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ここまで書いてきて、ふと思いついたことがあります。それは“肉より魚のほうが健康に良い”と一般的にいわれますよネ。その原因がわかったような気がします。ちょっと長くなりますけど、お付き合いください。 生物にとって酸素は必要不可欠な物質です。と同時に生物にとって酸素は猛毒でもあるのです。それを説明するには酸素の化学的性質を考えなければなりません。 酸素は原子番号8の物質です。原子核のまわりを電子が8個まわっていて、そのまわり方は内側に2個、外側に6個の電子がまわっているのだそうです。実はこの電子“キドラ”が物質の性質を決めているといってもいいのです。 私には詳しいことはよく分かりませんが、内側のキドラは電子2個が定員です。原子核のまわりを2個の電子がまわっている物質は、原子番号2のヘリウムで、これは単体で非常に安定した物質です。 それより原子番号の大きい物質では電子は二重の軌道をとります。 たとえば酸素は原子番号8なので2個の電子は内側(K殻)を、6個の電子は外側(L殻)ををまわっています。ちなみに外側は電子8個でいっぱいになります。 つまり内側と合わせて10個の電子を持つ原子はネオン(原子番号10)で、これもヘリウム同様、単体で非常に安定した物質です。このヘリウムやネオンを希ガス原子とよび、他の原子と化学結合をしない安定した原子になります。 このように考えていくと酸素はあと2個、電子がほしいのです。つまり酸素は単体では安定して存在できないので、自然界では酸素分子O&html(<span class="shitatsuki">2</span>)という、お互い足りない電子2個を共有する形で結合しているのです。 ところが、とりあえず安定している酸素分子の前に、もっと魅力的な物質が現れたら酸素は仲間の分子よりそちらの相手の方に惹かれます。 たとえば、マグネシウム(原子番号12)ですが、これの電子軌道は2番目まではいっぱいになったので3番目の軌道(M殻)に2個の電子を持っています。実はこの2個の電子をあげたがっているのがマグネシウムなんです。 このような酸素とマグネシウムが出会うとお互い求め合っているものが一致するため、非常に激しく結合し酸素マグネシウムという、より安定した物質になりエネルギーを発生します。これが大まかな化学反応の原理のようです。 生物の身体を構成している原子は主に酸素、炭素、水素です。この炭素、水素もマグネシウムほどではないが、自分の持っている電子をあげてもいいやという性質を持っています。 そこで酸素は炭素や水素からも電子を奪い、最終的にはCO&html(<span class="shitatsuki">2</span>)やH&html(<span class="shitatsuki">2</span>)Oのような安定した物質になることを望んでいるのです。これが生物にとって酸素は猛毒であるという理由です。 このような性格を持つ酸素と唯一うまく付き合っていけるのが“ミトコンドリア”という細胞内の小器管です。このミトコンドリアのおかげで酸素という猛毒を水と二酸化炭素という無害な物質に変え、ブドウ糖などを上手に酸化させることにより大量のエネルギーをとりだしているのです。 生物は酸素のある環境ではミトコンドリアなしには生きていけないのです。ですからすべての細胞(真核細胞)にミトコンドリアは必ず含まれています。核のないような赤血球にもミトコンドリアはあります。 このように頼もしいミトコンドリアをもってしても、太刀打ちできないような酸素があります。これが“活性酸素”です。 活性酸素とは、2個電子が欲しい酸素が電子を1個だけ手に入れた中途半端な酸素のことです。 2個足りない状態ならそれなりに我慢していた酸素も、あと1個で安定した状態になれると思うとどうにも我慢できなくなり、何が何でも他の物質から電子を1個奪い取ってしまうのです。酸素が猛毒なら活性酸素は劇毒です。 ちなみに全原子中もっとも活性度の高いフッ素(原子番号9)は、どうしてもあと1個電子が欲しくて我慢できない状態の原子といえます。 ですからいくら歯が白くなるからといってもフッ素入りの歯磨き粉なんて使用しないほうがいいですよ。