※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

長編小説「仮面ライダーみずぴー」

1 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/20(日) 13:46

朝の日差しがを部屋を照らす。

窓から差し込む夏の光に、男は目を覚ました。

「・・・朝・・・か・・・・・・。」

ガタガタ…・・・

居間の方ならなにやら音が聞こえてくる、おそらくは彼の同居人が朝食の準備をしている音だろう。
いつもと同じ時間に目覚め、いつもと同じ朝の慌ただしさに身を包まれる。

彼は生活感のある家が好きだ、幼い頃両親を亡くした彼にとっては、今の生活こそが幸せそのものだった。

制服に着替え、顔を洗う。
鏡に映る彼の目鼻立ちは今日も整っている。

男、水科が洗面所を出た所でばったり同居人に出くわした。

「あ、お兄ちゃん・・・もう起きてたんだ、おはようー」

彼女は制服にエプロン姿で軽く挨拶を交わすと、急ぎ足で台所へと向かった。

「あー、もうっ・・・目玉焼きが焦げちゃうっ!」

水科はそんな彼女の姿を見て、いつもの様に優しく微笑んだ。

2 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/20(日) 13:49
長編小説「仮面ライダーみずぴー」はリレー小説です。
導入部分は僕が書きました。
最終目的は水科が古代の秘宝を手に入れ病気の妹を救うという感動作品です。
経緯過程などはいっさい考えていません、ただ、仮面ライダーというからには変身しましょう。

では、みなさんの手で水科の幸せな家庭を守ってやって下さい。

3 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/20(日) 13:51
「制服が邪魔だな…!」

4 名前: 1 投稿日: 2004/06/20(日) 13:56
>>3
いきなりそういう方向性でいくんですか?
得意分野なんでどうなっても知りませんよ!

5 名前: ロリメイド 投稿日: 2004/06/20(日) 14:03
キター

6 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/20(日) 16:12
みずぴーの夏のように中途半端にしないでくれよ
ってことで期待age

7 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/20(日) 20:59
いや、誰か続き書けよ。

8 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/22(火) 06:58
「少し焦げてる。相変わらずお前不器用な。」

「もー!うるさいな!文句があるなら食べないでよ!」

いつも通りの他愛ないやりとり。いつも通りの日常。

同居人である遠縁の従姉妹が作った朝食を食べ終わる頃、

制服に着替えた彼女が彼に声をかける。

「洗い物はよろしくっ!それじゃ、いってきます!!」

「はいはい。相変わらず朝から元気なこって。」

言い終わった時に既に彼女の姿はなく、

ドアの閉まる音がまるで返事のように響いた。



何故遠縁の従姉妹が水科の元にいるのか。

そこにはやはりそれなりの、込み入った理由がある。

が、初めは塞ぎ込んでいた彼女も今では元気を取り戻し、

本来の快活な性格を遺憾なく発揮している。(少しかしましすぎるのが悩みだが)

そんな日常に、彼は満足していた。

窓から従姉妹の駆けていく姿を見ると、彼は軽く笑い

「さて、と。俺もボチボチ支度すっかな・・・」

と一人ごち、大あくびをした。



彼の仕事場は、彼の住む街の繁華街を少し外れた閑静な場所にある。

そこは彼の叔父が経営する喫茶店であり、夜はバーの顔を持つ店だ。

「Perche de vent」 風の止まり木と名付けられたその店は

喧噪に疲れた人々に静かで安らぐ一時を提供する、

というコンセプトをテーマにしている。

水科はバイクを停め、店の戸をくぐる。涼やかな鈴の音が響く。

「おはよう叔父さん。今日もお空が青いねぇ。」

「うむ。・・・おはよう。」

軽く挨拶を交わす。

素っ気ないようだが、寡黙な叔父との短いやりとりも

彼ののかけがえ無い日常だった。


AM11:00。少し遅めの開店時刻。

「今日も一日頑張りますか・・・っと。」

水科は一人呟く。

いつもの日常が、そこにはあった。

9 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/22(火) 09:44

「Closed」

PM22:00 Perche de ventの戸に札がかかる。

「ふー。お疲れ様。叔父さん。んじゃまた明日。お休み。」

程なくして、帰途に就く水科と、見送りに出た彼の叔父が扉をくぐる。

「ああ・・気を付けてな・・」

「珍しいね。叔父さんがンな事言うなんて。」

「何かな・・嫌な予感がする・・」

水科はバイクに火を入れると、

「ははは。うん。気を付けるよ。」

と言い残して去っていった。

残った寡黙な叔父は無言で空を見上げると、やがて店の中へ姿を消した。

空は、星すらも瞬かない闇に覆われていた。


水科は帰途の途中、先ほどの叔父の言葉を思い出していた。

寡黙な彼の叔父があんな事を言うのは、

叔父の店に転がり込んでから初めての事だった。

だが、いつも通りの通勤路。取り立てて気を付けることもなく、

彼が多少道路状況に気を遣うだけだったのは当たり前だったのかもしれない。


幸か不幸か、それが彼の運命を大きく変える。



静かな夜の住宅街の十字路で一度停車し、左右確認をする。

車の気配は無い。

再びアクセルを握ろうとした時、視界の片隅に「何か」を捉える。


「それ」を或いは見なければ幸せだったのかも知れない。

「それ」に気付かなければ、彼の日常は何事もなく続いたのかも知れない。

だが、水科は気付いてしまった。そして、目撃してしまった。


そこには、異形の存在が存在した。


異形の前には、女性がへたり込んでいた。

肩口から血を流し、目の前の不可解な存在にただただ怯えている。

女性と目が合う。

その目は助けを懇願していた。


水科はメットの下で小さく舌打ちするとアクセルを開け、

異形を背後からバイクではね飛ばす。

突然の衝撃に異形が数メートル吹っ飛ぶ。

「早く逃げろ!!」

状況が飲み込めていない様子の女性を水科は一喝する。

女性は彼の一声に身をすくませると、

急いで立ち上がりおぼつかない足取りで走り去った。


その様子を確認すると、ため息をついて水科は振り返る。

先ほど跳ね飛ばした異形が起きあがる。

(あーあ。叔父さんの勘って当たるんだなぁ)

