炎術剣士まなみ第四話~第六話


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吉川博士を脅し、新兵器を作り上げたヘルスター帝国の怪人・ハンマーカブト。
まなみを苦戦させるも、最後はやはり正義が勝った。

炎術剣士まなみ 第四話「まなみ処刑作戦!冷凍怪人の恐怖!」


ヘルスター帝国本部では新たなナイトメア怪人が誕生していた。霧深くから現れた
ゴリラのような姿の怪人、フリーザーゴリラだ。ゴリラの強力なパワーと
何もかも凍てつかせる冷凍攻撃を武器とする怪人だ。
皇帝ラデスはフリーザーゴリラに語る。
「フリーザーゴリラよ、我々ヘルスター帝国の次なる作戦は日本氷河期作戦だ。
お前の冷凍ガスを思う存分に振るうのだ」
「リ~ザ~!ラデス様!このフリーザーゴリラに掛かればちっぽけな島国など
一瞬にして氷の世界にして見せます!」
「ふははは!頼もしい限りだな、フリーザーゴリラよ。しかし一つ問題がある」
フリーザーゴリラの目つきが変わり口を開く。
「我らに逆らう愚か者、新堂まなみでございますな。ですがご安心ください。
私にはまなみ処刑作戦がすでに浮かんでおります」
「ほう、それはいったいどんなものだ?」
ラデスの問いに答え始める。
「新堂まなみは強敵ではありますが、弱き者の絶対的味方というのが逆に仇なのです。
日本氷河期作戦の始まりの合図はまなみの氷付けオブジェが出来た瞬間です」

ある休日。商店街を隼で進んでいくまなみの姿があった。いつも通りパトロールを
兼ねながら、適当にブラブラしている。空は雲ひとつ無い満面の青空で、
帝国の侵略が行われているとは思えない平和な時が流れていく。
「特に異常は無しかな…いつまでも異常が無いのが一番いいんだけど」
まなみは近いうちにヘルスター帝国の新たな作戦が展開されることぐらいその内容は
分からなくても予想は出来る。まだ19歳の女子大生には他にやりたいことの一つや二つ
ぐらい、あるだろう。少し物思いに耽っていると、突然悲鳴が聞こえてきた。
「ひったくりよー!誰か捕まえてください!」
まなみが目を向けるとお婆さんの鞄を引っ手繰って逃走するバイク乗りの姿が。
「よ~し、お婆さん私に任せて!」
言うや隼を走らせ、犯人を追いかけだすまなみ。
「お、お願い致します…!ふふっ」
心配そうに見ていた老婆の顔付きがまなみの姿が消えたあと、怪しい微笑みを浮かべた。

