バトルROワイアル@Wiki 2-254


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254.それぞれの魂[3日目朝]


「んなことできるかっ!」

逃げろと言った♂ハンターに♂プリは怒鳴り返した。
だが♂ハンターは譲らない。

「そっちの倒れてる子達はどうするんだ。あんたしか連れてけないだろ」
「そりゃそうだが…うおっと」

キャタピラーの振り回す触角から跳び下がって♂プリは苦々しげな表情になった。
確かに気絶した♀ハンターを連れて逃げられるのは彼と♂騎士だけだ。
彼はちらりと♂騎士の顔を窺った。

「俺じゃ駄目だ。連れて行っても傷を治せない」

雰囲気を悟ったのか♂騎士が先手を打つ。
それに一度別れたらまた♂プリ達も見分けられなくなるだろう。そんな彼が連れて逃げても別の危険に巻き込む恐れが高い。

「だからしんがりを受け持つ。♂プリが連れて行ってくれ」

♂騎士は背中で♂プリを押しのけてキャタピラーと対峙した。
そして強打を見舞う。
刃は半分も食い込まない。

「プロボ…」

あまりの固さにプロボックを使おうとして♂騎士は首を振った。
プロボックは諸刃の剣だ。充分な防具と回復剤があるときならいいが、今は受けるダメージが怖い。
躊躇する間に振り回された触角を受け止める。
がつん、と剣を跳ね飛ばされそうな衝撃。
このままでも自分のバッシュ並みの威力だ。これを強化なんてしたら…。

「早く行ってくれ。俺もあとから逃げる」

湧き上がろうとする恐怖を押し殺して彼は剣を構えなおした。
少し持ちこたえるだけならまだ方法はある。

「……わかった、頼む。すぐ戻るからな!」
「戻らなくていい」

♂プリの声が離れるのを背中に聞きつつ、♂騎士は呼吸を整えた。
剣を上段へ、左手を前に。
次に来る攻撃に神速の一撃を合わせるため、全身の筋肉を引き絞り集中力を極限まで高める。
オートカウンター。
近接攻撃をはじき、同時に反撃するこの技術なら確実に持ちこたえられる。

「ほんに人間とは愚かよのう」

極限の集中により狭まった視界の外で誰かが笑った。
視界の隅に薄紫の光が灯り…キャタピラーの攻撃はいつまで経ってもやってこない。

引き伸ばされた時間の中、♂騎士は破滅を予感した。

◇◇◇◇◇

「やめてくれ」

♂ハンターは紫電を放とうとするミストレスの前に立ちふさがった。

「これ以上♀アーチャーに人殺しをさせるな」

すると邪魔されたにもかかわらずミストレスは艶やかに微笑んだ。

「ならば王子様が我に代わりて他の者共を皆殺しにしてくれるのじゃの?」
「なっ…そんなこと出来るはずが…」
「さもなければ我も、ひいては♀アーチャーも死ぬるのじゃ。この島を生きて出られるのは1人だけなのじゃぞ」

♂ハンターは一瞬返答に詰まった。
それは今まで深く考えずにいたことだ。
ここで♀アーチャーを取り戻せたとしても、その先の考えがあるわけではない。
むしろ彼女の命を救うことだけを考えるならミストレスの方が正解に近いのかも知れない。
彼が答えられずにいるとミストレスは少し真剣な眼つきで言った。

「誰も死なせぬなどと都合の良い答えはありはせぬ。我が手にかけずとも明後日には皆死ぬのじゃ。ならば我らだけでも生き残る途を取るべきではないかえ?」
「そっ…そんな…」

それは筋の通った理屈に聞こえた。
思わず真剣に考えそうになってしまい、♂ハンターは慌てて頭を振る。
間違っている。詭弁に乗せられちゃいけない。反論しないと。

「…矛盾してるだろ。1人しか生き残れないなら俺と君も殺し合わなくちゃいけないってことになる。俺が君を手伝う理由にはならない」

苦しい反論を彼が口にした途端、ミストレスは満面の笑顔を浮かべた。

「それは共に生きる途ならば受け入れるという意味かや?」
「え?」

輝くような笑顔に♂ハンターの胸の奥がぎゅっとうずく。
出会った頃の♀アーチャーと同じ笑顔だったから。
しかしその表情は一瞬で消え、ミストレスは媚びを含んだ笑みを作って彼に近づけた。

