでが数秒しかないことを考えると、
効果範囲外へ逃げるのはなかなか難しい。

しかし、実はこの兵器には「抜け穴」が存在する。

『男の方は? あいつが銃を持ってただろう』
『さて……ああ、小さい方は生きてる。気絶してるみたいだ』

これの炸裂範囲は真上から見ると円形をしているが、水平に眺めると扇状をしている――
つまり、地面ぎりぎりのところで身を伏せていれば、意外と避けてしまえるのだ。

ゆえにステラも、もし手榴弾による攻撃を受けた場合、
必ず3メートル以上離れてから地面に這いつくばれ、と教わっていた。

『肩の傷は……さっき俺が撃ったやつか。ふうん、泣かせるねえ、こいつも』
『おい、止せ。まだ生きてたらどうする』

そう、“必ず、3メートル以上離れてから”、である。

『なに、この状態じゃどうしようもあるまい』

――誰かが話している声がする。

ざくざくと不規則に草を踏み分ける音が聞こえる。4人、いや5人ほどいる。
そのうち1人は足を引きずっており、手傷を負っているのが分かる。

『ふん……手こずらせやがって。こいつら本当にナチュラルか?』

そのびっこを引いている1人が、そう呟きながらステラの側に身をかがめた。

先程から彼らが使っているのはどこのものとも知れない外国語なのだが、
何故だかステラには理解できた。どこで聞いたものかは覚えていない。

『そりゃそうだろ。オーブじゃあるまいし』
『馬鹿馬鹿しい。そうやっていつまでもこだわってるから』

忌々しそうに吐き捨て、手傷の男が再び腰を上げる。
彼はやりづらそうに数歩進むと、じゃり、と恐らく何かを踏みつけた。

『こんなことになるのさ。世話ねえよ』
『止せと言ってる、チャニス』

リーダー格らしき1人が、咎めるような口調で言った。チャニスと呼ばれた男が、
ふん、と不満そうに鼻を鳴らす。傷を受けて気が立っているのだろう。

『まあまあ、いいじゃないか、何とかなったんだから。
そう苛々しなさんな、チャニス。隊長も』

そんなふうに苦笑しながら、1人が立ち込めかけた険悪な空気を打ち払う。
言い方がスティングに似ている、とステラは思った。彼はいつもこんなふうに仲裁する。

そう思った途端、ステラはぴくりと指先が不随意に痙攣するのを感じた。

『……そうだな。時間も惜しい。各自、速やかにこの場を処理せよ。
通信機の類はあれば潰せ。偵察かも知れん』

急速に意識が浮上する。

『了解』

4人の声が唱和し、次いで誰かがステラの肩に手をかけた。

そのまま仰向けに転がされる。すると、うわ、と驚いたように誰かが呻いた。

『おいおい、勘弁してくれ、子供じゃないか』
『何だって?』

虚をつかれた様子で、「隊長」らしき者が呻いた男を問いただす。

頭の近くに居る男が、両手でステラの頬を挟み込んで、無理矢理ぐりぐりと首を回す。
ステラの顔を確認しようとしているらしい。夢うつつにステラは眉を寄せた。

『子供だよ、女の子。赤道連合は少年兵を使ってるのか?』
『そんな筈は……ちょっと、どうします、隊長。捕虜にしますか?』

困惑したような空気が、男達の間に広がりつつあった。予想外の出来事に
戸惑ったような、どこか怖気づいたような物腰だ。

『いや、捕虜を取るような余裕はないぞ……本当に子供なのか?』

「隊長」の口調にもためらいが混じる。
何を躊躇しているのだろう、とステラは顔を横に倒されたまま、薄く目を開けた。

男達のものらしき電灯の光に照らされ、ぼんやりと何かの陰影が浮き上がる。

『本当ですよ。可哀相に、だからこんなに小さかったんだ』
『待てよ、お前ら、変な気を起こしたんじゃないだろうな。そいつは敵だぞ』

とんでもない、というような「チャニス」の声。

不鮮明な視界の中に、その「チャニス」のものらしき、大きく血のしみが広がった
ズボンが立っているのが見える。ズボンは、どん、と傍らのものを蹴飛ばした。

『こいつに何人やられたと思ってる? 子供だから何だ。関係あるか』

喉が引き攣れるような、攻撃的なトーンだった。

男達が沈黙する。場の緊張を反映してか、ゆらゆらと不安定に揺れる電灯の中で、
ステラはじっと目の前にある影に目を凝らした。

「――」

そしてすぐに理解した。
今まで「チャニス」が踏みつけ、蹴り飛ばしていたものが何だったのかを。

(あ……)