「待ちなさい!それを返して!」
隼のスピードなら普通のバイクなどすぐに追いつけそうなものだが、犯人はジグザグに
道を進んでいき、それでいて意外とバイクテクニックもかなりのものであったため、
さすがのまなみもなかなか追いつくことが出来なかった。
そして犯人が辿り着いたのは、いかにもお化け屋敷のような扱いを受けそうな
廃工場であった。まなみも到着し、犯人を探し出すことにする。
「どこに行ったの!?お婆さんの鞄を返しなさい!」
「…!」
そこに自ら姿を現す引っ手繰り犯。
「あなた!自ら出てくるなんて素直じゃない。さあ、早く取った物を返して」
「…ギッー!」
犯人が奇声を発したかと思うと次の瞬間には戦闘員コザーの姿に変化していた。
さらにまわりの機材の影から他のコザーも現れる。
「ヘルスターの戦闘員!?たぁ!!」
驚きつつも、襲い来るコザー軍団と格闘の末、撃滅していく。投げ飛ばしたコザーの
一人がまだ息があったらしく、工場奥へと逃げていく、
「待ちなさい!」
それを追ってまなみも同じく奥へと進んでいく。進んだ先はただっ広く、特に
大きな機材も無い部屋であった。
「どこに隠れた…きゃっ!?」
突然まなみの両腕がロープできつく締め付けられた。どれだけまなみが腕を動かそうと
外れる気配は無い。そして突然、笑い声が聞こえてきた。
「ふぇっふぇっふぇっ…まんまと罠に嵌ったねぇ…新堂まなみ」
その声の主は先ほどの引っ手繰りにあった老婆であった。
「お婆さん!?あなたまさか…」
「馬鹿め!ようやく気付いたか…鈍感な奴だ、そうだ私の正体は…!」
口調が荒くなり、老婆の目が不気味に光りだす。光が止まると老婆は
フリーザーゴリラの姿へと変わっていた。
「リ~ザ~!ヘルスター帝国のフリーザーゴリラだ!!まなみよ、早速だが
貴様の処刑を行う!」
「なんですって!?フリーザーゴリラ!そう簡単に私を処刑できると思うの?
それにこの身が朽ちようとも私はヘルスター帝国を倒す!」
凛々しく、悪への怒りを見せるまなみ。しかしフリーザーゴリラはそれを笑う。
「ぐははは!本当に馬鹿な奴だ、貴様は。身動き一つ取れない貴様では
俺様を止めることは出来ん!!まあ、死に行く貴様には冥土の土産に今回の我々の作戦を
教えてやろう。貴様を処刑したあと、俺様の冷凍能力で日本氷河期を起こすのだ!
そしていつしか地球全土は氷の世界となるのだ!」
「そんなこと、絶対にさせない!」
絶望的状況でも強気な姿勢を崩さないまなみ。
「どう言おうとここで貴様は終わりだぁ!処刑を始める俺様特性の冷凍ガスを
思う存分浴びろ!!」
フリーザーゴリラの口から冷凍ガスが放射される。足から少しずつまなみの身体が
凍り付いていく。
「くっ…ああっ…!」
身体が凍り、意識も朦朧としてくる。
「まなみ、どうした?まだ半分も凍り付いていないぞ」
挑発的な台詞を吐くフリーザーゴリラ。それにまなみは応えようとするが、動けない。
「う…あ…フリーザーゴリラ…私は、必ず…お前を倒す…!」
言い残すとまなみの首がガクッと項垂れ、身体が一気に凍りだす。最後には
氷のオブジェと化したまなみの姿があった。ある意味芸術品のような美しさを残しながら。
「新堂まなみの処刑完了!次は日本を氷河期にするぞ!」

その頃、雪絵は店を早めに閉め久々にドライブと洒落込んでいた。
「たまには息抜きしないとやってられないよね」
そしていつしか彼女は町外れの方へ出ていた。オレンジ色の空が清々しい。
その時、雪絵の頭の中に声が聞こえてきた。
「!…だ、誰!?」
『雪絵さん…私です、まなみです』
声の主はまなみであった。変身前でも使える超能力の一つ、テレパシーを使って
会話しているのだ。
「まなみ!あんた、今どこに!?」
『雪絵さんのいるところからすぐ近くの廃工場です。ヘルスターの罠に嵌ってしまって…』
「分かったわ、すぐ助けに行くから!」
『雪絵さん、何か火を起こせる物を持ってきてください。それさえあれば…』
「タバコ用のライターでいい?」
『はい、お願いします』
話し終わると雪絵はすぐさま廃工場へと向かった。工場奥でまなみを発見する。

「まなみ!!くそ、ヘルスター帝国!!」
ヘルスター帝国のまなみへの仕打ちに怒りを表す雪絵に話しかけるまなみ。
『雪絵さん、ライターの火を点けて氷の上に乗せてください』
「でも、ライターの火なんかじゃこの氷は融けないわよ」
『いえ、私が融かします。さあ早く!』
まなみの言っていることがよく分からなかったが雪絵は言われた通りにする。
人をまるごと包み込むほどの氷を火で炙ってもちょびっとの水が垂れる程度であった。
しかし、ライターの火が尽きた瞬間まなみの身体が突然光り出す。
「うわっ!?まなみ!」
光は強さを増し、両腕のロープは焼け跡を残しながら切れ、氷もどんどん融けていく。
「炎心変幻!!!」