「我はおんしの魂を喰らいて雄蜂に生み直すつもりじゃ。我が眷属ではあるが、記憶も意思も多くは残るぞよ」

♂ハンターの首に白い両腕を回され、甘い息を吐き掛けながら耳元で囁かれる。

「しかも衣食の世話は他の者共がする。王子様は毎日毎夜我とつがい、我を孕ませ、我に子を生ませることのみ考えればよいのじゃ。どうしてもと言うのであれば♀アーチャーの姿と心で抱かれてやっても良いぞ?」
「う…」

言葉と共に細い肢体が彼の下腹へ押しつけられた。
オスの本能をつかむ手管に長けた言葉と仕草に脳髄がしびれてゆく。
♂ハンターの両手が夢遊病のようにミストレスの背に回された。

◇◇◇◇◇

♂騎士は襲ってくるはずの痛撃をひたすら待っていた。
不吉な薄紫の光は消えたが、まだ視界外に消えたキャタピラーが残っている。
必殺のオートカウンターも背後に回られてしまうと脆い。
あの虫にそんな知恵があるとは思わなかったが、ミストレスが命令でもしたか。

(やるなら早くやってくれ)

背中から襲われる恐怖に雑念が湧いた。
それによって集中が切れる。
そして振り返ろうとした彼の背に、とん、と何かが触れた。

「うわああああああああああああっ!?」
「っ!」

恐怖に駆られて振り回した剣の切っ先が何かを浅く切り裂いた。
キャタピラーではない。
人だ。
それに気付いた瞬間♂ケミの事を思い出した腕が勝手に縮こまり剣を止める。
薄茶の芋虫は人影の向こうで触手を振り上げたまま動きを止めていた。
彼に背中を向けたまま、その誰かは早口に告げる。

「はやく、構え直して。後ろは私が守ります」
「あんた誰だ。♂プリじゃないよな!?」

返答はない。
そしてキャタピラーはじりじりと2人の周囲を回り始めた。
なのに人影は蟲に向き直ろうとしない。
いや、動けないのだろう。
その人物のとった「型」は彼もよく知っているものだったから。

「…オートカウンター…?」

つまり、この何者かも騎士だ。
その事実に気付き、それによって相手の行動の意味も理解した。
無防備な背後を襲われようとしていた彼を助けるため、背中合わせにオートカウンターの構えを取ったのだ。
それで双方の死角が消え、キャタピラーには打つ手がなくなる。

(騎士だ)

彼の胸に泣きそうな思いがこみ上げた。
誤って背中を斬りつけられても文句1つ言わず、再び彼を守ろうとするその姿。
剣は人を守るために。その言葉を具現化したような。
これこそが騎士だ。

(俺も…こうなりたかった)

♀騎士の背負った迷いも苦悩も知らない♂騎士は彼女をまぶしい思いで見つめる。
そして彼は無言で♀騎士と背中合わせに立った。
集中を高め、全身の筋肉を引き絞る。

♂プリと♀ハンター、そして背中を預けてくれた騎士を守るために。

◇◇◇◇◇
「Hey guy!」

ズドンッ!
気の爆発する衝撃が大気を震わせた。
その衝撃に頬を張られて♂ハンターは正気を取り戻す。
気付けば♂モンクが会話できる距離まで戻ってきていた。
受けた電撃のダメージは浅くないはずだが、むしろそれを吸収したかのようにバチバチ閃く気の流れをまとっている。
爆裂状態と言う奴だ。さっきの衝撃はこれだろう。