ぼんやりとそう思った刹那、腹部に熱が走る。


異形の爪が深々と刺さっていた。


地に倒れ伏す。視界が霞み始める。

薄れ行く視界の中、何者かが異形と争っているように見えた。

「・・・!」「・・!!」

誰かが声をかけてくる。

だが、そこで水科の命は途絶えた。

10 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/22(火) 10:50

目が覚める。

視界に飛び込むのは白く清潔な天井。

「気が付いたようね。」

視線を声の方に向ける。

白衣に身を包んだ女が立っていた。

水科は上半身を起こす。

「ここは・・・?それに俺は確か・・」

ハッと思い出し、自分の腹部を見やる。

そこには傷一つなかった。

「貴方、運がよかったわね。貴方は適合者だったのよ。」

「適合者?ともかく、俺が見たあの異形は現実だったのか?」

だが、女性はそれに応えず

「ついて来なさい」

とだけ言い残すと扉へと向かう。


彼女の後に続き、水科は廊下を歩く。

どうやら此処は病院ではなく、何らかの研究施設のように感じられた。

女性はある扉の前で立ち止まり、カードキーを通す。

その行為を何度繰り返しただろうか。

重厚な扉の前で女性が止まる。

「入りなさい。」

促され、水科は扉を開ける。

中は簡素な部屋だった。

机に初老の男性が腰をかけ、壁に人相の悪い男が寄りかかっている。

「目が覚めたようだな。」

初老の男性が声をかける。

「此処は?俺はどうなった?あの怪物は何なんだ!!?」

水科がまくし立てる。

「少し落ち着きなさい。」

老人はそう言ってから、語り始める。

「まず、結論から言えば、君は死んだ。君の見た怪物は、実在する」

「じゃあ、何故俺は無傷で生きている!?」

「話は最後まで聞きなさい。」

「君が殺された後、そこの彼が現場へ駆け付け、怪物を処理した。
 
 そして彼が君を此処に運んだのだ。」

壁に寄りかかっている男を見る。

うつむいて目を閉じたまま、微動だにしていなかった。

「運ばれた君の遺体は、適合資格を調べられた。

 結果、君は適合者だったんだ。運がよかったな。」

と老人は続けた。

「適合って何なんだ!?俺は死んだんじゃなかったのか!?」

「それは、あの異形だ。」

言うと、老人は小石大の結晶を机に置く。

「君は、『仮面ライダー』という存在を知ってるかね?」

仮面ライダー。

それは、人知を超えた異形の怪物を狩る存在の都市伝説。

「仮面ライダーというのは、怪物の魂と同化し、
 
 その力をスーツに封じ、行使する存在だ。」

そんな馬鹿な──

だが、老人は続ける。

「君は、異形の驚異的な生命力によって一命を取り留め、

 仮面ライダーになった。」

「君は、適合者だ。」


部屋を出て、廊下を歩く。

先ほど同席していた男の案内だった。

「アンタも・・ライダーなのか?」

水科は疑問をぶつける。

「トリウミだ・・」

男、トリウミはそれだけ応えると、言葉を続ける。

「お前がさっきジジイから渡された石が、異形の魂だ。

 それをベルトのバックルにはめ込むと、異形の魂が表面化し、
 
 スーツに変わる。」

水科は自分のベルトを見やる。

そこには重厚な銀細工の施されたバックルが付いていた。

「異形を倒し、魂を取り込む度に戦闘能力は上がる。

 だが、同時に共存する異形の魂も大きくなり、

 やがて完全に俺達の魂は消える。気を付ける事だな。」

その言葉に水科は驚くと、

「冗談じゃない!そんな危険な事やってられるかよ!」

と言って石を突っ返そうとする。そんな水科を鼻で笑うとトリウミは続ける。

「いいのか?そもそも、何故異形は人を襲うと思う?奴等は魂がエサなんだよ。

 そして、奴等は俺やお前のような異質な魂が好物だ。」

「戦う術がなければ、ただ食われるだけだぞ?

 それに、お前の周りの人間も危険に晒される事を忘れるな。

 お前が異形を引き寄せるんだからな。」

「そんな・・」

「お前に選択権は無いんだよ。」

「それと、あのジジイやここの奴らは、信用するな。」

そう言い捨てると、再び口を閉ざして歩き続ける。

出口に差し掛かり、水科はトリウミに声をかける。

「アンタ、トリウミっつったな。

 とりあえず、助けてくれた事には礼を言う。」

「それがお前の為になったかはわからんがな。」

そういうと、トリウミは水科に何かを放り投げる。

「横の駐車場に停まってる。」

そう言い残し、建物へと消えていく。

それは、水科のバイクのキーだった。

水科はエンジンに火を入れると、護るべき者のところへ帰っていった。

11 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/22(火) 22:57
健ちゃんは天才

12 名前: 健太郎 投稿日: 2004/06/22(火) 23:17
>>1以外俺じゃないわけだがw
風邪治ったら参加します・・・

13 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/22(火) 23:22
なんと。健ちゃん以外にも神がいたか。
>>8>>9>>10書いた奴は才能あると思うよ。まじで

14 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/22(火) 23:22
女の子の名前決めない?