街を見下ろせるほどのどこかの山の中腹。フリーザーゴリラと戦闘員がそこにいた。
「まなみを処刑した今、我々に恐れるものは無い!日本に氷河期が到来するのだ!
コザー!冷凍ガス増幅装置の準備はいいな?」
「ギッー!いつでも使用可能であります」
「よし、それでは始めよう。リ~ザ~!」
増幅装置を起動させ、いよいよ冷凍ガスを噴射しようという時、突然彼らの周りに
炎が発生した。
「ぐおぉ!な、なんだこれは!?」
「炎流波!!」
さらに火炎光線が飛んできて増幅装置が破壊される。光線が飛んできた方向へ
目を向けると、そこには変身したまなみの姿があった。
「し、新堂まなみ!?何故だ!貴様はこの俺様が氷のオブジェにして処刑したはず!!」
「殺すならその場で氷を砕いてバラバラにでもしなさい。忘れたの?私は炎を操る
戦士だってことを!変身しなくてもしばらくの間、完全に凍りつかないように
耐える事ぐらい出来る!そして雪絵さんからもらった火を私は自分のエネルギーに
変換してあの氷から脱出したのよ」
「お、おのれ~!」
「フリーザーゴリラ、日本氷河期作戦はここで食い止める!暁一文字!!」
錯乱状態のフリーザーゴリラに倍返しとばかりに暁を振るう。
周りの戦闘員は短剣を抜いて襲い来るも特に労せずまなみは軽く退治した。
「ええい!冷凍ガス!!」
「火炎障壁!!」
再びまなみを凍らせようと冷凍ガスを噴射するも炎のバリアで防がれてしまう。
自慢の腕力で攻撃するも力だけの攻撃では悪あがきにしかならなかった。
それをまなみは避け、フリーザーゴリラを斬り飛ばす。
「火炎大破斬!!!」
宙明節が鳴り響き、暁一文字が一瞬にしてフリーザーゴリラを真っ二つにした。
「リ~ザ~!!ごわあああああ!!!」
フリーザーゴリラは大爆発を起こし消滅した。

「まなみ~!」
そこに雪絵が走り寄ってくる。
「雪絵さん!今回はありがとう。もし雪絵さんがいなかったら今頃どうなっていたか…」
「何言ってんの、あんたが大変な時はいつでも助けるよ、こっちは」
ヘルスター帝国は卑劣な作戦でまなみを陥れ、地球を侵略しようとしてくる。
だが、まなみは一人で戦っているわけではない。仲間がいる。

「解説お姉さんだよ。今回はまなみちゃんの愛車、隼について説明しちゃうよ。
隼はまなみちゃんの乗るバイクで、最大時速は350キロで、陸はもちろん、
水上も走れるし、約10分程度なら飛行も可能です。さらにさらに!
小型ミサイルにレーザー光線も装備してて戦闘もばっちりこなしちゃいます!
違法改造だとかそういうツッコミは無しの方向でね。
そして今回登場したナイトメア怪人はフリーザーゴリラ!!
マイナス240度の冷凍ガスを武器に日本氷河期作戦を行おうとしていたわ。
まなみちゃんも一度は氷付けにされちゃったけど、雪絵さんの助けで
逆転勝利したよ」
次回予告「地震を起こし、日本列島をめちゃくちゃにしようとするヘルスター帝国。
地震発生装置はどこにあるのか?まなみの必死の捜索でも見つからない。
政府に予告された地震開始時間は近い!
次回『日本列島沈没5秒前!』さあ来週もみんなで見よう!」


ナイトメア怪人によって氷付けにされてしまったまなみ。しかし立川雪絵の助けに
より復活、ヘルスター帝国の日本氷河期作戦を食い止めることに成功した。

炎術剣士まなみ 第五話「日本列島沈没5秒前!」


気持ちよく晴れたある日。まなみは喫茶レイラで雪絵特性カレーを食べていた。
「相変わらず雪絵さんのカレーは美味いですねぇ」
「あたしの愛情込みだからな。それにまなみは平和を守る、正義の味方なわけだし
カレーを食べるのは必然なのよ」
「えっ?どういう…」
雪絵の言っている意味がよく分からないまなみ。それを見て雪絵が一言。
「昔から正義の味方ってのはカレーよく食べてたのよ、太った黄色い人とか
地球防衛軍の隊員とか。あ、まなみ。炎輪と間違えてスプーンを掲げたりしないように」
「は、はぁ…?」
まなみはキョトンとした。なにはともあれ、平穏な時が過ぎていく。
しかしそれは長くは続かない。突然、地震が起きたのだ。
「…!じ、地震?」
少し揺れただけで、特に被害は無い。震度は2ぐらいであろうか。
「最近、地震が多いんだよね。もしかしたら関東大地震が近づいているのかも」
「雪絵さん、嫌なこと言わないでください…でも気になりますね」