「するんだ・告白・すたるぜ・男が・言われて・ばっかじゃ・カッコイクナイ」
「あんた…逃げてくれって」

つぶやく♂ハンターへ♂モンクはチッチッチッと指を振った。

「イッツァ・no way・問題外・俺っち・逃げるよ・after you try」
「…ああ、そうだよな」

♂モンクの言葉を完全に理解できたわけではなかったが、何も試さずに引き下がるなと言われているらしいことは分かった。
確かにそうだ。♀アーチャーの心を呼び覚ましたいならミストレスと言い合っても仕方ない。
彼女の命まで救えるかどうかはあとで考えよう。
♂ハンターは腕の中の少女を強く抱きしめた。

「聞いてくれ、♀アーチャー。俺は君が居なくなって初めて気が付いたんだ」
「…王子様?」
「俺は君の明るさに助けられた。こんな島に放り出されて、俺1人だったらきっとすぐに死んでいた。不幸さなら誰にも負けない俺が初めて手に入れた幸運が君なんだ」

決して口の上手い方でない♂ハンターはそれでも必死に言葉をつむぐ。
腕の中の少女は妖艶な表情を消し、揺らぐ瞳で彼の顔を見上げた。

「君が好きだ。そばに居て欲しい。…帰ってきてくれ」
「……」

少女は目を閉じ、切なげに息を吐いた。
そして真紅の瞳を開く。

「――残念じゃの」

その声は零下の響きを持っていた。

「我の夫となるを望まぬのであればただの眷属となるがよい。おんしの魂を食らうはもはや既定の事実じゃ」
「♀アーチャー!」
「呼んでも無駄じゃ。我はこれまで幾度となく肉体を換えてきた。今さら宿主の魂に押し負けるなどあり得ぬ」

冷たく微笑んだミストレスは♂ハンターの体に手足を絡め押し倒そうとする。

「力を抜くがよい。悦楽ののち我が内で愛する娘と会えようほどに」
「そう言うわけにはいかな…っ!?」
「Boo shit!」

首筋に弱い電流を流し込まれ、♂ハンターの脚から力が抜けた。
それを見た♂モンクは気球を集めつつ一気に駆け寄る。

「Wawa悪いなbrother・デキナイ傍観・優先順位は・save your life!」
「おそいわ」

飛び込んでくる♂モンクにミストレスは片手を向けた。
接触する前に弾き飛ばせばモンクの技はほとんど意味を持たない。
だが、その時。

ギイッ!
「何じゃ?」

ミストレスの背後で蟲の悲鳴が上がり、彼女は振り返った。
今までになく深々と切り裂かれた芋虫がのたうち回り、身を丸めている。
女王の注意が♂モンクに向いた分だけ支配がゆるみ、本能にしたがって勝手に攻撃を仕掛けてしまったのだ。
しかしオートカウンターを放った♀騎士も唇を噛んでいた。

「まだです!」

積み上げた修練通り、カウンターは防御の最も薄い箇所を正確に貫いた。
だが彼女の手にした錐という武器は敵の鎧が厚ければ厚いほど威力を発揮する。
皮の薄いところに打ち込んだのではスティレットにも劣る威力しかない。

「おのれ!」
「きゃあっ」
「うわっ」

キャタピラーにとどめを刺そうとする騎士達を二条の電光が弾き飛ばす。
直後、両手の雷を使ってしまったミストレスのもとへ♂モンクがたどり着いた。

「――しもうた!?」
「撃つぜ・今こそ・覇鳳の・拳は・ASURA!」

ドンッ!
炸裂音が響き、圧縮された気の塊を叩き込まれた肉体は瞬時に壊死を始める。
だが必殺の一撃を放った者とその標的となった者、双方ともに愕然と動きを止めていた。