…なんかサムスピ板に立ってたスレからとって
七瀬ほのか とか

15 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/22(火) 23:46
翌日、水科が目を覚ますと傍らにぬいぐるみの様なモノが置いてあった。

「なんだ、コレは……どうせアイツのいたずらだろ・・・」

軽い気持ちでぬいぐるみを持ち上げようとする水科。

と、その時思いもよらない事が起こった。

「気やすく触るでない!わらわこそはアル・アジフ、最強最悪の魔道書であるぞ!」






ごめんね飽きたからごめんね

16 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/22(火) 23:48
大将軍か・・・?

17 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/23(水) 02:54

こんな危機ははじめてかも知れない。

水科は、異形と対峙した時以上の恐怖を覚えていた。

手が震える。

足がすくむ。

一歩でいい。少し手を動かすだけでいい。

だが、その一歩が踏み出せず、その手を動かすことが彼には出来なかった。



今、水科の目の前には一つの扉がある。

「水科」と書かれた表札のかかった扉の前で、

彼は小刻みに震えながら固まっていた。



時は少し遡り、水科がトリウミと別れた直後。

バイクの運転中に水科は、唐突にふと思い出す。

(そーいえば俺、どんだけ意識がなかったんだ?)

信号待ちの間にバックポケットから携帯を取り出し、日付を確認する。

3日が経っていた。

たちまち血の気が引く。

叔父の方は、あれでも心根は優しい人だ。

異形の事を伏せて、事故入院していたと伝えればなんとかなるだろう。

だが、問題はアイツだ。

過去に水科は一度だけ、彼女に連絡を入れず

友人宅へ泊まりに行ったことがある。

翌朝家に帰ると、眠っていないのだろう、

目を真っ赤にした小さな従姉妹が居間で待っていた。


もうその後は散々だった。

彼女は泣くは怒るわで、水科はあらゆる手段で謝り倒し、ご機嫌を取り、

やっとの思いで泣き疲れて寝てしまった彼女から解放されたのだ。


(あの時は1日でアレだったのに、今回は・・・)

重いため息をつくが、バイクを走らせている以上、

必ず彼女の待つ愛しの我が家へと着いてしまった。



・・・しゃーねぇな。覚悟決めて死んでくるか・・・

幾度かの逡巡の後、水科はノブにかけた手を回す。

軽快な音を立てて、簡単に扉は開き、

「ただい・・ぐぉぅ!?」

言おうとした水科の腹部に衝撃が走った。


そこには罵声も非難もなかった。

泣いていた。小さな従姉妹はただただ泣いていた。

水科は無言で抱きしめると、一言だけ小さな声で囁いた。

「ただいま。心配かけてすまん。だが、これからは俺がずっとお前を護る。」


それが彼女の境遇に対する好奇や侮蔑であっても。



それが異形であっても。

18 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/23(水) 21:22
みずぴカコイイ

19 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/24(木) 05:02
仮面ライダーみずぴー 第2話


それから数日が過ぎた。

水科はPerche de ventのカウンターに立ち、コーヒーを淹れる。

まるであの一件が嘘だったようないつもの日常。


──カラン、カラン──

ドアに付けられた鐘が涼しげな音を奏で、来客をしらせる。

「おはよー!叔父さん!!」

静かな空気を蹴散らし、従姉妹の少女が現れる。

「おう。もうそんな時間か。」

寡黙な叔父の代わりに、水科が返す。

彼女は時々、学校帰りに叔父の店の手伝いをする。

バックヤードへと着替えに消えた彼女を見送りながら、

「平和だなぁ」

水科は呟いた。



「・・暇だねー。」

少女が呟く。

着替えを終えたのはいいが、することがないまま30分ほど経過していた。

「そりゃそーとよ、お前の『それ』はどうにかなんないもんかねぇ」

半眼になった水科が、彼女の仕事着を指さす。

黒いワンピースに、白のフリル付きエプロン。

それが今の彼女の姿だった。

「いいじゃない!私はこーゆーかっこしたいの!!

