「機動戦士GUNDAM SEED―Revival―」@Wiki

第9話「ジェス・リポート」プロット

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○Aパート
大戦後、ジェス・リブルはオーブに本社を構えるとある大手新聞社で、カメラマン兼記者をしていた。
フリーの戦場カメラマンとして数々の賞をものにしてきたジェスだが、自らのガンダムの保全経費(整備費・倉庫費など)もあって、日々の生活は苦しい。
そこでジェスは以前から親交のあった編集長のツテでその新聞社で国際部の契約社員として勤めていた。
常に真実を求める姿勢だけでなく、数々の功績や数ヶ国語を余裕で操り、海外事情にも詳しいジェスの力量が大きく見込まれたのだ。
日常は国際ニュースの翻訳・執筆に関わる一方、事あらばカメラ片手に海外に飛び出す気構えでいるジェス。
しかし最近は治安警察・情報管理省の検閲が厳しい事に、ジェスも含め周りの同僚はぼやいていた。
ジェスが撮った先のシドニーのデモ隊発砲事件の現場写真も、いくつかも『報道不許可』と判断され、お蔵入りになったのだ。
大戦後、いくつかの紛争や反乱は起きたものの世界は一応平和への道筋を歩んでいる。
そうジェスは考えていたが、最近は何か釈然としないもの胸中にあった。確かにオーブは有数の列強国になり、平和になった。かつてのように他の列強の思惑に振り回され、戦火を浴びる事もない。
だが同時にオーブが、世界が何か変だとも感じていた。統一連合情報管理省による検閲もそう思わせる原因だった。
そんな時、一通の手紙がジェスの元に届く。
メールが主流のこの時代に何とアナログな、と思ったジェスは差出人にソキウスの名があったのを見てハッと気づく。つまりその手紙はアメノミハシラから、つまりミナから来たことを意味していた。
一見、何でもない不器用な季節見舞いに読める内容だったが、ある仕掛けがしてある事をジェスは見抜く。それを解いた時、ジェスはミナが自分に接触を求めていることを知った。


○Bパート
その頃、統一連合議会では主席カガリと議会の審議がなされていた。
議題は「主権返上法案」についてである。「主権返上」とは各国の自治権を統一連合に返し、名実共に地球圏に統一国家を建設しようというものである。
統一連合政府(中央)に対して、各国は行政府(地方)となり統一連合政府の指示・決定の元、各地の政治を司る事になる中央集権型国家だ。
現在でも各国は統一連合中央政府による内政干渉を大きく受けているが、軍事や外交権は未だに各国の手にある。そのため大戦後も紛争や内乱などが発生している。
そこでそれを防ぐために、軍事や外交の大権も取り上げようというのだ。
世界が等しく統一連合の理念の下に収まれば、今度こそ父ウズミが目指していたオーブの理想『他国に侵略せず・他国の侵略を許さず・他国の争いに介入しない』の具現化、すなわち戦争のない世界が作れる。
カガリはそう信じていた。
だが3年前に出された法案にも関わらず、その審議・採決は反対派の激しい抵抗にあい幾度も挫折していたのだ。

主権返上に賛同する国々と反対する国々で議会は三つに分かれている。
賛成派の中心は親オーブで名立たるスカンジナビア王国、赤道連合、 大洋州連合ら。
CE75年に初めてこの法案が出てきた時、真っ先に主権返上を名乗り出た国々である。
彼らは速やかに法案を可決、施行すべきとオーブと共同歩調を取っていた。
対する反対派の中心は大西洋連合を初めとする旧連合陣営の国々。永続的にオーブの支配下に置かれるのではないか?と警戒感を露にしていた。
そしてその他の国々は中立派となっていた。アメノミハシラもその一国だ。
この中立派の存在で、どちらも過半数を制する多数派が構築できないでいた。

カガリは自身の理想、父ウズミが夢見たオーブの理想を説くが、反対派には通じない。むしろ反発と警戒感をむき出しにしている。
そんな賛成派と反対派の激しい応酬を見ながら、ミナはつぶやく。「まるで子どもの喧嘩だな」と。
互いが互いの立場に立てない現実が、議会をより空しいものにしていた。

夕刻。
世俗が争いに明け暮れる中、海の見える丘に立つ屋敷のベランダにはキラとラクスが、海に沈む夕日を眺めていた。孤児院にいた頃と同じように穏やかに。

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