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勘違いの産物 ◆EFl5CDAPlM




ありのまま起こったことを話す。

『いつの間にか真っ暗闇の中にいて、獰猛そうな動物たちがいるなかで、
 わけのわからないままにキツネに殺し合いをしろと言われて、
 抗議をした小さいリスは首が飛んで赤い血をまき散らして死に至った』

何を言いたいのか分からないかもしれないけど
自分でもどう言っていいか分からない。

頭がどうにかなってしまいそうだ。
侵略とか戦争とかそんなチャチなものじゃあない。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わった。

そんなものを見せられて、いくら宇宙侵略者とはいえ、基本痛いのは嫌なケロロが脅えないわけがない。
がたがたと震えていた身体でとりあえず自分の荷物を確認。
名簿の中にギロロがいたことにほっと一息吐くが、側に彼がいない現状、頼れるものは己のみ。

さらにあさってみると、変な文様の付いた石があった。
説明を見てみると、その石は爆弾石といい、手榴弾のようなものらしい。

他の道具は、武器として使えるものではない。
手榴弾一つ。それだけでどうやって猛獣共を相手にすればいいのか。
こんな場所にとばされて一体何をどうしたらいいのか。
悶々と考えながらひとまず歩きまわる彼はある物を見た後、ぴたりと思考も体も止まる。

『ガンプラ』

自分の命と言ってしまっても過言ではないもの。
この場において、これ以上の心の安らぎは存在しない。
ジムのガンプラを見つけたその時には彼のその震えは吹き飛んでいた。
そして彼は全力全開でそれに飛びついた。

「うわぁーいジムだぁー!! あーもうこんなんに巻き込まれてどうなることかと思ったでありますよ!!」

これがあれば何も怖くない。
恐れるものなど何もない。
彼は狂喜乱舞していた。

そんな彼は、そのすぐ後にびりっとしびれた。

なんだ? なにがあった?
感動のあまり、体に電流が走ったのか?
いやいやいや、落ち着け、吾輩。
そんなレベルの電撃じゃなかったぞ。
一体何があった? よく見ろ。

まずはガンプラは無事かと掲げた箱に目線を向ける。
箱は傷一つ付いていない。よかった。

続いて周囲を見渡して見る。
黄色いネズミがそこにいた。
よく見ると赤い頬が帯電している。
宇宙人の一種だろうか。

なるほど。吾輩はこのネズミの電撃を食らったのか。
ケロロはそう理解した。

あれ? でもどうしてこのネズミが吾輩を攻撃してきたのだ?
吾輩には攻撃される理由はないはず。

―――と、そこまで考えが至ったところで思い出す。この舞台のテーマを。

殺し合い。
つまりこのネズミは吾輩を殺す気満々?
やばい。どうする? 戦うか?
しかし一体どうやって?
冷や汗をかきながら、ケロロはすっと後ろに一歩下がり…

「逃げるが勝ちであります!」

そのまま黄色いネズミに背中を向けて逃げだした。
非常階段を見つけて必死に階段を駆け下りる。

「ピカ!」

ネズミが追いかけてくる。
冗談じゃない。こんなところで殺されてたまるか。
ケロロは必死に階段を駆け降りる。
そのまましばらくカエルとネズミの追いかけっこが続くと思ったが、
前からも何かが走ってくる。
でかくて黄色い虎と白い鳥だ。

