バトルROワイアル@Wiki 2-122


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

122 Encount!


「うぅー、お腹が痛いー」

後ろから聞こえてくる情けない声を無視して♂セージは森の下生えを踏みしだき枝を払う。
手にしているのは支給品のソードブレイカー。本来はこんな山刀のような所業に使うものではない。
武器に魂があるならば泣いていることだろうが、そんなものにまみえる機会があれば謝っておこうと結論付けた。
形跡が残るような歩き方はしたくないのだが、後ろの♀商人の体調を考えると致し方ないか、とも思う。

「ぅうーー」

朝食を食べて歩き出してしばらくしてから続いている重低音のうなり声の原因は全くの自業自得であった。
とはいえ、見捨てていけるほど♂セージは冷血漢ではなかったようで、いつもより多少険しい顔をしつつも
彼女を気遣って道を作り作り行軍することになっているのだ。

「たーすーけーてー…」
「自業自得です。その腹痛は、寄生虫でもなければ病気でもなく、食べすぎですよ」

主に"食べすぎ"という語句を強調して♂セージは言う。
休憩しようよ、と半ばなみだ目で見上げながら懇願する♀商人を無視し♂セージは一定の歩調で歩き続ける。
と、突然♂セージが歩みを止めた。
身をかがめるように♀商人に身振りで伝えると彼自身もゆっくりと身をかがめる。

「また水浴び?」
「違います、強力なパーティです。前衛、後衛、支援とバランスが取れています」

よほど根に持っているのか昨日の行状を揶揄する言葉に苦笑を交えながら♂セージは見たままを伝える。
彼と彼女の目線の先には男性二名、女性一名のパーティがいる。

一人は、おとなしい髪形をした少年。軽装であることから盗賊か剣士かもしれない。
一人は、長い髪の女性。これも同じく軽装ではあるが、肉付きからして肉弾戦は得意ではないと見える。
彼女の場合、特筆するべきはその身にまとわれるオーラだろう。人の限界を極めた、という証だ。
そして最後の一人。長身強面の男性。修道女のベールをかぶって一人異様な雰囲気をかもし出している。

「…殺人者、じゃないよね?」
「んー、一見変態のようでもプリーストがいますからね。
 この状況でマーダー同士の同盟だとしたら、プリーストがいるとは思えませんし
 いや、殴りプリだとしたらそうでもないですね。でもやはり、他者に支援を行使するとは思えません。
 ならばメリットの薄いプリーストが参加するのも変なので、マーダー同盟ではないと見るべきでしょう。
 それ以前に、あんな間抜けな格好をしたマーダーに殺されるのだけは嫌です」

一通りの評価を口に出して説明し、♂セージは♀商人を振り返り問う。

「それで、どうします?」
「ぇ?」
「ゲームにのるかそるか、という話です。
 もうすぐ定時放送がかかるでしょうから、その隙を狙えば不意を打てますよ?」

意地の悪い選択だ、と癖毛を弄りながら♂セージは思う。
勝利を匂わせる発言で♀商人の本音を知ろうというのだから、我ながら救いがたい人間だ。
約一日間付き合っていたが、この辺りでそろそろ本音を知っておきたいのも人情である。
彼は目の前のパーティを襲撃するつもりはないし、彼女がマーダーの道を選んだとしても対処をいくつか考えてある。

(その道は選ばないと思いますが、万が一は何にでも存在しますし…)

その微妙な想いの矛先である♀商人は一瞬、脅えたような顔つきをすると、大きくかぶりを振って答えた。

「やだっ」
「奇遇ですね、私もそんなことはしちゃいけないなと思っていたのですよ」
「…本当?」
「考え付くことと実行に移すことは全くの別物です。
 そこには超えることの出来ないモラルの壁があります。
 そして、私のモラルは山よりも高く…海よりも深いのです」