ヘルスター帝国ではバルガンが新たな作戦を提示していた。
「ラデス様!我らの新たなる計画!日本全体を大地震で沈没させてしまうものです」
「素晴らしい作戦だ。して、どのようにして作戦を行うのだ?」
「新たなるナイトメア怪人モグラグローのパワーで地震を起こします。
しかし、今回の作戦は決して日本を崩壊させるためのものではありません。
我々にいつでも大地震を起こせることを日本政府に知らしめます。
そして日本の引渡しを要求し、それが飲まれないときに…」
「なるほど、どちらにしろ我々に損は無いのだな」
「その通りです。そして今回ばかりは新堂まなみも邪魔できないでしょう。
モグラグローの位置は誰にも確認出来ないのですから…!」

その頃、まなみは公園で子供達と遊んでいた。
「祐一君!ほらそっち行ったわよ!」
「えい!…まなみ姉ちゃんの打つ球は全然取れないよ~なあ勝」
「そうだよ、お姉ちゃんヘルスター帝国と戦ってるんでしょ?そんなすごい人の
球は取るのは難しいぜ」
「ごめんね、二人とも。じゃあ別の遊びしようか?」
そうして野球道具を片付け出す三人。その時、わずかな揺れが発生した。
「あ、また地震かな?…あっ!」
先ほどまでわずかな揺れであったその地震が急に大きくなりだした。
「お姉ちゃん!」
「ちょっと嫌な感じだね…二人とも、今日は家に帰った方がいいわ。また今度ね」

まなみも喫茶レイラに戻ることにした。
「雪絵さん、さっきの地震大丈夫でした?」
「なんとかね。皿一枚駄目になったけど」
とりあえず雪絵が無事だったことに安堵するまなみ。しかしその時、テレビの
ニュースから聞き逃さずにはいられないことが話された。
「臨時ニュースです。ヘルスター帝国は日本政府に対して日本引渡しを要求してきました。
もし要求を呑まなかった場合、日本全体に大地震を起こすということです。
近頃頻繁に起こっている小規模の地震は全てヘルスター帝国の仕業ということで
彼らはいつでも地震を起こす力があるということだそうです。政府には24時間の猶予が
与えられました。政府は対策を考案中で…」
ニュースを聞いたまなみはすぐ飛び出そうとする。
「まなみ、どこに行くのよ?」
「決まってるじゃないですか、ヘルスター帝国の連中を探し出しに行くんです」
「でも、あいつらがどこで地震を発生させてるか分からないのよ」
「それはそうですけど…でも24時間しかない。なんとしてでも食い止めなくちゃ
いけないです!」
そう言い残し、まなみは隼で走り出してしまった。
「まなみ…」

どこにヘルスター帝国のアジトがあるのか、そんなこと手掛かり一つ無いが
とにかくなんとかしなければ、日本はどちらにしろ滅びの道である。まなみは隼を
走らせる。以前は山中にあったので今度は海の方に出てみることにした。
房総半島方面に到着するが、当然ながらなにも手掛かりは無いと思われた…。
しかし、明らかに一つおかしいものを発見した。海岸沿いには自然に出来たとは
思えない洞窟があった。
「なにかのレジャー施設とは思えないし…よし」
まなみは警戒しながら洞窟内部に侵入する。洞窟は初めはまだ文字通りのイメージが
あったが、先に進むにつれ整備された道になってきた。そして戦闘員コザーの姿も
確認する。まなみは隠れながらコザーを気絶させながら進む。
「これでヘルスター帝国のアジトということは確かね。さて鬼が出るか蛇が出るか…」
アジトの最深部に到着し、まなみの背丈の3、4倍はあろうかという扉を開く。
そこは機材のランプがいくつも並びながら光っている司令室のような場所であった。
そしてモグラのような怪人がいた。地震を起こしていた張本人、モグラグローだ。
「新堂まなみ!なぜここに!?」
「お前が地震を起こしていたナイトメア怪人ね?それならここで倒させてもらうわ!」
「そうはいかん、俺は作戦を遂行するまでは死ぬわけにはいかないのだ!」
モグラグローは穴を掘り、その場から逃げようとする。
「待ちなさい!たあ!」
まなみはとっさに苦無手裏剣をモグラグローに投げつけそれが突き刺さる。
「その程度で!さらばだ、まなみ!」
特に痛がる様子を見せずモグラグローは姿を消す。それと同時に通信がアジト内に
響き渡る。声の主はバルガン将軍だ!
「新堂まなみ、よくぞアジトを発見した。しかしモグラグローは別の場所で
作戦を遂行することになった。不要になったアジトの下敷きとなれ!!」
通信が切れた瞬間、アジトは崩壊を始める。
「隼!!」
とっさに隼を呼び出しまなみはアジトから脱出した。また捜索は振り出しに戻って
しまったかのように見えた…しかし。
「モグラグロー、さっきの苦無がただの武器だと思ったのが失敗ね。隼!
モグラグローを追うのよ!」
自動でどこかへと走り出す隼。

