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こうの史代:夕凪の街桜の国,双葉社,2004

去年の10月に出版されて,ほうぼうで話題になっている.ぼくが買った本屋でも,入ったすぐ脇のところに20冊程度ひら積みされていた.

物語は,ヒロシマ,についてだ.被爆者と被爆二世を主人公に,原爆投下10年後の昭和30年,50年そして現代が舞台となっている. 原爆について語るこのまんがは,広島生まれだが,原爆の被害には直接に関係のない作者によって描かれている.だから,この物語は,文献調査やインタビューなどを基礎資料とした,作者による被爆者やその2世の人生への想像をもとにして生まれた原爆の物語なんだろう.

このまんがで語られる内容については,ここで紹介するものではないが,この作品中には,見開き2ページで大きく描かれたカットが2枚だけある.

カラーのほうが昭和30年前後を描いたひとコマ.白黒のほうが昭和40年前後を描いたひとコマだ.

いずれの絵にも,橋が描かれており(カラーは広島市,平和大橋,白黒は中野区,片山橋)白黒のほうには給水塔(野方排水塔)も描かれている.いずれも土木施設であり,すべて現在も供用中である.

なぜ,土木施設が比較的印象をあたえやすいこの二つの大きなカットに描かれているのか,ほんとうのところはわからない.ただ,語られる舞台である過去の時点にいまと同じように存在し,現在においてもまた当時とおなじように存在している土木構造物が,話者と直接に関係はないが,しかしながらいま語ろうとしている時代へと想像力をめぐらせるとき,その力を作用させる触媒みたいな役割をになっていたのではないだろうか.

おおくの土木構造物は50年から100年ていどの耐久性を持たせて設計されるが,いろいろ設計時の想定でない状況が現在において発生し,やむなく取り壊され新設されるものもおおい.それでも,竣工後50年以上たった施設もまだまだ現存する.土木構造物には,少し目立たないところに,おおむねそれが造られた時代などがかかれた鉄板がとりつけてある.すこし古い構造物をみつけたら,それができた時代をしらべ,(ヒロシマまで想像力をもっていくのはさすがに勇気と根気が必要となるが),それをめぐるむかしばなしを想像してみれば,「セカチュー」くらいの話はつくれるかもしれません.

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