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#CONTENTS ---- **WW2時代の戦艦に積まれていた40センチ級の大砲と現在の駆逐艦、フリゲートに積まれている15センチ級の大砲ではどう違うのですか? 率直に言えば「そりゃあ40センチ級の砲が威力は上」です。 ただ、戦艦の主砲クラスともなるとあまりにもサイズも発射にかかる時間も大きすぎ、 鈍重な目標かもしくは固定目標に対してでなければ命中が期待できずそのわりに40km程度しか届かないので、 そうした任務は空母かミサイルによって完全に代替されました。 15センチクラスの砲は二次大戦以前から機敏な目標に対する攻撃手段として艦船に装備されているものです。 現代戦闘でもこうした目標は多く存在するので(巡洋艦や駆逐艦、航空機、などなど……) 当分の間はこのクラスの砲が艦船から全廃されることはないでしょう。 なお二次大戦当時からは弾丸も射撃管制装置も装弾システムも改良されているので、 かつての巡洋艦みたいにごてごてと多連装砲を装備する必要もなくなりました。 そういうことをふまえると、現代の艦船の砲は当時の同クラス口径の砲とは比較にならない攻撃力を持っているといえます。 #right(){(18:125)} ひとことで言えば「任務」が違う。 現代の水上戦闘艦艇に搭載されているのは、私が知る限り、5インチ(127mm)砲が最大です。 5インチ砲というと、旧日本海軍では駆逐艦の主砲、あるいは戦艦、巡洋艦の高角砲に匹敵します。 当然40センチ(あるいは16インチ)砲弾の方が、単純には破壊力がはるかに上回ります。 ですが、現代の水上艦艇に搭載されている砲は、本格的な砲撃戦を想定したものではなく、 対空射撃、何らかの要因で(例えば対潜魚雷を浴びて大破・浮上した潜水艦など) 至近距離に敵対する小型艦艇が現れた場合の砲撃用(保険)、揚陸支援などの任務を持ったものです。 本格的な艦隊決戦を想定した第二次大戦当時の戦艦の主砲とは、明らかに用途が異なります。 仮に10km程度の距離で接敵して砲撃しあえば、防御力の差もあって、戦艦が圧勝するでしょう。 ですがそれ以前に、現代の水上艦艇は射程距離100kmに及ぶ対艦ミサイルを大量に発射して、敵戦艦の戦闘能力を奪うでしょう。 (撃沈はできなくとも、射撃レーダーや測距儀を破壊してしまえばいい) それと、当然現代の艦載砲は射撃システムの自動化が進んでいますから、 第二次大戦当時の同口径の砲とは、射撃速度、精度で圧倒的に上回ります。 まあ仮に今どこかの国が46センチ砲搭載の戦艦を造ったら、仮想敵国は大型空母を建造して対抗するでしょう。 #right(){(18:らむ)} **軍艦には時々半端な口径の砲が搭載されますがあれは何故なんでしょう。 たいていの場合、第二次大戦前まで海軍力に関しては英国を中心に回っていたので、 彼国がインチ・フィート、ヤード・ポンドにしていた時代の名残ではあるでしょう。 で、英国の場合は大抵自国の都合の良いように解釈してますから、半端な口径にはなっていません。 一方、メートル法の国で採用したものは、そのstandardから外れますから、半端な口径となるのではないでしょうか。 そう言えば、英国の陸式ではかなり戦後も長い間、ポンドが使われていましたね。 #right(){(18:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **艦砲の命中率についてですが この100年でどのくらい向上したのですか? 最近はこの手のデータが見当たらないので、俺の私見として聞いてください。 100年前の艦砲は一個の艦に数種類の砲が搭載されており、それぞれが個別に照準して砲撃していました。 また同じ大きさの砲でも口径長(砲身長)が違ったのを搭載したりしており、 それらを統合して制御するのは不可能でした。ドレッドノートの出現で搭載砲種はすっきりしましたが、 確かあの頃はまだ個別照準だったと思います。 この場合命中率は各砲の性能及び指揮者・照準手の能力ですね。砲の性能はそんなに高くなかったと思います。 だから砲の数が必要でした。数撃ちゃそのうち当たるだろうし。 大体、大砲なんて、狙いを定めて撃ってみてから「もう少し左」とか「もう100m手前」というように弾着修正していくものなのです。 二次大戦の頃には砲戦指揮所が設けられ、艦の最上部に大型の測距儀が附くようになりました。 地球は丸いので、高所につければ有利です。また砲個別に附けるより大型で精度が良い物を附けるようになりました。 そして其れまでの砲個別の小型のは、損害を受けたときの緊急用・応急用になりました。 駆逐艦等小さい艦では艦の揺れにより砲の角度が変わってしまいます。で、其の対処として、 発砲可能状態で引き金を引いている間で、なおかつ艦の傾斜が指定の角度になった時に電気が通じて発砲するという装置も附いてました。 二次大戦の頃の砲術では、一度に全門を射撃した場合、距離○○では何百メートル四方に弾丸が「集束」する、という感じで表します。 ここには命中率という概念は在りません。 この「集束率」を上げる為の方法として、砲の加工精度を上げる以外に二つのアプローチが在りました。 一つは火元の設置距離を縮める(砲を密集して搭載する)であり、もう一つは発射時期をずらすと言う事です。 弾丸が密集して空中を飛来している間に互いに干渉して離れていってしまう・発射の時の衝撃で船体がゆがみ、弾丸の集束率が落ちる というのを防ぐ為に「遅延発射装置」がつけられました。  さて、現在の護衛艦等の砲は上記の事柄を踏まえると、一見非常に良い環境に置かれている様に見えます。 コンピューター制御・砲は艦の前後に分かれておらず火元は近い・艦の大きさに比べて一度に発射する弾数が少ないので 発射遅延装置も要らない・・・しかし落とし穴が在るのです。それは高発射速度を追い求めた為の弊害です。 昔の艦砲は例えるなら「ボルトアクション」の狙撃銃ですが、現代の艦砲はマシンガンみたいなもの、と言えばいいのかな? 一つの砲が何発か撃った時の弾丸の集束率自体があまり良くないらしいです。 但し発射速度は対戦中の数発/分から数十発/分へと飛躍的に上がってますので、下手な鉄砲でも数うちゃそのうち当たりますが(笑)。  大砲の性能は、集束率と、単位時間内の投射弾量(重量)で比較する事が多いです。 其の点から言えば、ここ100年くらいで凄く向上しています。 #right(){(21:フェチ)} **外国から艦船を輸入した場合、予備の砲身はどうするんでしょうか 砲そのものの交換ではなく、主に内筒の交換だったかと。 一応、予備として各砲とも一本くらいは買うのかも知れませんが。 #right(){(26:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **「方位番射撃」というのは、どういうものなんでしょうか。 方位盤射撃で正確には方位盤照準射撃です、現代なら射撃指揮装置が行ってます 艦橋の一番高いところに有る方位照準装置が目標までの方位距離を測り 砲側の受信機に方位が伝えられ、砲の向きが一致したときに射撃を行います 時計の様なものは示数盤で射撃距離を後続艦に教えます 無線の発達により無くなったそうです #right(){(27:予備海士長)} **軍艦の砲はなぜセンチでなくサンチというの? 初期の日本海軍が範を取ったのはフランス海軍だったから。 #right(){(31:32)} メートル法はフランスで生まれ、全世界に広まりました。 canti metreは本場フランス語で「サンチメートル」、 メートル法を輸入したイギリスでは「センチメーター」と読むだけのことで、 イギリスでは伝統ある地元のヤードポンド法を日常的に使います。 日清戦争までは日本海軍の艦艇はフランスに多く発注されていたために、 メートル法表記が当たり前で「サンチ」を用いたのですが 日露戦争準備期間に発注先をイギリスに切り替えたため、 フィートやインチで製造されたイギリス製兵器の寸法をメートル法の近似値で表記するようになりました。 長門の主砲は40サンチと言いながら、実際は40サンチではなく16インチきっかりです。 7.7ミリとか14.4サンチとか、端数が出る数値は、 フィートやインチにするとぴったりするものが多いでしょ。 #right(){(192:鷂 ◆Kr61cmWkkQ)} **戦後に開発された艦砲で130ミリより口径の大きな砲はありますか。 米海軍はベトナム戦で戦艦/巡洋艦の艦砲射撃が非常に有効だったことを考慮して、 駆逐艦用艦砲としてMk71 203mm(55口径)砲を開発しました。 フォレスト・シャーマン級駆逐艦ハル(DD945)に搭載されて射撃実験までこぎ着けましたが、 命中精度の問題から不採用になっています。 #right(){(45:名無し軍曹)} **軍艦の砲は初速が速い方が命中率が劣るという話を聞きましたがこれは何故なんでしょうか? 間接照準である遠距離対艦射撃においては、初弾命中は期待薄なので、 砲自体の命中制度より砲弾の散らばり具合の尺度である「着弾散布界」 の方が重要です。 この「着弾散布界」は、砲塔や船体の強度とかも関係してきますので、 一概に砲自体の命中精度だけでは測れません。 #right(){(54:77)} **殆どの軍艦には5インチ程度の艦載砲を装備してますが、実践ではどのような使われ方をするのでしょうか? 海上自衛隊の護衛艦の例で言えば主に対艦、対空、対地(?)などです。 対空を例にとりますと対空誘導弾や高性能20mm機関砲(バルカンファランクス)もありますが、 艦載砲もちゃんとあります(CIWSの一部としてちゃんと機能しています)。 つまり一つのものに頼りきるのではなくより多くの選択肢を残そうと言う話です。 因みに誘導弾=遠、艦載砲=中、バルカンファランクス=近、と言う傾向もあるようです。 対艦にしても、確かに対艦誘導弾の方が射程距離が長いなど有利な点がありますが、 だからと言って近距離戦闘に効果を発揮出来る艦載砲を全てなくす必要もありません。 艦載砲が唯一の対艦攻撃であった時代程重要性はありませんが、 だからと言って艦載砲が全くの無価値になった訳でもないのです。 また、艦載砲は威圧目的(見掛けだけではなく実際にぶっ放して脅す事も威圧の一つです)もあります。 対地に関しては、湾岸戦争で米海軍が戦艦を現役に復帰させた例からもお分かり頂けるように、 射程距離を除けば艦載砲の方が誘導弾よりも圧倒的にコストパフォーマンスに優れています。 などなどですが、一言で言ってしまえばまだ艦載砲には利用価値があるからです。 #right(){(55:142)} 意識して書いた訳じゃないだろうけど、「実戦」じゃなくて「実践」っての は鋭いね。軍艦の仕事が戦争だけなら要らないかも知れないけど、平時に領域 警備をしたり、「準戦時」のような状況で臨検をするには有った方が良いからだ。 軍艦の30年の寿命のうちでは、対空ミサイルや対艦ミサイルより遥かに使用機会が多い。 #right(){(55:202)} 軍艦の艦砲については、今後、対地攻撃や非正規戦・非対軍艦での攻撃方法のニーズは 増えるだろう・・・って事でますます重要視されてますな。 #right(){(55:203)} **滑空砲をどうして艦艇に配備しないのか? 曲射弾道の翼安定弾で20km先を狙っても当たらない。弾は榴弾 なので翼安定弾の弾を細長く出来る利点の意味がない。  自走榴弾砲の滑腔砲が無いのと同じ理由。 #right(){(56:459)} **艦艇の主砲には、マズルブレーキついてないんでしょうか? 艦載砲は軽量化がそれほど課題にならないから #right(){(60:656)} **現在の艦載砲は何と言えば良いのか? >速射砲?単装砲?主砲?対空砲? どれでもよい。というかそれはいろいろな性質を 述べてるだけなので使い分けろ。 近年の艦載砲はたいてい速射砲で単装で対空にも使える。 主砲は規模の違う複数種の砲を装備している場合の 表記のような気もするので適切ではないかもしれないが。 #right(){(62:266)} **大東亜戦争のときは46cmの砲があったのにどうして自衛隊のは精々10cmぐらいの砲しかないんですか? デカい砲を積んでも何の役に立たなくなったからです。 デカい砲を載せるためにはフネそのものをデカくする必要がありますが、 デカいフネは必然的にノロくなるため、大東亜戦争で花開いた航空機部隊の いいマトにしかならなくなってしまいました。 もともとあの手の艦砲というのは誘導機能がついているわけでもなく、 「目標はこのタマが届く頃にはあの辺に移動しているハズだ」という予測を 立てて撃っているようなものでした。 安くて誘導できて小型艦にも積めるミサイルの方がまだ使い勝手もよろしゅうございます。 現代の艦載砲のように半自動化されているわけでもなく、照準も測距儀、重くてノロくて かさばって、人でも食えば金も食う、そのうえちっとも当たりゃしないんですから、 ジェット戦闘機&精密誘導爆撃がデフォルトのこのご時世、御役御免になっても仕方ないといえます。 #right(){(64:409)} 当時の戦艦は基本的に敵艦を砲撃で撃破することを主目的にしていました。 でもって、より遠くからより大威力で砲撃するために大口径の砲が必要と されたのでつ。 ところが実際にWW2が始まってみると、敵艦を撃破するには航空攻撃が メインとなり、敵艦を砲撃で撃破するような事例は(航空攻撃と比較すると) あまり起こりませんでした。また、戦後の対艦ミサイルの発達により、大口径の 砲よりも更に遠くから敵艦を撃破することが可能となり、大口径の砲を 装備する必要性はほとんど無くなりました。 一方、航空攻撃や対艦ミサイルに対抗するため、ある程度小口径でも 速射性の高い砲が求められるようになり、結局現在の艦砲の主流は 76ミリ~127ミリとなりました。 #right(){(64:411)} **護衛艦には5インチ砲と127㍉砲というのがあるようですが、5インチ=127㍉ではないのでつか? >また、砲弾に互換性はないのでしょうか? 5インチはアメリカ系、127mmはイタリア系の砲。 当然砲弾の互換性はありません。 #right(){(65:281)} **修正射初弾発射から効力射初弾発射までの過程を完全自動化したいのですが、現在の技術で可能でしょうか? 