ステラは声が出なかった。

うつ伏せに倒れた背中は、いつ背嚢を落としたのか、衣服が破れてあちこち地肌が
露出していた。そして露になった部分からは、ぱっくり裂傷が走って血が流れている。
肩の周辺が特に酷い。手足も所々に直線的な傷が入っていて、そこからも出血している。

(あああああああああああ……)

思考の言語化が困難になり、頭の中がその音で埋め尽くされる。

ステラは恐怖した。歯の根が合わなくなる。四肢の先が瘧のように震えだす。
シャニ、とステラは唇だけ戦慄かせて呼びかけた。返事などない。
全身を脱力させた彼は、完全に意識を喪失している。

ちっ、と「チャニス」が腹立たしげに舌打ちした。

『……ええい、これのどこが可哀相な子供だ! 見ろ、敵の顔をしているだろうが!』

言うなり彼は足元に手をやると、乱雑にシャニの長い前髪を鷲づかみにした。
そのまま勢いよく腕を引き、仲間に持ち上げた頭を見せようとする。

実は存在したらしいシャニの左目の、閉じた瞼のふちをつっと一筋血が流れ、
ステラは総身の肌があわ立つのを感じた。

「――おまえェエ!」

腰からナイフを抜き放ち、ステラは腹筋だけで飛び起きた。

呆気に取られて固まっている「チャニス」に突進し、勢いを乗せた刀身をその腹に
叩き込む。苦痛の絶叫。どさりと再びシャニの身体が地面に沈む。

刃を引き抜きながら振り返り、ステラは敵の陣容の見た。
右手に2人。正面に1人。左手に早くもライフルを構えかけたものが1人。

「うわあああああ!」

ステラは迷わず左に踏み込んだ。

二足で距離を詰め、水平に伸びた銃身を左脇で挟み込み、腕を巻きつける。
ナイフの柄で相手の親指を殴り、力が緩んだ隙にステラはそのまま銃をもぎ取った。

(構えて撃ってたら間に合わない……!)

今度は正面の1人が発砲寸前であることに気付き、ステラは銃身を握ったまま
その男に突っ込んだ。細長いライフルを振り上げ、相手の頭に打ち下ろす。

がつんという音。男が倒れる。

銃身の状態を確認している暇はない。ステラはチアリーディングのように掌で
くるりとライフルを回すと、両腕で構えて引き金を引いた。

先程右手側に立っていた2人が、硬直して何もできないまま連なって倒れた。

中腰のまま、ステラは最後の1人に半身で向き直った。
ひたりと銃口を突きつけると、慌てたように男が両手を掲げる。

『ま、待ってくれ、俺はお前を殺すつもりは――』

知ったことではない。

(うるさい、お前は、敵だ!)

たんたんたん、と存外軽い銃声と共に、最後の1人にも銃弾が食い込む。

その男が転倒するのも確認せず、ステラはシャニの側に駆け寄った。

「シャニ……!」

彼の傍らに膝をつき、縋るように手を伸ばしかけて、咄嗟に思いとどまる。
裂傷は至るところにあった。抱き起こしたいのに、どこを持って良いか分からない。
止血をしなければならない。何か巻くものが欲しい。清潔な布が。

いや、それより早くこの場を離れた方が良いのだろうか?

「シャニ、シャニ……起きて、逃げなきゃ、シャニ!」
唯一目立った外傷のない彼の頬を叩いて言うが、それが無理な注文であることは
分かっていた。この深手では覚醒しても歩けまい。

(連れてってあげなきゃ――)

そうステラが思った時、すぐ近くで何かスピーカーが発する雑音がした。

『――隊長、隊長? どうしたんです、何があったんですか?』

はっとしてステラが振り向くと、先程倒した男の側に、随分アナクロなトランシーバー
らしきものが転がっていて、ちかちかと光を点滅させていた。

(しまった、まだモビルスーツが!)

