バトルROワイアル@Wiki 2-247


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

247.Arrowhead[3日目早朝]

「――最っ低・・・!!」
目の前のアルケミストが瓶を振りかぶる。
「ちいっ」
♂ローグは決意に満ちたその表情に脅威を感じた。
火炎瓶か、強酸か。
何にせよヤバい物なのは間違いない。
心臓を狙おうとしていたクロスボウの先をとっさに少し上へ向ける。
後ずさりしながら連射した矢の一発目が♀アルケミストの右肩を、二発目が顔面を捉えた。
ほとんど同時に投げ放たれた瓶は着弾の衝撃でわずかに狙いを外す。

瓶の直撃がないと見切った彼は突進してくる♂スパノビに狙いを変えた。
「死ねや」
二連射が巨体へ吸い込まれるように命中し、地響きを立てて倒れる。
同時に♂ローグのすぐ脇に瓶が落ちた。
バシャッ
「・・・うおっ!?」
いつもの彼なら飛び散るしぶきぐらい難なく避けただろう。
だが意識が♂スパノビへ向いていたこと、そして壊れた左足の分だけ逃げ損ねる。
左足首に巻いた白い布がたっぷりと液体を吸い込み、焼け付くような痛みが走った。
しかもそれはすぐに寒気へと変わり、痛みも大地を踏む感触も急速に失われて行く。
「毒かよっ」
皮膚から染み込むほど強力な毒だとすれば一刻も早く抜かなくては命が危ない。
彼はクロスボウを投げ捨て、短剣で左足の付け根を切り裂いた。

傷口から赤黒く濁った血がどろりと流れ出す。
一瞬の安堵。そして
「・・・ひは、は、ひははははははははは」
乾いた笑いが漏れた。
彼の握る短剣はポイズンナイフ。
投げつけられた物に比べればマシとは言え、毒が塗られていることには変わりがない。
もっともそうしなければ命が危なかったのであり、他に方法もなかったのだが。
「はははっ、ははっ、あ~畜生がっ!」
改めて道具を探す手に矢筒が当たり、バラバラと矢が散らばる。
彼はその一本を傷口に突き立て、力まかせにひねった。
引き裂かれた傷口から血が噴き出し、痙攣した筋肉の中で矢が折れる。
今度こそ左脚は完全に動かなくなるかも知れない。

もっとも痛みはあまり感じない。
毒と貧血のせいだろうか。
酒に酔ったように気分がふわふわする。
2人とも殺したことだし、このまま毒が抜け切るまで待つか。と彼は思った。
だから白い手が散らばった矢を拾うのを見ても反応が遅れた。
「・・・・・・あ?」
「じゃあね」
目前に突きつけられた物がクロスボウの先端だと認識するより早く
彼の視界は暗転した。

◇◇◇◇

危なかった、と♀アルケミストは思う。
クロックカードの効果が発動していなければ眉間を射抜かれていたのは彼女の方だった。
今さらながらに冷や汗を流し、矢の当たった額を撫でる。
肩の方までは防げなかったけれど逆ではなかっただけ良しとしよう。

ほっと一息ついたそのとき、背後で身じろぎする気配があった。
「う・・・」
「!」
反射的にそちらへクロスボウを向ける。
矢をつがえてあれば撃ってしまっていたかも知れない。
だが撃ったばかりのクロスボウに矢はなかった。

彼女は安堵の息を深々と吐いて身じろぎした男――♂スパノビに歩み寄った。
どうやら思った以上に緊張していたらしい。
人をだまし、操って傷つけ合わせたことは何度もある。結果として自殺に追い込んだことも。
だが自分の手で人を殺したのはこれが初めてだった。
クロスボウを固く握りしめていた指をゆっくり引き剥がす。
(落ち着きなさい、私)
罪悪感は全くない。この緊張は自分の命が危険にさらされたからにすぎない。
彼女は手のひらにかいていた汗をぬぐい、深呼吸した。