何を想定しているのか何を質問したいのかイマイチ良くわかりませんが、着弾点をレーダーで 割り出してコンピューターが連動して修正・・・と言うものが、次世代の砲弾開発のトレンド とは全く違ったものになってると思われます。 長距離の目標を高い命中精度で当て技術開発として分かりやすい例が米軍が開発中の艦砲弾で これは長距離誘導弾と呼ばれるものです。これは発射後に砲弾のロケットモーターが砲弾を最 高高度まで打ち上げ、砲弾の中にGPSとIMUがあって砲弾自身が自分の飛翔してる位置を 認識、さらに付けられたカナードで目標を誘導するものです。 基本的に一発撃ってその弾道を見て微調整。なんて前時代的なやり方とは命中精度の上げ方が 根本的に違うんですね。いくらレーダーとコンピューターが発達したとは言え。 #right(){(69:877)} 砲の精密射撃と言う事であれば、砲弾を賢くして、飛行中に自己IDと GPSセンサーで測位した自己位置を放送し続け、弾道と着弾点を砲側に 知らせる、というシステムが研究されています。全弾に装備すると高く つくので、最初の数弾に装備して結果を自動フィードバックするという 考えです。 対砲迫レーダーは見通し線内で有効なのが普通ですから、我側の砲弾 着弾点を観察するには困難があるでしょうし、仮に可能でも斉射すると どの砲の砲弾がどこに落ちたかがわかりません。一門(あるいは1群)ずつ 撃つとえらい時間かかって、カウンターバッテリー食いますし。 #right(){(69:system)} **海上保安庁の巡視艇とか自衛隊の護衛艦には、警告弾という警告射撃する時(速射砲とか艦載砲から発射する)の専用の弾が積まれている様なのですが、どういう仕様なのですか? 警告弾ってのは手投げ式のフラッシュグレネードみたいだが。 http://www.kamiura.com/new4_2k.html #right(){(71:212)} **アメリカ海軍のMk.37射撃指揮装置は主砲用なのでしょうか、5インチ両用砲用なのでしょうか、それとも両方使えるのでしょうか。 5インチ両用砲用。 #right(){(73:856)} “OP 1719 : GUN FIRE CONTROL SYSTEM MARK 37 OPERATING INSTRUCTIONS”には射撃管制を行う艦砲として以下の物が記載されています。 5"/38 D.P. (single) 5"/38 D.P. (twin) 5"/54 D.P. (single) 5"/54 D.P. (twin) 6"/47 D.P. (twin) 6"/47 (triple) 8"/55 D.P. (triple) つまり取扱説明書では5"/38 cal.・5"/54 cal.・6"/47 cal.・8"/55 cal.の4種類の艦砲での運用を前提としています。 それを踏まえて、Mk.37 GFCSと一口に言っても年代や艦によって構成する装置は違いますが射撃管制用レーダーについてはどれも問題ありません。 Mk.37 GFCSに使われたレーダーはMk4/Mk12/Mk.22/Mk.25がありますが性能差はあれど目標の探知・捕捉・測定という機能・役割自体は砲口径によって変化しません。 問題となるのはMk.37 GFCSを構成する装置の一つで射撃計算を行う「Mk.1/1A Computer」ですが、これは元々5"/38 cal.両用砲の射撃計算用アナログコンピューターとして開発され、実際初期のModは5"/38 cal.の弾道にしか対応していませんでした。しかし以下のように後のModで他の艦砲の射撃計算にも対応しており、ウースター級のMk.16 6"/47 cal.連装両用砲及びデモイン級のMk.16 8"/55 cal.3連装速射砲、ミッドウェイ級のMk.16 5"/54 cal.単装両用砲で使用されています。 5"/38 cal.:Mod.13/19 5"/54 cal.:Mod.8/12/17/18 6"/47 cal.:Mod.14/16 8"/55 cal.:Mod.15 上記以外の12"/50 cal.・16"/45 cal.・16"/50 cal.でもMk.37 GFCSでの射撃管制は可能ですがMk.1/1A Computerが対応していないのでそれぞれの弾道に合わせた再計算が必要になってくるので“一応できないこともない”というレベルです。 またウースター級及びデモイン級においても水上射撃用のMk.13射撃管制用レーダーを装備しているGun Directorを対地・対艦射撃用に別に用意している (ウースター級ではMk.37、デモイン級ではMk.54を使用) など必要とされる変更は行っているようです。 #right(){(73:---)} **戦艦大和は、対空戦の場合それぞれの高角砲はどれを狙うってのは誰がきめて、どのように各高角砲に連絡したんでしょうか? >またそれぞれの照準は誰がどのような方法でつけていたのでしょうか? 例えば、重巡洋艦の高角砲の場合、2基で1組を構成しています。 その構成された砲群に対して、高射装置という照準装置から敵機情報を得て 射撃を行います。 但し、高射装置が破壊されるなど状況によっては、砲側照準(砲側で照準 を行う)で射撃することも可能です。 高射装置は照準望遠鏡と測距機からなり、敵機を発見すると、照準望遠鏡を 向け、測距機を用いて、敵機の高角、艦首からの方向と距離を射撃盤という 機械計算機に送ります。 同じく、動揺望遠鏡で、艦の動揺を確認し、測距機の水平を維持します。 以後、射撃に必要な諸元が与えられ、複雑な計算を行って、最終的に敵機の 未来位置を算出し、高射機を経由して諸元を高角砲と信管に送り、砲の引き金 を引けば、その算出した位置に向かって、砲弾が飛んでいき、予め決められた 秒数に従って砲弾が爆発します。 #right(){(74:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **むらさめ級護衛艦の主砲を76ミリから127ミリに交換する計画はあるでしょうか? OTOブレダ76mm62口径砲は砲架重量は7.5トン。これに対して新DDGに搭載予定の 127mm54口径砲Mk45は22.2トン。OTOブレダ127mm54口径砲に至っては37.5トンにもなります。 "たかなみ"級は"むらさめ"級より大型の砲の重量や発射時の反動・ブラストに耐えられるように 船体構造も強化してあります。 MEKO級のようにモジュラー構造になっていて換装が可能なものでなければ、 簡単に積み替えるというわけには行かないと思います。 #right(){(78:名無し軍曹)} **かわぐちかいじ『ジパング』のなかで、「みらい」が12.7cm砲でドーントレスの編隊をバタバタ叩き落すシーンがありますが、そんなに命中精度がいいものなんですか? 現在の艦載砲はレーダー連動・コンピュータ制御なので ドーントレス程度の速度ではバタバタ落とされて当然です。 まあ、架空戦記漫画なのでまともに受け止めるのもあれですが #right(){(78:827)} 実際問題として、無理でしょう。 仮に、最初に捕捉した目標に命中弾を与えたとして、 レーダーによる照準はともかく、 砲自体の旋回、砲身の上下が追いつかず、 単装砲では「寄ってたかって」には対応できないと考えます。 「雨あられと撃ち込めば、迎撃し損ねて当たるものもある」 ”飽和攻撃”は、現実に旧ソ連海軍がアメリカ海軍に対し、 質的劣勢を補うため、考えていた戦術でした。 #right(){(78:833)} **マレー沖海戦でイギリス軍の対空砲の名前がたしかポンポン砲とのことですが、どのような兵器だったのでしょうか。 対空砲って書いてあるじゃん・・発射の時に「ぽん!ぽん!」と・・。 #right(){(78:921)} ヴィカース社が製造した40mm機関砲を8連装にまとめた対空機関砲です。 正式には2ポンド8連装ポンポン砲といいます。 1930年ごろから艦船用の対空砲として配備されはじめましたが、初速が低く 大戦中には旧式化していましたが、終戦まで使用されつづけました。 フォローしておくと、921氏が言っているのは本当。 発射時のこの砲特有の音"Pom Pom"に由来する名前です。 元々はボーア戦争で使用されたマクシムが作った1ポンド速射砲に付けられた名前でしたが、 その後対空砲にも用いられたため、英語で"Pom-Pom"といえば対空砲をさすようになりました。 ttp://www.firstworldwar.com/atoz/pompom.htm #right(){(78:名無し軍曹)} **こんごう級のOTO127mm速射砲って、前一門だけって半端じゃないですか? いまどき艦砲なんておまけな兵器。 二門積むことによるコスト上昇がパフォーマンスの向上に見合わないと考えられてる。 #right(){(82:732)} そもそも多数砲を積んで効果が出る世界は 映画やアニメ等架空のモノしかもうありません。 イイ加減その辺の認識を改めてください。 #right(){(82:735)} 他の国の艦もそうですよ。2門装備は希です。 代わりにミサイル垂直発射装置が装備されることが多いです。 #right(){(82:737)} >後ろから攻撃されたら前の砲は使えないでしょ? 後ろに着かれる前に、落とすなり沈めるなりしますんで、大丈夫です。 #right(){(82:741)} 砲の射程内ぐらいまで近づかれたら前も後ろも関係ありません #right(){(82:742)} >回頭する余裕ないでしょ? 別に一対一で戦ってる訳じゃないんだから。 他の船に任せる。 そもそも、ケツから来てるのが分かった時点で回頭します。 #right(){(82:755)} 後ろから攻撃されたら後方のCIWSを使うだろ? #right(){(82:757)} 732とかの説明をもうちょとわかり易く簡単に言うとね、 現代の軍艦の主力兵器はほとんど全部誘導弾へ移行しちゃってて、 艦載砲はおまけなんです。 なんでそんなおまけが付いているかと言うと、 そこそこ便利だし、外すとなんか寂しいし、 いざと言う時の為になるべく複数の攻撃手段を残しておきたいと言う軍人の本能、 などの非常に消極的な理由で一応対艦、対地、それとハッタリ用に残しているんです。 で、じゃあ艦載砲付いてるんならついでに対空能力も付与しとくかって話なんです。 だから前後に艦載砲を乗っける余裕があったら、 それ以外の何か、 主力兵器の誘導弾とか乗組員の乗り心地向上とか そっちにリソースを使った方が良いと言う話なんです。 #right(){(82:785)} **アメリカでは将来イージス艦の砲からロケット推進する砲弾を飛ばして対地ミサイルの節約を図ろうと研究をすすめているようですが、 >もしこの考えが有効なら、大鑑巨砲時代に逆戻りとかありえませんかね? ロケット砲弾はロケット砲弾であって、誘導できるわけじゃないからねぇ……。 #right(){(82:745)} 誘導砲弾の話では? #right(){(82:747)} コスト削減のために砲を使うのに、運用費の高い船を使うわけがないじゃん #right(){(82:749)} そもそも大艦巨砲主義は国庫や資源を狂ったように捻出できる古い時代の考え方であって、 資源の節約や、軍事費の無駄遣いを押さえる現代の考え方ではない。 #right(){(82:764)} **旧日本軍って航空機と艦艇に乗せる機関銃や砲が足りないってことは無かったの? 結構あったようです。 特に小艦艇に搭載する25mm機関砲が回らず、13mm機関銃を搭載する など、小艦艇の方にしわ寄せが行ったことが多いようです。 戦闘機でも機関銃が不足して…というのがあったかと思いますが。 この辺は識者に聞いてみないと…。 #right(){(83:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **今の護衛艦についてる76mmとか127mm砲の破壊力ってどんなものですか? 現在の艦砲に使用される砲弾はHE(榴弾)が主流ですので、貫徹力に関するデータは無いです。一例として、 OTOメララ7.62cm/62口径 Compact砲 砲弾重量:6.35kg(SAPOM半徹甲榴弾) 炸薬重量:0.46kg(同左)0.75kg(HE-MOM多用途榴弾)  炸薬/重量比:7.2%(SAPOM)11.8%(HE-MOM) #right(){(87:73)} **かつて戦艦大和の主砲を生産した日本が、なぜ護衛艦の艦載砲をイタリアから輸入しなければならないのですか? >素人目に見たら、どちらも敗戦国という意味では戦後のハンディは一緒のはずなのに、この技術の差は? 安くて高性能な兵器と高くて高性能な兵器 貴方ならどちらを取りますか? 軍事関係の技術は一朝一夕では進歩しません。 #right(){(87:381)} 戦勝国も導入してるが(O・H・ペリーの艦載砲) #right(){(87:383)} イタリアは、実質敗戦国ではありますが、名目上は戦勝国ですよ。 #right(){(87:384)} 因みに、OTOメララ社の7.62cm砲と12.7cm砲は、この分野の定番です。 銃砲の世界は、なかなか技術革新が起りませんから、一旦定番化してしまうと、 なかなかそれをひっくり返すような発明ができません。 結果として、この艦載砲は、安価で高性能な艦砲として、自衛隊どころか アメリカ、ヨーロッパ各国でも、採用されています。 #right(){(87:385)} **OTO系の速射砲の内部機構がよくわかりません。 世界の艦船1996年12月号にコンパクト砲の詳細な解説とオフィシャルの透視図が記載されています。 それによると砲弾は砲の下にある回転式弾倉から砲の左側にあるスクリューホイスト(螺旋揚弾機) によって砲室に移送されます。 そこから鞍耳を軸に旋回するロッキングアームを使って装填トレーに移送され装填ラマーによって 薬室に装填されます。 その他、続艦船メカニズム図鑑(森恒英著 グランプリ出版)にも詳細な内部図が描かれています。 #right(){(88:名無し軍曹} **単装砲×4と連装砲×2では基本的に命中率は同じなのでしょうか??(WW2艦砲で) 単装砲2基で照準する場合、照準を2つの砲塔に伝達しなければならないところを、 連装砲なら1つで済みます。 つまり、狙う側の数が減る分だけ、照準は容易になります(理論上は)。 