モグラグローは房総半島北へ移動していた。気付けばタイムリミットまであと
1時間を切っていた。
「さ~て、そろそろ時間だなぁ。日本全土が海の底か、我らヘルスター帝国の
戦闘基地が立ちまくるのか、楽しみだなァ、ダ~グダグ!」
「待ちなさい!!」
「な、何者だ!?」
声のした方に顔を向けるモグラグロー。崖の天辺、そこにはまなみの姿が。
「モグラグロー!許しはしない!炎心変幻!!」
新堂まなみは炎輪の力で炎術剣士へと変身する。ではその原理を説明しよう。
まなみの身体を包み込んだ聖なる炎が戦闘衣へと変化する。さらに炎の中から
現れた神刀・暁一文字を手に、まなみは変身を完了する。
「日本に地震を起こし、人々の平和を脅かすヘルスター帝国…あまつさえ
沈没させようとするなど言語道断!新堂まなみが成敗するわ!!」
「おのれ新堂まなみ!!やれー!!」
どこからかコザーが多数飛び出しまなみに襲い掛かる。例によって、パンチキックの
応酬と暁で斬り伏せていく。
「くらえまなみ!モグラ地割れ!!」
モグラグローがその太い腕で大地を叩く。地割れが発生し、まなみを飲み込もうとする。
「くっ!たあ!」
次々発生する地割れを上手く避けていくまなみ。
「いつまで持つかな?ダグダグ~!」
「うあっ!!」
今までの中で一番でかい地割れに今度こそ飲み込まれそうになるまなみ。その時、
かすかにエンジンの音が聞こえてきた。
「隼!よし、とぉ!」
まなみは隼に搭乗、空を翔けながらミサイルで反撃をする。
「ダ~グダ~グ!ぐああああ!」
「とどめよ!!火柱ストォォォォォムッ!!!」
まなみは隼から飛び降り、空中で両手に炎の気を集中する。それを勢いよく
モグラグローに投げつける。
「ぐああああ!!こんな馬鹿な…!!」
断末魔を残しながらモグラグローは火柱と共に消滅した。

後日。大地震を免れた日本はそれまでの細かい被害のあった地域の復興も行われた。
まなみもまた子供達と遊んでいた。相変わらず手加減は下手なまま…。

「解説お姉さんです!今日はまなみちゃんの変身後の戦闘衣について!
一見、ただの和服っぽいけど実はすごい防御力持ちです。衝撃を吸収、
負担を減らして、とても軽く柔らかくて柔軟ですごい運動をするのにも
差し支え無し!炎術剣士らしく、炎を自分のエネルギーにすることも出来るよ。
そして今回のナイトメア怪人はモグラグロー!地震を起こして日本を沈没させようと
していたの。地中を掘り進んでどこにでも移動します。さらに地割れを起こして
相手をそれに飲み込もうとする恐い奴!でもまなみちゃんの敵じゃ無かったね」
次回予告「破壊活動を行うナイトメア怪人・キジバズーカ。それを
止めようとまなみが戦おうとするもすぐに逃げられてしまう。逃げられた先々で
破壊活動を行う怪人を止めることが出来るのか?
次回『恐怖!キジバズーカの日本爆撃!』かっくいい!」