「ウガ?」
「あの! すみません、あなた達は――」
「ピカピカチュウ! ピカピカピ!」

白い鳥が話してる最中に、後ろのネズミがなにやら叫ぶ。
それに対応したのか、虎が飛びかかってくる。
その前足には切れ味のよさそうな人工の爪がついている。

まさか、この虎はネズミとグルだったのか?
敵が逃げられないように入り口で張っていたというのか?
吾輩は袋のネズミというわけか?
いや、ネズミは追ってくる側だが。

冗談じゃない。まだこのジムを完成させてないのに死ねるものか。
ケロロはがむしゃらにバッグから爆弾石を取り出し、虎に向かって投げる。
そして衝撃に備える。

直後、爆弾石は爆発を起こす。
ケロロは爆風を背中に受けるとすぐさま立ち上がり、階段を駆け降りる。

「ピカ~~~!」
「まちなさい!」

爆発に巻き込まれなかったらしいネズミと鳥が追いかけてきた。
虎は爆発に巻き込まれたようだが、この二匹はそうはいかなかったようだ。

「待てと言われて待つ馬鹿がいるわけないであります!!」

殺し合いに乗ってる奴の話なんて聞けるわけがない。
素直に待つ馬鹿がいるなんて思えないが、仮に待っていたらあっさりと殺されてしまう。

冗談じゃない。
向かってくるネズミ達にケロロはもう一つ支給品を放り投げる。

「ピ!?」
「あわあ!?」

それは殺し合いにおいては使用できないとケロロが判断したものだが、
ケロロの起死回生の発想により、この場において強力な武器と化した。

ライエルのピアノ

その重量は500kgと非常に重く、ライエル本人も倒れると自力で起き上がれないほどの物。
だが背中にしょっているバッグに入れている間は中のものの重さを感じない。
その中にはいった状態では重さはゼロ。
自身の身体にも超次元ポケットが付いているためか、その性質にすぐに気付いたケロロは、
バッグに入った状態のピアノをつかみ、勢いよく投げた。
重さが0ならば、ボールのように弱い力で投げられる。
そしてピアノが外に出現した瞬間、その投げた速度のままで、500kgの凶器は2匹に襲いかかる。

階段に直撃し、階段を削り粉塵を巻き上げる。ピアノはうまい具合に階段にぶつかり、
殺し合いに乗った動物たちとケロロを阻む壁になった。
ケロロはそれを目撃すると、さらに逃亡を図る。

「ガウ!」

苦し紛れか、虎が炎を飛ばしてきた。咄嗟に避けると、バッグの肩ひもにかかる。
燃え移ってしまってはたまらない。ケロロはバッグを捨てる。
虎は尚も炎を飛ばしてくる。ネズミの方も電気を浴びせてきた。

これでは荷物を持ち出すというのも難しい。
荷物は惜しいが、ガンプラの方が大事だ。
ケロロは、脱兎の如く電波塔を飛び出した。


  *  *


いくらハズレの道具とはいえ、アイテムをとられていい気分になるはずはない。
ピカチュウは目の前の緑ダルマに取った道具を返せと抗議した。
だが相手のダルマは「あははは~~♪」などと笑うばかりでこちらの話なんて全く効かない。

しょうがないのでかなり弱めの電撃を浴びせてみる。
すると相手は突然我に返ったようになり、こちらを見つめてくる。
こちらも警戒は緩めない。ほっぺに電気を充電していつでも戦えるようにする。
自分の荷物を奪った奴だ。殺し合いに乗ってないにせよ、十中八九ろくな奴じゃない。
だがこちらの思惑に反して、相手のダルマは非常口へと逃げだしていく。
その行動をあっけにとられて見つめていたが、ふと我に帰ってだるまを追う。

階段をいくつか降りると、下の方からも何かがやってきた。
白い鳥ポケモンと、ウインディみたいな獣ポケモンだ。
ピカチュウはすぐさま「そのだるまを捕まえて」とその二匹に叫ぶ。
それに答えてくれた獣ポケモンがすぐさま飛びかかり、だるまに「ひっかく」を仕掛ける。
だがダルマは荷物から石のようなものを投げると、「じばく」した。
獣ポケモンはすぐさま「まもる」をしたように見えたが、爆発に巻き込まれ、軽くよろめいていた。
そしてだるまは「じばく」をしたにもかかわらずすぐに復活し、また逃げ出した。
ピカチュウはすぐさま鳥ポケモンと一緒に追いかけたが、だるまは今度は「いわおとし」を使ってきた。
飛ばしてきたものはピアノだったが、その威力は凄まじかった。
直撃した階段が大きく揺れ、一部破損した。
復活した獣ポケモンが「ひのこ」を放ったが、ダルマには当たらない。
自身も電撃を浴びせようとするが、ピアノが邪魔でうまく狙いが定まらない。
そしてダルマは、まんまとプラモデルを奪って逃げだした。

ややあって、邪魔だったピアノをどかせることに成功したが、
緑ダルマの消息は絶ってしまった。残り火が影響して匂いもわからない。
緑ダルマを追うのは断念せざるを得なかった。