怪訝な表情で問い返された♂セージは、一切の悪びれもなく答えた。
その答えに♀商人は吹き出す。
胡散臭いことこの上ない台詞だが、それでも信じてみようと思う魅力がこの男にはある。
♀商人の表情に満面の笑みで応えた彼は一人立ち上がると彼女に指示を出す。

「では、ちょっと交渉してきますから、合図をするまでここで待っていてください」
「二人で行かないの?」
「んー、私の人物鑑定が間違っていた場合、逃走のフォローがほしいので別行動にしましょう」

保険をかけようという意図に♀商人はおとなしく肯く。

「おっけ、わかった」
「では、幸運でも祈っていてください」
「誰に?」
「そーですね、ここでは神に等しいジョーカー様にでも祈っときますか」
「うわ、最悪ぅ」

二人して忍び笑いを漏らし、♂セージは歩き出す。
しばらく歩くと、向こうも気づいたらしく誰何の声がかかった。
それに応えて♂セージが両手を上げ、戦う意思のないことを示す。

茂みに身を隠している♀商人にとってはたったそれだけのことでも10分くらい経ったのではないかと思う。
半ば戦闘態勢の三人に囲まれるようにして♂セージは身振りを交えて状況を説明しているようだ。

♀商人はふと思う。もし今、わたしのほうがマーダーに襲われたらどうなるの?と。
背筋を悪寒が駆け上がる。
周囲をぐるりと見渡して誰もいないことを確認する。
視線を♂セージに戻すが、説明に手間取っているようだ。まだ合図はない。

周囲をもう一度見回す。
誰もいない。
なのに、ただ小鳥のさえずりだけがするこの森が怖い。

(怖い怖い怖い…怖いよ…。まだなの?隣にいてくれてたら心強いのに、一人にしないでよ…)

理屈で保険をかけることに同意したものの、一人で待つということに感情はついていけない。
一人でいる恐怖に耐えられない。そして、いつの間にか♂セージに頼り切っていたことを♀商人は自覚する。

誰かの視線を感じたような気がして、再三周囲を見回す。
誰もいない。
けれど、暗殺者や悪漢のなかには隠れたまま歩くことの出来る技を習得しているものがいるという。
だとしたら、こうして身を潜めている間にも背後に忍び寄って冷たい刃物を振りかぶっているのではないか…?
両目をぎゅっとつぶって想像力によって膨れ上がった恐怖をかみ殺す。


トン、と肩を叩かれた。


悲鳴をあげようにも喉が引き攣ったようになって声が出ない。
死にたくないと思うのに身体はこわばって動かない。
何とかしなきゃと思うのに頭は空回りをして働かない。

どうしようもなく死の瞬間を待っていると、声がかかった。

「何、しているんです?」

聞こえてきたのは冷酷なマーダーの声ではなくて、聞きなれたのんきな声。
ゆっくりと目を開けると、♀商人の前には確かに♂セージがいる。

「合図しても来ないから、迎えに来たんですけど…。
 いや、ちょっとまってなんて顔しますか貴女は!
 そっちの人たちも笑ってないで何とかしてくださいよっ!
 …ああ、もう、泣かないでください。ほら、これで涙を拭って」

差し出された意外にも綺麗なハンカチで♀商人は涙を拭う。
へたり込んだまま♂セージを見上げると、困ったかのように頬をぽりぽりと掻いている。
その様子がなんだか、今まで見てきて来た彼とは別人のようで、♀商人はいつの間にか微笑っていた。

<♂セージ>
位置:E3
所持:ソードブレイカー 青箱(開封済みの可能性アリ)
容姿:マジデフォ黒髪
備考:FCAS―サマルトリア型 ちょっと風変わり? ファイアウォール習得 GMジョーカーの弟疑惑
仲間:♀商人+未亡人PTと合流

<♀商人>
位置:E3
所持:青箱2(未開封)
容姿:金髪ツインテール(カプラWと同じ)
備考:割と戦闘型
仲間:♂セージ+未亡人PTと合流

未亡人PTに変化はなし


戻る 目次 進む
| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
|ログイン|