単装と連装のどちらを取るかはその他、重量や占有面積(どちらも連装の方が大きくなる)、 取り回し(軽い分単装の方が有利)、被害の局限(単装の方が一撃で破壊される数は減るが、 連装にすれば単装2基よりは軽くできる分防御を充実できる) その他様々な要因から決定されます。 ですが究極的には、大威力の単装砲が理想です(戦車がそうしているように) #right(){(94:21)} **戦艦ネルソンの主砲は三基とも全部前向きに積まれていますが重巡妙高の前部主砲は前前後向きに積まれています >この積み方の違いによるメリット・デメリットを教えて下さい それぞれ防御区画の範囲を狭く出来るというメリットがあります。 主砲の下には弾薬庫があるわけで、船体でもこの部分は特に入念な装甲や防護が施されます。 しかし、その区画が多いとその分の範囲が広くなり、重量増加を招いてしまうわけです。 ネルソンは主砲を全部、前に集中してしまう事によって主砲の弾薬庫も全部に集中。これによって 主砲弾薬庫を集中して配置でき、集中防護区画も小さくて済んだのです。 デメリットも大きく、当然後ろへの主砲発射が出来ない。(一度、主砲を後ろに向けて斜め後ろへ の発射をした事がありましたが、発射のブラストによる艦橋や構造物へのダメージが大きすぎ、2 度とそういう姿勢での発射は行われませんでした。) 後、これは聞いた話で確証はないのですが、三基一斉射が出来なかったって噂を聞いた事が。 妙高・高雄型もこれを狙ったもので、最上型のように順番に前へむけて主砲を配置するより、3番 砲塔を後ろ向きに配置してやると、砲塔が寄り添う形になります。これで弾薬庫の集中配置、更に はそれによる防御の充実がはかれたわけです。 この配置での大きなデメリットは聞いた事ないですね。 #right(){(94:869)} **最近の護衛艦には76ミリ単装速射砲ではなく、127ミリ単装速射砲が装備されているようですが、口径が大きくなったわけはなんでしょうか? 127ミリの方が射程や命中率が高いからだと思われ。 むらさめ級は76ミリだったけどたかなみ級で127ミリに変更しています。 #right(){(96:322)} 322 さんの書かれた通りなのですが、では、なぜ更なる射程が必要かを 考えるのもおもしろそうです。ひとつには対空射撃時に誘導砲弾などを 使える、という利点ですが、76mmにも対空誘導砲弾は開発中(伊)なので これは違うでしょう。現在、新規開発艦艇は大口径化を行っている国が 多いのですが、そのほとんどは理由として、射程の延伸と対地誘導砲弾×子弾 による沿岸攻撃能力の向上を第一に挙げています。たしかに地上目標を 効果的に叩きたければ誘導、子弾は必要であり、そのためにはさすがに76mmでは 砲弾が小さすぎる。自衛隊が地上砲撃を行う必要性は、自国に侵略した敵軍を 海上から攻撃するシーンと、敵国の地上施設、あるいは敵国に上陸した 自軍の支援が考えられます。これまた、大口径化を薦めている諸国では 後者を第一の理由として挙げていますが、これは現在の日本では政治的禁句。 ただ、大口径化によってそのような選択肢を残したのは賢明だと思います。 #right(){(96:system)} **高雄・妙高とか第3砲塔が自艦の艦橋に向いています。これは安全面においてどうなのでしょうか? 安全装置というか、艦橋に向いてるときは 発射の電源が切断される設計になってます。 撃ちたくても撃てません。 #right(){(96:597)} そんなこと言ったら、そもそも火薬を積んで 航行してるフネは全部危ないよー。 #right(){(96:601)} **昔の潜水艦は魚雷がもったいない相手の場合積んでいる砲を使ったそうですが >潜水艦に搭載できる程度の砲でそんなに簡単に船を撃沈できるのでしょうか? 別に大きな軍艦を沈める訳では無いので十分に可能です。 #right(){(96:633)} 一次戦のときは88ミリ二次戦末期には120ミリの砲をドイツ海軍潜水艦は 搭載していたのでまんざらでもなかったようです。 #right(){(96:634)} 634氏の指摘のような場合もあれば、一時間かけて140ミリ砲を47発命中させ やっと2400トンの輸送船を撃沈した伊26潜の例などもあります。 モノによりけりってことです。 #right(){(96:636)} **戦艦の主砲弾の爆発は、どのくらいの重量物をひっくり返せるのですか? 大和の砲弾が地面に直撃すると直径30メートルくらい掘り返すと言われる。 当然衝撃波はその周囲に起きる。 #right(){(96:712)} **むらさめ級護衛艦が127ミリ砲でなく76ミリ砲を搭載する船として建造されたのはなぜでしょうか? 世界基準に合わせたから #right(){(97:598)} 簡単にいえば時代の流れといえるでしょう。 むらさめ級の源流であるはつゆき級が登場するまでは、海自の護衛艦(DD)の主力武装は ASROCと127mmMk.42速射砲だったわけです。 各種ミサイルが搭載されるようになるまでは127mm砲は対艦・対地・対空とさまざまに使える 主力武器でした。 しかし各種ミサイルやヘリが搭載できるようになると、砲は補助的な位置に甘んじて はつゆき級を含む各国の軍艦で小型軽量で速射性が高いOTOメララ76mm砲が搭載されました。 (はつゆき級は建造費を押さえるために排水量が抑制された事情もあります) また実際にフリゲイトから中口径砲の装備を外した女王陛下の某海軍もありました。 しかし英海軍はフォークランドで海上からの支援砲火の不足に悩み、中口径砲の装備を 復活させます。 さらに冷戦終結により海軍の任務が陸上への攻撃支援に移っていった事もあり、76mm砲では 地上支援任務に対して明らかに威力不足と認識されるようになりました。 そういった世界情勢の変化を考慮し、また127mmMk.42速射砲搭載艦の退役といった 現状をかんがみた変更だと思われます。 #right(){(97:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **日本の戦艦の副砲ですが第二次大戦中実戦で役に立った例はあるのでしょうか? 大和級以外の戦艦が装備している舷側副砲(ケースメイト式といいます)のことであれば、 ソロモンを巡る海戦で金剛級戦艦が実戦で使用しています。 普通に役に立ったようですが。 #right(){(97:777)} **日本の戦艦で副砲による対空射撃は行われたのでしょうか? けっこう大和は副砲を使用していますよ。 レイテ湾突入の際には、米巡洋艦に対して8分間の射撃を行っていますし、 対空砲火としても、水上特攻の天一号作戦の序盤に、偵察の飛行艇に向けて発射しています。 発射に手間がかかる主砲に比べ、即応性が高い副砲は、けっこう便利に使われています。 #right(){(97:783)} **護衛艦に搭載している127ミリ砲で第3世代戦車の正面装甲を直撃して1発で破壊できるでしょうか? 護衛艦に用いられる艦砲の弾種は現在HE(榴弾)が主流であり、AP(徹甲弾)はまずありません。 これに対して戦車砲弾はAPFSDS弾とHEAT弾が主流であり、単なるHEでは正面装甲は 貫通が不可能です。 信管を調節してHESH(粘着榴弾)的に使用するしかなさそうです。 しかし命中が正面装甲なら一時的に戦闘力を失っても完全撃破にはいたらないと思われます。 #right(){(98:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} 正面装甲打ち抜かれないとしても戦車で護衛艦と撃ち合いたくはないな #right(){(98:111)} **昔の軍艦の大砲の口径って簡単に誤魔化せたんですか!? 砲の口径を誤魔化すと言うのは、簡単には出来ませんが、徹底した情報管理によって、 日本海軍が大和級の主砲を16in砲とごまかし続けたケースもありましたし、 最上級の8in砲換装も同じく、太平洋戦争まで気づかれていませんでした。 #right(){(98:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} 排水量や砲の口径は、ある程度誤魔化すことは可能です。 ドイツの例のポケット戦艦にしろ、日本の蒼龍・飛龍にしろ、 条約との絡みで、少なめの数字を公表しておりました。 砲についても、最上型が15.5cm砲を装備しておいて、 開戦前にこっそり20cm砲に取り換えていた例もあります。 ただし、外見からでも推定はある程度可能なので、 倍近い数字を誤魔化すことは、ちょっと不可能ごとに思えます。 #right(){(98:829)} **18世紀の帆船海軍小説だ思うのですが、「迫撃砲」「追撃砲」という表現が出てきて、 >どちらが船首・船尾の砲か、わからなくなってしまいました 「追撃砲」は普通は艦首に付いている物だろう。フランス式設計の松島級は 艦首に副砲がついているが、これを「追撃砲」としている #right(){(99:196)} 追撃砲(chaser)は、艦首と艦尾、両方についています。 艦首のものをbow chaser、艦尾のものをstern chaserと言います。 19世紀半ば頃までの軍艦は、ほとんどすべての大砲を両舷にまとめており、 艦首・艦尾の方向に発砲できるのは、これら追撃砲(大型艦でも2~4門)だけでした。 #right(){(99:225)} **船舶に積まれている速射砲は砲撃中に装填が可能だと聞いたのですが本当でしょうか? ものにもよるけど、速射砲、と呼ばれる大砲は、砲本体-自動装填装置-即用弾倉 という構成になっていて、砲は自動的に装弾→発砲→排莢という動作を行う (砲の動作は油圧で行われるのが一般的)。  砲が排莢すると、装填装置が即用弾倉から即座に砲に弾を装填し、 砲は発砲・・・という動作を繰り返す。  だから、砲弾の装填は即用弾庫に対して行われ、 弾庫に対する装填作業は砲が発砲していてもそれに関係なく行える。 #right(){(103:486)} **戦艦、巡洋艦の主砲の二連装、三連装のメリット、デメリットについて教えてください。 連装の場合、たとえば10門搭載するためには砲塔5基が必要となり、 船体が長くなるという欠点があります。 一方、三連装では、砲塔一基あたりの重量が連装砲塔よりもかなり重くなり、 製造や運用に困難が生じます。また損害が生じた場合の火力低下率が増大します。 #right(){(104:164)} 三連装砲塔のメリットとしては防御部分を短く出来る事が上げられます。 砲塔の下には弾薬庫が有る訳ですから、その横は装甲板で守らなければ成りません。  デメリットとしては砲の交互射撃が難しくなる事と、作業スペースと尾栓の 開く向きの関係で中央砲の発射速度が低下する事が挙げられます。 斉射の場合でも中央砲に合わせる限り、発射速度が連装に比べて低下する訳です。  例えば、装甲を含めた重量的な要素で三連装3基9門と 連装4基8門が同じだったとしても、手数では9門の方が劣る可能性も有る訳です。 #right(){(104:165)} 大和級の九四式46センチ三連装砲塔だと、尾栓の開く方向は後方から見て    左 右 右      となっています。 また、米海軍のMk.12やMk.15などの20センチ砲は尾栓を下方に向かって 開放する形式になっています。 このため、これを搭載したMk.ⅩⅤ三連装砲塔は左右砲の中心間の距離を わずか250センチに収めることに成功しています。 #right(){(104:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **射程100kmの艦砲なんてありませんよね? 米海軍の5in艦砲MK45mod4は、ERGM(開発中)というというロケットアシスト誘導砲弾を使って 110km超の射程を得るそうです。まあ実質ミサイルですけどね。 #right(){(106:47)} **速射砲と他の火砲は、連射するとどれほど差が出るのですか? その「速射砲」が戦後の艦載砲のことならいくつか比較してみると 5インチ 従来型 MK30 毎分15~22発  速射砲 MK42 35発 MK45 20発 OTOブレダ 40発 3インチ 従来型 MK22 毎分20発  速射砲 MK33 45発 OTOブレダ 80ないし100発 OTOブレダスーパーラピッド砲 120発 #right(){(106:706)} **現代の軍艦は一つの砲塔には一つの砲しか付いていないように思います。 >これは連射技術の向上や、命中精度の向上により、連装が不要になったということですか? 主に経済性の問題 #right(){(107:853)} 基本的にはあなたの考えた通り。 だが一番の理由は、現代戦では艦船の主力兵器はミサイルと空母艦載機になったので、 砲を使う機会が少なく、大きくかさばる多連想砲塔を載せるのは、艦上スペースの無駄だから。 ロシアのキーロフ級ミサイル巡洋戦艦のように、連装の速射砲塔を載せてたフネもあります。 #right(){(107:853)}※キーロフ級の2~4番艦のみ **ある小説で要塞砲と艦砲では艦砲の方が不利であるという記述がありました。 >素人考えだと自由に移動できる艦砲の方が有利に思えてしまうのですが、何故なのでしょうか? 揺れない地面に据え付けてあって、装甲は鉄筋コンクリートで無制限に強化できて、 下手をすると水面から見えない位置に置いてある要塞砲が艦砲と撃ち合って不利なわけがないから。 #right(){(110:950)} 戦艦が要塞砲の射程外からでも撃たないと 巡洋艦ぐらいだと要塞側が防御力、火力、照準で上回る #right(){(110:953)} 要塞砲と艦砲で砲撃戦を行った具体的な例では、ドイツ軍の1940年の ノルウェー侵攻でのオスロ攻略作戦で、40年4月9日に ドイツ重巡「ブリュッヒャー」が要塞砲によって撃沈された例があります。 #right(){(110:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **現在、20cm以上の砲載せた軍艦持ってる国ってある? アメリカにもありません。 アメリカ海軍のアイオワ姉妹は既に全艦退役しています。 南米の(旧)米重巡群も退役していますし、 今現在世界に20cm以上の備砲を持つ軍艦は在籍していません。 #right(){(111:16)} >ちなみにいま一番大きい備砲つんでるのはどの船ですか? 現用だとロシアの130mmかな、ソブレメンヌイ級が積んでる砲 #right(){(111:31)} **海軍の艦船の主砲の砲弾って何を積んでるんでしょうか? >榴弾とか徹甲弾とかHEAT弾など一通り積んでるんでしょうか? >もし、主砲で艦隊戦をするとしたら、相手の艦船に撃つのは徹甲弾でしょうか? WW2なら徹甲弾と榴弾、徹甲榴弾 戦艦には徹甲弾、駆逐艦なんかには徹甲弾だと貫通してしまうので榴弾 艦船にHEAT弾ってのは聞いた事が無いが… #right(){(112:23)} **連合艦隊の戦艦の砲弾は、外れて海面に落ちてから、魚雷の働きをするというのは、実際にできたんですか? 戦艦土佐の廃艦に伴う実験で、水中弾効果が発見されたので それ以降の撤甲弾には水中弾効果を発揮できるように被帽に工夫されている。 #right(){(113:402)} **WW2で米艦艦載の40mm機関砲(ボフォーズでしたっけ?)を記録映像などで見ていると >4門のうち纏められた2銃身が交互に後進しているのは、二銃身連動なのでしょうか? ポムポムの類は、単に撃発機能が反動等の均等化のために連動しているだけで、 遊底動作が連動しているわけではありません。 そのためには2銃身が近接している必要があります。 典型的なのがソ連の機載機関砲、Gsh-23です。 残念ながら図解しているサイトを見つけることができませんが、Gsh-30、2A38対空機関砲、 そして米のGE225、25mm機関砲などに採用されています。 原型は一次大戦まで遡り、ドイツのGastが機載機銃に採用したものが最初のようです。 GE255には外部動力方式のものもあったようです。 ロシアの高速機関砲についての技術レベルは高く、基本的には単なるショートリコイルである Gsh-301が西欧のリボルバーキャノン並みの性能を発揮しています。 #right(){(114:system)} **太平洋戦争時の米軍が使っていた127㎜砲弾や20mm機関砲弾は、今の護衛艦でも使うことができるのでしょうか? タマはむりぽ。 ぜんぜん違う。 #right(){(115:175)} **「艦砲射撃」とは、戦艦の砲での射撃じゃ無い場合でもそう呼称する事があるのでしょうか? 軍艦の砲を使って何かを射てば、艦砲射撃ですが。 #right(){(119:377)} **海上自衛隊の訓練支援艦のottoメララ76㎜砲は何のためにあるのでしょうか? 訓練に使う。 #right(){(120:639)} もし、標的が誘導できなくなり、自分に向かってきた場合の防御用。 #right(){(120:646)} **揚陸艦の甲板上からFH70みたいな火砲で対地砲撃は出来ないのでしょうか? それだったら護衛の駆逐艦やフリゲート艦に艦砲射撃してもらった方がいいと思うよ。 発射速度段違いだし・・・。 (アメリカのタラワ級には艦砲射撃用に5インチ砲がついてた(今は撤去)。 それ以上を求めるなら空母艦載機に爆撃してもらえばいいし・・・。 #right(){(124:254)}※タラワ級は全艦退役済 できるかできないか、ってことで言えば「やってやれないことはない」という程度かと。 野戦榴弾砲は駐錐(スペード)というものを地面に食い込ませて 安定させることが必要だから、地面に食い込ませられないかわりに 甲板にしっかり固定しなきゃいけないだろうけれど。 ただ、甲板も砲架も痛むと思う。 #right(){(124:255)} **メラーラ製76mm艦載速射砲の命中精度教えて下さい。 http://www.navweaps.com/Weapons/WNUS_3-62_mk75.htm によると。 Oto-Melara の 76mm Super Rapid Gunは、最大連射速度で10発撃った場合、 1000mの距離で0.3mil内(約30cm内)に標準偏差としておさまるとメーカーは主張している。 (標準偏差を統計的に正確な意味で使用しているなら、射弾の99.7%が1m以内に命中することになる) おなじ 76mmでも Compact Gunの場合は最大連射速度で発射すると故障しやすく、 また460m射距離でも20発の最大速度連射を6×6mの標的内に留めることが困難と言われる。 Super Rapid Gunの方が改良されていると同時に可動部品数が少ないのが この精度の差を生んだらしい。 #right(){(480:334)} **護衛艦などに搭載されてる速射砲は1分間で約100発発射可能らしいですが、どんな感じで発射されるんでしょうか? >マシンガンみたいにダダダって発射されるんでしょうか? 発射間隔としては自動拳銃の方が近いかもね。 マシンガンの発射速度は物によってはその8~10倍以上だから。 実際に見た方が早いかと #video(https://www.youtube.com/watch?v=eiT1_SWf1hA) #right{(497:195-198)}※動画削除のため別の動画に修正 **何故現在の巡洋艦、駆逐艦、護衛艦などの戦闘艦には主砲は単装砲塔が一基だけ搭載されるだけなのですか? 軍艦を作ろう! と考えたとしてください。 現代であれば対空対水上射撃の各レーダーとかアンテナをマストに載せます。いわば軍艦の一等地です。 これらが増えれば載せるマストも大きく頑丈になり場所もとります。船の速度を出そう、とすると大きな煙突 が要ります。ガスタービンの吸排気塔ともなればそれは巨大になります。ヘリコプター甲板。ASWでも捜索 でもヘリがあるとないとでは大違いです。格納庫で雨風潮を防いで整備すれば、高いヘリを買ったかいがあ るというものです。 ここまでのっけると、武装に割ける甲板というのは結構狭くなってきます。昔であれば対戦任務艦なら射程 の違いによってアスロック、ボフォース、ヘッジホッグ、短魚雷と一通り並べる必要がありましたが、技術の 進歩した現代であればVLSにアスロック詰めたり、ヘリに短魚雷載せて遠くまでカバーさせられます。VLS にはエリアディフェンスのスタンダードやポイントディフェンスのESSMも詰められますから、さらに場所を節 約できますね。 とはいえ、砲に割けるスペースはあまり残ってません。対空、対水上、対地と何にでも使えた主砲ですが、 ミサイルの性能、信頼性が上がっているので対空でも対艦でもそっちを強化したほうが安いです。砲で40キ ロ先の目標に当てようなんて考えたら大口径砲と公算射撃ができる門数が必要ですが、ASMなら8発積ん でもミサイルだけなら5トン以下ですし、100キロ先でもへいちゃらです。 対空射撃もミサイルの発達と「軽量でどこでも置ける」CIWSのおかげで、砲だけに頼る必要もなくなりました。 発射速度を上げれば複数搭載しなくても効果は同じですし。対地攻撃なら射程と弾頭重量が重要なので、 やはり門数は必要条件にはなりません。無くすには割り切りも必要ですが、残すにしても重量ウン十トンの 砲熕兵装なんて、1基あれば十分なわけです。 ま、射界だの投射弾等重量だの砲の発射速度だのドクトリンだので取捨選択はあるでしょうが、基本的には 多連装砲塔を複数装備しなきゃ対処できない敵というものが存在していない、ということです。 基本的に連装砲、複数塔ってのは命中率の低さや発射速度の遅さを補う為のもの。 高度なFCSや自動装填装置が存在するのならば基本的に連装はいらない。 ロシアの連装砲は自動装填装置の性能の低さを補う為のもの。 砲塔の数はその艦の設計思想によって変わります。 イタリア艦が砲装重視なのは地中海での運用を想定した小艦艇への対抗の為、 ズムウォルト級は対地砲撃を重視した設計の為です。 #right(){(560:790,796)} **ポムポム砲って何で評判悪いの? 初期型は威力が弱く、改良型は射程が短く弾道も適当で、しかも故障率が高かった為。 そのうち優れた威力・射程・弾道・重量共に優れた対空砲がボフォース社から出て、ポムポム砲は立ち消えた。 #right(){(戦争板初質スレ1:570)} 自国の複葉機を想定目標として照準機をセットしていたので、九六式陸攻、 一式陸攻といった高速機には当てることが出来ませんでした。 当たれば威力は大きかったんでしょうけど、日本海軍でも40ミリヴィッカース 機関砲を止めて25ミリオチキス機関砲に対空装備を換えていますから、 大したものでは無かったのかも知れません。 #right(){(38:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **艦砲の弾着観測について質問です。 >弾着修正のために観測する水柱は、海面に着弾時に発生する水柱でしょうか? 弾着観測、第2次世界大戦時の日本ということで。 一発の徹甲弾で水柱は一つだと思います。 戦記などを読んでもコンマ何秒か進んだ後の爆発は出てこないと思います。 通常、艦船vs艦船なら徹甲弾を用いますので。。。 ちなみに十数メートル程度の誤差は当然出ると思います。 例えば9発撃てばある程度散らばります。その弾幕を少しずつ敵艦に近づける。 基本的には直接狙うというより弾着が夾叉(キョウサ)するように、 それで一つくらい当たる、という程度です。「近800、左300」という風に指示します。 朝日ソノラマ「死闘の水偵隊」が参考になると思います。 #right(){(14:925)} 徹甲弾は敵に当らずに海に落ちると爆発せずそのまま沈んでしまったと思います。 よって着弾時の水柱を見る、というのが正解では。 蛇足ですが、多数のフネでボコスカ撃ちまくってると敵艦が水柱だらけになって、 どれが自艦の撃った弾だか分からなくなります 日本海軍は主砲弾に染料を詰めるというやりかたで弾着確認を容易にしてました。 #right(){(14:945)} **海賊船が装備していた短くて黒い大砲の正式名称を教えてください。 カロネード砲でしょう。 http://hometown.aol.com/tleighu/cannon.html 砲丸の材料は鉄がメイン。鉛のものもあります。 木造船ですから、弾着すれば木片を撒き散らし、 これがけっこう殺傷効果あります。マストや帆桁を壊せば操艦能力を奪うこと ができ、旋回砲塔のなかったこの時代、それは戦闘能力を奪うに等しくなります。 のちに臼砲(上記サイトのMortar)が作られ、導火線付きの爆薬入り砲丸も 使用されるようになりましたが、射程や信頼性などの問題があり、艦対艦の 戦闘にはまず使われなかったようです。 砲丸を焼いて撃ち込み、火災を誘発させることも行われましたが、木造帆船の 上で火を焚くのは自殺行為なので、地上の要塞から艦船を攻撃するときに使用 されたようです。弾のまわりに鎖をとりつけ、帆や索を破壊することも行われました。 #right(){(63:14)} ちなみに、カロネード砲はメルビル将軍によって1759年に発明され、最初スマッシャーと呼ばれましたが、 1779年英海軍に採用された際、スターリングにあるカロン鉄工所で作られたところから、 カロネードと呼ばれるようになりました。 #right(){(63:18)} もうひとつ>>14の補足になりますが、 カロネード砲が出回る以前、16~17世紀の話だと口径によって名称が違います。 大まかに言えば6~8インチの砲が"カノン"Cannon、4~6インチ未満が"カルヴァリン"Culverin 3~4インチ未満が"ミニオン"Minionと名づけられていました。 (本当はもっと細かい分類があります。) このうちもっと多く用いられていたのはカルヴァリン(弾丸重量は7.7~8.2キロ)です。 弾丸は、鋳鉄の球弾(Round Shot)が最も多用されましたが、これは鉄の塊で、命中した弾丸が マストなどの構造物を破壊して人員を殺傷したり、操艦ができなくなることを狙っていました。 その他の弾丸として、二個の球弾を鎖でつないだ連鎖弾・多くの散弾を束ねた葡萄弾等が 用いられたそうです。 軍艦への榴弾の搭載は18世紀に入ってからといわれています。 #right(){(63:名無し軍曹)} **構造の堅いところには、両用砲、対空砲の弾だと損傷はどれぐらい与えられる物なんでしょう? ボフォース(機銃)で艦船を「撃沈」するにはどれだけ弾が要りますか? 当たり所が悪い(弾薬に引火とか)なら、撃沈まで行くでしょうし、小艦艇くらいで装甲の無い ものなら数十発で撃沈は可能だと思います。 少なくとも対空砲でも大穴は空くと思いますよ。 #right(){(67:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **最近の軍艦には、後部大砲がないものが多いがなぜ? >ヘリコプターのためかなと思ったが、タイコンデロガ級はヘリ格納庫も後部大砲も持っている。 現代の軍艦の艦砲は地上攻撃、対空攻撃、小艦艇相手の交戦が目的です。 海戦は対艦ミサイルによって行われるものであり、艦砲同士の殴り合いは例外的な場合と考えられています。 小艦艇相手にはCIWSの応用や重機関銃なども使用されますから、 後部に大口径の砲がなくともデメリットにはなりません。 ライフル砲は滑腔砲に比べて弾着精度が高く、地上攻撃などで長距離砲撃を 行う要求もある艦砲においてはライフル砲の方が優位です。 滑腔砲は砲身に無理をかけずに初速を上げやすい、HEATなどの回転させると 威力のある弾種を使いやすいという長所がある一方、ライフルに比べると弾着精度に劣ります。 5kmにも満たない直射距離交戦ならともかく、艦砲に使用すると精度の低下が露わになってしまいます。 艦砲の相手の一つは、小艦艇というより小舟艇ですな。 小艦艇、たとえばパトロールボートサイズですら対艦ミサイルを搭載していますから、 艦砲でミサイル艇と交戦しようとする前に、相手のミサイルが飛んできています。 相手にするのは本当に小さな自爆ボートの類です。 この場合、RAMやファランクスのようなCIWSを水上目標に使用できるよう改良したものがなければ 重機関銃が使用されますが、ちょこまか動き回るスピードボート相手にお互い揺れる状態で 弾を当てるのはなかなか難しい。 そこで空中炸裂弾を使用した35mm機関砲などが使用されますが、大口径を利して 大口径砲で空中炸裂弾を撃つと相手の回避行動範囲全体を破片で埋め尽くせるので とても有効であるといわれています。同じ理由で対空防御にも使用されます。 