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口より先に欲が出る ◆1eZNmJGbgM




場所は地下鉄F-6駅前。ここに集うはウマゴン、オーボウ、クズリの父、三匹の参加者である。
先程までの話し合いの結果、これからG-7の教会へ向かう事が決定済み。その理由はオーボウが
最初に遭遇した戦士、ラルクの説得に他ならない。オーボウが言うには、あの獣人はこの殺し合いに
乗るかどうかは決めかねているようであるらしい。そこで我々三匹で説得に向かい、殺し合いに否定的な
参加者が決して少なくないと理解してもらえれば彼も打倒キュウビへの強力な戦力になるだろうとの事。
他の二匹も決して好戦的では無かった為、この提案に賛成した。

そしてさあ出発という時にソレは来た。
最初に気づいたのは誰であったのかは判らない。
誰ともなく自分達に接近してくるナニカを警戒して周囲を見渡す。
しかし辺りは荒野。迫りくる物などありはしない。
だが確実に近づいてくる脅威。姿が見えない事がより一層の緊張を呼ぶ。
徐々にソレの足音が聞こえてきた。
馬にしては音が低く、象にしてはテンポが早く、まるで地獄から現世に舞い戻らんとするような重低音。
その瞬間、この膠着状態を打ち破る声が地獄の釜から木霊する!


『マモナク、F-5行キノ電車ガ来ルンダベ! オ乗リナル方ハ危険ナノデ、白線ノ内側ニ下ガッテ待ツンダベ!』


「メル~」

幽霊の正体見たり枯れ尾花と言ったところか、一気に緊張の糸が切れたのはウマゴンただ一匹のみ。
他の二匹は地下鉄の存在を知らない為、ため息の様なウマゴンの声の意味するところを知らない。

「……ウマゴン?」
「よく解らんが、この音の正体が何なのかウマゴンは知っているのじゃな?」
「メルメルメ~」

そう言ってウマゴンは軽い足取りで駅の構内へと歩き出す。アレが電車の到着を教えてくれるものだと
説明したいところだが生憎ウマゴンの言葉は通じない。ならば態度で示そうと、自分が先に行動へ移す。
そんなウマゴンの様子にオーボウ、クズリの父共に、警戒は緩めずとも緊張は解れた様だ。

そうして三匹は長い下り階段を進み地下へと降りて行く。
インフラはそれなりに整備されているようで、所々天井の蛍光灯が点滅する程度の為視界も良好。
尤も、地底に潜るという経験どころか人工の建造物の存在すら知らなかったクズリの父だが、最初に
刑務所を探索済みなので多少は慣れてきた模様。むしろオーボウの方がなまじ文明人なだけにレベルの違いを痛感している様子。

「この階段といい、この通路といい、何よりも天井の不思議な灯り……まるで昼間の様に明るい。
これ程の建物が他にも十か所以上あるというのか……キュウビめ、奴の底がまるで見えんワイ」
「む?確かにこのエキという場所はワタシが最初にいたケイムショに比べると明るい気がするがね、
どの建物も見たこと無いものばかりで違いがよく解らんな」
「メル~?」

そんな会話をしながら探索を進め、複雑な構内を巡り、三匹は改札口へ到着。と同時に、構内のアナウンスが流れる。

『マモナク、F-5行キノ電車ガ発車スルンダベ! 扉ガ閉マルンデ、注意スルベ!』

その後、ピリリリリという甲高い音が鳴り響く。どうやら、あの音はデンシャなる者の叫び声であるらしい。
そんな微妙な勘違いをした二匹が改札口を通ろうとすると、下の階から生暖かい風が流れてくる。ちなみにウマゴンのみ切符売場へ進んでいたのは御愛嬌。
随分と鉄臭い息だな、とオーボウが顔を顰めて、ふと後ろを振り向くとクズリの父も同じような表情をしていた。しかしこちらの表情は理由が異なる。

「どうやらあのデンシャはもう誰かを食べた様で。血の臭いがするからねぇ」

烏よりは優れた嗅覚で、クズリの父は機械以外に漂ってきた臭いの正体を当てる。
ウマゴンも彼らの感想、推察は滅茶苦茶だが回答には賛同するので前方を凝視し、天井が低いので
自由に動けないのが不満なのかオーボウもウマゴンの背上で待機している。