幸い♂スパノビに刺さった矢は急所を完全に外れていた。
信じがたい事だが命中する瞬間にニューマを使ったらしい。
避けきれなかったのはそれだけタイミングがギリギリだったからだろう。
(幸い?)
彼女は自問した。
邪魔になるだけだから殺そうと考えていたのではなかったか。しかもこの怪我で戦力としての価値も落ちた。
見限り時なのだ。
彼女は♂スパノビにクロスボウを向ける。
だが、そこに矢はない。
「・・・放って置いても死ぬわよね」
彼女は言い訳するようにつぶやいて射殺した男の所へ引き返した。

「ポイズンナイフ・・・に望遠鏡?こんな物持ってたのね」
矢を拾い集め、さらに♂ローグの持ち物を確かめて彼女は首を傾げた。
食料と菓子包みはありがたくもらうとして、この装備はどうだろう。
確かに毒は非力な彼女にとって有用な武器に違いない。
だが即座に相手の命を奪えるほどの決定力がないのなら、戦闘力に欠ける彼女にとって接近戦はリスクが高すぎる。
望遠鏡も論外だ。こんなものをつけていては彼女の美貌が隠れてしまう。

鼻先で笑って彼女はそれらを捨てようとした。
だがそのとき彼女の脳裏を何かがかすめた。
霧散しようとするその思いつきを彼女は急いでたぐり寄せる。
(ポイズンナイフ。望遠鏡。・・・クロスボウ。・・・・・・毒?)
さらに♂ローグの死体と倒れた♂スパノビを見比べ、彼女はやおら動き出した。

ポイズンナイフを握って♂ローグの左足に巻かれた布を切り裂く。
そして猛毒を吸って不気味に変色した部分へ直接触れないように気をつけ、細く裂いて数本の矢へ結びつける。
接近戦ができないなら遠くから使えばいいのだ。
毒の量が少ないので即死させるほどの威力はないだろうが、通常の毒矢に近い効果は期待してもいいだろう。
彼女はポイズンナイフを捨て、作ったばかりの毒矢を他の矢とは別に鞄へ隠した。

そしてもう一つ。今度は自分の肩へ刺さったままの矢に触れる。
「いたっ」
痛むし、このままにしておくのは本当は良くない。
でもこの怪我は使える。
彼女は毒の染み込んでいない布をそれっぽく汚し、自分に刺さった矢へ結んだ。
確かまだハンターが2人とも生き残っている。特に♂ハンターは比較的近くにいるはずだ。
そして望遠鏡なら研ぎすまされたハンターの目より先に見つけることもできるだろう。
そうなればあとはクロスボウと自分達に刺さった矢をうまく使って他のPTと噛み合わせるだけだ。

♀アルケミストは♂スパノビの手当てを始めた。
演技に真実味を持たせるためには「ハンターに撃たれた人間」は多い方がいい。
彼女は自分が♂スパノビを助ける理由を探したことに気付かないふりをした。


<♀アルケミスト>
<現在地:F-6>
<所持品:S2グラディウス ガーディアンフォーマルスーツ(ただしカードスロット部のみ) クロスボウ 矢筒 毒矢数本 望遠鏡 寄生虫の卵入り保存食×2>
<外見:絶世の美女>
<性格:策略家>
<備考:製薬型 やっぱり悪 ♂スパノビと同行>
<状態:軽度の火傷、頬に浅い切り傷、肩に矢>

<♂スパノビ>
現在地:F-6
所持品:スティレット ガード ほお紅 装飾用ひまわり 古いカード帖
スキル:速度増加 ヒール ニューマ ルアフ 解毒
外 見:巨漢 超強面だが頭が悪い
備 考:BOT症状発現? ♀BSの最期の命令に従っている ♀アルケミストと同行
状 態:HPレッドゾーン、肩と胸に矢が刺さっている

<♂ローグ>
現在地:F-6
所持品:ポイズンナイフ
外 見:片目に大きな古傷
備 考:殺人快楽至上主義 GMと多少のコンタクト有、自分を騙したGMジョーカーも殺す なるべく2人組を狙う
状 態:死亡


(残り20名)

戻る 目次 進む
| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
|ログイン|