 それに、これ買ってくれたのお兄ちゃんでしょ!」

頬をふくらませ、反論する。

「まあ、服装は何でもいいし、買ってやったのも俺だけどよ・・

 なんつーの?浮いてるっつーか、お前、何者?」

確かに、叔父も水科も白いYシャツに黒エプロンという普通の格好で

「メイドルック」な彼女は浮いていた。

実は、そんな彼女目当てに来る客もいるのだが

保護者を自認する水科としてはいい気はしない。


そんなくだらないやりとりの最中、唐突に懐かしい感じのメロディが流れる。

「あ、メール来たみたい。」

「・・・せめてマナーにしとけよ・・・」

溜息をつく水科を無視して、少女は

「そっかぁ・・」だの「どうしちゃったんだろ・・」だの

呟きながらメールを読み進める。

「なんだ?どうした?」

水科が尋ねる。

「うん。ちょっとね。今、私達の学校で噂になってるんだけど、

 夜の校舎を怪物が徘徊してるらしいの。

 もちろんそんな話信じてないけど、真相を究明するって取材に行った

 新聞部の友達がその日から学校に来てなくて、家にも帰ってないらしいの。

 私達も行きそうなところは探してるんだけど・・・」

先程のメールはそのことだったのだろう。彼女は溜息をついた。


──怪物。

いや、確証があるわけじゃない。ただの噂だ。

仮に、噂が真実だったとしても、進んで危険を冒すことはない。

倒したところで自分に同化した異形の魂の浸食が進むだけだ。

「──ちゃん?お兄ちゃん!!」

「──ん?ああ。悪い。なんだ?」

「どうしちゃったの?なんか考え込んでたみたいだけど。」

水科は軽く笑うと、

「なんでもね。さ、仕事仕事。お前、暇だったらテーブルでも拭いてくれよ。」

と言って伸びをした。

「りょーかい!まっかせて!!」

メイドルックの少女は、メイドにあるまじき喧噪を伴って

テーブルへと駆けていった。

20 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/24(木) 06:32

数日後。

「今日もお疲れ様、叔父さん。」 「・・・ん。」

いつもの挨拶を交わし、水科は『Closed』と札のかかった扉を抜け、

バイクに火を入れPerche de ventを後にする。


「今日も一日お疲れさん。ただいま~・・ってアレ?」

自宅の扉を開けた先は、真っ暗だった。

彼は、わけあって従姉妹の少女と同居している。

よって、いつもならば彼が帰れば暖かい光と彼女の声が

出迎えてくれるのだが、この日は違った。

「・・・あーそーいや朝に『今日はちょっと遅くなるね』

 とか抜かしてやがったな・・・」

電気を点けつつ朝のやりとりを思い出す。

「にしてもおせえな。ちょっと連絡してみるか。」

携帯電話の短縮ダイヤルから、彼女の名前を選択してコールする。

しかし彼女が出る事はなかった。

「ったく。こりゃ帰ってきたら説きょ・・・!!?」

言いかけて、水科はこの前の店での会話を思い出した。

「確か・・夜の学校に怪物が出るとかで、

 友達が行方不明になってるとか言ってたな・・・

 あいつ・・まさか・・・」

舌打ちすると、水科はバイクのキーを握りしめ、駆けだした。


水科が学校に着くのと同時に、中から悲鳴があがる。

「クソッ!!」

門を乗り越え、走る。

校庭に、それは居た。

異形は、側に横たわる少女へとゆっくりと歩み寄る。

「!!!!」

水科は体当たりで異形を突き飛ばすと、

黒く輝く結晶をベルトにはめ込む。

「──変身!!」

21 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/25(金) 08:23

影が螺旋を描き、せり上がる。そして水科を包み、スーツと化す。

漆黒のライダーは蝙蝠を連想させた。


漆黒のライダーと異形。

グラウンドで対峙する2つの存在を屋上から人影が見下ろしていた。

以前、水科を救った男、トリウミだった。

「ほう・・・」

呟くと、彼はグラウンドへとまるで当たり前のように飛び降りる。

「──変身」

青白く光る結晶をベルトにはめ込む。


音もなくグラウンドへ着地する。

「・・・また会ったな」

水科は、突然かけられた声の方を向く。

砂煙をまとい、巨大な爪を持つライダーが立っていた。

「確か・・トリウミさんか。」

トリウミはそれには答えず、異形の方を指差す。

「ッ!」

眼前にまで迫った異形の爪を紙一重でかわす。

そのままの勢いで襲いかかる異形。

防戦一方の水科にトリウミは声をかける。

「お前の力を見せてみろ」

「ンなこと言ったってよ!!」

経験の無い水科にはトリウミの言う「力」の使い方がわからなかった。

その時、異形の腕が意識の逸れた水科を吹っ飛ばす。

倒れたところに襲いかかる異形。

──やられる

そう思った時だった。頭の中に声が響く。意志が流れ込む。

それはまるで力の使い方を教えてくれているようだった。


異形の腕が地を穿ち、砂煙を巻き上げる。

だが、そこに水科の姿は無かった。

夜の闇に無数の蝙蝠が集まる。

集った蝙蝠は、闇色に溶け合い、漆黒のライダーへと姿を変える。

異形が水科に気付き、顔を上げる。

水科の蹴りが異形を捉える。

地を滑り、倒れ伏した異形は痙攣を繰り返すと、小さな結晶へと姿を変えた。


水科はベルトの結晶より一回り小さいその結晶を拾い上げる。

「それが異形の魂、だ。」

いつの間にか変身を解除したトリウミが歩み寄る。

「ソイツを使う事で更に能力を解放できる。」

「・・・」

無言で結晶を握り、見つめる水科。

だが、我に返ったように変身を解くと、

「そうだ!アイツは、アイツは無事なのか!?」

と従姉妹の少女へと駆け寄る。


「おい、大丈夫か!おい!?」

声をかける水科をトリウミが制止する。

「気を失っているだけだ。怪我は無い。

 それより、今起こしてもいいのか?色々と面倒な事になるぞ?」

「・・・そうだな。」

水科は少女を優しく抱き上げる。

トリウミは背を向けると、帽子を目深に被り直し歩き出す。



翌朝。

少女はベッドから飛び起きる。

「アレ?私昨日は・・?アレ?」

「なーに言ってんだ。おめー昨日は帰ってくるなり

 『眠いー。もうダメー。』とか言ってそのままバタンじゃねえか。」

ドアを開け、水科が顔を出す。

「おかげで俺は晩飯食いっぱぐれだ。」

「あはは・・ってお兄ちゃん?私、帰ってそのまま寝ちゃったんだよね?」

従姉妹の姉妹が訊ねる。

「あぁ。やってくれるぜ全くよ。」

「じゃあ、なんで私はパジャマなのかな?おーにーいーちゃん?」

「ま、待て!そりゃ誤解だ!!おい、落ち着け!話せば──」

「この・・・スケベ!!!!」


大きなビンタの音が朝の空に響く。

22 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/26(土) 15:23
良スレ。
sageて見守らせてもらう。

23 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/26(土) 16:14
超良スレ。
ageたいとこだが我慢しておこう。

24 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/27(日) 02:44
仮面ライダーみずぴー 第3話

月の無い夜。

何処かのビルの屋上で、男が薄く笑う。

「さて・・と。始めようか・・」

薄く笑い声を漏らしながら、男はビルの中へ消えていった。



「あーさーだーよー。起きろー、馬鹿兄貴ー。」

騒々しさに、水科は目覚める。

「おはようお兄ちゃん!」

笑顔の少女を視界が捉える。水科はかすれた声で

「最悪の目覚めをありがとう・・・」

と皮肉を言うが、既に彼女は居間へと移動していた。


朝食をとりながら、TVから流れるワイドショーを流し見する。

自らの及ばぬ遠い話が次々と報道される。

そんな時だった。

「東京都○○区の特殊遺伝子学研究所がテロ被害にあった」

という報道が流れてきたのは。

ブラウン管に映る建物は、水科の運命を変えたあの建物だった。

窓ガラスは無惨に割れ、所々から黒煙が吹き出していた。

(一体何が・・・?誰が何故・・・?)