歯が白くなったとしても身体に良いわけがありません(数年前まで宣伝されてましたが、多分もう販売はしていないと思います)。 しかしこの劇毒である活性酸素でも生物は利用しているのです。それは身体に害をおよぼすような細菌類を活性酸素がやっつけてくれるのです。 つまり、殺菌作用があるわけです。もちろんフッ素にも殺菌作用がありますし、同じく電子を1個だけほしがる塩素(原子番号17)にも強い殺菌作用があるので水道水などに入れているわけです。 この活性酸素を放出するのが白血球の中でも顆粒球です。ストレス過剰の状態になると交感神経が刺激され顆粒球が増え、その結果、活性酸素が増えて自分の身体を傷つける。つまり、身体が酸化して、老化が早くなるという状況が説明できます。 やっと“肉と魚”の話に戻りますが、このような活性酸素から生体材料であるCやHの酸化を防ぐには、より電子をあげたがっている物質、ナトリウムやマグネシウム、カリウム、カルシウムなどアルカリ金属と呼ばれている、いわゆるミネラルを豊富に摂取することが必要であると考えました。 これらのミネラルは海水中にも含まれています。というか、海水がそのまま身体を構成している成分になっているといえます。 海に中に住んでいる魚貝類は、陸上に住む牛や豚などより当然ミネラルを豊富に含んでいるのではないでしょうか。 陸上の動物がミネラルをとろうとすれば、食物連鎖に頼るしかありません。 まわりまわって人間の身体にも海水中のミネラルが入ってくるのです。 ところが人間の食事の大半が加熱処理した食品を口にします。もちろんこうすることで細菌類や真菌類による直接的なダメージを防いではいるのですが、タンパク質は約70℃で酵素としての能力を失いますので、同時にミネラル不足にも悩まされていると思います。ちなみに生肉ばかり食べるエスキモーが野菜を食べなくても大丈夫な理由もそこにあるそうです。 これが魚のほうが肉よりも身体に良い、という説を私なりに考えたことです。はたしてどうでしょうか? &html(<p align="right">(2005年10月8日)<br></p>)[[「その8」へ>>痛風記 その9]]
ここまで書いてきて、ふと思いついたことがあります。それは“肉より魚のほうが健康に良い”と一般的にいわれますよネ。その原因がわかったような気がします。ちょっと長くなりますけど、お付き合いください。 生物にとって酸素は必要不可欠な物質です。と同時に生物にとって酸素は猛毒でもあるのです。それを説明するには酸素の化学的性質を考えなければなりません。 酸素は原子番号8の物質です。原子核のまわりを電子が8個まわっていて、そのまわり方は内側に2個、外側に6個の電子がまわっているのだそうです。実はこの電子“キドラ”が物質の性質を決めているといってもいいのです。 私には詳しいことはよく分かりませんが、内側のキドラは電子2個が定員です。原子核のまわりを2個の電子がまわっている物質は、原子番号2のヘリウムで、これは単体で非常に安定した物質です。 それより原子番号の大きい物質では電子は二重の軌道をとります。 たとえば酸素は原子番号8なので2個の電子は内側(K殻)を、6個の電子は外側(L殻)ををまわっています。ちなみに外側は電子8個でいっぱいになります。 つまり内側と合わせて10個の電子を持つ原子はネオン(原子番号10)で、これもヘリウム同様、単体で非常に安定した物質です。このヘリウムやネオンを希ガス原子とよび、他の原子と化学結合をしない安定した原子になります。 このように考えていくと酸素はあと2個、電子がほしいのです。つまり酸素は単体では安定して存在できないので、自然界では酸素分子O&html(<span class="shitatsuki">2</span>)という、お互い足りない電子2個を共有する形で結合しているのです。 ところが、とりあえず安定している酸素分子の前に、もっと魅力的な物質が現れたら酸素は仲間の分子よりそちらの相手の方に惹かれます。 たとえば、マグネシウム(原子番号12)ですが、これの電子軌道は2番目まではいっぱいになったので3番目の軌道(M殻)に2個の電子を持っています。実はこの2個の電子をあげたがっているのがマグネシウムなんです。 