別にプラモデルがなくなったこと自体は大したことじゃないが、
取られて、逃げられたという事実には少し腹が立つ。
いつも逃げるロケット団相手に荷物やポケモンを取り返したりしてきたし、
こういうことはある意味慣れっこだ。
だからこそ、捕られたまま逃げられたという事実はあまり面白くない。
まあロケット団は少々間抜けだからいつもうまくいってるとも言えるけど……

「逃がしたか…」

一緒にあのダルマを捕まえようとしてくれた獣ポケモンも不服そうに声を出す。
振り返ってみると、爆発による衝撃か、身体から血が出ている。

「その怪我…!」
「ああ、大丈夫だ。こんなもの舐めておけば治る。
 そんなことより、名前を聞いていなかったな。お前の名は?」

そう返された。
傷が気になるが、そういえばお互いに名前を知らないことを思い出す。

「あ、えっと…ピカチュウ」
「ピカチュウか。俺の名前はプックルだ。もっとも、名簿にはキラーパンサーと書かれているがな」

名前を名乗ると、相手からも返ってきた。キラーパンサーというのはおそらく種族名だ。
サトシ達は違うけど、トレーナーの中にはポケモンに名前を付ける人もいる。
彼もそう言う部類なんだろう。ピカチュウはそう考えた。

「あいつはオカリナ。あいつとはついさっき会ったばかりだ」

そう言って前足で鳥ポケモンを指す。
そのオカリナはというと、ピアノをしげしげと眺めていた。

「どうしたの?」
「へ? あ……すみません。聞いてませんでした」

オカリナというポケモンは人語を話すみたいだが、これも珍しいことではない。
いつもちょっかいをかけてくるニャースも人語を話すし、
シンオウ地方に来てからはペラップという人の声を真似るポケモンも知った。
ペラップより流暢に話すが、そうおかしいことではないだろう。

「どうしてピアノをみてたの?」
「ああ、えっとですね、このピアノをどこかで見たような気がして…」
「きみのもの?」
「いえ。旅の仲間にピアノを背負ってる人がいるんですけど、その人の持ってるピアノになんだか似てるなって…」
「どうやら似てるのではなく本当にライエルという奴のピアノのようだぞ」

その声に振りかえると、プックルが緑ダルマの荷物をあさっているところだった。
肩ひもが燃えていたが消火したらしい。その前足には紙が引っ掛かっている。
オカリナがその紙を見てみると、それはメモで、「ライエルのピアノ」と書かれていた。

「これは本当にライエルさんのピアノ…? でも何でこんな場所にある…?」
「そのピアノが気になるのはわかるが、ここを早く出たほうがよさそうだぞ?」

仲間の道具がこの場にあることにかなり疑問を持ったオカリナだが、プックルの言葉に我に帰る。
周りはプックルが出した炎やピカチュウの電撃で燃え広がっている
このままこの場所にいたら焼き鳥と焼き肉が出来上がってしまう。

「それもそうですね…って、プックルさん! 身体! 怪我!」
「だから大したことないと言っている。それよりも早く外に出るぞ」

プックルの言葉に気押される。
確かに、怪我のことを気にするより先に外に出たほうがよさそうだ。
ピアノを置いたままなのは気になるが、こんな重い物を運び出すのも無理だ。オカリナはあきらめる。
実際はデイバッグをピアノにかぶせれば中にしまえるのだが、三匹ともそのことには気付かない。
三匹は自分たちが付けた炎に少々気まずくなりながら塔を後にした。



  *  *


「詳しい自己紹介をしたいんですけど、いいですか?」

塔からやや離れ場所に向かう途中で、オカリナがそう言う。
自分が死んだ身であることもあって、三匹の中でオカリナは状況の把握を最も望んでいた。
できるなら自分の主であるサイザーやこの場にいるオーボウから聞きたかったが、この場にいない。
それならば自分の死んだあとのことも知っているであろうこの二人から状況を推察しよう。
オカリナはそう考えた。

「それもそうだな。なら俺から行こう。
 改めて俺の名はプックル。
 グランバニア城の王を主とする魔物だ。」

プックルが最初に名乗った。
グランバニアのことを言ったのは、身元をはっきりさせることも含めている。

「グランバニア城とはどこにあるのですか?」
「地図で言う、南東の島の中央部の森に囲まれた中にある」

オカリナの質問はある意味予想通りだ。
自分みたいに世界中を旅したりしない限り知らない町や城があるのもしかたない。
だが続いたピカチュウの言葉にプックルは困惑する。

