MI-O 第1~10話


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MI-O 第1話「絶望」 2007年 11月 24日 20:46


お前は客寄せパンダだ!

「違う、私はパンダじゃない!!」

そう絶叫し美央はベッドから体を起こして目を覚ました。前を見て夢かと気付いたが逆に憂鬱になるだけだった。

これが悪夢だったらどんなに良かっただろうか?日本プロ麻雀興行を自主退会、正確には八百長を拒否して強制退会になった美央には否定出来ない現実だった。

もう麻雀なんかしたくない、そう思う美央だが生活があるため仕方なく支度をして、勤務先の雀荘に向かった。

通勤途中、美央は今後のことを考えた。もうプロでない以上勤め先はクビだろうと。雀荘は女の子が欲しいのではなく客を呼べるプロが欲しいのである。当然、客を呼べなければプロでもクビになる。

歩きながら美央は勤め先をクビになる覚悟で前に進んだ。

MI-O 第2話「見えない未来」 2007年 11月 25日 21:32


別に雀荘をやめることは遅かれ早かれ来ることである。今は良くてもいつかは誰かと交替することになる。その時、どんな仕事に就くかが大事だった。

美央は普通の仕事に就けるか不安だった。雀荘以外だと今より給与水準が下がり仕事もハードになる、仕方がないとはいえ受け入れるには抵抗があった。

麻雀のレッスンプロも考えたが今よりも収入が落ちるのは確実で気が乗らなかった。

できれば競技プロとしてやっていきたくて業界の底上げを目指し、メジャータイトルを取りに行ったが、業界の悪しき慣習に阻まれて団体を退会することになった。

せめて次の就職先が決まるまで置いてもらおう、美央は先程とは違い弱きになって勤め先に向かった。

MI-O 第3話「団体の圧力」 2007年 11月 29日 21:01


勤め先の雀荘のビルに着きエレベーターに乗る。目的の階に着いてエレベーターを降り店に入った。

いつもと変わらぬ店の中、変わったのはそこに入ってきたのは麻雀プロの前園美央ではなくただの女の子だということである。

中の人達はそうとは知らず美央もあえて語らず普通にみんなと挨拶を交わした。そんな美央を見つけた店長は美央に

「前園さん、ちょっと。」

と言って美央を奥に呼んだ。そして奥に来た美央に

「前園さん、プロやめたでしょ、それで言いにくいことなんだけど今日付けてこの店やめてもらえないかな。」

そう店長に言われて美央はやっぱりと思い気を落とした。続けて店長は

「実は日本プロ麻雀興行から通達があって前園さんを使うなと。うちも興行さんとの付き合いがあるから断れなくて。」

それを聞いた美央は激しく怒りを感じ今にも爆発しそうだった。

MI-O 第4話「女子プロの集客力」 2007年 12月 01日 20:26


美央は怒りを店長にぶつけそうになったがあえて思い留まった。店長は団体の圧力で仕方なくやめてくれと言ってるのだから。

店周辺は競争が激しく女子プロが居ないと他の店に客を取られて経営が成り立たない状態だった。

女子プロの集客力は高くとあるセット専門店は店番に女子プロを雇う程だった。同卓出来なくても居るだけで集客するのだから高い金を払っても雇う価値はあった。

団体はそんな金の成る木を見逃すわけなく雀荘から顧問料を取って女子プロを回してた。それで今の店は団体に逆らえばもうひとりの女子プロを引き上げられることになる。

美央は非力だから言われるまま店をやめるしかなかった。

MI-O 第5話「転職への不安」 2007年 12月 03日 21:30


「わかりました。その代わり、今日は客として打たせてください。」

そう言って美央は店長に客打ちさせてくれることを頼んだ。店長は断る理由が無いから美央に

「わかった、好きなだけ打っていけばいいよ。」