日本を大地震で襲い海へ沈めようと企んでいたヘルスター帝国。しかしまなみの
必死の捜索で所在を発見、怪人モグラグローを撃破するのだった。

炎術剣士まなみ 第六話「恐怖!キジバズーカの日本爆撃!」


ある日の静かな夜。人々はすでに眠りの時間であり、街を出歩いている者は
皆無であった。しかし、そこに巨大な鳥のような姿の人らしき者の影一つ。
「ぬははは!俺様の力を試すのには絶好の射撃場だな!」
ヘルスター帝国のナイトメア怪人、キジバズーカだ。鳥の力で空を素早く飛びまわり
くちばし、背中、肩、腰にバズーカを装備している爆撃用怪人である。
力を試さんとばかりに背中のバズーカをマンション目掛けて撃ち放つ。
轟音とほぼ同時にマンションは大爆発、静かな夜は一瞬にして悲鳴入り混じる地獄絵図と
化した。さらに続けて辺りの建造物を破壊していく。
「どうだ~!俺様の力に掛かれば人間どもの世界などあっという間にめちゃくちゃだ!」
「そうはいかないわ!!」
声のした方へと顔を向けるキジバズーカ。そこには隼に跨った新堂まなみが怒りの表情を
浮かべていた。そして隼に搭乗したまま変身、キジバズーカに斬りかかろうとする。
「キジバズーカ!お前の好き勝手にはさせないわ!」
「馬鹿め!俺のスピードについて来れるものか!」
その言葉通り、隼でもやっと追いつくのに精一杯であった。まなみの繰り出す攻撃も
空を切るばかりでかすりもしない。
「くっ!速い…!」
「まなみ!貴様の相手をするより任務を優先しなくてはならんので、また会おう。
それに…貴様はいつでも倒せる相手だと分かったからな!」
言い残し、空高く飛び上がりどこかへと消えていくキジバズーカ。
「待ちなさい!!私を倒せるなんて…相当な自信を持っているじゃない…」

朝のニュースは当然、キジバズーカの爆撃事件で持ちきりであった。
崩れた街々、荒らされた自然、泣き叫ぶ人々…。
「私は…守れなかった…!キジバズーカ、今度こそ…」
悔しい表情を見せるまなみに雪絵が落ち着いた口調で話す。
「まなみ、確かに残念だったけど、少し冷静になりな。あんたらしくないよ」
そう言ってお茶を差し出す。落ち着かないままお茶を手に取り飲みだすまなみ。
静かに時間が過ぎていく。

ヘルスター帝国本部ではキジバズーカがこれまでの作戦進行度について報告していた。
「関東中の人間はすでに恐怖心で満たされているでしょう。次は中部へ向かおうと
考えております」
「キジバズーカよ、お前はこのわしの自信作だ。その力を思う存分振るったようだな!」自身の作り上げた怪人が大活躍した様子を受け、カイマーズ博士は笑みを浮かべる。
「カイマーズ博士、そしてラデス様。このまま日本全土を焼け野原にしてみせます」
「頼もしい限りだな、キジバズーカよ。しかし新堂まなみの方は問題ないだろうな?」
「新堂まなみなど、私の足元にも及びません。しばらくは適当に遊ばせておき
頃合いを見て倒します」
ラデスの問いに自信を持って応えるキジバズーカは、再び任務へと戻った。

その後もキジバズーカの日本爆撃は終わりを知ることなく、局地的に破壊活動を
行っていく。それをまなみが阻止しようと戦いを挑むがその度に
少し戦っただけでキジバズーカは撤退してしまうのだった。
「今日はここまでだ!さらば!」
「くっ!また逃げるの!?」
「ヒットアンドアウェイ…これが普段の俺様のモットーだ、まなみ」
「待て!キジバズーカ、次は必ずお前を倒すわ!覚悟しておきなさい!」
威勢よく宣言するまなみ。それに対してキジバズーカは嘲笑うかのように返答する。
「ならば次が貴様の最後であると俺は宣言するぞ!ぐはははは!!」
言い終わると同時に一瞬にして姿を消した。

喫茶レイラへ戻り雪絵にそのことを話すまなみ。
「…キジバズーカは私を倒すと宣言してきました」
「まなみ、今のあんたは冷静さを失っているよ。そのままじゃ言葉通りに…」
「雪絵さん、私は次は必ず勝ちます!見ててください」
そして一気にカレーを食べつくし、気合を入れるまなみ。
そんな彼女を心配そうに見つめる雪絵。外はすっかり暗くなっており雨が降っていた。