「ええと、まものってなに?」

ピカチュウのことを魔物だと思っていた彼は、まさかそんなことを聞かれるとは思っていなかった。
魔物が自分のことを魔物だと理解していない? スライムにも自分が魔物だとわかるのに?
こいつは魔物じゃないのか? プックルは考える。
自分が早合点しただけで、こいつが動物だという可能性もある。

「お前は動物なのか?」
「ぼくはポケモンだよ。ポケモン図鑑にはねずみポケモンって呼ばれてたかな。
 あ、そっか。もしかしてきみはまものポケモンって呼ばれてるのかな?」

そんな答えが返ってきた。
おかしい。話が通じていないというか、かみ合ってない気がする。

「……ひとまずオカリナ、お前の自己紹介を進めてくれ」

だが詳しい話の追求はあとまわしにするべきだと判断し、オカリナに話を促す。
オカリナが応じて話し出す。

「えっと、私の名前はオカリナです。ハーメル一行の一員で……
 ……その……サイザー様にお仕えしています……」

オカリナは自分の番になるが、サイザーという主人の名前のところでつらそうに言った。

『ハーメルンの赤い魔女』

いくつもの国を襲い、赤い甲冑と、人の血で赤く染まった翼の色から、
彼女の主のサイザーはそう呼ばれ恐れられてきた。

城の王に仕えるプックルも、オカリナのことは知らなくとも主であるサイザーのことは知ってるだろう。
正直に話せば、最悪この場で友好に亀裂が入りかねない。
そのことから彼女はサイザーの名前を出すことを躊躇した。
だが嘘をつくことも彼女にはできなかった。

「そうか。じゃあ次はピカチュウだな。頼む」

(え…?)

かなりあっさりと話が次に飛ばされる。
まるでサイザーという名前を知らないみたいにプックルは軽く流した。
どういうことだ? 彼はサイザー様のことを知らない?
そんなはずはないだろう。仮にグランバニアという城が襲われなかったとしても、
襲われた国々から情報は渡っているはずだ。知らないなんてありえない。
なら怒りを抑えているのだろうか?
だが彼の雰囲気は、そんなことを微塵にも感じさせない。
サイザー様のことを全く知らないと考えたほうがよさそうだ。
どうして? 何故知らない?
オカリナの疑問は深まる。

プックルにしてみれば、主人の名前でオカリナが閊えたあたりから、
あまり主人のことをよく思っていなのだなと受け止めただけなのだが。

「ぼく、ピカチュウ。
 パートナーはサトシ。マサラタウンからずっと一緒なんだ」
「マサラタウン?」

聞いたことのない名前に、プックルは首をかしげる。
ピカチュウも、町のことを知らないのは仕方ないと思ってる。
トレーナーであるサトシも、こういってはなんだがただのトレーナーにすぎないのだし。

「うん。カントーにある街で……ああ、そうそう。オーキド博士っていったらわかる?」
「いや、知らない」
「そっか……あ、オーキド博士っていうのはポケモンのけんいってやつで、
 結構有名な人なんだ。その人もマサラに住んでるんだよ」

だから有名人であるはずのオーキド博士を話に出したが、博士のことも知らなかったようだ。

「ポケモンというのは、いったいなんなんだ?」

一方のプックルは再度出てきたポケモンというものについて聞いた。
取り合えず置いておいたが、軽く自己紹介も済んだことだし、深く突っ込んでもいいだろう

今度はピカチュウが困惑した。
ピカチュウにとってはこの会場にいる生き物は全員ポケモンだ。
まさかポケモンからポケモンとはなにか? と聞かれるなんて思っていなかった。

「あ、私も質問いいですか? どうしてあなた達はサイザー様のことに何の反応も示さないのですか?」
「サイザーという奴のことは知らない。知らない奴に反応しろというのは無茶な話だろう」

「本当にサイザー様を知らない……? どうして……?」
「ポケモンは……ええと……」

…どうやらピカチュウに限らず、全員に話のすれ違いが起きているようだ。

「ちょっとまて。一度落ち着こう。
 二人とも、文字はかけたりしないか? 少し話を整理しよう」

話せば話すほど、謎は深まるばかりだ。
プックルは混乱する二人をひとまず落ち着かせると、そう提案する。
幸い、オカリナが文字を書くことができたので、紙と鉛筆を取り出し、三匹は話を整理する。
このときも、ピカチュウ以外が鉛筆の存在を知らずに困惑し、
ピカチュウも二匹がトレーナーと共にいるにもかかわらず鉛筆を知らないことに困惑した。