「はー。すごいねー。メチャメチャじゃん・・」

従姉妹の少女が間の抜けた感嘆の声を上げる。

(まさか・・・、トリウミさん?

 研究所の人達を信用するな、とか言ってたし・・だとしたら何故・・?)

「どしたのお兄ちゃん?この建物知ってるの?」

怪訝そうな少女の声で我に返る。

「いや、すげぇなー。と思ってさ。」

「ま、いいけど早く食べちゃってね。」

ワイドショーも次の報道に移り、

ブラウン管からは遠い異国の報道が流れていた。



少女が学校に行ってから、水科は電話をかける。

「もしもし、叔父さん?おはよう。

 悪いんだけど、今日はちょっと遅れそうなんだ。ごめん。」

叔父は一言「・・ん。」とだけ言い、承諾してくれた。

「確かめなきゃ・・な。」

水科はバイクに火を入れると、いつもとは逆の方向へ消えていった。



程なくして、研究所跡へと到着する。

報道陣と野次馬に囲まれた建造物は、

TVの映像よりも数倍生々しい傷跡が刻まれていた。


喧噪から一人の男が抜け出す。男は帽子を目深に被りなおす。

「トリウミさん!」

水科は彼の腕を掴む。

「教えてくれ!トリウミさん!一体何が」

「ついてこい・・」

遮るように言うと、トリウミは車に乗り込みエンジンをかける。

「なんだってんだ一体!」

慌てて水科もバイクに火を入れ、彼の後を着いていく。


行き先は病院だった。

トリウミはある病室の前で止まると、無遠慮に扉を開ける。

見覚えのある女性がベッドから上半身を起こしていた。

以前見た時とは違い、眼鏡をかけていなかった彼女は幾分か印象が違っていた。

「・・・答えてもらおうか。何があった?」

トリウミが訊ねる。

「どういう事だ?アンタがやったんじゃないのか?」

思わず水科がトリウミに訊ねる。

トリウミは水科の方へは振り返らずに続ける。

「アンタ等からの電話を受けて、到着すりゃぁあのザマだ。

 言え。何があった?」

「・・わからない」

女性がポツリと呟く。

「わからないわよ!急に停電したと思ったら、怪物の群れが襲ってきたのよ!

 どうしてこんなことに・・せっかく就職出来たのに・・」

そういうと、女性はわんわんと泣き出してしまった。

以前とのあまりの性格の違いに水科が絶句していると、トリウミが続ける。

「どういう事だ?異形共はそれぞれ単独で活動している、と聞いていたが?」

女性は鼻をすすると、

「知らないわよ・・今まではずっとそうだったし、

 怪物同士で殺し合ってる時もあったもん・・」

と答える。

それを聞いたトリウミは、

「そうか・・」

とだけ言い残すと、病室を出る。

「うぅ・・これから私どうすれば・・

 せっかく部屋も借りたのに・・田舎には帰りたくないし・・」

さめざめと泣く女性に、水科は

「んじゃさ、退院したらウチの店で働くってのはどう?
 
 そりゃ研究所より給料は安いけどさ、袖振り合うも多少の縁、てね。」

とだけ言い残し、トリウミの後を追った。



駐車場で、水科はトリウミに訊ねる。

「これから・・どうするつもりだ?」

「今までと変わらん。現れた異形共を狩る。それだけだ。

 運が良ければその内異形の団体にもぶつかるさ。」

そう言い残すと、トリウミは去っていった。

そして水科も叔父の店、Perche de ventへと向かう。

25 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/27(日) 03:38
「おはよう叔父さん。遅れてごめん。」

水科はエプロンを付けながら、カウンターへと入る。

色々思うところはあるが、今自分に出来ることは無い。

気持ちに区切りをつけ、目の前の仕事に集中する。



日が傾きはじめ、買い物や学校帰りの人々で俄に住宅街が賑わう頃、

唐突に水科は上手く表現出来ない「何か」を感じる。

それは悪寒にも似ていた。


軽快な音をたてドアが開き、一人の青年が来店する。

その音に水科は我に返る。

「いらっしゃい。」

カウンターに座った青年に応対する。

青年はコーヒーを注文すると、窓の外の往来をボンヤリと眺め続けていた。

水科はコーヒーを淹れる。静かな時が流れる。


コーヒーを青年に出すと、唐突に背年は口を開く。

「良いところですね。ここ。」

そしてコーヒーを一口すする。

水科は一言「ありがとうございます」とだけ残す。

それからは二人とも口を閉ざし、また静かな時間が流れる。


どれほど経った頃だろうか。

扉を開く軽快な音のに続き、一人の少女が疲れた顔で入ってくる。

「全く・・何処行っちゃったんだろ・・」

呟きながら青年の隣に腰を下ろすと、

「おにーさん、アイスティちょうだい。」

と水科にオーダーする。


程なく少女の前にアイスティが運ばれると、少女はストローですすりながら

「ほんとどこ行っちゃったのかしら。健太郎の奴・・」

と漏らす。

「ん?呼んだ?」

すると少女の隣で窓の外を見ていた青年が返事をする。

「あ~~~~~~!!!」

少女は青年を指差して叫ぶ。

こうして静寂は破られた。

「ちょっと!何くつろいでんのよアンタ!!」

健太郎と呼ばれた青年は一口コーヒーを啜ると、

「今日も平和だねぇ。」

と息を吐く。

「平和だねぇ。じゃないわよ!

