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2-241

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241.dawn purple [3日目未明]


草深い山の奥。
暗い梢の隙間から藍色の空が覗く。
りーり、りーり
朝の訪れも知らぬかのように虫達は合唱する。

ああ、ああ、ああ、ああ
虫の音に答えるのは嬌声にも似た高い声。
それに合わせて薄紫の光が明滅する。

光の元は1人の少女だった。

薄い胸。
短いスカートから覗く細い脚。
女としてはまだ成熟しきっていない青い果実。
かつて♀アーチャーと呼ばれていた彼女は、しかしそのなだらかな下腹をわずかにふくらませていた。

四つん這いになったその背で薄紫の光が明滅する。
下履きは脱ぎ捨てられ、秘めやかな場所を隠す物は短い裾の作るわずかな影しかない。

あぁっ
内股の青白い肉がひくついた。
ツッ――
スカートの暗がりから透き通った液体があふれ、白い腿を伝い落ちる。

そして青い布の下で肉が蠢き、影の中に丸みを帯びた何かが顔を覗かせた。
夜明け前のかすかな光に青白く映える肌よりも、さらに白い何か。

ふうぅっ、はあぁぁっ
彼女が熱い吐息を吐くたびに。
白くて丸い何かは頭を覗かせ、また戻る。

少しずつ、少しずつ。
ひと呼吸ごとにそれの大きさは増し、
やがてはっきりと形を現した。

少女の手首よりも一回りほど太いそれが、ぬるり、と一気に半分ほどぬめり出る。
完全な球体ではなく、米粒にも似たやや細長い形の…卵。

あぁあぁぁぁああぁぁぁぁぁっ
高く、長く。夜明け前の空に苦痛と歓喜の声が響き渡る。
背から伸びた光がひときわ明るく輝き、はっきりとした羽の形を取った。
両の脚に震えが走り、内股に腱が浮く。
そして。

にゅぽんっ
かすかに湿った音を立てて卵は生み落とされた。
両脚の間に伸ばされていた繊手がそれを受け止める。

ふぅ、ふぅ、ふぅ、…あはぁ
荒い息、汗の浮かんだ額、潤んだ瞳。
苦闘の跡をありありと示す顔に、母となった少女は満足げな笑みを浮かべた。

湯気を立てる卵をそっと抱き、表面の液体をきれいにぬぐう。
「はよう育つがよい。そして我のために尽くすのじゃ」
彼女は卵に声を掛け、服の胸元へ収めた。

冷たい朝の空気にさらしておくのはよくない。
だが日が昇れば日向に放置しておいても孵るだろう。
蟲の卵とはそういう物だ。

(さて、次の子を孕むだけの時はあるかのう?)
彼女は小首を傾げる。
臣下は多いに越したことはない。
だが孵化までの時間や出産前後に動きが鈍ることを考えると2匹目は賭けになる。

(雄の当てならばあるがの)
曙光が空を彼女の色に染める中、
彼女は想い人の顔を思い浮かべてうっすらと笑った。


<ミストレス>
現在地:E-7近辺
外見 :髪は紫、長め 姿形はほぼ♀アーチャー
所持品:ミストレスの冠、カウンターダガー
備考 :本来の力を取り戻すため、最後の一人になることをはっきりと目的にする。つまり他人を積極的に殺しに行くことになる。♂ハンターを誘惑。子を産んで戦力にするため?
  卵を産んだ。♀ハンターに報復したい!

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