  *  *


ピカチュウの説明するポケモンのこと。
世界中には何百種類ものポケモンがいること、
トレーナーと一緒に冒険したりすること、
普通はモンスターボールという道具の中にはいっていること、
ポケットモンスターという言葉を縮めてポケモンということ……

プックルの説明する自分の世界のこと。
ポケモンのようにたくさん種類のある魔物のこと、
自分と同じく主に仕える魔物の仲間たちのこと、
回復や攻撃や、様々な魔法のこと、
主の息子が天空の勇者だということ、
主と共に魔王を倒したこと……

オカリナの仲間たちのこと。
自分の敬愛する、天使の血を色濃く持ったサイザーのこと、
大魔王ケストラーの血をもつサイザーの兄のハーメルのこと、
スフォルツェンド王国の王女でもあるフルートのこと、
塔の中に置いてきたピアノの所持者のライエルのこと、
自分が一度死んだこと……

このほかにも、様々なことがオカリナの書いたメモには書かれている。
それでわかったことは、それぞれの持っている知識をお互いに知らないということだった。

ピカチュウの知るポケモンや、それに対する技術、
プックルとオカリナとでそれぞれ違う魔王、
死んだら砂状になって消えてしまう魔物と死体が残り、あまつさえ蘇生も可能な魔物。

「どうしてこうまで自分たちの知ってることが違うんだ…?」
「お互いに知らないはずのない情報まで知らないというのはおかしいです」
「もしかして」

ピカチュウの言葉に、他の二匹が目線をそちらに向ける。

「……えっと、もしかしてなんだけど、僕たち、違う時間や世界から来たんじゃないかな」

その後のピカチュウの話によると、ポケモンの中には時間を旅するセレビィというものや、
街を異空間に取り込むパルキア、時間を操るといわれるディアルガというポケモンがいるらしい。

この時プックルは、自身がこの世界は自分の住む世界とは別の世界だと考えていたことを思い出す。
自分がそうなら、他の参加者もそれぞれ別の世界から飛ばされたとも考えられないだろうか。

「……つまり、ピカチュウはキュウビがそういう時間や異世界を作る能力者で、
 俺達はそれぞれ違う世界から飛ばされてきた、と言いたいのか?」
「大体そんな感じ。キュウビがそう言う能力を持ってるかは分かんないけど。
 もしかしたらセレビィ達がキュウビにつかまって利用されてるのかもしれないし」
「なるほど。そう言う可能性もあるか」

プックル自身も、異世界へ転送される場所がエルヘブンの洞窟にあることを知ってるし、
自分の主が妖精の城で過去にゴールドオーブを取りに行ったことを知っている。
なのでピカチュウの仮説を割とすんなり受けることができた。
オカリナも、話の違いを説明する理由が他に思い当たらないのか、納得した。

「ですが、ひとつ不可解なのは、どうして私をわざわざ生き返らせたりしたのでしょう?
 生き返らせること自体はプックルさんの世界の魔法などで解決できるとしても、
 私をわざわざ生き返らせて殺し合いをさせるなんて、面倒なことを何故…?」

深く追求しなかったが、異世界に自分の常識が通用するか分からない。
大体砂になって消えてしまい、死体が残らなかったのだから、
プックルの基準だとオカリナの蘇生は不可能だ。
恐らくキュウビが自分たちの知らない技術を使って生き返らせたのだろう、としか判断できない。

まあそれは置いておくとして、確かに妙な話だ。
大体殺し合いをさせるにしても、モンスター闘技場のようにその場で戦わせればいい話だ。
バラバラにして、道具を持たせて、こんな手の込んだやり方をする理由が分からない。
一応、理由らしいことは言っていたが。

「呪法……か」
「ジュホウ…っていってたよね」
「呪法…確かにそう言ってましたね」

同時に思い至ったようだ。
この殺し合いの場を設けることで、何らかの儀式をしようというのだろう。

「でもどうして魔物や動物ばかり集めてきたんでしょう。それもいろいろな世界から」
「予想はつくがな…」
「どんなの?」
「俺たちの共通点はなんだかわかるか?」
「えっと、皆ポケモンだったりまものだったりすること?」
「皆人間じゃない、ということですね」