まあ、現代の艦砲の使用目的は地上攻撃以外ではそんなもん。 最後に「では対艦ミサイルを撃ち尽くしたのに対艦攻撃が必要なら」という場合。 そのような艦は対艦攻撃を行いません。艦隊の他の艦にまかせて、自分は足の長いSAMを持っていれば 艦隊、あるいは僚艦の対空防御に専念し、それもなければ精々自分を守って他艦の足手まといにならないよう努めます。 対潜能力を持っていればそれを活かし、この機会に情報収集という手もあるでしょう。 #right(){(332:477,479,480)} **艦砲による対航空機射撃の有効性について >現代戦闘艦から航空機に対する攻撃で、ミサイル以外の攻撃って今時意味あるんでしょうか? >例えば Mk 45 5インチ砲 なんかは、対空戦闘をも意識している、とのことですが、音速で飛んでる戦闘機に加害できるものなんでしょうか? 「高射砲」だろうが「高角砲」だろうが「対空砲」だろうが英語じゃみんな同じAAG。低空用の対空機関砲だから、というべきところだろう。 #right(){(599:541)} 現代の艦載砲で対空能力がないほうが少ないでしょう。ほとんどが両用砲です。 特に米海軍の5吋砲なんて1934年に採用したMk12から継続的に改良と発展を重ねてMk45に至っています。 当然、航空機の進歩に追随する形での発達ですから音速を超す目標にも対応します。 5吋砲よりも、小口径の3吋砲ではOTOメララのコンパクト砲等は、高速目標に高い追尾能力と最大毎分85発の発射速度を誇っています。 バージョンアップしたスーパー・ラピッド砲は毎分120発の発射速度です。この辺りが艦載砲のベストセラーです。 質問をする時はIDを貼られる事を推奨します。 #right(){(599:オッチャン ◆7nTy3neLp2)} 実際には発射速度の低いMk45や英軍の114mmは、対空砲として使うのはあまり考慮してない。 また、超音速戦闘機だからといって、対艦(対地)攻撃が、超音速で行われるということもないだろう。 ついでにMk42やMk45の5インチ54口径は、30年代から使われてる5インチ38口径とは別物だ。 #right(){(599:567)} 第四次中東戦争で、ファントムなどのジェット機に対して、シルカ等の対空砲が効果があったのがわかりました。 また、種類が違う兵器ですが、工夫して比較してみましたところ、艦砲がジェット機に対しても、多少は役に立ってくれそうに思えてきました。 ▽ シルカ ZSU-23-4 発射サイクル: 毎分200発 (2000発というが、実際の運用上この程度だったらしい?) 弾体重量: 0.187kg 投射質量/分: 37kg/分 ▽ Mk 45 5インチ砲 発射サイクル: 16-20 発/分(18として計算) 弾体重量: 32 kg 投射質量/分: 576kg/分 ・5インチ砲のほうが、投射量がある。  →シルカの戦果が複数台によるものとしても、シルカの10倍以上(10台以上)の投射量がある。 ・迎角は、シルカ85度に対して、5インチ砲65度でシルカに利がある。  →前モデルのMk42 5インチ砲ではシルカと同じく85度だったそうです。   Mk45にとって、対空性能という観点ではマイナスポイントになり得るでしょう。 ・有効射程はシルカ2kmに対して5インチ砲24km。  →当然ですが、艦砲と対空砲の有効射程は、単純に比較できません。   しかし、今回の疑問の趣旨から、「少なくとも艦砲にシルカ以上の射程距離があるか?」を判断すれば、口径から考えても当然にYESと言える。 #right(){(599:545)} **日本海軍は46cm以上の砲の製作試作をしたことがあるんでしょうか? まず、八八艦隊計画艦用に搭載を予定した45口径46センチ砲の事前研究として、 1916年から48センチ砲の試作が始まっています。 1920年12月に完成した同砲は、呉近くの亀ヶ首試射場で発射実験を実施していますが、 砲尾が破損する事故を起こしてしまいました。 しかしこの砲の開発成果を踏まえて、後の大和級戦艦用の46センチ砲は設計されました。 日本海軍は46センチ砲搭載の大和級戦艦用に引き続き85,000トンの超大和級戦艦を計画しましたが、 この艦に搭載予定の50.8cm砲は40年秋から設計に着手し、41年6月より呉海軍工廠で 砲身二門の試作に着手しました。 この砲は「試製甲砲」と呼ばれましたが、超大和級戦艦の建造中止に伴い試作は中止されました。 この段階で、試作一号砲の砲身は尾栓を取り付ける直前まで製造が進んでいました。 #right(){(326:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **現在の技術で大和砲のような巨砲を建造した場合、総合的に見てコストで迎撃ミサイル超えることは可能でしょうか? それは不可能。 現代の径空脅威(空対地ミサイルにせよ、攻撃機にせよ)は、速度が速く、低空で侵攻してくる上 ステルス性が考慮されているため、直射砲で追従するには大きな角速度で砲を回す必要があります。 大口径の砲は、砲弾の危害半径を大きくでき、高度な信管を使用することが可能な反面、 当然重量が大きいため、素早く回すためには大変な仕掛けと動力が必要になります。 また、発射速度も砲弾や装弾部の慣性が大きいため限度があり、連射が利きません。 速度の速い現代の脅威相手では、二発目を装填しているうちに着弾してしまうでしょう。 SAM並みの対空戦能力を持たせようとしたら、とんでもない規模の防空要塞になってしまいそうです。 オト・メララが誘導砲弾を開発してはいますが、今のところ試験に成功したというレベル。 それも、十分有効に誘導できるなら、ばかでかい砲弾は要らないわけで、その意味でも巨砲は無用。 結局の所、巨砲の存在意義というのは長射程、大きな貫通力にあるわけで、 前述したように近距離に接近するまで目標を発見できず、目標に大した装甲がない場合、 巨砲は単なる邪魔者に過ぎないわけです。まあ、視覚的パフォーマンスというヤツまで考えれば ストーリーは変わってくるかも知れませんが。 #right(){(326:933-937)} **今の艦艇でも艦隊防空や個艦防空を考えると、主砲は前後に1基づつ設置した方がよくありませんか? 対艦戦での砲撃って今はほとんど考えてないから、2門積むだけ無駄。 対艦ミサイルを迎撃するのでも、こんごう、あたごなら、SM2で迎撃してる間に回頭して、 砲を向ける事ができるので、2門積むのは無駄。 後ろに砲塔があるとヘリの格納庫が設置できないのでヘリコプターの運用に制限が出てくる。 はたかぜ型もヘリ甲板はあっても格納庫がない。 ミサイルメインの現代で水上艦同士が艦砲を撃ち合うような戦闘が可能性として低いのに、ヘリの運用を犠牲にする価値がない。 #right(){(617:433,436)} **現代の艦載砲が大口径にならないのは用途が限られてるから? 主砲は、ミサイルに大半の役目を譲ったとはいえ不要でもないので付けてある。 ミサイルがあるから遠距離戦闘には使わないだろうけど、近接戦闘や対地攻撃などで 使うことはありうるから。海自艦では、主砲が対地攻撃に使用できる唯一の兵器。 それに昔と違ってレーダー照準の全自動、速射も可能だから砲門も多数は要らない。 だいたい76ミリ~127ミリが一~二門。 #right(){(86:70)} 現代では、軍艦の主砲の最も大きな存在意義は「威嚇射撃ができる」だったりする。 #right(){(86:74)} ドイツは新造フリゲートに陸軍の155mm砲やMLRSの艦載改造型搭載を検討したし アメリカはズムウォルト級駆逐艦に155mm砲を実際に採用しました。 多任務が想定される冷戦後の戦略環境では、砲の役目はむしろ増えており その用途には76mmはやはり小さいのです。 各国の新造フリゲートを調べてみればわかりますが、前級で76mm砲だったのが127mmに強化された例が多数存在します。 それ以上の口径にならないのは、つまり、現時点で127mm級以上の大口径艦載砲が存在しないからです。 新たに大口径砲を開発するよりは、既存のプラットフォームや技術を流用できる最大砲である 127mm砲の長射程化・誘導砲弾化などの性能向上が現在のトレンド、ということです。 #right(){(617:468)} **Mk45 127mm砲の給弾機構がいまいちよく分からないのですが >砲弾が円柱状に縦に並んでて、それを下からアームで押し上げて砲塔に送信し、砲塔内で砲弾を90度回転させ装填するということであってますか? Mk45の構造図が出てるので参考に。 http://www.fas.org/man/dod-101/sys/ship/weaps/mk-45.htm 「MAGAZINE」って書いてる場所で、水兵さんが4人くらいでエッチラオッチラと5インチ砲弾を楊弾筒に給弾する。 >という事は自動なのは上のほうだけで下は基本、手動装填でやってるんですか? そう。 装填ドラムには異なった弾丸/信管/装薬の組み合わせをリザーブしてるが、 射耗したらそれを給弾するのは手作業。 後、無人なのは砲塔内だけで、装填ドラムが有る操作室にも2名配置されてる。 弾庫から手で弾丸を持って来て、チェーン式の昇降楊弾筒にセットする。 OTOメララみたいな発射レートの速い艦砲でも基本的に同じ仕組みだったはず。 ただ、メララは装填ドラムが複数有った。 #right(){(初心者質問スレ367:27-39)} **最近の軍艦に単装砲が多いのはなぜですか? 用途による。 充分な発射速度が得られる単装砲が出来たから。 #right(){(俺初質スレ431:607)} **交互打ち方は1~4番まで主砲があったとして、最初に1番3番が撃ち、次に2番4番、また1番3番……というやり方じゃ無理だったのでしょうか 交互撃ち方は射撃諸元を集めている段階。ここで重要なのは目標艦を散布界の内側 に収めること。散布界は砲弾のばらつきのことで、長径で200メートルとかの楕円形に なる。この中に敵艦が収まったら、全力で射撃する。 散布界はけっこう広いし、同型艦でさえ同じ形にならなかったりもするので、射撃のペー スを上げるために交互撃ち方をやるにせよ、全部の砲塔を使わないとただでさえ難しい 遠距離射撃の諸元集めがもっとややこしくなる。 散布界に収める。あとは撃ち続ければ確率であたる、というのが砲戦の流れなので、砲 塔ごとにぶっ放していると散布界がわかんなくなっちゃう。もちろん、射界の制限で前の 砲塔しか、後ろの砲塔しか使えない、というケースもあるけど。 #right(){(662:ふみ ◆Y.QUKJBduY)} **護衛艦の76㎜砲はハープーンを迎撃する能力があるのでしょうか? 『むらさめ型』に装備されているのはOTOの76mm速射砲でミサイル対処能力がある、イタリア軍艦なんてCIWSにしとる。 イージス艦装備の127mm砲だけど『こんごう型』に装備されているOTOの奴は対処能力がある。 『あたご型』に装備されているMk45には無い。 >また海上自衛隊は実際にこのような訓練をしているのでしょうか。 航空目標への射撃訓練ならやっている。 #right(){(293:420)} **日本軍がやった探照灯による射撃ですが、戦艦にやらせずに駆逐艦とかの小さい船にやらせた方が良かったのでは? >小さいから敵の弾は当たりにくいし 日本海軍の夜戦の手順としては、旗艦が探照灯照射によって目標艦を指示、 それに集中射撃を行うことになっていた、水雷戦隊なら旗艦の巡洋艦、夜戦 部隊に戦艦が組み込まれていれば戦艦が担当する。 探照灯は110センチが標準で、150センチは大和型にしか使われていない。90 センチとか75センチもあったそうだがそれはおいといて、110センチ探照灯であ れば200Aの電源を必要とし、照度は探照灯の数で補うことになっていた。そし て、複数の探照灯を使うときは、これを同一目標に向けるために双眼鏡で覗い た方向にモーターで探照灯を向ける射撃指揮装置に似た管制機も使った。 前もって点灯した状態を鎧戸でふさぎ、旗艦が敵を捕捉してから照射すること になっていたから、これを他の艦にやらせるとなると旗艦と同等の索敵能力を 駆逐艦以下も持ち、旗艦からの指示を確実にこなせないと戦術自体が成り立 たないことになる。これに先の大電力、複数の探照灯の設置場所、そして探照 灯管制機の問題もあわせると、駆逐艦程度の船では寸法が足らない、置く場 所が無いということになる。そもそも指揮下の駆逐艦に「旗艦が目標を選ぶか ら照らされた目標にのみ撃て、照らし始めたら射撃開始、別のを照らしたらそ っちに目標変更」という簡潔な指示を下す手段でもあるので、それが非常にや やこしくなる。 旗艦の指揮官の意図を駆逐艦にまでリアルタイムで徹底させるような戦術デー タリンクじみたことができる技術があれば、探照灯戦術なんぞに頼らなくてもレ ーダーでもなんでも作れそうな気はする。 #right(){(668:ふみ ◆Y.QUKJBduY)} **帆船時代の戦闘艦で、最も射程が長いのはどれぐらい? 艦種ではなく、砲で決まります。射程が長い24ポンド砲で、最大装薬射撃で 射程は1.8km程度ですが、この距離では命中は期待できず、まぐれでしか当たりません。 ある程度の命中が期待できる有効射程は1km程度。帆船時代の砲撃戦は50m以内が 通常の交戦距離でしたから、それで十分なわけです。 コングリーブのロケットは1780年には登場しており、射程は3.6km程度。 ただし、これもまぐれ当たり的なもので、展開した部隊や都市などを攻撃するには十分ですが、 船舶への命中は期待できません。 #right(){(677:system ◆systemVXQ2)} この当時の砲は先込め式で砲身にライフリングが切られてないので遠距離で撃ちあっても命中率は高くない。 海戦は数十~数百mで撃ちあうことが多いので射程よりも砲の数の多さとか弾の重量(威力)が重要。 http://en.wikipedia.org/wiki/68-pounder_gun これは汽船時代に入ってからの先込め式砲だが、有効射程は2700mで最大射程は3300m。 20世紀に入ってからの砲戦距離は1万mを超えるのが普通なので、それに比べればごく近距離での戦闘しかできなかったのがわかるだろう。 #right(){(677:913)} **戦艦の3連装砲の斉発は3発ではなく2発であるというのは本当ですか? 