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それは見事に母さんの腹に命中し、内臓を引き裂き、なんと貫通までした!!
母さんは苦しそうに顔をゆがめ、少年(イヴ)が腕を引き抜くと、地面に倒れ、血を吐いた。
「か、母さん!?」
「これはお前の母さんじゃねぇ!アベリシア=ダンドール=ムディア!!」
僕はかちんっときたので、そいつの腕を掴んで、
「これは僕の母さんだ!!それにっ僕の名前はアダムだ!そんな長ったらしい名前じゃない!」
と言ってやった。すると、少年は目を瞬かせ、ケレート医師を睨んだ。
「お前、ディスケンス・・・・・・・まだ、話してなかったのか?」
「いや、その、すまん・・・・まだ話してない」
少年(イヴ)が溜息をついた。
「兎に角、ここから一旦出るぞ。こいつも何時か回復するしな」
「あ、あの。イヴ・・・・・・・さん?」
すると、少年(イヴ)はあぁ、そうか、といって右手を前に差し出したが、血まみれだということに気付き、直ぐに引っ込めた。
「俺はイビリフィア=ナインシュタイン。長いから、イヴでいい」
「イビリフィアでも、いいの?」
僕は母さんを踏まないように気をつけながら物置き場から出た。
「好きなように呼べばいいさ」
「じゃ、じゃぁ。イビリフィア!!」
「そうゆうことは、後でな」
「じ、自分が言ったんじゃないか・・・・っ」
僕はイビリフィアとケレートの後についていった。
 着いた場所はなんと二階の階段下の物置だった!!
「へぇ、1階の部屋といい。最高の秘密基地だね」
これは嫌味だ。流石にケレートは眉を顰めたが、イビリフィアは「だろ!?」とかいっていた。嫌味が通じないらしい。
「じゃ、話すぞ。どっか座れ」
「何処に座れって言うのさ」
僕はもんくを言いながらも、近くにあった手術用の台の上に腰掛けた。
「うし。まずはお前の正体からだ。昨日、お前は妹を襲おうとしただろ?」
「うん・・・・ねぇ、あの化け物は・・・・・僕なんだよね?」
「化け物なんかじゃないさ。あれは、闇に生きる生き物だ。最も汚れ無き生き物とも呼ばれている」
そして・・・・とイビリフィアは親指を立て、自分に向けた。
「俺もその生き物だ」
「・・・・・・ねぇ、それは、なんなのさ?いったい・・・・なにを・・・」
「俺たちだって人間なんだ。人間が、ちょろっと神様の手違いでこんな形に生まれてきただけなんだよ。そうだろ?ケレート」
ケレートが頷いた。
「俺たちはヴァンパイアだ」
目の前がクラッとした。まさか、まさかまさかヴァンパイアがいるなんて思っても見なかった。本の中とか、映画とか、そんな中でしか信じてなかった。だけど、今、否定は出来なかった。なんせ、自分自身が経験したのだ。ミディアを襲おうとした僕は、ヴァンパイアだったのだ!!
「で、でも・・・・な、なんでヴァンパイア?てゆーかヴァンパイアになるにはヴァンパイアに噛まれなくちゃいけないんじゃないの?僕、噛まれてないよ」
そういったら、イビリフィアもケレートも笑い出した。
「それは、本や映画の中の話だろ?ククククッ、アダムって最高だな」
イビリフィアが一回背伸びをしてみせた。
「ヴァンパイアって言うのは、そうだな。いろいろな方法で仲間を取り入れる。お前の場合はもともとだな。これは後で話す。他には血を注ぐや、遺伝だな。遺伝といってもヴァンパイアは子供が産めないから、別の生き物からその子供に遺伝させるといった方法だ」
「な、どうやって遺伝させるの?」
「知りたいのか?まぁ、この話は今度してやるよ。今話すことじゃない」
僕は眉を顰めた。イビリフィアはそんな事は気にせず、話を進めた。
「俺たちヴァンパイアは、人間が生まれたころからある者達と戦ってきたんだ。この世で、最も汚れているものだ。俺たちと、正反対の奴らでな。奴らは子供をつくるから、厄介なんだよなぁ・・・な?ケレート」
またもケレートが頷いた。
「で?そいつらって誰なの?イビリフィア」
「・・・・・お前の家族全員だ。お前を抜いてだがな。アダム」
アダムが目を見開いた。
「ちょ、まってよ。僕の家族はなんなのさ?戦ってきたって・・・・なんで?僕の家族は、人間だよ」
変な汗が頬をつたった。
「お前の家族は・・・いや、お前の母親は・・・・天性の悪魔だ。そして、妹も父もその血を受け継いでいる」
「な、なんだよそれ・・・・・で、でも、し、信じない!そんな事!」
「アダム。お前見たろ!?心臓病を患ってるあの母親がっ一日であんなに元気になるわけ無いんだよ!あれは死なないんだ!!俺たちでも殺せない!本当の悪魔なんだぞ!?」
イビリフィアが僕の肩を持ち、揺さぶる。僕の目には涙がたまっていた。
「うそ・・・だ・・・・・そんなの、絶対・・・うそ・・・・だ・・・」
「アダム!!あの悪魔達は、色々な手段で仲間を増やす。子供を産んだり。交尾したり。ヴァンパイアと同じく血を流しいれたりもする!俺らはそれらと戦ってきた!アダム!お前もだ!ヴァンパイアになった今、お前もあの悪魔達と戦わなければならない!」