ピカチュウが答え、オカリナが補足する。

「それもそうだが、もう一つ重要なところがある。全員、主がいるということだ」

二匹はあっと唸る。

「もちろんピカチュウの知り合いのニャースやミュウツーのように明確な主のいないものもいるだろう。
 だがニャースは「ろけっとだん」という人間の組織にいるし、
 ミュウツーもその「ろけっとだん」と関わりがあるようだった。そうだな?」
「うん、そうだね」
「つまりここにいる生き物たちは、全員人間と関わりを持つ者たちだということだ。いい方にも悪い方にも、な。
 そういう共通点があるなら、キュウビの目的も、人間と関係があると考えたほうがいい」
「え、それってつまり……」

プックルはそこでトーンを落とし、重々しく語る。

「つまりキュウビは人間に恨みを持っていて、それを晴らすために呪法を完成させようとしている。
 その生贄のために、人間と親しい生き物をつれてきた。そう考えるのが一番自然だ」
「それって……じゃあ! ジュホウが完成しちゃったら、サトシたちが大変な目に会っちゃうの?」
「この仮説が正しければ、だがな…」
「でも、サイザー様が危険な目に合う可能性があるなら、許せません!」
「俺も同意見だ。別の可能性があるにせよ、決してろくなことじゃない。あいつを放置しておいたら主に迷惑がかかる」
「ぼくも、許せない!」

三匹は、打倒キュウビを誓いあった。

それからの話は順調に進んだ。
互いの世界のこと、旅してきたこと、改めて主人のこと。
互いの世界が別なものだということがわかったので、多少のずれは気にならない。
オカリナが人間のような姿に変身できると聞いた時は少し驚いたが。



「そういえば、あの緑色の生き物はなんだったんですか?」

情報交換がようやく終わりそうになった時、ふと思い出したようにオカリナがピカチュウに問う。
互いの世界が別の世界だという話で忘れかけたが、
自分たちが巡り合った原因である緑ダルマのことを聞くのを忘れていた。

二匹が促すとピカチュウは正直に起こったことを話す。隠す理由なんてない。
この殺し合いの場に呼ばれて、道具の確認をして、はずれと思われるプラモデルをとりだすと、
突然横から緑のダルマがそれを奪ってきた。
追いかけてる最中にプックル達と出会い、一緒に緑ダルマをやっつけようとした。

考えてみれば変な奴だった。
おもちゃを奪って、挙句逃げ出す。
素直にくれと言われれば上げたものを、どうしてあんなに躍起になって奪っていったのだろう。
そこまで考えたところで、オカリナが険しい顔で聞いてきた。

「そのぷらもでる、本当に何の力もないんですか?」
「……? どういうこと?」
「そのぷらもでるというものは、本当に何の力もないものなんですか?」
「う~ん…ただのおもちゃだと思うけど…」
「ぷらもでるというのは、いったいどんなものなんだ?」

プックルに説明を求められて、ピカチュウは記憶の限りにジムのプラモデルのことを話す。
プラモデルというもの自体をよく知らないみたいだったので、それについての説明も加える。
その話を聞いたオカリナは、再度ピカチュウに聞いてきた。

「では、どうしてあの緑のダルマはそんなものを奪って逃げていったのでしょうか」

はて。
考えてみればそうだ。あれはどう見てもハズレにしか見えない支給品だ。
それをどうしてあの緑ダルマはあんなに必死になって奪っていったのだろうか。

「私の推測ですが、そのぷらもでるというもの…
 完成させると何か恐ろしい力が手にはいるのではないでしょうか?」
「そんなわけないよ。あれはどう見てもおもちゃだよ」

真剣にプラモデルについて話すオカリナに、呆れたようにピカチュウは答える

だがオカリナの話によると、彼女の世界にはただの洗濯機やトイレの形をした悪い魔物を吸い込む道具や、
ミサイルやレーザーが内蔵されているバイオリンが作られたりしているらしい。

「確かに、見た目と違い、特別な力を持つ道具もあるな。
 俺や主が幼い時に、ゴールドオーブというものをもっていたんだが、
 ただのきれいな玉にみえたその玉が、天空城を浮かせるのに必要なこの世に二つとない道具だった。
 一見すると大したものに見えないものでも、何か秘密があるんじゃないか?」
「う~ん……そう言われても…」

