バトルROワイアル@Wiki 2-107


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107.二人は研究派


 はぁ…はぁ…はぁ…っ。
 な、何なのいきなりアイツっ!?ぶっちゃけアリエナイよっ!!どういう思考回路してるのさっ!!
 何度も転びながら走り続けたボクは、転がるように逃げ込んだ林の中で息を切らせながら走っていた。
 先生の目隠しのお陰で躓いたりする事は無かったけど、随分体をすりむいちゃったりもしたらしい。
 …って何でそんな風に過去振り返り口調で言えるのかって?全く。そんなだから落ちこぼれなんだよっ!!
 いい?このボクが現状を説明してあげるんだから、ちゃんと正座して聞くように!!

 ボクは今現在、何か変な顔の…って、これじゃさっきの○○○○と一緒だよね。
 表現を変えると、ギャンブルで身を持ち崩してそうな嫌な顔の魔術師っていうか。
 …全く。こんなのが同じ職業なんて思うとめまいがしてくる。
 あー、もう。一瞬でも弱気な顔みせるんじゃなかったっ。すぐに冷静さを取り戻したけどさ。
 ともかく、そのギャンブル狂にボクは逃げてる途中に出会ったんだ。
 (幸いにして○○○○は追いかけては来なかった)
 それで、今は──

「くっ…な、何て可哀相な娘なんだ…っ。そう、その胸ぐらいに幸運が欠けている…っ!!」
「うるっ…さぁぁぁいっ!!」
 文脈無視の不心得者には鉄拳制裁!!但し声の音量は抑えつつ。
 ぐあっ、とかなんとか悲鳴を残して♂マジシャンは転がっていった。
 それは兎も角。ボク達は夜の森の中にいる。それから、ちょっと前に放送もあった。
 …なんていうか、一言じゃその時の事を言う事なんて出来ないよ。

 そりゃボクだって、きゃーっ何て可哀相なのー、とか言う事が出来る程褒められる様な性格はしてないけどさ。
 ぐ、ぐくぅ…痛いぞっ…マーダーではない、俺はマーダーでは無いのにどうしてこんな仕打ちをっ…ぐぐっ…、とか
少し離れた草むらから変な声が聞こえてくるけど敢えて無視。
 その代わりに考える事は。

 ──さっきの奴が、どうしていきなりあんな事を言ったのか、と言う事だった。
 それまでは一応会話は色々と成り立ってたのに。
 例えば。まぁ、ありがたくも色々なボクの知らない先生の著書とそのテーマの話とか。
 (因みに、焚書されたとは言っても王立とかゲフェンの図書館の奥深く。そういう保存されてる場所には残ってるって話も)
 どうしてなんだろう?あの豹変が妙に気になってた。

 まぁ。マーダーだから、って言えばそれまでで、あんまり他人の事を勘繰るのは下種な考えなんだけど。
 こうやって色々考えてれば、色々混乱してても少しは気持ちが落ち着くからね。
 とりあえず考えを整理してみよっ。

 …先ず、彼は取り合えずボクと同じく、研究者肌の魔法使いって事。
 それで…悔しいけど、多分ボクよりも知識が多くて賢い。そりゃ認めるのは癪だけどさ。
 で、何か『実験』って言うのを考えてるらしい。多分、人殺しをしないと出来ないような。
 多分人体実験だと思う。や。だって、彼の話を聞いてると節々から理論が実践できない事への不満が見て取れるし。
 辛気臭くて死体みたいでも顔そのものは悪くないんだから、もうちょっと笑えばいいのにさっ…っとこれは余計だね。
 んー…思い出して解るのはこれ位、かな。

 ここからは最初に自分に言い訳をしとこう。
 ボクみたいな、殊に学会や教会から嫌われに嫌われまくってる様な魔術師にとって、禁忌なんて言葉は何の意味も無い。
 だけど。ボクはその上で断言しよう。あの魔法使いは間違っている。
 だってさ。考えてもみてよ。ボク達真理を志す者は、道徳的な意味を排してさえ、どんなに辛くても生き続けなきゃいけない。
 命を投げ出したらその時点で、真理への道は閉ざされてしまうからね。
 だから先生だって、幾ら愛弟子に裏切られても進む事をやめなかった。

 ──だけどアイツは。
 まるで手段と目的を取り違えてしまってる様な危うい感じがする。
 ぶっちゃけて言えば、彼が思ってる『実験』だってボクにとっては真理への階段の一つに過ぎない。
 だけど。あの魔法使いは、真理への手段が唯一の目的になってる…気がする。
 それじゃいけないよ。幾ら知識があっても宝の持ち腐れだって。

 っていうか…うー、危うく殺される所だったのに何考えてんだろ、ボクは。
 あんな奴の事、どうでもいい筈なのに。…何か、動悸が激しい気がする。
 つり橋効果…って奴かもしれない。む──つり橋効果、って確か。
 そこまで考えた所で、ボクは片手で顔を抑えて俯いた。ホント、こんな時に何考えてるんだか。
 だって。つり橋効果って、異常状況下での恋愛感情を指す言葉じゃないか。

 確かにアイツはメチャクチャ危うげでヤな奴だったけど。
 何か妙に捨て置けないっていうか。
 ──はっ!?

「駄目…っ。そんなんじゃダメなんだ…っ!!
 落ち着けっ、落ち着くんだよっ♀マジシャン…っ。そう、こういう時は素数を数えれば──って」
 …これじゃ、まるでそこに転がってる♂マジだよ。口調が感染ったのかも。
 見れば、そいつはすでに起き上がっていて寂しげにピンゾロサイコロなんて一人で弄んでいた。
 ぶつぶつと確率論を呟きつつ、ククク…カカカ…とか含み笑いしてる姿はまるで──

 ふぅ、とコメカミを人差し指で押さえつつボクは溜息を吐く。
 取り合えず現実的な所に考えを移そうっと。何をするにしても、やっぱり生きてなきゃいけない。
 素数を数えるって言う予定は止めにして、取り合えず生き抜くのに必用そーなPTメンバーとの社会的歩み寄りを試す事にする。

「あー、うんキミキミ。さっきの暴言の事は気にしないであげるから。
 この夜を生き残る手段を言うよ。どこに殺し屋が潜んでるかも判らないしね」
「それだっ…俺が求めていたのは正にそれ…っ、さぁ存分に話し合うとしよう…っ」

 電流が走った様に体を震わせつつ言う♂マジを前にしてボクはもう一度溜息を吐いていた。
 どうも、この人と話してると──

「と言うか、キミの物言いだとさっぱり議論が進まないから議論はパスね。次から出来るだけ改める様に。
 取り合えず、あんまり疲れてなさそうなキミが最初夜の番やってよ。ボクは少し眠らせてもらうから」
 と、ボクは真理の目隠しを♂マジシャンに手渡しつつまくし立てた。

「……」
「何さ。何か言いたいの?」
「いや、俺は何も──」
「なら良し。後、寝てるからって変な事したら死刑だからね」
「……被告側の主張は黙殺されてしまうのかっ……?というか、俺だって疲れている…っ」
「性犯罪者に人権は無いのっ。兎も角、ボクは休むから」

 そう言い捨てると、ボクはさっさと眠ってしまう事にした。
 ……ま、少しだけは冷静になれた、かな?

<♀マジ&♂マジ 場所持ち物状態変わらず 一日目夜、放送後>


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