三日後。まなみは今度こそキジバズーカを倒すため、以前、対峙した静岡県に
やってきていた。静岡のどこかで再び破壊活動を行うと踏んだのだ。
「待ってなさい、キジバズーカ…次は必ず倒してみせるんだから!」
隼を飛ばし、富士へ向かう。特に異常は見当たらないが、大きな被害が
無いここが狙われる可能性は高い。そして狙ったかのようにまなみが到着して
まもなく、轟音が飛び、人々の悲鳴が入り混じる。
「現れたわね、キジバズーカ!!」
まなみは音のするほうへと全速力で向かう。

すでに壊滅状態の街の真ん中。キジバズーカと戦闘員コザーの姿が。
「ひどい…キジバズーカ許さない!お前を倒す!炎心変幻!!」
新堂まなみは炎輪の力で炎術剣士へと変身する。ではその原理を説明しよう。
炎輪から発生した聖なる炎がまなみの身体を包み込み戦闘衣へと変化する。
そして炎の中から生まれた神刀・暁一文字を手に変身を完了する。
「きたな、まなみ!だが今日で会うのは最後になるだろうがな。やれぃコザー!!」
「ギッー!!」
ほぼお約束どおり、コザーを軽く斬り伏せるまなみ。戦闘員は戦闘員なりに
頑張ってはいるが、結果は昔から出ないものだ。
「まなみ!貴様では俺に勝てん!クワァァァラァ!!」
猛スピードでまなみに襲い掛かる。羽は鋭利な刃物のようになり、まなみを
痛めつけていく。しかもすぐに空へ飛び上がり離脱するのでまなみの攻撃は当たらない。
「くっ、ああぁ!!このままじゃ…隼!!」
隼は短時間なら飛行可能である。そこでまなみは空中戦を展開しようとする。
「馬鹿め!空こそ俺の最大のテリトリーだぞ!」
まなみは隼を飛ばし、すれ違いざまに斬りつけようとする。しかし、隼を操縦しながら
攻撃を行うのは、どうしても隙が出来る。キジバズーカには当然そんな隙は
無く、地上よりも激しい攻撃でまなみに責苦を与える。
「空でもあいつに敵わないの…」
さすがのまなみも焦りと疲れが見え始めた。そしてキジバズーカの腰の砲塔が光り出した。
「クワァァラァ!まなみ、お前では俺に勝てないということがよく分かったか!
止めを刺してやろう!」
機関砲が発射され隼に次々と命中していき、まなみを乗せたまま落下した。
「うあああぁぁぁ!!」
放り飛ばされたまなみがうつ伏せで倒れる。キジバズーカの両肩の砲塔が光り出す。
「これで終わりだぁ!さらばだ、新堂まなみぃぃぃぃぃ!!」
超ド級のバズーカ砲弾が発射され、まなみに直撃した!変身が解除されてしまい、
起き上がることさえ出来ない。
「く…あぐぅ…」
「まだ生きてるとはな。だが分かっただろ?俺様に勝つことなど絶対に無理だと
言うことが!クワァァラァ!!」
まなみを踏みにじった後、空を飛び姿を消すキジバズーカ。
「勝てない…私じゃあいつには勝てないの…?くっうわあぁぁぁ!!」
決定的な敗北にまなみは泣いた。傍らにはボロボロの隼が横たわり、雨が降り出した。
今後もキジバズーカの破壊活動は行われるだろう。それを止められるのはまなみしか
いない。もう一度立ち上がってくれ、新堂まなみ!

「解説お姉さんです。まさかまなみちゃんが負けちゃうなんて…
お姉さんショックだよ~…でもまなみちゃんならきっと勝機を見出すことが
出来るとお姉さんは思うわ!
そして今回のナイトメア怪人はキジバズーカ!身体の各所に装備された
火器で日本を破壊中。まなみちゃん、次こそこいつを倒してね!」
次回予告「怪人キジバズーカに敗北したまなみはすっかり自信を失ってしまう。
そうしている間にもキジバズーカの破壊活動は範囲を広げ、今度は東北へ向かおうと
する。まなみは勝利のために大特訓を始めるのだが、果たしてどうなるか!?
次回『鶴ヶ城大決戦!倒せキジバズーカ!』次回も見てくださいね」