そう言われても、あれは唯のプラモデルにしか見えない。

「そういえば、あのダルマ、プラモデルのことを『ガンプラ』って言ってたけど…」
「なるほど。本当はそう言う名の道具なんだな」

記憶を探っていってみる。
そう言えば妙な話だ。
何故あのダルマはプラモデルを『ガンプラ』と呼んだのか。
ポケットモンスターのように略称で呼んだのだとしても、『ジムプラ』と呼ばれるはずだ。
つまり、あの何の変哲もなさそうなプラモデルは、『ガンプラ』と呼ばれるすごいものだった?
あの緑ダルマはその価値を理解していて、だから何を捨てても奪った?

確かにそう考えてみれば、奇怪な行動も納得できる。
なんだか変な感じもするが。

「その『ガンプラ』、人型のロボットのような形をしていたんですよね?」
「うん、そうだよ」
「組み立てたら、巨大化したり……しませんよね?」
「それはわからないが…襲ってくることは間違いないだろう。
 手には「じゅう」という武器も持っているのだろう?」

話は勝手な解釈をされ、真実味を帯びてくる。

おまけに緑ダルマはピアノ――重さは500㎏あるらしい――を投げられる力を持っていた。
直接戦っても強そうだというのに、『ガンプラ』を優先させた。
それだけの価値のある物だったと判断せざるをえない。


追いかけて、『ガンプラ』を取り戻したいところだが、緑ダルマの行方が分からない。
しかたないので、これからの行動方針を話し合って決める。

それに関しては、割とすんなり決まった。
ピカチュウとオカリナが、プックルの治療をしようと言いだしたのだ。
プックルの身体は、今は止まっているが、血が結構出ている。
プックル自身にしてみれば、傷は浅く、また重症でもなお戦いの場にいたことから、
多少の傷は全く気にならないのだが、見てるほうは治療をしたいという気持ちもわかる。
だがこの場で治療しようにも、治療道具の類はプックルの持つ状態異常回復の木の実のみだ。
そこでオカリナは、2ーEにある保健所に行くことを提案した。
プックルは尚も大したことはないと主張したが、そのあとプックルも気にしているお城に行こうと言われたこともあり、
また今後も負傷することを考え、薬の確保はしておいたほうがいいといわれ、納得した。

最後に支給品の交換をしあう。
「いかずちプレートはピカチュウがもっていたほうがいいだろう。
 俺が使うのはいなずまだけだが、お前はバリエーションがあるんだろう?」
「ありがとう。僕のもってるミニ八卦炉はオカリナが使う?」
「でもそれって使うとこんがり焼けてしまうんじゃ…?」
「その姿だと攻撃手段がないんでしょ?だから念のためだよ。
 それにぼくもプックルも魔力っていうの持ってないし」
「……じゃあ、一応持っておきます」
「オカリナの荷物はぼくのと一緒にしておくね」
「あ、助かります」
「ピカチュウ。オカリナの支給品の動かし方を今のうちに覚えておけ」

オカリナの支給品の一つに盾のようなものがあった。
名前をライディングボートと呼び、
説明によれば、砲撃装置あり、飛行可能、盾にもできるというすぐれものらしい。
歩いて余計な体力を消耗するよりいいだろう。
だがこれは恐らく人間用に作ったものなのだろう。プックルには乗れなかった。
オカリナももともと空が飛べるし、オカリナにとって大きすぎる。
消去法になるが、ピカチュウが使うことになった。

そして一同は保健所を目指す。

彼らは気付くだろうか。
参加者の中には、人間と全く関係のない動物がいることに。
『ガンプラ』が、本当に唯の玩具であることに。

【チーム:主をもつ魔物達】
【D-3/電波塔/1日目/黎明】
【共通思考】
1:緑ダルマ(ケロロ)にあったら『ガンプラ』を取り戻す。
2:仲間になれそうな動物を見つけたら仲間に入れる。敵なら倒す。
3:保健所で治療道具を確保。その後お城に向かう
4:脱出の手がかりを探す。
【備考】
※互いの知り合い、世界や能力等について情報交換しました。
※それぞれが違う世界から呼ばれたと気付きました。
※ディアルガ、パルキア、セレビィ等のポケモンや、妖精等の次元や時空を操る存在が
 キュウビによって捕らえられているかもしれないと考えています。
※この会場にいる獣達は全員人間とかかわりをもつ者だと勘違いしています。
※その間違えた前提を元にキュウビの呪法が人間に対してつかわれるものだと推測しています。
※『ガンプラ』が強力な武器だと誤解しています。
※ケロロ(名前は知らない)が怪力の持ち主だと誤解しています