そんな時間がどれぐらい流れただろうか、先程も聞こえたゴトンゴトンという重低音が鳴り出す。出発したらしい。
どうやら、あの音はデンシャの足音の様だと声に出さずともまた勘違いする二匹。
やがて音が段々と遠ざかり、木霊のみが聞こえてくる頃になって別の音、今度は三匹共が聞き覚えのある
規則正しい二足歩行の音がプラットホームの階段を登る度に聞こえてくる。

まず最初に見えたのは鍔の広い真っ赤な帽子。それを深く被っているので人相はよく解らないが。
帽子と同じ色のマントとロングブーツ。毛並みが青みがかったグレーなので尚のこと赤が映える。
階段を登り切ったところで改めて全体図を確認する。見たところ山猫のような風貌をしているがその目つきは動物ではなく魔物。
そしてその山猫はいかにも陽気な感じで口を開く。

「ヒーホー! オイラの名前はケットシー、よろぴー!」


魔獣 ケットシーが1体出た!


勿論、ケットシーとは違いウマゴン達は警戒を強めたままである。理由は二つ。
一つはケットシーが右手に持っている剣……といっても刃の部分が根元から折れてはいるが、その剣からは血の臭いが漂う。
もう一つも血液ではあるが、こちらは斬りつけた、あるいは刺して引き抜いた時にできたものか、返り血を浴びている。
つまり先程デンシャから匂ってきたと思われた血臭の原因はこのケットシー。
そんな相手を初対面で信用する奴などいるわけがない。三匹の気持ちを代弁する様にオーボウが口を開く。

「じゃがなあ、そんな血生臭い剣を持ち歩いている輩に対して友好的に振舞うのは難儀じゃゾイ」
「えー? いやこれはさー、前の駅でとんでもなく強いバッドな馬にKILLされそうになって」
「つまり、襲われたから反撃しただけだと? そしてそれを信じろと? 厳しいねぇ」
「メル~?」

オーボウに会った時でさえ慎重になっていたクズリの父、今回は拒否反応すら感じさせる。
唯一ウマゴンとなら会話の余地がありそうだがいかんせん言葉が通じそうに無い。

「つまり三匹がかりでイヤがる悪魔を ムリやり倒し、殺してけいけんちがっぽりー! ……んでもってレベルアップ?」
「いやそういう訳ではないのじゃがな、簡単に言えばオヌシが信用に値するかどうかという話じゃ」
「そういうソッチはどうなのさ、コッチばっかり疑ってー。世の中しけてんぜーオイラグレちゃう」
「ワタシ達はそこのカラス…オーボウの提案でこれからキョウカイへ移動する途中でね」
「キョーカイ? 邪教の館の親戚?」
「……なにか思い違いをしている様だが教会が目的では無くてじゃな、そこにいるラルクと言う――」

オーボウがラルクの説明を続けようとしていたその時、ケットシーが口をはさむ。

「用はそのラルクとか言う仲魔に会いに行くの? オイラも連れてってー」
「だからこそオヌシが同行しても問題無いかどうなのかと話をしているんじゃろが……」

はぁ、とため息をつくオーボウ。心なしか頭痛もしてきた気がする。どうやらこのケットシー、かなり陽気……というかお調子者の様だ。
さらに彼?への対応も考える。返り血を浴びている参加者を同行しておいて殺し合いには乗っていないとラルクに説明してもまるで説得力が無い。
ではどうするべきか。せっかく他の参加者と接触しておいてそのままただ別れるのは勿体無い。
言っている事が嘘か真実かはともかく、自分の身を守るだけの力はあるらしい。
クズリの父、ウマゴン共に交渉は任せてくれる模様。
ならば――

「ケットシーと言ったかの? 一つ提案があるんじゃが聞いてもらえるか?」
「なにー? ハッ、まさか言葉たくみにオイラをかどわかしてゆくゆくは合体材料? 相手は美人でよろしくー」
「だからどんな思い違いをしているんじゃ……結論から言おう。オヌシと共に行動する気は無い。これから
殺し合いに乗らないように説得に向かう集団の中に返り血を浴びている参加者が同行しているのはマズイんじゃよ」
「は? 付き合い悪いぜ! すなわち バッド付き合い」
「話は最後まで聞くもんじゃぞ。その代わりと言っては何じゃが、一つ用事を頼まれてくれんかの」

そこで一旦言葉を区切り、一息ついた後再び話し出す。

「実はこの殺し合いにはワシの娘が参加しておってな、名をオカリナと言う。見た目は……わかりやすく言えば
ワシの色違い、白い鳥じゃ。親バカかもしれんが、どこかで出会う事があったらワシが無事であることを伝えてほしいんじゃ」
「……なるほど、ではワタシも伝言を頼むか。私の知り合いはヒグマの大将。見た目は文字通り大きな熊。知り合いは彼“だけ”だ」
「メ、メル~?」