「No……Why……」
「王子…様?」

♂ハンターがミストレスにすがりつくように立ち上がり、自身の体で必殺の拳を遮っていた。
その背に深々と埋まっていた拳がずるりと抜け、体が膝から崩れる。

「…………」

かすかに唇を動かし、しかし声は出せないままに♂ハンターは倒れた。
誰に対し、そして何に対して言おうとしたのか。
唇の動きは「ごめん」と読めた。

「あ…ああ……」

少女の口から言葉にならない声が漏れる。
動揺しながら視線を上げた♂モンクは目を見開いた。
長くのびた少女の髪が激しく波打ち、紫と赤に忙しく色を入れ替えている。

「ああああっ、あああっああああああああああああああっ!」

絶叫。
紫の光が爆発するように膨れ上がり、少女の体を埋め尽くした。
それは2本の細腕から閃光となって噴き出す。

「!!」

至近距離から雷光をあびた♂モンクは声も出せずに吹き飛んだ。


<♂プリースト>
現在地:E-6→?
所持品:修道女のヴェール(マヤパープルc挿し) でっかいゼロピ 多めの食料 マイトスタッフ
外見:逆毛(修道女のヴェール装備のため見えない) 怖い顔
備考:殴りプリ ♀ハンターを抱え逃走中
状態:心身の疲労はやや回復、打撲傷複数

<♂ハンター>
現在地:E-6
所持品:アーバレスト、ナイフ、プリンセスナイフ、大量の矢
外見:マジデフォ金髪
備考:極度の不幸体質 D-A二極ハンタ ♂モンク、♀騎士、♂プリーストと一時的に同行
状態:死亡

<♂モンク>
位置:E-6
所持品:なし(黙示録・四つ葉のクローバー焼失)
外見:アフロ(アサデフォから落雷により変更)
スキル:金剛不壊 阿修羅覇凰拳 発勁
備考:ラッパー 諸行無常思考 楽観的 刃物で殺傷
状態:腕に裂傷、JTを複数被弾

<♀騎士>
位置:E-6
所持品:S1シールド、錐
外見:csf:4j0i8092 赤みを帯びた黒色の瞳
備考:殺人に強い忌避感とPTSD。刀剣類が持てない 笑えるように
状態:JT2発目被弾 背に切傷

<♀ハンター>
現在地:E-6→?
所持品:スパナ、古い紫色の箱、設置用トーキーボックス、フォーチュンソード、オリデオコンの矢筒、+2バイタルシュールドボウ[3]
スキル:ファルコンマスタリー、ブリッツビート、スチールクロウ、集中力向上、ダブルストレーピング
備考:対人恐怖症、鳥と会話が出来る、純鷹師、弓の扱いはそれなり、♂プリに連れられ逃走中
状態:♀スパノビを信頼、ふぁると遭遇で勇気りんりん、でも知らない人達ちょっと怖い
   ミストレスと遭遇、JTによる負傷で気絶中

<ふぁる>
現在地:E-6→?
所持品:リボンのヘアバンド
スキル:ブリッツビート スチールクロウ
備考:なんだかんだいいながら♀ハンターが心配で堪らない、ツンデレ?GM側の拠点を発見するも重要視せず無視、♀ハンターと遭遇 ♀ハンターごと♂プリに運ばれている?
状態:JTによる負傷で気絶中

<♂騎士>
現在地:E-6
所持品:ツルギ、S1少女の日記、青箱1個
外 見:深い赤の瞳
状 態:痛覚喪失、体力は半分ほど 正気を保ってはいるが未だ不安定
    個体認識異常(死者、人外のものは判別可能。中身だけ魔物のミストレスは近距離ならわかる)
    ♂ケミを殺してしまった心の傷から人間を殺すことを躊躇う それでも生きたいと思う自分をあきれながらも認める。
備 考:GMの暗示に抵抗しようとするも影響中、混乱して♂ケミを殺害 心身の異常を自覚
    できれば♂ケミを弔いたい、誤解から♀Wiz達と小競り合いの末逃走 ♂プリ達に協力するもJTで弾き飛ばされる

<ミストレス>
現在地:E-6
外見 :髪は紫、長め 姿形はほぼ♀アーチャー
所持品:ミストレスの冠、カウンターダガー
備考 :本来の力を取り戻すため他人を積極的に殺しに行く。キャタピラーを配下に
状態 :♂ハンターの死に触れ狂乱中

<キャタピラー>
現在地:E-6
備考 :ミストレスの命令に従う
状態 :負傷して丸まっている



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