 アンタがバックレたせいで私がどんだけ苦労したか・・・

 ほら!行くわよ!まだ買い物残ってるんだからね!!」

少女がまくしたてる。が、健太郎は気にした風もなく、

「まぁ落ち着けよ。とりあえず飲み終わるまでゆっくりしようぜ」

と、また一口啜る。

すると少女は一気にグラスを煽り、中身を飲み干す。

「ほら!これでいいんでしょ!?行くよ!!

 おにーさん会計おねがい!」

傍観していた水科に声をかける。

「俺のおごりなのね。」

そう言って健太郎は支払いをすますと、

「今度は一人で来ますよ」

と言い残すと少女に引っ張られていった。


愉快な2人組だったな。と水科は思うとグラスを下げ、

再び静寂に包まれた店内の掃除を始める。


店を出た二人組が話す。

「でもさ、あの研究所は潰したけどさ、これからどーすんの?」

「ん?さぁね。でも、これで面白くなってくるんじゃない?」

そう言って笑みを漏らす健太郎のブレスレットには、

ぼんやり光る結晶が存在してた。

26 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/06/27(日) 03:38
とりあえずageておきますね

27 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/07/05(月) 22:27
つづきマダー?

28 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/07/14(水) 22:18
age

29 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/07/15(木) 00:34
けんちゃんマダー?

30 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/07/15(木) 19:23
ヴェドゴニ―――うわなにをするおまえrやめr

かなり(・∀・)イイ!

31 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/07/18(日) 19:35
テンプーラ!

32 名前: けんちゃん 投稿日: 2004/07/21(水) 20:37
今だからぶっちゃけると俺>>1以外書いてないんだけど・・・

こういうのは苦手ですよー、普通の話がいいですよ。

33 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/08/07(土) 22:31
それでも期待age

34 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/08/21(土) 13:15
超良スレ期待age

35 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/08/21(土) 13:42
やべぇ頑張れ蝶頑張れ(・∀・)

36 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/08/21(土) 13:52
続き書きたいんだけどファンタジーな設定があると書きづらいなぁ
やっぱ前のみずぴーの夏みたいなのの方が書きやすいね

37 名前: 投稿日: 2004/08/21(土) 13:53
今、新しいの書いてるからちょっと待ってよ

38 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/08/21(土) 13:56
(・∀・)オッケエエエ!健ちゃんがんばれ!!

39 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/08/21(土) 14:06
激良スレ発見! みんなガンバレー!!

>>36
サブストーリーってのはどうですか?

40 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/08/21(土) 14:24
健ちゃん頑張れ!超頑張れ!

41 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/08/21(土) 14:47
そこで劇場版うわなにをすrやm

42 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/08/26(木) 00:42
期待あげ

43 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/09/03(金) 01:39
(・∀・)

44 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/09/03(金) 11:32
            ノ ‐─┬       /
          ,イ  囗. |      / _ 丿丿
            |    __|    ―ナ′
                     /  ‐' ̄
              ,‐       /
            ナ' ̄       /   、___
     /      ノ`‐、_
    / _ 丿丿  _メ       | _/
  ―ナ′     〈__         X / ̄\
   /  ‐' ̄               / V   /
   /       \   l       レ ' `‐ ノ
  /   、___  Χ ̄ ̄〉
             \ 丿       /
              \          / _
                    ―ナ′__
     | _/       ̄ ̄〉     /   ,
    X / ̄\       ノ     /  _|
   / V   /             /  く_/`ヽ
   レ ' `‐ ノ  ―――'フ
              / ̄      ┼┐┬┐
               |          〈 /  V
              `-      乂   人

             ┼‐      |  ―┼‐
             ┼‐       |    |
             {__)      |   _|
                        |  く_/`ヽ

45 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/09/14(火) 00:58
保守age

暇だから続き書いてみようかな

46 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/09/14(火) 01:19
頑張れ(`・ω・´)

47 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/09/14(火) 02:17
仮面ライダーみずぴー 第4話


『ガシャーン!』

何かが割れる音が響く。

「ご、ごめんなさ~い!!」

次いで、悲鳴。


「・・・今日も派手にやってるねー・・・」

学校帰りにPerche de ventに顔を出した少女が呟く。

「はは・・」

水科は苦笑いを浮かべる。

「何事も・・失敗から学ぶ物だ・・・」

叔父は静かにそう言うが、ここ数日での什器破壊率は目下急上昇中だった。

そんな叔父を水科は横目で見やると、

(そうは言うけど什器代も馬鹿んなんねーよなぁ・・

しかしまぁここまでひでぇとは。叔父さんには悪いことしちゃったかな?)

と心の中で呟き、数日前の事を思い出す。


それは穏やかな日射しの朝だった。

開店の準備をしていた水科の耳に、戸に付けられた鈴の音が響く。

「すいません、まだ開店前なんです。」

そう言って顔を上げると、見覚えのある女性が立っていた。

何者かに壊滅させられた研究所の所員だった女性だ。

「おっ、アンタ退院したんだ。とりあえずおめでとう。

 で、どしたの?俺になんか用?」

なんの気無しに水科は声をかける。

すると、女性は涙を浮かべながら

「『なんか用?』じゃないですよぉ!