過去に出た同様の質問へのレスでは、3発同時発射可能な3連装砲は これまで存在したことがないらしい 松本喜太郎『戦艦大和の設計と建造』 「大和の46センチ3連装主砲塔は3砲身の同時斉射可能なような強度はなく2砲身の同時発射のみ考慮されていた。」 戦艦が斉射をするのは命中率を上げるため 同時に発射することにより敵艦を包むように着弾させる 対艦射撃で全門同時に撃たないなんてありえません ただ3連装砲塔では発射時の干渉を防ぐため 真ん中の砲の発射を遅らせます #right(){(287:550-590)} **戦艦の主砲は大口径の無反動砲にしちゃダメなんですか? 無反動砲だと初速が稼げず、貫通力が得られません. 以下のサイトのを参考にして特徴を理解ください. http://sus3041.web.infoseek.co.jp/contents/gun_type/gun_type.htm #right(){(284:112)} **46cm砲を発射した際の爆風はどれぐらいでしょうか? 『戦艦入門』(光人社刊、佐藤和正著)よりの引用。 「爆風の威力はたとえば人間の意識が一時もうろうとなるときは、一平方cmあたり1.16kg の圧力がかかった場合である。ところが、46cm砲一門を発射したときの圧力は5mはなれたところで 一平方cmあたり10kgの圧力がかかる。三連装で斉射すると20kgになる。これでは人間はおろか、 カッターや飛行機など、艦上に搭載されたものは全て破壊されて、あとかもなく飛び散ってしまう。 爆風の圧力に対して、人間が耐えられるのは、一平方cmにかかる圧力が0.5kg以下の場合である。 この数値にたっする距離まで避難していれば無事だが、46cm砲の単装発射でさえ、砲口から50m はなれていなければならない。三連装の一斉射撃では77.5mを要する。 つまり「大和」型戦艦の艦上では爆風が全艦をおおってこれから逃げる場所はないということになる。」 #right(){(687:481)} **戦艦、巡洋艦の主砲の二連装、三連装のメリット、デメリットについて教えてください。 連装の場合、たとえば10門搭載するためには砲塔5基が必要となり、 船体が長くなるという欠点があります。 一方、三連装では、砲塔一基あたりの重量が連装砲塔よりもかなり重くなり、 製造や運用に困難が生じます。また損害が生じた場合の火力低下率が増大します。  三連装砲塔のメリットとしては防御部分を短く出来る事が上げられ ます。砲塔の下には弾薬庫が有る訳ですから、その横は装甲板で守ら なければ成りません。  デメリットとしては砲の交互射撃が難しくなる事と、作業スペース と尾栓の開く向きの関係で中央砲の発射速度が低下する事が挙げられ ます。斉射の場合でも中央砲に合わせる限り、発射速度が連装に比べ て低下する訳です。  例えば、装甲を含めた重量的な要素で三連装3基9門と連装4基8 門が同じだったとしても、手数では9門の方が劣る可能性も有る訳で す。 #right(){(104:164-165)} **鎮遠の主砲の発射速度が一時間に三発と書いてあるのですが、本当にそんなに遅かったのですか? 汽力とかそんなものを上手く利用出来なかった時代で、しかも、大口径砲の砲弾、装薬など 重いものを扱う必要がある上、水兵の練度が余り高くなければ、そんなもんです。 日本の三景艦も主砲の発射速度については、似たようなものですよ。 #right(){(278:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **大戦前中の戦艦等、軍艦の主砲の砲弾の、砲口初速や終末速度はどうやって計測していたのでしょうか 日本海軍の場合だけど、 電線を細かく張った網を枠にはめたものを二つ用意し、 これらを一定距離離して射線上に配置し、網に電流を流す。 砲弾を発射して網を貫通させ、電流が流れなくなった瞬間をオシログラフで計測して、 二地点を通過した時間から速度を求める。 このやり方だと砲口を出た瞬間の砲弾の速さを計測することはほぼ無理なので、 砲口付近の速度から様々な条件を加味して、計算によって初速を求める。 多分戦車とかも似たようなやり方だと思う。 でも今はこんな面倒なことはしないでレーダーとかを使うよね。 #right(){(161:299)} **艦艇に旋回砲塔が出始めたのはいつ頃からでしょうか? おそらくスウェーデン人技術者ジョン・エリクソンの設計によるモニターが一番最初でしょう。 クリミア戦争中の1854年、ジョン・エリクソンがフランス海軍に旋回砲塔を備えた装甲艦を提案したが容れられなかった。 エリクソンはこの後南北戦争中の1862年に完成したモニターの設計を担当した。 モニターが低乾舷で航洋性が低かったのに対して、大型の航洋艦に砲塔の装備を行ったのがイギリス海軍である。 クーパー・フィッリプス・コールス大佐がクリミア戦争の戦訓に基づき、 1850年代末から浮砲台の建造、続いて大型で航洋性のある艦への砲等の搭載を主張していた。 1860年代初めからコールス式砲塔艦と呼ばれる砲塔の下部を船体に埋め込んだ型の装甲艦が各国で建造されたが、 大型航洋艦でそれが実現したのは1860年代の末になってからであった。 イギリスで1869年モナーク、1870年キャプテンが竣工したが、1870年にキャプテンは転覆してコールス大佐を始め472名が死亡した。 原因は乾舷の不足とトップヘビーによる復元力不足と言われる。 この事件から暫らくは砲塔は沿岸防衛用の小型艦に限定されたが、 1873年にはある程度航洋性を犠牲にして帆走設備を削減した大型の砲塔搭載艦デバステーションがイギリスで竣工する。 蒸気機関の発達により帆走設備の大幅な削減や撤廃が可能になった為、 上部の重量の減少や砲塔の射界の確保・旋回・配置が容易になり、 また、動力に蒸気・水圧が利用されるようになると砲塔搭載の利点が大きくなり、大型航洋艦への砲塔の搭載が一般化していく。 しかし、砲塔は重心位置の低下の為に低い位置におかれることが殆んどであり、航洋性を損なうことが多かった。 1880年の末になるとこの欠点の解消と、より大型の後装砲の搭載のためバーベット艦が登場する。 これは、バーベットと砲身を分離し砲身をバーベットの上に剥き出しで配置してバーベットの上部まで乾舷を増し航洋性が高められたものである。 そして砲身部分の周囲が次第に装甲で覆われるようになっていき、これ以降一般的に見ることができる砲塔が完成する。 #right(){(162:767)} **代表的な現代の艦砲を教えて下さい。 上から、生産国・形式・発射速度・口径 アメリカ  アメリカ  ロシア  ロシア  フランス  イギリス イタリア イタリア  スウェーデン  Mk42   Mk45  AK-130  AK-176  1968-Ⅱ  Mk8   OTO127 OTO76SR   MkⅡ 45発/分 20発/分 45発/分 120発/分 78発/分 25発/分 45発/分 120発/分  220発/分 127mm  127mm  130mm  76mm   100mm  114mm 127mm   76mm    57mm #right(){(209:663)} **戦艦や巡洋艦の主砲の水平射撃は、雷撃機に対して有効なんでしょうか? どっちかというと俯角射撃のほうが有効。雷撃機の進路に水柱を立てて射点を外させるか、うまくすれば水柱に巻き込める。 #right(){(俺初質スレ2048:852)} ミッドウェー海戦の戦訓でも、敵雷撃機編隊に主砲による水柱は有効とあるね 戦争後半になると、米雷撃機は高度100m以上から高速高高度雷撃するようになるけど #right(){(俺初質スレ2048:854)} **高射砲や高射機関砲ってもう需要ないの? 高射砲ってたいてい地対空ミサイルになってる。 高射機関砲はツングスカやゲパルトのように携帯ミサイルを搭載したハイブリット車両になてる。 #right(){(俺初質スレ2049:249)} 艦砲は高射砲ってか両用砲が多いな CIWSも機関砲タイプは高射機関砲の一種と言えなくはない #right(){(俺初質スレ2049:250)} **水圧式砲塔のメリットとデメリットを教えて下さい 水圧式 重い配管がスペースを食う技術力が低くても大きな力を出せる 電気式 軽いコンパクト技術力がなかったらとびくとも動かない #right(){(俺初質スレ2050:335)} **WW2の駆逐艦の20cm級の砲は役に立つのですか? >一線級艦隊に比べ対艦対地には威力射程とも不足しているように思いますが 質問の意味が分からん、駆逐艦の砲は10~12.7cmだが これは装甲のない駆逐艦同士や、それ以下の小艦艇或いは対空射撃に使う 対地攻撃に駆逐艦の砲が使用されたことはあったがきわめて限定的 大物相手には魚雷を使えばいい #right(){(俺初質スレ436:143)} ----
#CONTENTS ---- **WW2時代の戦艦に積まれていた40センチ級の大砲と現在の駆逐艦、フリゲートに積まれている15センチ級の大砲ではどう違うのですか? 率直に言えば「そりゃあ40センチ級の砲が威力は上」です。 ただ、戦艦の主砲クラスともなるとあまりにもサイズも発射にかかる時間も大きすぎ、 鈍重な目標かもしくは固定目標に対してでなければ命中が期待できずそのわりに40km程度しか届かないので、 そうした任務は空母かミサイルによって完全に代替されました。 15センチクラスの砲は二次大戦以前から機敏な目標に対する攻撃手段として艦船に装備されているものです。 現代戦闘でもこうした目標は多く存在するので(巡洋艦や駆逐艦、航空機、などなど……) 当分の間はこのクラスの砲が艦船から全廃されることはないでしょう。 なお二次大戦当時からは弾丸も射撃管制装置も装弾システムも改良されているので、 かつての巡洋艦みたいにごてごてと多連装砲を装備する必要もなくなりました。 そういうことをふまえると、現代の艦船の砲は当時の同クラス口径の砲とは比較にならない攻撃力を持っているといえます。 #right(){(18:125)} ひとことで言えば「任務」が違う。 現代の水上戦闘艦艇に搭載されているのは、私が知る限り、5インチ(127mm)砲が最大です。 5インチ砲というと、旧日本海軍では駆逐艦の主砲、あるいは戦艦、巡洋艦の高角砲に匹敵します。 当然40センチ(あるいは16インチ)砲弾の方が、単純には破壊力がはるかに上回ります。 ですが、現代の水上艦艇に搭載されている砲は、本格的な砲撃戦を想定したものではなく、 対空射撃、何らかの要因で(例えば対潜魚雷を浴びて大破・浮上した潜水艦など) 至近距離に敵対する小型艦艇が現れた場合の砲撃用(保険)、揚陸支援などの任務を持ったものです。 本格的な艦隊決戦を想定した第二次大戦当時の戦艦の主砲とは、明らかに用途が異なります。 仮に10km程度の距離で接敵して砲撃しあえば、防御力の差もあって、戦艦が圧勝するでしょう。 ですがそれ以前に、現代の水上艦艇は射程距離100kmに及ぶ対艦ミサイルを大量に発射して、敵戦艦の戦闘能力を奪うでしょう。 (撃沈はできなくとも、射撃レーダーや測距儀を破壊してしまえばいい) それと、当然現代の艦載砲は射撃システムの自動化が進んでいますから、 第二次大戦当時の同口径の砲とは、射撃速度、精度で圧倒的に上回ります。 まあ仮に今どこかの国が46センチ砲搭載の戦艦を造ったら、仮想敵国は大型空母を建造して対抗するでしょう。 #right(){(18:らむ)} **軍艦には時々半端な口径の砲が搭載されますがあれは何故なんでしょう。 たいていの場合、第二次大戦前まで海軍力に関しては英国を中心に回っていたので、 彼国がインチ・フィート、ヤード・ポンドにしていた時代の名残ではあるでしょう。 で、英国の場合は大抵自国の都合の良いように解釈してますから、半端な口径にはなっていません。 一方、メートル法の国で採用したものは、そのstandardから外れますから、半端な口径となるのではないでしょうか。 そう言えば、英国の陸式ではかなり戦後も長い間、ポンドが使われていましたね。 #right(){(18:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **艦砲の命中率についてですが この100年でどのくらい向上したのですか? 最近はこの手のデータが見当たらないので、俺の私見として聞いてください。 100年前の艦砲は一個の艦に数種類の砲が搭載されており、それぞれが個別に照準して砲撃していました。 また同じ大きさの砲でも口径長(砲身長)が違ったのを搭載したりしており、 それらを統合して制御するのは不可能でした。ドレッドノートの出現で搭載砲種はすっきりしましたが、 確かあの頃はまだ個別照準だったと思います。 この場合命中率は各砲の性能及び指揮者・照準手の能力ですね。砲の性能はそんなに高くなかったと思います。 だから砲の数が必要でした。数撃ちゃそのうち当たるだろうし。 大体、大砲なんて、狙いを定めて撃ってみてから「もう少し左」とか「もう100m手前」というように弾着修正していくものなのです。 二次大戦の頃には砲戦指揮所が設けられ、艦の最上部に大型の測距儀が附くようになりました。 地球は丸いので、高所につければ有利です。また砲個別に附けるより大型で精度が良い物を附けるようになりました。 そして其れまでの砲個別の小型のは、損害を受けたときの緊急用・応急用になりました。 駆逐艦等小さい艦では艦の揺れにより砲の角度が変わってしまいます。で、其の対処として、 発砲可能状態で引き金を引いている間で、なおかつ艦の傾斜が指定の角度になった時に電気が通じて発砲するという装置も附いてました。 二次大戦の頃の砲術では、一度に全門を射撃した場合、距離○○では何百メートル四方に弾丸が「集束」する、という感じで表します。 ここには命中率という概念は在りません。 この「集束率」を上げる為の方法として、砲の加工精度を上げる以外に二つのアプローチが在りました。 一つは火元の設置距離を縮める(砲を密集して搭載する)であり、もう一つは発射時期をずらすと言う事です。 弾丸が密集して空中を飛来している間に互いに干渉して離れていってしまう・発射の時の衝撃で船体がゆがみ、弾丸の集束率が落ちる というのを防ぐ為に「遅延発射装置」がつけられました。  