040.足元注意
「そうか、そのような事態になっておったのか…」
首都西部に広がるオークの森と飛ばれるエリアを北へ抜け、子バフォと♂ローグは歩いていく
「ああ、薄気味の悪ぃ白服につれてこられてこのザマだ」
一通りの説明を終わらせ、ローグは満足そうに久方ぶりの紫煙を吐き出した
「しかしなんなんだここは?太陽はねえしモンスターもほとんど見当たらねえ」
先ほどの森の中にも何時もならハァハァと煩いオークが一匹も見当たらなかった
そのせいでオークの森だということが全く判らなかったのだ
そのせいでオークの森だということが全く判らなかったのだ
「そうだな、恐らくここは何者かが作り出した仮初の世界であろう。親父殿ならこういった空間についても詳しいのだろうが」
何しろ現在の神が世界に降臨する前からの住人だからな、とバフォJrはさも自分のことのように胸を張る
「まあ小難しいことは俺にはわかんねえが、」
そんな姿に苦笑しながらローグが言葉を紡ぎかけたとき
「……!止まれ!」
びゅおん
重く鋭い何かが鼻先を掠め、ローグが咥えていたタバコを切り落としていった
「!?!?!?」
すかさず何者かのニ撃目。間一髪で身を引いた♂ローグの目の前を血に濡れた斧が横凪ぎに通り過ぎる
「なんだってんだ畜生っ!!」
「…………」
「…………」
ゆらり、と亡者のように……不気味なオーラを纏った男が一人と一匹の前に立ち塞がった
その男……♂BSは一切の感情を顔に表さず、斧を振り上げた
先刻血を吸ったばかりの禍々しい斧が、更なる血を求めてありもしない太陽の光で妖しく輝く
その男……♂BSは一切の感情を顔に表さず、斧を振り上げた
先刻血を吸ったばかりの禍々しい斧が、更なる血を求めてありもしない太陽の光で妖しく輝く
(ブラッドアックス……しかもオーラ付きだと!?)
三度振り下ろされる死の斧を今度もギリギリでかわす♂ローグだが、髪が数本斬り飛んだ
♂ローグは身のこなしには自信があった。だがBSの攻撃はまるで機械のような正確さでローグを追い詰めていく
♂ローグは身のこなしには自信があった。だがBSの攻撃はまるで機械のような正確さでローグを追い詰めていく
「冗談じゃねえ!」
四度目、かすめた斧の刃が浅くローグのジャケットを切り裂いた
かわし様に足元に居たバフォJrを抱えると、♂ローグは大きく跳び退りBSとの間合いを開ける
それを見ても機械のような無感情さで斧を構え突撃する♂BS
かわし様に足元に居たバフォJrを抱えると、♂ローグは大きく跳び退りBSとの間合いを開ける
それを見ても機械のような無感情さで斧を構え突撃する♂BS
「しっかり捕まってろ、子バフォ!SPが尽きるまでやるぜ!」
「何をするつもりだ!」
「……逃げるんだよォォォォ!!」
「何をするつもりだ!」
「……逃げるんだよォォォォ!!」
ローグはそう叫ぶと鬼のような速度でバックステップを連打した
当然それを追うBS。だがバックステップのほうが遥かに早い!
当然それを追うBS。だがバックステップのほうが遥かに早い!
(よし、このまま逃げ切れば)
「愚か者!前を…ではない後ろを見ろ!」
「愚か者!前を…ではない後ろを見ろ!」
バフォJrの切羽詰った声
だがそれに♂ローグが気づいた時には
だがそれに♂ローグが気づいた時には
すかっ
「へ?」
足場が
「へ?」
無かった
「おわぁぁぁぁああぁぁぁぁ!!!」
「だから言ったであろうが愚か者ぉぉぉぉぉぉ!!!」
「だから言ったであろうが愚か者ぉぉぉぉぉぉ!!!」
絶叫を上げながら、重力に引かれて♂ローグとバフォJrは海の中へと没した
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