※D-4の電波塔内で火災が発生しました。燃え上がるか、沈静化するかは次の書き手に任せます
※D-4電波塔内にライエルのピアノ@ハーメルンのバイオリン弾きが放置されています。


【ピカチュウ@ポケットモンスター】
【状態】波乗りピカチュウ
【装備】:ライディングボード@リリカルなのは、いかずちプレート@ポケットモンスター
【道具】:支給品一式×2(ピカチュウ、オカリナ)不明支給品0~2(治療道具ではない)
     地球動物兵士化銃@ケロロ軍曹、
【思考】
基本:キュウビを倒して脱出する
1:ライディングボードの使い方になれる
2:共通思考のために、まずは保健所を目指す。
3:自分の知り合いとオーボウを探す。
4:仲間や良い動物が悪い動物に襲われる前に助ける
5:ケロロ(名前はしらない)を敵視。
※DP編からの参戦です。
※『ガンプラ』が武器だということに関しては半信半疑です
※ポケモン以外の生き物について把握しました。


【キラーパンサー@ドラゴンクエスト5】
【状態】ダメージ(小)、身体から出血。
【装備】炎の爪@DQ5
【道具】:支給品一式×2(キラーパンサー、ケロロ)、不明支給品0~1(武器、治療道具ではない)
     きのみセット@ポケットモンスター(クラボのみ、カゴのみ、モモンのみ、チーゴのみ、
     ナナシのみ、キーのみ) 、
【思考】
基本:ゲームには載らないが、襲ってくる奴には容赦しない。キュウビは絶対に倒す
1:共通思考のために、まずは保健所に向かう。
2:ピカチュウの知り合いとオーボウを探す
3:同じ志をもつ奴がいたら仲間に入れる。
4:お城を調べたい。
※参戦時期はED後です。
※名前はプックルです。


【オカリナ@ハーメルンのバイオリン弾き】
【状態】健康
【装備】ミニ八卦炉@東方project、
【道具】なし
【思考】
基本:ゲームには載らない。キュウビを倒す
1:共通思考のために保健所に向かい、薬を確保。
2:オーボウと、ピカチュウの知り合いを探す。
3:できるならミニ八卦炉は使いたくない
※参戦時期は死亡後です。
※自分の制限について把握していません。





ガンプラは死守することができた。
だが他の道具をすべて失ってしまった。
一体ぜんたい、どうやってこの殺し合いを生き残ろう……

……ひとまずは安全な場所でジムを作ろうか。

【C-4/路上/1日目/黎明】
【ケロロ軍曹@ケロロ軍曹】
【状態】疲労(小)
【装備】:ジムのガンプラ@サイボーグクロちゃん
【道具】なし
【思考】
1:あの3人組から逃げる。
2:とりあえずギロロと合流
※ピカチュウ、キラーパンサー、オカリナをゲームに乗ったと誤解しています(名前は知らない)
※ピカチュウ、キラーパンサーの言葉は通じないようです。他は不明。


【ばくだんいし@ドラゴンクエスト5】
爆弾岩から取り出したいし。
使うとイオラの効果が出る

【ライエルのピアノ@ハーメルンのバイオリン弾き】
重さ500㎏、耐火性の特別製ピアノ。
話の中でよく投合武器として使われるが、傷一つ付かない丈夫さ。

【ライディングボード@リリカルなのは】
ナンバーズNo11.ウェンディの持つ固有武器。
盾でもあり、砲撃装置でもあり、移動手段でもある汎用性の高い大型プレート。




時系列順で読む


投下順で読む


002:宇宙を越えた執着心 ピカチュウ 049:異境異聞
012:主に仕えし魔物の道は キラーパンサー 049:異境異聞
012:主に仕えし魔物の道は オカリナ 049:異境異聞
002:宇宙を越えた執着心 ケロロ軍曹 055:新しい朝が来た、疑問の朝だ




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