さて、現在の護衛艦等の砲は上記の事柄を踏まえると、一見非常に良い環境に置かれている様に見えます。 コンピューター制御・砲は艦の前後に分かれておらず火元は近い・艦の大きさに比べて一度に発射する弾数が少ないので 発射遅延装置も要らない・・・しかし落とし穴が在るのです。それは高発射速度を追い求めた為の弊害です。 昔の艦砲は例えるなら「ボルトアクション」の狙撃銃ですが、現代の艦砲はマシンガンみたいなもの、と言えばいいのかな? 一つの砲が何発か撃った時の弾丸の集束率自体があまり良くないらしいです。 但し発射速度は対戦中の数発/分から数十発/分へと飛躍的に上がってますので、下手な鉄砲でも数うちゃそのうち当たりますが(笑)。  大砲の性能は、集束率と、単位時間内の投射弾量(重量)で比較する事が多いです。 其の点から言えば、ここ100年くらいで凄く向上しています。 #right(){(21:フェチ)} **外国から艦船を輸入した場合、予備の砲身はどうするんでしょうか 砲そのものの交換ではなく、主に内筒の交換だったかと。 一応、予備として各砲とも一本くらいは買うのかも知れませんが。 #right(){(26:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **「方位番射撃」というのは、どういうものなんでしょうか。 方位盤射撃で正確には方位盤照準射撃です、現代なら射撃指揮装置が行ってます 艦橋の一番高いところに有る方位照準装置が目標までの方位距離を測り 砲側の受信機に方位が伝えられ、砲の向きが一致したときに射撃を行います 時計の様なものは示数盤で射撃距離を後続艦に教えます 無線の発達により無くなったそうです #right(){(27:予備海士長)} **軍艦の砲はなぜセンチでなくサンチというの? 初期の日本海軍が範を取ったのはフランス海軍だったから。 #right(){(31:32)} メートル法はフランスで生まれ、全世界に広まりました。 canti metreは本場フランス語で「サンチメートル」、 メートル法を輸入したイギリスでは「センチメーター」と読むだけのことで、 イギリスでは伝統ある地元のヤードポンド法を日常的に使います。 日清戦争までは日本海軍の艦艇はフランスに多く発注されていたために、 メートル法表記が当たり前で「サンチ」を用いたのですが 日露戦争準備期間に発注先をイギリスに切り替えたため、 フィートやインチで製造されたイギリス製兵器の寸法をメートル法の近似値で表記するようになりました。 長門の主砲は40サンチと言いながら、実際は40サンチではなく16インチきっかりです。 7.7ミリとか14.4サンチとか、端数が出る数値は、 フィートやインチにするとぴったりするものが多いでしょ。 #right(){(192:鷂 ◆Kr61cmWkkQ)} **戦後に開発された艦砲で130ミリより口径の大きな砲はありますか。 米海軍はベトナム戦で戦艦/巡洋艦の艦砲射撃が非常に有効だったことを考慮して、 駆逐艦用艦砲としてMk71 203mm(55口径)砲を開発しました。 フォレスト・シャーマン級駆逐艦ハル(DD945)に搭載されて射撃実験までこぎ着けましたが、 命中精度の問題から不採用になっています。 #right(){(45:名無し軍曹)} **軍艦の砲は初速が速い方が命中率が劣るという話を聞きましたがこれは何故なんでしょうか? 間接照準である遠距離対艦射撃においては、初弾命中は期待薄なので、 砲自体の命中制度より砲弾の散らばり具合の尺度である「着弾散布界」 の方が重要です。 この「着弾散布界」は、砲塔や船体の強度とかも関係してきますので、 一概に砲自体の命中精度だけでは測れません。 #right(){(54:77)} **殆どの軍艦には5インチ程度の艦載砲を装備してますが、実践ではどのような使われ方をするのでしょうか? 海上自衛隊の護衛艦の例で言えば主に対艦、対空、対地(?)などです。 対空を例にとりますと対空誘導弾や高性能20mm機関砲(バルカンファランクス)もありますが、 艦載砲もちゃんとあります(CIWSの一部としてちゃんと機能しています)。 つまり一つのものに頼りきるのではなくより多くの選択肢を残そうと言う話です。 因みに誘導弾=遠、艦載砲=中、バルカンファランクス=近、と言う傾向もあるようです。 対艦にしても、確かに対艦誘導弾の方が射程距離が長いなど有利な点がありますが、 だからと言って近距離戦闘に効果を発揮出来る艦載砲を全てなくす必要もありません。 艦載砲が唯一の対艦攻撃であった時代程重要性はありませんが、 だからと言って艦載砲が全くの無価値になった訳でもないのです。 また、艦載砲は威圧目的(見掛けだけではなく実際にぶっ放して脅す事も威圧の一つです)もあります。 対地に関しては、湾岸戦争で米海軍が戦艦を現役に復帰させた例からもお分かり頂けるように、 射程距離を除けば艦載砲の方が誘導弾よりも圧倒的にコストパフォーマンスに優れています。 などなどですが、一言で言ってしまえばまだ艦載砲には利用価値があるからです。 #right(){(55:142)} 意識して書いた訳じゃないだろうけど、「実戦」じゃなくて「実践」っての は鋭いね。軍艦の仕事が戦争だけなら要らないかも知れないけど、平時に領域 警備をしたり、「準戦時」のような状況で臨検をするには有った方が良いからだ。 軍艦の30年の寿命のうちでは、対空ミサイルや対艦ミサイルより遥かに使用機会が多い。 #right(){(55:202)} 軍艦の艦砲については、今後、対地攻撃や非正規戦・非対軍艦での攻撃方法のニーズは 増えるだろう・・・って事でますます重要視されてますな。 #right(){(55:203)} **滑空砲をどうして艦艇に配備しないのか? 曲射弾道の翼安定弾で20km先を狙っても当たらない。弾は榴弾 なので翼安定弾の弾を細長く出来る利点の意味がない。  自走榴弾砲の滑腔砲が無いのと同じ理由。 #right(){(56:459)} **艦艇の主砲には、マズルブレーキついてないんでしょうか? 艦載砲は軽量化がそれほど課題にならないから #right(){(60:656)} **現在の艦載砲は何と言えば良いのか? >速射砲?単装砲?主砲?対空砲? どれでもよい。というかそれはいろいろな性質を 述べてるだけなので使い分けろ。 近年の艦載砲はたいてい速射砲で単装で対空にも使える。 主砲は規模の違う複数種の砲を装備している場合の 表記のような気もするので適切ではないかもしれないが。 #right(){(62:266)} **大東亜戦争のときは46cmの砲があったのにどうして自衛隊のは精々10cmぐらいの砲しかないんですか? デカい砲を積んでも何の役に立たなくなったからです。 デカい砲を載せるためにはフネそのものをデカくする必要がありますが、 デカいフネは必然的にノロくなるため、大東亜戦争で花開いた航空機部隊の いいマトにしかならなくなってしまいました。 もともとあの手の艦砲というのは誘導機能がついているわけでもなく、 「目標はこのタマが届く頃にはあの辺に移動しているハズだ」という予測を 立てて撃っているようなものでした。 安くて誘導できて小型艦にも積めるミサイルの方がまだ使い勝手もよろしゅうございます。 現代の艦載砲のように半自動化されているわけでもなく、照準も測距儀、重くてノロくて かさばって、人でも食えば金も食う、そのうえちっとも当たりゃしないんですから、 ジェット戦闘機&精密誘導爆撃がデフォルトのこのご時世、御役御免になっても仕方ないといえます。 #right(){(64:409)} 当時の戦艦は基本的に敵艦を砲撃で撃破することを主目的にしていました。 でもって、より遠くからより大威力で砲撃するために大口径の砲が必要と されたのでつ。 ところが実際にWW2が始まってみると、敵艦を撃破するには航空攻撃が メインとなり、敵艦を砲撃で撃破するような事例は(航空攻撃と比較すると) あまり起こりませんでした。また、戦後の対艦ミサイルの発達により、大口径の 砲よりも更に遠くから敵艦を撃破することが可能となり、大口径の砲を 装備する必要性はほとんど無くなりました。 一方、航空攻撃や対艦ミサイルに対抗するため、ある程度小口径でも 速射性の高い砲が求められるようになり、結局現在の艦砲の主流は 76ミリ~127ミリとなりました。 #right(){(64:411)} **護衛艦には5インチ砲と127㍉砲というのがあるようですが、5インチ=127㍉ではないのでつか? >また、砲弾に互換性はないのでしょうか? 5インチはアメリカ系、127mmはイタリア系の砲。 当然砲弾の互換性はありません。 #right(){(65:281)} **修正射初弾発射から効力射初弾発射までの過程を完全自動化したいのですが、現在の技術で可能でしょうか? 何を想定しているのか何を質問したいのかイマイチ良くわかりませんが、着弾点をレーダーで 割り出してコンピューターが連動して修正・・・と言うものが、次世代の砲弾開発のトレンド とは全く違ったものになってると思われます。 長距離の目標を高い命中精度で当て技術開発として分かりやすい例が米軍が開発中の艦砲弾で これは長距離誘導弾と呼ばれるものです。これは発射後に砲弾のロケットモーターが砲弾を最 高高度まで打ち上げ、砲弾の中にGPSとIMUがあって砲弾自身が自分の飛翔してる位置を 認識、さらに付けられたカナードで目標を誘導するものです。 基本的に一発撃ってその弾道を見て微調整。なんて前時代的なやり方とは命中精度の上げ方が 根本的に違うんですね。いくらレーダーとコンピューターが発達したとは言え。 #right(){(69:877)} 砲の精密射撃と言う事であれば、砲弾を賢くして、飛行中に自己IDと GPSセンサーで測位した自己位置を放送し続け、弾道と着弾点を砲側に 知らせる、というシステムが研究されています。全弾に装備すると高く つくので、最初の数弾に装備して結果を自動フィードバックするという 考えです。 対砲迫レーダーは見通し線内で有効なのが普通ですから、我側の砲弾 着弾点を観察するには困難があるでしょうし、仮に可能でも斉射すると どの砲の砲弾がどこに落ちたかがわかりません。一門(あるいは1群)ずつ 撃つとえらい時間かかって、カウンターバッテリー食いますし。 #right(){(69:system)} **海上保安庁の巡視艇とか自衛隊の護衛艦には、警告弾という警告射撃する時(速射砲とか艦載砲から発射する)の専用の弾が積まれている様なのですが、どういう仕様なのですか? 警告弾ってのは手投げ式のフラッシュグレネードみたいだが。 http://www.kamiura.com/new4_2k.html #right(){(71:212)} **アメリカ海軍のMk.37射撃指揮装置は主砲用なのでしょうか、5インチ両用砲用なのでしょうか、それとも両方使えるのでしょうか。 5インチ両用砲用。 #right(){(73:856)} “OP 1719 : GUN FIRE CONTROL SYSTEM MARK 37 OPERATING INSTRUCTIONS”には射撃管制を行う艦砲として以下の物が記載されています。 5"/38 D.P. (single) 5"/38 D.P. (twin) 5"/54 D.P. (single) 5"/54 D.P. (twin) 6"/47 D.P. (twin) 6"/47 (triple) 8"/55 D.P. (triple) つまり取扱説明書では5"/38 cal.・5"/54 cal.・6"/47 cal.・8"/55 cal.の4種類の艦砲での運用を前提としています。 それを踏まえて、Mk.37 GFCSと一口に言っても年代や艦によって構成する装置は違いますが射撃管制用レーダーについてはどれも問題ありません。 Mk.37 GFCSに使われたレーダーはMk4/Mk12/Mk.22/Mk.25がありますが性能差はあれど目標の探知・捕捉・測定という機能・役割自体は砲口径によって変化しません。 問題となるのはMk.37 GFCSを構成する装置の一つで射撃計算を行う「Mk.1/1A Computer」ですが、これは元々5"/38 cal.両用砲の射撃計算用アナログコンピューターとして開発され、実際初期のModは5"/38 cal.の弾道にしか対応していませんでした。しかし以下のように後のModで他の艦砲の射撃計算にも対応しており、ウースター級のMk.16 6"/47 cal.連装両用砲及びデモイン級のMk.16 8"/55 cal.3連装速射砲、ミッドウェイ級のMk.16 5"/54 cal.単装両用砲で使用されています。 5"/38 cal.:Mod.13/19 5"/54 cal.:Mod.8/12/17/18 6"/47 cal.:Mod.14/16 8"/55 cal.:Mod.15 上記以外の12"/50 cal.・16"/45 cal.・16"/50 cal.でもMk.37 GFCSでの射撃管制は可能ですがMk.1/1A Computerが対応していないのでそれぞれの弾道に合わせた再計算が必要になってくるので“一応できないこともない”というレベルです。 またウースター級及びデモイン級においても水上射撃用のMk.13射撃管制用レーダーを装備しているGun Directorを対地・対艦射撃用に別に用意している (ウースター級ではMk.37、デモイン級ではMk.54を使用) など必要とされる変更は行っているようです。 #right(){(73:---)} **戦艦大和は、対空戦の場合それぞれの高角砲はどれを狙うってのは誰がきめて、どのように各高角砲に連絡したんでしょうか? >またそれぞれの照準は誰がどのような方法でつけていたのでしょうか? 例えば、重巡洋艦の高角砲の場合、2基で1組を構成しています。 その構成された砲群に対して、高射装置という照準装置から敵機情報を得て 射撃を行います。 但し、高射装置が破壊されるなど状況によっては、砲側照準(砲側で照準 を行う)で射撃することも可能です。 高射装置は照準望遠鏡と測距機からなり、敵機を発見すると、照準望遠鏡を 向け、測距機を用いて、敵機の高角、艦首からの方向と距離を射撃盤という 機械計算機に送ります。 同じく、動揺望遠鏡で、艦の動揺を確認し、測距機の水平を維持します。 