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「やっぱり、戦わなくちゃいけないの?」
僕は腰から包丁を取り出し、かまえた。
「でも、殺すことなんて・・・できないよ・・・母さん」
「あいてに、そんな情はないぞ」
イビリフィアにきつい一言をいれられてしまったが、それでも僕は、母への情は捨てることが出来なかった。
母さんの短剣と僕のナイフがぶつかり合った。僕は母さんの腕を足で蹴りつけ、短剣を落とそうと試みたが、反対に母さんに足を持たれ、壁に投げつけられてしまった!
なんだ!?この力は。本当に母さんは、悪魔なのだろうか?
アダムは急いで起き上がり、母親の攻撃をかわした。アダムが母親の足を引っ掛け、地面に倒れこませた。母さんの顔が歪んだ。痛いなら、悲鳴ぐらい上げればいいのに・・・。
「アダム。そいつは死なねぇからな。どんどん刺せ」
無理だよ、とアダムは苦笑いを浮かべた。
アダムは母親の攻撃を、かわしていった。
「イビリフィア。母さんの名前って、エレンであってるのかな」
「あってるわきゃねーだろ。エレンってここに居るときの名前だろ?」
「じゃ、あ、本、名って、何?」
すると、答えはケレートから返ってきた。
「サタン=エリザビレートだ」
「サタン・・・か」
本当に、悪魔なんだね・・・・母さんは・・・。
サタンの短剣がアダムに向けて振り落とされた。が、アダムはその腕に包丁を貫通させた!!
その頬には涙が伝っていた。
「もう、母さんじゃ、ないんだよね・・・・?」
次の瞬間、なんとサタンが口を開けた!
『う゛・・・・・うぅ・・・・アダム・・・・・・・私の・・・・愛しい・・・・・子・・・・』
「!?」
それは間違いなく母さんのこえだった。
「母さん・・・・?」
アダムは包丁を持ったまま、サタンに近づいていった。
「母さん、なんだよね?やっぱ、母さんなんだよね!?」
「馬鹿!!アダムっ近づくな!!」
「え・・・・・?」
すると、アダムは突然激しい痛みに襲われた。
サタンを見ると、サタンの手が、自分の腹に向かって伸びていた。そうだ、サタンの腕が僕の腹を貫通したのだ!!アダムは血を吐き、その場に倒れこんだ。

                            :四夜目 不安と慰め

僕が目をさめたときは、あれから四日立った日のことだった。あれからどうなったのかイビリフィアに聞いてみた。どうやらサタン(母さん)は逃げたらしい。その後僕はケレートに治療してもらい、助かったらしい。貫通したときはもう駄目かと思ったらしいが、ヴァンパイアの血も流れているから完治が早かったらしい。
僕は、ゆっくりとベッドから起き上がった。顔をあげると、天井に血がしみこんで取れなくなった僕の服が干してあった。多分、イビリフィアが洗ってくれたのだろう。
 ふと、僕はイビリフィアの話を思い出した。僕がヴァンパイアで、それで悪魔の血も流れていて。母さん達は完全に悪魔の血が流れていて、僕たちは、敵対する運命だってこと・・・・。
僕は胸あたりに手を置いて、目を瞑った。現実から逃げたいと思った。
「でも、逃げられない運命なんだよね・・・・・」
怖い。苦しい。悲しい・・・・。アダムの頬を涙が伝った。
今、逃げ出したらどうなるのだろう・・・?いや、駄目だ。イビリフィアに見つかる。その前に、僕を守ってくれた人を裏切るなんて出来ない。
「こういう・・・・甘い考えが、駄目なんだよな。僕は・・・」
「そうそう、その考えをどうかしねーとな」
アダムが顔をあげると、イビリフィアが入り口に立っていた。
「・・・泣いていたのか?アダム」
「・・・・・・・・・・ゴメン」
イビリフィアが僕のベッドの横に、椅子を持ってきて座った。
「何で誤るんだ?」
「だ、だって・・・・僕が、あそこで母さ・・・サタンに近づいていかなければ、こんな・・・・・ふうには・・・」
イビリフィアが僕の頭をなでた。
「おま・・・・アダムはまだヴァンパイアになったばかりだ。戦い方だって、敵だってわからないんだ。しかたないよ、それは、しかたないことなんだ・・・・」
「イビリ・・・・・フィア・・・・・・っイビリフィアぁっ」
「あーよしよし」
僕はイビリフィアの腰に腕を回した。
今だけ落ち着ける場所がほしかった。慰めてもらえる場所がほしかった。
「僕、怖いんだ・・・・、すっごく、ヒックッ。怖くて、ふ、ふあ、んで・・・・・」
「俺だって最初は怖かった・・・」
僕はイビリフィアの腰に回している腕に力を入れた。
「母さん、たちが、敵に回ってっ・・・・ぅ、なんで、こう、なった、んだろう・・・・・」
「・・・・アダム、こんなときに悪いんだが・・・・お前の妹も、覚醒が始まった・・・・」
アダムが無意味に首を横に振った。
「もう、嫌だっ嫌だよぉっ。こんな、こんな苦しいのは嫌・・・・・・・・」
イビリフィアが優しく、僕の頭をさすってくれた。
「大丈夫だ。絶対、なんとかなる・・・・お前は、アダムは俺が必ず守ってやっから・・・」
僕は涙を拭きながら首を縦に振った。
「・・・・っでもっ、イビリフィアは、なんで、そう・・・初めてあったばかりの僕に、そんなに優しくしてくれるの?」
「気になるのか?そんなことが?」
「だ、だって!!僕はまだ、自分のことも守れないただの・・・なのにっ・・・足手まといに、なるだけで・・・」
「アダムは、俺にとっても、ヴァンパイア一族にとっても運命の人になるんだ。だから、皆、お前を命がけで守ろうとするんだ。勿論、俺や、ディスケンスもな」
僕は顔をイビリフィアの顔からずらした。
「僕は、そんな命がけで守ってほしいわけじゃないんだよ・・・・?ただ・・・・」
「ただ?」
「家族を帰してほしいだけなんだよ・・・・」
イビリフィアの表情がいっきに暗くなった。
「それは、出来ないんだよ・・・・一度悪魔の手に落ちたものは二度と這い上がってこれない・・・それが、神でない限り、不可能なんだ・・・」
アダムが涙がたまった目で思いっきりイビリフィアをにらみつけた。
「神様なんて、信じてるの?」
「あぁ。信じてるさ」
「神様なんて、なにもしてくれないのに!?僕の全てをうばったのに!?」
「それが、神様の決めた運命だ」