忘れていた。要するにこの男達は随伴歩兵なのだ。本尊がまだ控えている。
ステラは急いで転がったままの電灯を消すと、トランシーバーを明後日の方向に投げた。

『ほ、ほら、見ろ……これのどこか、可哀相な、こ、ど、も……』

途端に舞い戻ってきた暗がりに、誰かの断末魔が消え入っていく。

ステラが目が慣れるのを待っていると、やや遠くでジンが動き出したのが聞こえた。

(落ち着け……落ち着け。怖くない、怖くない、怖くない……)

胸に拳を当て、ステラは大きく肩を上下させて深呼吸した。
倒れている男達の横にひざまずく。全員がバックパックを背負っていることを確認すると、
ステラはその中を探り始めた。そして、探りながら自問した。

何をする? 何をすればいい?

自答する。

(ジンの、足止めを、しないと)

破壊は無理だ。ならばせめて安全圏に逃走するまでの時間を稼がなくてはならない。

ステラは必死に考えを巡らす。ふと、男のバックパックから手榴弾が転げ出た。
一つ二つではない。別の男の背嚢を開けると、そこにもあった。

(こいつも持ってる。こいつも。いっぱいある)

ステラは手榴弾を握り締めて凝視した。
ふと、瞼の裏にブドウの房の映像が浮かぶ。

(――そうだ。あいつだって、人の形をしてるんだから)

ステラは先程見咎めた、ジンの「構造上の弱点」を脳裏に思い描いた。

地鳴りが近付いてきていた。仲間を探しているらしく、鈍重な歩みではあったが。
迷っている暇はもうなかった。ステラは手当たり次第に手榴弾をかき集めると、
それを両手で抱えて手近の木の陰に身を隠した。

(確か、パックの中に……あった!)

自分の背嚢をひっくり返し、目当ての物を見つけ出す。
金属製のワイヤー。それが2本。ステラは1本でピンを、もう1本で手榴弾本体を
全て繋ぎ合わせると、木陰からジンの方をうかがった。

(遠すぎる……そっちじゃない!)

舌打ちしながらステラはジンを罵った。

草陰に紛れつつ、ジンの側面へ回り込む。ジンはゆっくりとだが、確実にシャニの方
――もとい、男達が倒れている方へ近付いていく。

(!)

不意に、かっと目の前が明るくなった。

ジンが照明を点けたのだ。スポットライトのような明かりが、うろうろと
手探りするように地面をさ迷う。

ステラは絶叫して逃げ出したくなる衝動に、歯を食いしばって耐えた。

(あと少し)

まだ早い。まだ遠い。

不規則に蠢いていたライトの動きが、ふと止まる。ステラはワイヤーを握り締めた。
円形に照らされた光の中に、倒れている男の足先が浮き上がる。

(あと少し――)

ジンが、それをよく見ようとしたのか、片足を踏み出して身をかがめた。

「……あああっ!」

ステラは木陰から飛び出した。ピンごと巻いたワイヤーを引き抜く。

一瞬、ジンのカメラアイがこちらを向いたように見えたが、定かではない。
ステラは野球のピッチャーのように腕を引くと、渾身の力で手榴弾の塊を投擲した。

狙い違わず――

(当たれ!)

投擲物は、ジンが踏み出した膝関節に吸い込まれた。

閃光が弾ける。

金属同士が滅茶苦茶にぶつかり合う、筆舌に尽くし難い轟音が続く。
ジンの巨体ががくんと揺らぎ、膝がおかしな方向へ湾曲する。
体勢を崩し、ジンはそのまま横倒しになった。

「くっ」

粉塵が巻き起こり、ステラは腕で顔を覆った。

人の形をしている以上、骨格の弱点は人のそれに準ずる。
ジンは自分の体重で、それが圧し掛かった膝を破砕させたのだ。

しばし虚脱して、ステラは肩で荒い呼吸を繰り返した。
だが、すぐにはっとなって顔を上げる。

「……シャニ!」

ステラはシャニの元へ駆け戻った。

ジンを横転させたところで、時間稼ぎに過ぎない。
恐らく今の音が他の敵にも聞こえている。すぐに仲間が集まってくる。

一刻も早くこの場から脱出しなければならなかった。
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