解決策はこうだ。一緒には行動できないが、他に頼みたい事が出来たと言って別れる。
これならばある程度の言い訳にも繋がり、さらに自分の無事を伝えられる。
もしケットシーが殺し合いに乗っていて危害を加えようとしてもオカリナなら十二分に対抗できるはず。
その考えを理解してくれたので、クズリの父もあえて知り合いの名前の内、ヒグマの大将しか紹介していないのだろう。
いまいち理解できていないのがウマゴンだが、こういう時はウマゴンの言葉が通じないのが不幸中の幸いだ。
これならば成功とまでは言わなくても失敗はするまい、そう考えオーボウはケットシーの返答を待つ。

「どうじゃろう、もしオヌシにも知り合いがいるのならばワシが伝言を預かるが……」
「タダで?」
「な、なに?」
「だーかーらー、ヒトにものを頼むのにタダで頼むのー? シュガーシュガー!」

しかし相手が悪かった。
ケットシーの世界では交渉の際に金品を巻き上げる……もとい分けてもらうことが珍しくない。
交渉が得意な悪魔の中には相手から金品をせしめるだけせしめて最後にはその生命までも頂戴する者もたまにいるぐらいだ。
それがどんな些細な事柄でもタダ働きはあり得ない。恫喝すれば話は別だが。
そのルールはこの場でも変わる事は無く――

「魔石ちょーだい、魔石ー!」
「スマン、その魔石とやらは持っていないんじゃ……」
「えー、じゃあ宝石ちょーだい!」
「い、いや宝石も持っておらなんでな……」

元来押しの強い性格では無いオーボウ。
自分に支給された品は教会に全て置いて来てしまっている以上、ケットシーに渡せるものなど有りはしない。
そこで助け船を出したのは意外にもウマゴンではなくクズリの父。
どうやら、適当に支給品を渡してお引き取り願いたい気持ちが顔にも出ている。

「ケットシー君、これはワタシの袋に入っていたんだが、このキノコで引き受けてはくれないかね?」
「キノコ? なんだか腹の足しにもならなそう、MAGも回復できそうに無いしー」
「ところがだ、このキノコは食べると体が巨大化するらしい。こんな珍しい物ではダメか?」
「うーん、もう一声何かちょーだい」

注文の多い交渉人だ。

「ならこれもつけよう。このカードは<追跡(トレース)>といって、特定の参加者の居場所をお日様が
一周するまで教えてくれる道具らしい。先程襲われたと言っていた馬に対して使えばいいじゃないか」

これにはケットシーも返す言葉が無い。彼が馬―風雲再起―に会いたくないのは事実だ。
しかしそれは自分の襲撃現場を目撃されたためであり、オーボウたちに説明している内容とは異なる。
だからこれ以上なにかをねだる訳にはいかない。
今の彼にとってこれ以上ありがたいアイテムは無い、そう相手に思ってもらわないと嘘が露呈する可能性が出てくる。
ただでさえ信頼関係が築けてもいないのに余計な疑惑は命取り。さほど戦闘力が高くないケットシーは
余計な敵を作りたくは無いし、口封じをしようにも相手が三匹では確実に一匹には逃げられる確率は高い。
ならば答えは当然――

「ヒーホー! これで契約はせいりつー! オカリナっていう白い鳥とヒグマの大将っていう大熊に熱いメッセージ伝えちゃうよー」
「ああ、頼んだ。ワタシ達はこれからG-7の教会に向かって進む。ケットシーはどうする?」
「オイラはここで電車待ちー。乗り換えでE-4へ行くつもり、じゃあね~。あとオイラがKILLされそうになった馬、風雲再起っていうからー」

貰う物を貰ったら様は無いと言わんばかりに再びプラットホームへ向かうケットシー。
その小気味いい程の変わり身にあきれるオーボウとウマゴンに対し、こちらもあっさりと地上へ向かうクズリの父。
慌てて後を追う二匹。

「あれで良かったのかのう……信用できるのかできないのかいまいちわかりづらい奴じゃ」
「メル~」
「ワタシは自分の身が可愛いから、あの場からできるだけ早く立ち去りたかった。ただそれだけだよ」
「どういうことじゃ!?」
「あのケットシー、馬に襲われて反撃しただけと言っていたがその割には爪の先まで血に染まり過ぎていたからねぇ、まるで誰かを引き裂いたみたいに」