 『ウチで働けば良い』って言ったの水科さんじゃないですかぁ!」

と訴える。

「店が何処にあるか、とか何も聞いてなかったんですよ!
 
 ここを探すまでどれだけ苦労したか・・・」

続けながら、苦労が思い出されたのだろうか、

ますます涙声になる女性に水科は愛想笑いを浮かべ

「わ、わかった。ごめん、悪かったよ。だから泣くなって。ね?」

と言いつつ

(あー。そういえばそんな事言ったっけなぁ俺・・)

と、ひっそり溜息をついた。


「・・ってワケでさ、彼女、行くところが無いみたいなんだよね。
 
 ねっ、雇ってやってくんないかな叔父さん?頼むよ。」

とりあえず女性を眺めの良いテーブル席に座らせ、落ち着かせてから

水科は叔父に経緯を説明していた。

──無論、異形の事は伏せてだが──

説明を全て聞き終えた叔父がテーブル席の女性を見やる。

水科も釣られて目を向ける。

滑らかな黒髪に白く透き通った肌、華奢な身体が陽の光を受けて

とても綺麗だった。

「ふむ・・俺とお前ではいささか華が無いと前々から思っていたからな。」

叔父が口を開く。

「じゃあ!?」

水科が訊ねると、叔父はゆっくりと首を縦に振った。

48 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/09/14(火) 02:56
そしてその日から彼女はPerche de ventで働くようになったのだが、

彼女は外見からは想像が出来ないほど、ドジだった。

とにかくよく転び、その度に慌てて更にドジを重ねる。

「どーしたもんかねぇ・・」

今日も派手に転んでいる女性をカウンターから眺めながら水科は呟く。

すると、叔父が涙目になりながら割れた什器を片づけている女性に近付き、

破片を拾い上げ一言呟く。

「焦る必要はない。初めはゆっくりでいい。少しづつ慣れていけばいい・・」

女性は元気よく頷き、目元を拭うと割ってしまった什器の片づけを再開した。


「へー。流石おじさん。」

水科を横目に、少女が呟く。

「な、その目はなんだよ!?」

「別にー?『どうしたもんかね』とか言ってるトーヘンボクとは

 やっぱり違うなー、なんて思ってないよー。」

「こンのガキャァ・・」

その時、

──カラン、カラン──

来客を知らせる鈴が響く。

「どーもー」

「いらっしゃい。今日は一人ですか?」

入ってきた青年、確か健太郎と言ったか、に笑みを浮かべ声をかける。

「はは、アイツはうるさいからね。たまにはゆっくりしたいんですよ」

そういって彼は窓際の席に腰掛け、コーヒーを注文する。

水科はコーヒーを煎れ、女性に運ばせる。

(大丈夫かなぁ・・)

だが、水科の心配を余所に女性の足取りは以前までとは違い

なんというか落ち着きが感じられた。

コーヒーは無事健太郎の元へ運ばれ、それを見ていた少女が口を開く。

「やっぱおじさんは凄いねぇ。」

「うっせ。」

ニヤニヤ顔の少女から視線を外し、水科は皿を磨きはじめた。


程なくして、

「おっと、もうこんな時間か。ごちそうさま。」

と健太郎が席を立つ。

水科が会計をすませていると、

「これからちょっと用事があるんですよ」

と健太郎は笑みを浮かべる。


「ね、ね、デートかな?あの人これからデートすんのかな?」

健太郎が去った後、少女が楽しそうに騒いでいた。

女性はそれを聞いて

「デート・・」

と呟き顔を赤くしている。

「だー!うっせ!!どーでもいいじゃねえかそんなこと!!

 いいからテーブル拭いてこい!働けよったく・・」

水科が一喝すると、少女はぶーぶー言いながら仕事に戻る。


静かになった店内から水科は窓の外を見やる。

窓から見える月は、紅く、大きかった。

(なんか・・胸騒ぎがするな・・・)


女性はまだ

「デート・・」

と呟き顔を赤くしていた。




大物政治家暗殺の報が流れたのは翌日の事だった。

49 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/09/14(火) 21:21
続きキタ───(・∀・)───!

期待(・∀・)

50 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/09/18(土) 13:16
age

51 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/09/29(水) 06:08
仮面ライダーみずぴー 第5話

