意識レベルのとりかた
意識レベルは、日本では良く知られているJCS(Japan-coma-scale)と、世界的に用 いられているGCS(Glasgow-coma-scale)と2つの基準があります。どちらでも良いですが、救命の先生はGCSを、脳外科はJCSを用 いることが多いと思います。どちらが優れているというものではありませんので、どちらかをきちんと使えればいいと思います。
Glasgow coma scale
開眼機能(Eye opening)「E」
・4点:自発的に、またはふつうの呼びかけで開眼
・3点:強く呼びかけると開眼
・2点:痛み刺激で開眼
・1点:痛み刺激でも開眼しない
言語機能(Verbal response)「V」
・5点:見当識が保たれている
・4点:会話は成立するが見当識が混乱
・3点:発語はみられるが会話は成立しない
・2点:意味のない発声
・1点:発語みられず
運動機能(Moter response)「M」
・6点:命令に従って四肢を動かす
・5点:痛み刺激に対して手で払いのける
・4点:指への痛み刺激に対して四肢を引っ込める
・3点:痛み刺激に対して緩徐な屈曲運動
・2点:痛み刺激に対して緩徐な伸展運動
・1点:運動みられず
Japan coma scale
I .覚醒している(1桁の点数で表現)
・0 意識清明
・1(I-1) 見当識は保たれているが意識清明ではない
・2(I-2) 見当識障害がある
・3(I-3) 自分の名前・生年月日が言えない
II.刺激に応じて一時的に覚醒する(2桁の点数で表現)
・10(II-1) 普通の呼びかけで開眼する
・20(II-2)大声で呼びかけたり、強く揺するなどで開眼する
・30(II-3)痛み刺激を加えつつ、呼びかけを続けると辛うじて開眼する
III. 刺激しても覚醒しない(3桁の点数で表現)
・100(III-1) 痛みに対して払いのけるなどの動作をする
・200(III-2)痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめたりする
・300(III-3) 痛み刺激に対し全く反応しない
読めば分かりますが、JCSの方が使いやすいです。ありがちなのは、目を開けなければ3桁と意識を考えることなのですが、難しいことですが手足を活発に動かしていても目だけ開けない患者は3桁ではないと考える脳外科医は多いと思います。何故なら手足を活発に動かせるということは、それだけ脳は元気であり、少し待てば目が醒める可能性が高い、今はただ(薬や何らかの影響で)寝ているだけだと感覚的に考えるからです(まぁ、これは僕の偏見に満ちた考えかもしれないので、あんまりおおっぴらには言わないように)。もちろん客観的な評価としてはIII-100でもいいのかもしれませんが。。。3桁と言うと昏睡状態という感覚が強く、脳が強いダメージを受けたと考えることが多いです。
ちなみに、本気で昏睡になるような疾患は、重症くも膜下出血、重症脳梗塞(内頚動脈閉塞・脳幹梗塞など)、脳内出血や急性硬膜下血腫などによる切迫脳ヘル ニア、けいれん後意識障害(回復するけど)などなどです。逆に言えば、昏睡でないような疾患では、3桁になるはずがない、とはなから決め付けているフシあ ります(逆にそうなったばあいは「急変」なのですが。。。)
意識レベルは、日本では良く知られているJCS(Japan-coma-scale)と、世界的に用 いられているGCS(Glasgow-coma-scale)と2つの基準があります。どちらでも良いですが、救命の先生はGCSを、脳外科はJCSを用 いることが多いと思います。どちらが優れているというものではありませんので、どちらかをきちんと使えればいいと思います。
Glasgow coma scale
開眼機能(Eye opening)「E」
・4点:自発的に、またはふつうの呼びかけで開眼
・3点:強く呼びかけると開眼
・2点:痛み刺激で開眼
・1点:痛み刺激でも開眼しない
言語機能(Verbal response)「V」
・5点:見当識が保たれている
・4点:会話は成立するが見当識が混乱
・3点:発語はみられるが会話は成立しない
・2点:意味のない発声
・1点:発語みられず
運動機能(Moter response)「M」
・6点:命令に従って四肢を動かす
・5点:痛み刺激に対して手で払いのける
・4点:指への痛み刺激に対して四肢を引っ込める
・3点:痛み刺激に対して緩徐な屈曲運動
・2点:痛み刺激に対して緩徐な伸展運動
・1点:運動みられず
Japan coma scale
I .覚醒している(1桁の点数で表現)
・0 意識清明
・1(I-1) 見当識は保たれているが意識清明ではない
・2(I-2) 見当識障害がある
・3(I-3) 自分の名前・生年月日が言えない
II.刺激に応じて一時的に覚醒する(2桁の点数で表現)
・10(II-1) 普通の呼びかけで開眼する
・20(II-2)大声で呼びかけたり、強く揺するなどで開眼する
・30(II-3)痛み刺激を加えつつ、呼びかけを続けると辛うじて開眼する
III. 刺激しても覚醒しない(3桁の点数で表現)
・100(III-1) 痛みに対して払いのけるなどの動作をする
・200(III-2)痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめたりする
・300(III-3) 痛み刺激に対し全く反応しない
読めば分かりますが、JCSの方が使いやすいです。ありがちなのは、目を開けなければ3桁と意識を考えることなのですが、難しいことですが手足を活発に動かしていても目だけ開けない患者は3桁ではないと考える脳外科医は多いと思います。何故なら手足を活発に動かせるということは、それだけ脳は元気であり、少し待てば目が醒める可能性が高い、今はただ(薬や何らかの影響で)寝ているだけだと感覚的に考えるからです(まぁ、これは僕の偏見に満ちた考えかもしれないので、あんまりおおっぴらには言わないように)。もちろん客観的な評価としてはIII-100でもいいのかもしれませんが。。。3桁と言うと昏睡状態という感覚が強く、脳が強いダメージを受けたと考えることが多いです。
ちなみに、本気で昏睡になるような疾患は、重症くも膜下出血、重症脳梗塞(内頚動脈閉塞・脳幹梗塞など)、脳内出血や急性硬膜下血腫などによる切迫脳ヘル ニア、けいれん後意識障害(回復するけど)などなどです。逆に言えば、昏睡でないような疾患では、3桁になるはずがない、とはなから決め付けているフシあ ります(逆にそうなったばあいは「急変」なのですが。。。)