人、是奇想天外也
Requiem
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匿名ユーザー
ART OF SOUNDS
~Requiemfor angels life ~
一人の天使が音の絵画を描いている。
繊細さの中に激しさを込めた絵を。
やがてその絵に引き寄せられた一匹の蝶がその絵に色をつける。
どのくらいそうして描き続けていたのだろう。
気がつけば周りには4匹の蝶が。
4匹の蝶がそれぞれ複雑に色をつけてゆく。
絵に生命が宿り始める。
それは激しくも儚いメロディー。
孤独な天使が描いたこの絵の終わりは愛か憎しみか
今は美しくも秩序無きこの絵の世界は変わる。
時に哀れみ、時に憎悪する。
感情を持つ世界が何かを愛するようになることは運命だったのか
苦悩に壊れかけている世界を救うにはどうすればいい?
蝶たちは焦り、天使が描き加える何かを待つ。
やがて天使は一輪の花を書き込んだ。
蝶たちはそれに光を与えた。
世界を光が明るく照らしている。
しかし、それでも世界は狂気に向かって進んでいた。
天使の奏でる儚く、哀しい音によって
キャンパスの中央に繊細な絵が描かれてゆく。
蝶たちは色をつけることなく、ただこの絵の終焉を待つ。
天使の音が強くなり、絵に感情をつけてゆく。
終焉へと向かうカウントダウンが始まる。
音に乱れ、舞い狂う天使。
絵の感情がついに暴走し、不協和音が広がる。
時に繊細でありながら深い悲しみと憎しみを持つその音は
他の音と決して交わることは無い。
一人孤独なステージで音に感情を吹き込み、絵を描き続ける。
美しく妖艶な不協和音の中を淫らに舞う堕ちた天使。
すでに翼は傷つき果てているのに舞うことを決して止めない。
舞う 舞う 舞う。
どの位の時が流れたのだろう&
翼が完全に千切れ落ちたとき、天使は音も無く消えた。
残された絵には確かに天使の思いが在った。
蝶たちが鎮魂歌を奏でながら絵の周りを飛び回り、
絵に色をつけてゆく。
その絵はとても激しく、切なく、儚い。
そして、この世の何よりも妖しく、美しい絵画となった。
まるで自分自身の冥福を祈っているようなその絵は
今、完全に終焉を迎えて、
色をつけていた4匹の蝶は、みな美しい白い翼を手に入れた。
4人の天使はみな涙を流している。
あまりに終焉を迎えた絵が美し過ぎて。
繊細で、激しく、狂気に満ちている 永久に完成する事無き
この作品の名は
ART OF LIFE