バトルROワイアル@Wiki another2-18


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再会


そこは川辺。美しく花が咲き乱れる、その場所で。

デビルチと♂Wizが途方に暮れていた。

「…デビルチ。」
「ナ、何だ主ヨ?」
「貴方は私をニブルヘイムに案内すると言っていた気がするのですが。」
「ソ、そうトも、こコがにぶるへいむダ!」
と、周囲を指すデビルチ。…明らかに違う。
「貴方はニブルヘイムの場所すら知らないのですか…?」
「…仕方ナいだろウ、我は生マれテからにぶるへいむヘ行っタことナどないノダから…」
「それを先に言ってほしかったですね…」
肩を落とす(ように見える)デビルチ。その隣で溜息をつく♂Wiz。

さて、ここは何処なのだろう。
デビルチが適当に進んだ結果、自分がどこにいるのかさえ♂Wizはわからなくなっていた。
当然、帰り道もわからない。
「全く、もう戻れそうにないのですが。」
「それハ困ったナ…」
「貴方の責任のような気もしますが…まぁいいでしょう。それよりもここがどこなのか調べないと…」
♂Wizは周囲を見回す。
花、花、花…花が無数に咲く川原。林のような場所もある。
そして、川の向こうには薄く霧がかかっている。
「…ふむ、あの島でないことは確実なのですが。」
そう思って、林のほうへ歩く。少しでも身を隠せる場所に…と、島での思考が染み付いた自分に気づき苦笑する。
「そうでした、ここではもう殺し合う必要もないのでしたね。」
「そウだな。最モ、我は殺し合イのほウが面白かったのだガ。」
そう話しているうちに、林の中へ。あの島の林とは違い、安心感があると♂Wizは思った。
「たった二日しか過ごしていないのに、あの島の記憶が染み付いていますね…」
「まァ、なかなカ刺激的ダったからナ。」
「確かに…あのような環境は、普段は体験できませんね。」
「主ハ楽しかっタか?」
「はは、生憎私はそこまで壊れていませんよ。実験材料が豊富だったのは幸いでしたがね。」
「ふム…ム?」
「?どうかしましたかデビルチ?」
「イや、何かに呼ばレたようナ気がしてナ…」
「ふむ。…行ってみてはどうです?もう私と貴方は主従ではないのですから。」
「…ソうだな。でハ元主よ、チょっと行っテ来るぞ。」
そう言い残し、デビルチは草むらに消えていった。
その背を目で追い、デビルチが消えてから彼はふと呟く。
「…結局、私には彼女を蘇らせることができませんでしたか。」
たった一つの心残り。彼は、その心残りを想う。

「大変だったのね?」
「ええ、まぁ。…!?」
背後から唐突にかけられる声。とても、懐かしい声。
一瞬遅れ、それに驚き振り返った彼は、
そこに、愛しい彼女を見た。

「な…何故貴女がここに!?」
「何故も何も、死んだらここに来るのよ?…あら、ひょっとして気づいてなかったの?…ここは天界。」
「…天界、ですか?ここが?」
「そう。川の中、見なかった?」
「川?…あの川ですか?」
「そう。あれは下界を映す鏡。映るのは、覗いた人の望む場所、望む人、望む物。」
「そうなのですか。…そうでしたね、私は確かに死んだのですから…」
「そうね。久しぶり。元気だった?」
「ええ、つい先程までは。今は立派な死人ですよ。」
「ふふ、それもそうね。でも、安心した。貴方はあまり変わって…変わってる、のよね。」
「…?どうかしましたか?」
「私が死んでから…

異端の魔術に、手出ししてたわよね?」

唐突に突き付けられた言葉。それは彼を現実へ引き戻す。異端とは、禁忌。禁忌とは―――
「っ…そう、ですね。私は…貴女と居た頃の、私ではない。」
「そうね。あの頃とは違う…」
彼女から少しでも離れようと、一歩一歩後ろへ。彼女を、自分の闇で汚さぬように。
「…理論ばっかりで全然実践しなかったあの頃とは、大違い。」
「…は?」
予想していたものとは全く違う言葉。その言葉に、歩みが止まる。
「ごめんなさい。私が死んだから、貴方は…」
「違います。…私がこの道を選んだのは、あくまでも自分のためです。」
そういえば、と彼は思う。…彼女に、伝えたことはなかった。気づいたのは、彼女の死の後だったから。
「でも、貴方は私を蘇らせようと」
「…私は、私の愛する人を蘇らせたかっただけです。」
「っ…!」
「最も、今の私がそのようなことを言っても、意味はないでしょうが、ね。」
「…どうして?」
「どうして…ですか?…私は異端の魔術に手を染めました。それがどういう意味だかは判って」
彼にとっては十分すぎる理由。それは
「だから、何?」
彼女にとって、理由にならなかった。彼女はずっと秘めていた想いを語る。
「私は、貴方が好き。…異端なんて関係ない。ずっと、好きだった。…私は、川で、貴方を見ていたんだよ?」
川で。…先程の言葉を思い出す。そして、その意味も悟る。
「…そう、ですか。」
「へ、返事…は?」
薄く涙を浮かべ、顔を真っ赤にして、恥ずかしそうな表情で彼女は問いかけてくる。
その彼女に、彼は久しぶりに…本当に久しぶりに、心からの笑顔を浮かべ。
「私も、愛していますよ。」
ふと彼は思う。…もし自分が、彼女の死の前に、この気持ちに気づいていたら。
そんなことをふと考えてから。
―――まぁ、今の私には関係ないですね。

♂Wizは、最愛の彼女をその腕で抱きしめた。
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