今日も平和な時間が流れる。

以前に比べ、少し賑やかになったPerche de ventも営業終了の時間だ。

「お疲れ様でしたぁ」

程なくして手入れの届いた黒髪の美しい女性が着替えを終え、

店内でコーヒーを啜る水科と彼の叔父に声をかける。

「ん?おー。お疲れさん。」

「ん…」

何時も通りのやりとり。女性はそのやりとりに笑顔を浮かべると、

店の戸を抜けて帰途につく。


──あの人達には感謝している。

あの一件で居場所が無くなった自分を置いてくれた。

何より、水科は無気力だし彼の叔父は無口で無愛想だが

彼らは何処か暖かく、とても安心することができる。


女性はそんなことを考えながら道を歩く。

程なく、彼女が住むマンションの灯りが見えてくる。

見るからに高級そうなデザイナーズマンションだ。

研究所に勤めていた頃は月給も相応の物だったが、

今は喫茶店のウェイトレス。

彼女は今月いっぱいでここを解約し、水科の叔父の提案で

Perche de ventの上の使っていない部屋に住み込む予定だ。

しかし、彼女に未練はなかった。

むしろPerche de ventの上の方が喜ばしいと感じていた。



マンションの屋上に、影が一つ。

影は、マンションへ向かって歩く女性の姿を捉える。


女性がマンションの玄関口に着いたその時だった。

目の前に何かが音もなく舞い降りた。

「キャッ・・・!?」

舞い降りた影は立ち上がると女性の首を掴み上げる。

「やっと見つけたよ。あの研究所の生き残り。」

掴み上げられた女性の目に映ったものは

紛れもない、ライダーだった。

「あ・・なた・・一体・・・?」

苦しげに女性が呻く。だがライダーはそれには耳を貸さず、

「君に恨みはない。けど、あの研究に関わった者は全て消す。」

とだけ言い放ち、女性を掴む手に力を込める。

しかしその瞬間ライダーは女性を解放するとその場を飛び退く。

同時に、何か硬質な物が地面を打つ音が響く。

「やはり現れたか…」

巨大な爪を持つライダーが呟く。

「トリウミさん…?」

解放された女性が咳き込みながら訊ねる。

「あの事件…偶発的に異形の群れに襲われたとは考えにくい。

 人為的な何かを感じた。生き残りのお前を張っていれば

 何れ尻尾を出すと踏んでな…」

爪のライダー、トリウミは謎のライダーへ視線を移す。

「俺の邪魔をする気か?まあいい。

 そのシステムに関わった者全てが俺の標的だ。」

謎のライダーはそう言い放つと、腕をなぎ払う。

その手には何時の間にか死神を連想させる大鎌が握られていた。

対するトリウミも爪を構え直す。

「──逃げろ。死にたくなければな。」

振り向く事無く女性にそれだけ言い放つと、

謎のライダーへ向かい歩き出す。


駆けていった女性が見えなくなり、トリウミとライダーは対峙する。

「お前を消して・・追うとするか。」

「お前には訊きたい事がある。最も、口だけ動けば事足りることだ。」

数瞬静寂が包み、そして鎌と爪がぶつかり火花を散らす。

52 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/09/29(水) 06:53
「じゃーね叔父さん。また明日~」

帰宅準備を終え、水科はPerche de ventの扉を抜ける。

バイクに跨り、煙草に火を付けた時だった。

息を切らせて走ってくる女性を視界に捉えたのは。

「おーおー。どしたの?そんな頑張っちゃって。なんか忘れモン?」

目の前で息を整えている女性に呑気に声をかける。

「トリウミさんが…」

喋れる程度に息を整えた女性がかいつまんで状況を説明する。

「・・なんだってんだよ・・・ったく!
 
 アンタ、今日は俺んトコに泊まれ!今アイツに迎えに来させる!!」

「え・・でも・・・」

「おぅ。俺だ。わりぃんだけどさ、お前ちょっと店まで来てくんね?

 よろしくな。頼むわ。」

女性の呟きなど聞かず、水科は従姉妹の少女との通話を終えると

バイクを走らせていってしまった。

「男の人のとこに・・泊まり・・・」

呟く女性の顔は真っ赤に染まっていた。



(クソッ!なんだってんだよ!俺の知らないところで何が起きてるんだ!?)

水科はアクセルを回す。苛立ち、不安。そんなものを紛らわせるように。

そして、すぐに女性のマンションが見えてくる。



マンションの地下駐車場、2人のライダーが対峙している。

双方共に立っているのがやっとといった状態だった。

「チッ・・」

鎌のライダーは舌打ちをすると構え直す。

呼応するように、トリウミも爪の手に力を込める。

そして互いに向けて駆け出そうとした時、

「トリウミさん!」

駐車場に声が響く。

声の主、水科はバイクから降りると漆黒のライダーへと変身する。

「君は・・」

鎌のライダーは呟くと、

「流石に今2対1は厳しいか・・・」

と続け、水科の後ろの出口へと駆け出す。

「!!待て!」

水科が立ちはだかる。それを見た鎌のライダーは

「フン。本当にお前達は何も知らないんだな。」

と言い放つと、動揺した水科を突き飛ばして夜の闇へと溶けていった。

「待て!どういう事だ!!?お前は何を知っている!!?」

返事は帰ってこない。

駐車場に水科の叫びだけがこだまする。

「クソッ・・・!!」

変身を解き、トリウミへ向き直る。

同様に変身を解いたトリウミは、身体中に傷を負っていた。

だが、彼は歩き出す。駐車場の外へと。

「トリウミさん!?」

「俺は・・奴を追う・・・」

「その傷で?無茶だ!」

しかしトリウミは歩みを止めない。

「俺の邪魔をするな・・・どけ!!」

制止した水科をふりほどき、彼もまた夜の闇へと消えていった。


水科だけが残され、駐車場の照明に照らされていた。

53 名前: nobu 投稿日: 2004/09/29(水) 20:43
更新sage

職人GJ

54 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/10/04(月) 23:10
(・∀・)b GJ!

55 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/10/17(日) 09:48
ホシュ

56 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/11/11(木) 19:55
hosyu

57 名前: 津王 投稿日: 2004/11/11(木) 20:02
バカばっかだな

58 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/11/11(木) 22:36
けんちゃん書いてよ!

59 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/11/14(日) 16:35
age

60 名前: 名無しさん 投稿日: 2004/11/22(月) 14:43
皆さんは本当にヤリまくれる出会い系サイトに出会った事はありますか。
サクラ(サイトが雇って文章打ち込んでるヤツラ)に
振り回されるのはもうたくさんですよね。
出会い系サイトも1つのサイトに男女が集中しつつあります。
ココはその代表格なんですが、無料でヤれてしかも参加者の4割が女性です。
フリーメールで登録できる = 匿名での参加ができるので周囲の人間に
ばれる心配は全く無いです。完全な無料なので試しに遊んでみて下さい。

出会い系サイトに対する価値観は間違いなく変わります。

http://www.cyber-ad01.com/sharanra/?ip=0004&id=B959

61 名前: