「菅野覚明 『神道の逆襲』 (講談社現代新書)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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<p>669 :無名草子さん :sage :2009/02/24(火) 17:16:21<br />
.人類進化の700万年―書き換えられる「ヒトの起源<br />
. 神道の逆襲<br />
武士道の逆襲</p>
<p>このあたりの本を入れてみたら?</p>
<p><br />
863 :無名草子さん :sage :2009/06/02(火) 21:03:14<br />
菅野覚明 『神道の逆襲』 (講談社現代新書)</p>
<p>神道教説の歴史をたどりながら、その世界観や形而上学説を明らかにしていく。<br />
第一章では民俗学や文化人類学的な総論的分析。萩原朔太郎の「猫町」を引き合いに出し、<br />
「外部より訪れ共同体の景色を反転させる神」という民俗学的把握がなされる。<br />
第二章で「古事記」「日本書記」「神道五部書」を参照し、<br />
国常立尊⇒天照大神と天御中主尊⇒豊受大神の二系列二元論およびその両者による幽契の世界観を描出する。<br />
第三章では「神国」、日本は神の国とされるその本来の意味を探る。それは単なる日本国家優越思想ではなかった。<br />
国を統治する原理として「神を祭ることに忠実な人々のありようとしての正直さ」を重視することであった。<br />
第四章ではこの「正直」という倫理を昔話などを検討しつつ探る。</p>
<p><br />
864 :つづき :sage :2009/06/02(火) 21:03:59<br />
第五章ではいよいよ吉田兼倶の卜部神道(元本宗源唯一神道)が登場。<br />
吉田によって本格的な理論が構築され、全国の祭祀の統一が試みられ、独自の行法の体系が作られた。<br />
国常立尊を根源的な超越神とし、天皇と吉田神道を分離した。<br />
第六章では山崎闇斎の垂下神道について。儒学者出身の闇斎によって朱子学の影響露わな神道が打ち立てられた。<br />
これは厳格な上下関係を基盤とする道徳主義的な色彩の濃い「つつしみ」の思想としての神道である。<br />
第八章からは国学と神道の関係について述べられる。和歌の研究を基盤とし、人本来の「情」を根本に据えた思想が作られていく。<br />
万葉的世界を理想とした賀茂真淵、第九章では「泣く」ことを人間の本質として見た「もののあわれ」の思想家=本居宣長について著者は大いなる共感をこめて描く。<br />
第十章は平田篤胤の思想の概略。幽冥論と生成の肯定・子供を大切にする姿勢に注目する。<br />
思った以上に中身の濃い論考。著者の思想が色濃く出ている。<br />
この著者の『武士道の逆襲』の方はだいぶ前に読んだため、内容の記憶は薄れている。<br />
これはたしか、葉隠や新渡戸稲造によって観念的になる前の武士道本来の現実主義的な側面を明らかにしたもので、<br />
『神道の~』が形而上的なものを追求したのと好対照で面白かったと思う。 </p>
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<p>669 :無名草子さん :sage :2009/02/24(火) 17:16:21<br />
.人類進化の700万年―書き換えられる「ヒトの起源<br />
. 神道の逆襲<br />
武士道の逆襲</p>
<p>このあたりの本を入れてみたら?</p>
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863 :無名草子さん :sage :2009/06/02(火) 21:03:14<br />
菅野覚明 『神道の逆襲』 (講談社現代新書)</p>
<p>神道教説の歴史をたどりながら、その世界観や形而上学説を明らかにしていく。<br />
第一章では民俗学や文化人類学的な総論的分析。萩原朔太郎の「猫町」を引き合いに出し、<br />
「外部より訪れ共同体の景色を反転させる神」という民俗学的把握がなされる。<br />
第二章で「古事記」「日本書記」「神道五部書」を参照し、<br />
国常立尊⇒天照大神と天御中主尊⇒豊受大神の二系列二元論およびその両者による幽契の世界観を描出する。<br />
第三章では「神国」、日本は神の国とされるその本来の意味を探る。それは単なる日本国家優越思想ではなかった。<br />
国を統治する原理として「神を祭ることに忠実な人々のありようとしての正直さ」を重視することであった。<br />
第四章ではこの「正直」という倫理を昔話などを検討しつつ探る。</p>
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864 :つづき :sage :2009/06/02(火) 21:03:59<br />
第五章ではいよいよ吉田兼倶の卜部神道(元本宗源唯一神道)が登場。<br />
吉田によって本格的な理論が構築され、全国の祭祀の統一が試みられ、独自の行法の体系が作られた。<br />
国常立尊を根源的な超越神とし、天皇と吉田神道を分離した。<br />
第六章では山崎闇斎の垂下神道について。儒学者出身の闇斎によって朱子学の影響露わな神道が打ち立てられた。<br />
これは厳格な上下関係を基盤とする道徳主義的な色彩の濃い「つつしみ」の思想としての神道である。<br />
第八章からは国学と神道の関係について述べられる。和歌の研究を基盤とし、人本来の「情」を根本に据えた思想が作られていく。<br />
万葉的世界を理想とした賀茂真淵、第九章では「泣く」ことを人間の本質として見た「もののあわれ」の思想家=本居宣長について著者は大いなる共感をこめて描く。<br />
第十章は平田篤胤の思想の概略。幽冥論と生成の肯定・子供を大切にする姿勢に注目する。<br />
思った以上に中身の濃い論考。著者の思想が色濃く出ている。<br />
この著者の『武士道の逆襲』の方はだいぶ前に読んだため、内容の記憶は薄れている。<br />
これはたしか、葉隠や新渡戸稲造によって観念的になる前の武士道本来の現実主義的な側面を明らかにしたもので、<br />
『神道の~』が形而上的なものを追求したのと好対照で面白かったと思う。 </p>
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