バトルROワイアル@Wiki

2-039

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匿名ユーザー

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039.伝説のクホり師


断崖絶壁のすぐそばに灯台がある。
そしてその上で一人の男がタバコを銜えたそがれていた。

「クホホ・・・・・・ついに俺もこんなところに駆り出されちまったか」

妻の顔がもう一度みたい。
そして昔、戦闘BSを目指すという勘当した娘にももう一度会いたい。
もう一度会うことができたらあの時の事を詫びたい。

「あいつ元気してるかなぁ・・・・・・」

幾多の冒険者達の武防具をクホっても罵倒や怨嗟の声を浴びても
悠然としていた鍛冶屋の姿は実はナイーブな一面もあるのだ。
最もこんな状況下だからなのかもしれないが・・・・・・。

「あいつワンパクだったからな・・・・・・」

子供の頃から姉御肌で近所のガキ大将をやったりしていた。
そのくせして弱い者虐めは絶対にしなかった。
力はあったし、不器用さから言っても俺の後を継ぐよりは
戦闘BSの道を歩むのが自然だっただろう。

「だけど、この仕事だって誰かが継がなければいけないんだよなぁ・・・・・・」

決して楽な仕事ではないし、むしろ恨まれる方が多い。
横領してんだろ!とか、テメェなんてさっさと首になっちまえ!など
まあ、罵詈雑言は毎日のように浴びてきた。
だがその中で本物の完成された武防具を手に入れて喜ぶ者は確かに居る。
そしてその者達の笑顔がまた力をくれるのであろう。

「だけどこれは言い訳だな・・・・・・俺はただただあいつのことが心配だったからだ」

娘が危険な戦闘BSになるということはそれだけ命を落とす可能性も大きくなるのだ。
親として当然の反対をした。
だけどそれを隠し、戦闘BSなど邪道だ!と言ってしまったから逆効果に
なってしまった。

「ああ・・・・・・本当に俺は馬鹿だった」

頭を掻き毟る。

青箱の中身はタバコとハンマーだった。
そしてC帖が一冊。

男はずっとそこでたそがれながら時々頭を掻き毟った。

〈ホルグレン 持ち物:タバコ ハンマー 支給品一式 場所J-6 思考:家出した娘に会いたい。生きて帰りたい。〉
(FREE枠 使用)


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