このような酸素とマグネシウムが出会うとお互い求め合っているものが一致するため、非常に激しく結合し酸素マグネシウムという、より安定した物質になりエネルギーを発生します。これが大まかな化学反応の原理のようです。 生物の身体を構成している原子は主に酸素、炭素、水素です。この炭素、水素もマグネシウムほどではないが、自分の持っている電子をあげてもいいやという性質を持っています。 そこで酸素は炭素や水素からも電子を奪い、最終的にはCO&html(<span class="shitatsuki">2</span>)やH&html(<span class="shitatsuki">2</span>)Oのような安定した物質になることを望んでいるのです。これが生物にとって酸素は猛毒であるという理由です。 このような性格を持つ酸素と唯一うまく付き合っていけるのが“ミトコンドリア”という細胞内の小器管です。このミトコンドリアのおかげで酸素という猛毒を水と二酸化炭素という無害な物質に変え、ブドウ糖などを上手に酸化させることにより大量のエネルギーをとりだしているのです。 生物は酸素のある環境ではミトコンドリアなしには生きていけないのです。ですからすべての細胞(真核細胞)にミトコンドリアは必ず含まれています。核のないような赤血球にもミトコンドリアはあります。 このように頼もしいミトコンドリアをもってしても、太刀打ちできないような酸素があります。これが“活性酸素”です。 活性酸素とは、2個電子が欲しい酸素が電子を1個だけ手に入れた中途半端な酸素のことです。 2個足りない状態ならそれなりに我慢していた酸素も、あと1個で安定した状態になれると思うとどうにも我慢できなくなり、何が何でも他の物質から電子を1個奪い取ってしまうのです。酸素が猛毒なら活性酸素は劇毒です。 ちなみに全原子中もっとも活性度の高いフッ素(原子番号9)は、どうしてもあと1個電子が欲しくて我慢できない状態の原子といえます。 ですからいくら歯が白くなるからといってもフッ素入りの歯磨き粉なんて使用しないほうがいいですよ。歯が白くなったとしても身体に良いわけがありません(数年前まで宣伝されてましたが、多分もう販売はしていないと思います)。 しかしこの劇毒である活性酸素でも生物は利用しているのです。それは身体に害をおよぼすような細菌類を活性酸素がやっつけてくれるのです。 つまり、殺菌作用があるわけです。もちろんフッ素にも殺菌作用がありますし、同じく電子を1個だけほしがる塩素(原子番号17)にも強い殺菌作用があるので水道水などに入れているわけです。 この活性酸素を放出するのが白血球の中でも顆粒球です。ストレス過剰の状態になると交感神経が刺激され顆粒球が増え、その結果、活性酸素が増えて自分の身体を傷つける。つまり、身体が酸化して、老化が早くなるという状況が説明できます。 やっと“肉と魚”の話に戻りますが、このような活性酸素から生体材料であるCやHの酸化を防ぐには、より電子をあげたがっている物質、ナトリウムやマグネシウム、カリウム、カルシウムなどアルカリ金属と呼ばれている、いわゆるミネラルを豊富に摂取することが必要であると考えました。 これらのミネラルは海水中にも含まれています。というか、海水がそのまま身体を構成している成分になっているといえます。 海に中に住んでいる魚貝類は、陸上に住む牛や豚などより当然ミネラルを豊富に含んでいるのではないでしょうか。 陸上の動物がミネラルをとろうとすれば、食物連鎖に頼るしかありません。 まわりまわって人間の身体にも海水中のミネラルが入ってくるのです。 ところが人間の食事の大半が加熱処理した食品を口にします。もちろんこうすることで細菌類や真菌類による直接的なダメージを防いではいるのですが、タンパク質は約70℃で酵素としての能力を失いますので、同時にミネラル不足にも悩まされていると思います。ちなみに生肉ばかり食べるエスキモーが野菜を食べなくても大丈夫な理由もそこにあるそうです。 これが魚のほうが肉よりも身体に良い、という説を私なりに考えたことです。はたしてどうでしょうか? &html(<p align="right">(2005年10月8日)<br></p>)[[「その9」へ>>痛風記 その9]]

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