そう言われて思い出してみてもオーボウにはよく思い出せない。
どうやら交渉の際に相手のペースに呑まれたせいか、そこまで気が回らなかった様だ。

「勿論さっき言っていた馬に襲われたというのは本当だろう。あんな石よりもずっとずっと硬そうなのを壊すぐらいだから」
「……よく解ったのう」 
「メルメルメ~!」

この遭遇は結果としてお互いに恩恵をもたらした。
ケットシーには二つのアイテム。オーボウ達にはチームとしての役割分担。とくにクズリの父の株は上がった様だ。
しかし次に対峙するラルクには小手先の交渉術は通じない。なにより、交渉を破棄して襲いかかられたら助かる術はほぼ無いに等しい。
ではどうするべきかと考えた場合にこそ、今し方の団結力を見せつけるしかないのである。
ただしそれが功を奏するかは、また、別のお話。



【F-6地下鉄駅プラットホーム/一日目/早朝】


【ケットシー@真女神転生if...】
【状態】:疲労(小)
【装備】:和道一文字@ワンピース、まぼろしのてぶくろ@MOTHER3
【所持品】:支給品一式、デザートイーグル@真女神転生if...(コロナショット2発装填)、コロナショット@真女神転生if...(14発)
      雷の石@ポケットモンスター、拡声器、折れたシャムシール@真女神転生if...、巨大キノコ@スーパーマリオシリーズ、
      グリードアイランドカード(追跡)@HUNTER×HUNTER

【思考】
基本:生き残る。ゲームに乗るかキュウビに逆らうかは他の参加者をよく確かめてからにする
1:E-4行きの電車を待つ。
2:先ずは生体マグネタイトを調達する(誰かを殺す、もしくは誰かが持っているのを手に入れる)
3:余裕があれば首輪の解除をする。
【備考】:雷の石をマハジオストーン@真女神転生if...と勘違いしています
     まぼろしのてぶくろを防具と勘違いしています
     拡声器を攻撃アイテムと勘違いしています
     魔法の制限の可能性に気づきました
     グリードアイランドカードの使用法を聞きました
     オカリナ、ヒグマの大将の情報を聞きました


【F-6/地下鉄駅/1日目/早朝】


【ウマゴン@金色のガッシュ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、巨大キノコ@スーパーマリオシリーズ(New)、魔本
【思考】
基本:殺し合いから脱出
1:G-7の教会に向かい、ラルクを説得する
2:夜の内に砂漠を抜ける
3:クズリの知人を探す手伝いをする
【備考】:クズリの父、オーボウと情報交換をしました
     風雲再起を危険人物と考えています
     ケットシーを危険人物と考えています


【クズリの父@ぼのぼの】
【状態】:健康
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、忍刀@忍ペンまん丸、
グリードアイランドカード(初心、神眼)@HUNTER×HUNTER
カベホチ@MOTHER3、ダムダム草@ぼのぼの
【思考】
基本:殺し合いから脱出
1:G-7の教会に向かい、ラルクを説得する
2:夜の内に砂漠を抜ける
3:ぼのぼの、アライグマ、アライグマの父、ヒグマの大将を探す
【備考】:ウマゴン、オーボウと情報交換をしました
     現状ではウマゴンの魔本は読めません
     風雲再起を危険人物と考えています
     ケットシーを危険人物と考えています


【オーボウ@ハーメルンのバイオリン弾き】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】:食料(詳細不明、本人確認済)、水
【思考】
基本:ゲームには乗らない。キュウビに反抗する
1:G-7の教会に向かい、ラルクを説得する
2:オカリナを探す
3:狼(アマテラス)を見つけ、キュウビの情報を得る
4:クズリの知人を探す手伝いをする
【備考】:参戦時期は、少なくとも「なんでも斬れる伝説の剣」を知っている20巻以降です
     自分の制限について把握していません
     ウマゴン、クズリの父と情報交換をしました
     現状ではウマゴンの魔本は読めません
     風雲再起を危険人物と考えています
     ケットシーを危険人物と考えています   



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037:Night Bird Flying ウマゴン 070:朝日と共に去りぬ
037:Night Bird Flying クズリの父 070:朝日と共に去りぬ
037:Night Bird Flying オーボウ 070:朝日と共に去りぬ
022:未来へのシナリオは ケットシー 066:悪魔は来りてホラを吹く




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