と言った。美央はありがとうございましたと言って待合席に向かった。そしてソファに座って今後のことを考えた。

他の雀荘で働く、団体の圧力が無い店なら働くことは可能である。けどもう麻雀を続ける情熱は無く雀荘で働く気にはなれなかった。

他の仕事に就く?、うまくやっていける自信が無かった。まったくやったことがない職種に就くのは抵抗があり雀荘の方がよく思えてきた。

そうやって悩んでるうちに美央は卓に入るためにメンバーに呼ばれた。

MI-O 第6話「戦いの序章」 2007年 12月 05日 20:38


卓に入り親が決まり配牌を取る、そして自摸って第一打を切る。それだけで美央は自分自身の気持ちを理解した。

麻雀が好きなこと

牌に触るだけで団体のこと、雀荘のこと、今後のことすべて忘れて麻雀に集中できた。

出足こそ温度差で二着になったが次戦は逆転トップになり、三戦目は大きくリードを取り後は盤石に守って二連勝。そして二着の後、三勝目をあげようとしていた。

そんな美央を一人の男が眼光鋭く見つめていた。

対面がたまらずその卓を離れ、代わりに美央を見ていた男が入ってきた。

MI-O 第7話「異質な麻雀」 2007年 12月 07日 21:24


東一局、美央は北家でスタートした。美央は前回の流れを引継ぎ好調に牌を重ね先制リーチを掛けた。

そのリーチを受けて対面の男は一発目から降りだした。美央はそれを見て対面の男は警戒する必要ないと警戒を解いた。

ほどなく美央はツモってリーヅモタンドラ1・2000・4000と満ツモスタート。

続く東二局、美央はまた先制リーチ、対面の男は親なのにまた一発目からベタ降りを始めた。それを見て美央は親なのにと呆れてしまった。

MI-O 第8話「シミュレーション」 2007年 12月 09日 20:43


しかし、対面の男はただ降りているのでは無かった。降りながら向かってたらどうなってたかを頭の中で考えていた。

普通の人ならたらればの話だが麻雀で食っているレベルならミス一つ見逃せないのである。男は降りながら鳴いて攻めたらどうなってたかも他者の自摸を追跡してまで計算していた。

なかなか当たり牌を自摸らない。美央は先程とは状態が違うことに気付いた。しかしよくあることと気にせずに和了に向けて山に手を伸ばした。

男は秘かに美央の当たり牌を止めていた。真っすぐ打ってたら美央に振っていただろう。そう気付きながらもこれが当たりだとは確信出来ずにいた。

MI-O 第9話「勝負の転機」 2007年 12月 10日 21:45


逆に美央は当たり牌が出てこないことにいらついていた。自摸に期待して力を入れて自摸るが待ち牌はいつまでたっても自摸ってこなかった。

流局になりそうだったが美央の下家が切るものに窮してついに美央の当たり牌を切った。その牌を見て美央はほっとしながら

「ロン、リーピン赤、裏1で満貫二枚です。」

美央が点棒を貰ってる間に男は美央の当たり牌を止めたことにより流れは変わったと確信した。しかしまだ勢いはなく点差も開いたままだから順位より点差を縮めることにした。

東3局、男は500・1000の一枚オールをあがり美央の動きを止めた。男の鳴きで自摸をずらされ美央はあがれなかった。

MI-O 第10話「攻守交替」 2007年 12月 13日 21:02


鳴きが入らなければ

美央は和了損ねた手牌を見つめて悔しい気持ちで手牌を壊した。

逆に男は今の和了を運がよかったと思い次も仕掛ける気で心の準備をした。

東4局、美央の親番、配牌が良いが自摸が手牌に噛み合わず、順目が進むうちに美央の上家がリーチ、男は動けずベタ降り、美央は前に出るが聴牌にならず。

結局、下家が振って美央の親落ちで南場に入る。

南1局、男が仕掛け、美央の下家から2000の出和了。

南2局、男の親番、美央の配牌も自摸も落ちてきていた。赤もドラも無く面前で仕上げるしか無いと一心不乱に打った捨て牌に男からの非情の声

「ロン、タンヤオドラ3、1万2千。」