以後、射撃に必要な諸元が与えられ、複雑な計算を行って、最終的に敵機の 未来位置を算出し、高射機を経由して諸元を高角砲と信管に送り、砲の引き金 を引けば、その算出した位置に向かって、砲弾が飛んでいき、予め決められた 秒数に従って砲弾が爆発します。 #right(){(74:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **むらさめ級護衛艦の主砲を76ミリから127ミリに交換する計画はあるでしょうか? OTOブレダ76mm62口径砲は砲架重量は7.5トン。これに対して新DDGに搭載予定の 127mm54口径砲Mk45は22.2トン。OTOブレダ127mm54口径砲に至っては37.5トンにもなります。 "たかなみ"級は"むらさめ"級より大型の砲の重量や発射時の反動・ブラストに耐えられるように 船体構造も強化してあります。 MEKO級のようにモジュラー構造になっていて換装が可能なものでなければ、 簡単に積み替えるというわけには行かないと思います。 #right(){(78:名無し軍曹)} **かわぐちかいじ『ジパング』のなかで、「みらい」が12.7cm砲でドーントレスの編隊をバタバタ叩き落すシーンがありますが、そんなに命中精度がいいものなんですか? 現在の艦載砲はレーダー連動・コンピュータ制御なので ドーントレス程度の速度ではバタバタ落とされて当然です。 まあ、架空戦記漫画なのでまともに受け止めるのもあれですが #right(){(78:827)} 実際問題として、無理でしょう。 仮に、最初に捕捉した目標に命中弾を与えたとして、 レーダーによる照準はともかく、 砲自体の旋回、砲身の上下が追いつかず、 単装砲では「寄ってたかって」には対応できないと考えます。 「雨あられと撃ち込めば、迎撃し損ねて当たるものもある」 ”飽和攻撃”は、現実に旧ソ連海軍がアメリカ海軍に対し、 質的劣勢を補うため、考えていた戦術でした。 #right(){(78:833)} **マレー沖海戦でイギリス軍の対空砲の名前がたしかポンポン砲とのことですが、どのような兵器だったのでしょうか。 対空砲って書いてあるじゃん・・発射の時に「ぽん!ぽん!」と・・。 #right(){(78:921)} ヴィカース社が製造した40mm機関砲を8連装にまとめた対空機関砲です。 正式には2ポンド8連装ポンポン砲といいます。 1930年ごろから艦船用の対空砲として配備されはじめましたが、初速が低く 大戦中には旧式化していましたが、終戦まで使用されつづけました。 フォローしておくと、921氏が言っているのは本当。 発射時のこの砲特有の音"Pom Pom"に由来する名前です。 元々はボーア戦争で使用されたマクシムが作った1ポンド速射砲に付けられた名前でしたが、 その後対空砲にも用いられたため、英語で"Pom-Pom"といえば対空砲をさすようになりました。 ttp://www.firstworldwar.com/atoz/pompom.htm #right(){(78:名無し軍曹)} **こんごう級のOTO127mm速射砲って、前一門だけって半端じゃないですか? いまどき艦砲なんておまけな兵器。 二門積むことによるコスト上昇がパフォーマンスの向上に見合わないと考えられてる。 #right(){(82:732)} そもそも多数砲を積んで効果が出る世界は 映画やアニメ等架空のモノしかもうありません。 イイ加減その辺の認識を改めてください。 #right(){(82:735)} 他の国の艦もそうですよ。2門装備は希です。 代わりにミサイル垂直発射装置が装備されることが多いです。 #right(){(82:737)} >後ろから攻撃されたら前の砲は使えないでしょ? 後ろに着かれる前に、落とすなり沈めるなりしますんで、大丈夫です。 #right(){(82:741)} 砲の射程内ぐらいまで近づかれたら前も後ろも関係ありません #right(){(82:742)} >回頭する余裕ないでしょ? 別に一対一で戦ってる訳じゃないんだから。 他の船に任せる。 そもそも、ケツから来てるのが分かった時点で回頭します。 #right(){(82:755)} 後ろから攻撃されたら後方のCIWSを使うだろ? #right(){(82:757)} 732とかの説明をもうちょとわかり易く簡単に言うとね、 現代の軍艦の主力兵器はほとんど全部誘導弾へ移行しちゃってて、 艦載砲はおまけなんです。 なんでそんなおまけが付いているかと言うと、 そこそこ便利だし、外すとなんか寂しいし、 いざと言う時の為になるべく複数の攻撃手段を残しておきたいと言う軍人の本能、 などの非常に消極的な理由で一応対艦、対地、それとハッタリ用に残しているんです。 で、じゃあ艦載砲付いてるんならついでに対空能力も付与しとくかって話なんです。 だから前後に艦載砲を乗っける余裕があったら、 それ以外の何か、 主力兵器の誘導弾とか乗組員の乗り心地向上とか そっちにリソースを使った方が良いと言う話なんです。 #right(){(82:785)} **アメリカでは将来イージス艦の砲からロケット推進する砲弾を飛ばして対地ミサイルの節約を図ろうと研究をすすめているようですが、 >もしこの考えが有効なら、大鑑巨砲時代に逆戻りとかありえませんかね? ロケット砲弾はロケット砲弾であって、誘導できるわけじゃないからねぇ……。 #right(){(82:745)} 誘導砲弾の話では? #right(){(82:747)} コスト削減のために砲を使うのに、運用費の高い船を使うわけがないじゃん #right(){(82:749)} そもそも大艦巨砲主義は国庫や資源を狂ったように捻出できる古い時代の考え方であって、 資源の節約や、軍事費の無駄遣いを押さえる現代の考え方ではない。 #right(){(82:764)} **旧日本軍って航空機と艦艇に乗せる機関銃や砲が足りないってことは無かったの? 結構あったようです。 特に小艦艇に搭載する25mm機関砲が回らず、13mm機関銃を搭載する など、小艦艇の方にしわ寄せが行ったことが多いようです。 戦闘機でも機関銃が不足して…というのがあったかと思いますが。 この辺は識者に聞いてみないと…。 #right(){(83:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **今の護衛艦についてる76mmとか127mm砲の破壊力ってどんなものですか? 現在の艦砲に使用される砲弾はHE(榴弾)が主流ですので、貫徹力に関するデータは無いです。一例として、 OTOメララ7.62cm/62口径 Compact砲 砲弾重量:6.35kg(SAPOM半徹甲榴弾) 炸薬重量:0.46kg(同左)0.75kg(HE-MOM多用途榴弾)  炸薬/重量比:7.2%(SAPOM)11.8%(HE-MOM) #right(){(87:73)} **かつて戦艦大和の主砲を生産した日本が、なぜ護衛艦の艦載砲をイタリアから輸入しなければならないのですか? >素人目に見たら、どちらも敗戦国という意味では戦後のハンディは一緒のはずなのに、この技術の差は? 安くて高性能な兵器と高くて高性能な兵器 貴方ならどちらを取りますか? 軍事関係の技術は一朝一夕では進歩しません。 #right(){(87:381)} 戦勝国も導入してるが(O・H・ペリーの艦載砲) #right(){(87:383)} イタリアは、実質敗戦国ではありますが、名目上は戦勝国ですよ。 #right(){(87:384)} 因みに、OTOメララ社の7.62cm砲と12.7cm砲は、この分野の定番です。 銃砲の世界は、なかなか技術革新が起りませんから、一旦定番化してしまうと、 なかなかそれをひっくり返すような発明ができません。 結果として、この艦載砲は、安価で高性能な艦砲として、自衛隊どころか アメリカ、ヨーロッパ各国でも、採用されています。 #right(){(87:385)} **OTO系の速射砲の内部機構がよくわかりません。 世界の艦船1996年12月号にコンパクト砲の詳細な解説とオフィシャルの透視図が記載されています。 それによると砲弾は砲の下にある回転式弾倉から砲の左側にあるスクリューホイスト(螺旋揚弾機) によって砲室に移送されます。 そこから鞍耳を軸に旋回するロッキングアームを使って装填トレーに移送され装填ラマーによって 薬室に装填されます。 その他、続艦船メカニズム図鑑(森恒英著 グランプリ出版)にも詳細な内部図が描かれています。 #right(){(88:名無し軍曹} **単装砲×4と連装砲×2では基本的に命中率は同じなのでしょうか??(WW2艦砲で) 単装砲2基で照準する場合、照準を2つの砲塔に伝達しなければならないところを、 連装砲なら1つで済みます。 つまり、狙う側の数が減る分だけ、照準は容易になります(理論上は)。 単装と連装のどちらを取るかはその他、重量や占有面積(どちらも連装の方が大きくなる)、 取り回し(軽い分単装の方が有利)、被害の局限(単装の方が一撃で破壊される数は減るが、 連装にすれば単装2基よりは軽くできる分防御を充実できる) その他様々な要因から決定されます。 ですが究極的には、大威力の単装砲が理想です(戦車がそうしているように) #right(){(94:21)} **戦艦ネルソンの主砲は三基とも全部前向きに積まれていますが重巡妙高の前部主砲は前前後向きに積まれています >この積み方の違いによるメリット・デメリットを教えて下さい それぞれ防御区画の範囲を狭く出来るというメリットがあります。 主砲の下には弾薬庫があるわけで、船体でもこの部分は特に入念な装甲や防護が施されます。 しかし、その区画が多いとその分の範囲が広くなり、重量増加を招いてしまうわけです。 ネルソンは主砲を全部、前に集中してしまう事によって主砲の弾薬庫も全部に集中。これによって 主砲弾薬庫を集中して配置でき、集中防護区画も小さくて済んだのです。 デメリットも大きく、当然後ろへの主砲発射が出来ない。(一度、主砲を後ろに向けて斜め後ろへ の発射をした事がありましたが、発射のブラストによる艦橋や構造物へのダメージが大きすぎ、2 度とそういう姿勢での発射は行われませんでした。) 後、これは聞いた話で確証はないのですが、三基一斉射が出来なかったって噂を聞いた事が。 妙高・高雄型もこれを狙ったもので、最上型のように順番に前へむけて主砲を配置するより、3番 砲塔を後ろ向きに配置してやると、砲塔が寄り添う形になります。これで弾薬庫の集中配置、更に はそれによる防御の充実がはかれたわけです。 この配置での大きなデメリットは聞いた事ないですね。 #right(){(94:869)} **最近の護衛艦には76ミリ単装速射砲ではなく、127ミリ単装速射砲が装備されているようですが、口径が大きくなったわけはなんでしょうか? 127ミリの方が射程や命中率が高いからだと思われ。 むらさめ級は76ミリだったけどたかなみ級で127ミリに変更しています。 #right(){(96:322)} 322 さんの書かれた通りなのですが、では、なぜ更なる射程が必要かを 考えるのもおもしろそうです。ひとつには対空射撃時に誘導砲弾などを 使える、という利点ですが、76mmにも対空誘導砲弾は開発中(伊)なので これは違うでしょう。現在、新規開発艦艇は大口径化を行っている国が 多いのですが、そのほとんどは理由として、射程の延伸と対地誘導砲弾×子弾 による沿岸攻撃能力の向上を第一に挙げています。たしかに地上目標を 効果的に叩きたければ誘導、子弾は必要であり、そのためにはさすがに76mmでは 砲弾が小さすぎる。自衛隊が地上砲撃を行う必要性は、自国に侵略した敵軍を 海上から攻撃するシーンと、敵国の地上施設、あるいは敵国に上陸した 自軍の支援が考えられます。これまた、大口径化を薦めている諸国では 後者を第一の理由として挙げていますが、これは現在の日本では政治的禁句。 ただ、大口径化によってそのような選択肢を残したのは賢明だと思います。 #right(){(96:system)} **高雄・妙高とか第3砲塔が自艦の艦橋に向いています。これは安全面においてどうなのでしょうか? 安全装置というか、艦橋に向いてるときは 発射の電源が切断される設計になってます。 撃ちたくても撃てません。 #right(){(96:597)} そんなこと言ったら、そもそも火薬を積んで 航行してるフネは全部危ないよー。 #right(){(96:601)} **昔の潜水艦は魚雷がもったいない相手の場合積んでいる砲を使ったそうですが >潜水艦に搭載できる程度の砲でそんなに簡単に船を撃沈できるのでしょうか? 別に大きな軍艦を沈める訳では無いので十分に可能です。 #right(){(96:633)} 一次戦のときは88ミリ二次戦末期には120ミリの砲をドイツ海軍潜水艦は 搭載していたのでまんざらでもなかったようです。 #right(){(96:634)} 634氏の指摘のような場合もあれば、一時間かけて140ミリ砲を47発命中させ やっと2400トンの輸送船を撃沈した伊26潜の例などもあります。 モノによりけりってことです。 #right(){(96:636)} **戦艦の主砲弾の爆発は、どのくらいの重量物をひっくり返せるのですか? 大和の砲弾が地面に直撃すると直径30メートルくらい掘り返すと言われる。 当然衝撃波はその周囲に起きる。 #right(){(96:712)} **むらさめ級護衛艦が127ミリ砲でなく76ミリ砲を搭載する船として建造されたのはなぜでしょうか? 世界基準に合わせたから #right(){(97:598)} 簡単にいえば時代の流れといえるでしょう。 むらさめ級の源流であるはつゆき級が登場するまでは、海自の護衛艦(DD)の主力武装は ASROCと127mmMk.42速射砲だったわけです。 各種ミサイルが搭載されるようになるまでは127mm砲は対艦・対地・対空とさまざまに使える 主力武器でした。 しかし各種ミサイルやヘリが搭載できるようになると、砲は補助的な位置に甘んじて はつゆき級を含む各国の軍艦で小型軽量で速射性が高いOTOメララ76mm砲が搭載されました。 (はつゆき級は建造費を押さえるために排水量が抑制された事情もあります) また実際にフリゲイトから中口径砲の装備を外した女王陛下の某海軍もありました。 しかし英海軍はフォークランドで海上からの支援砲火の不足に悩み、中口径砲の装備を 復活させます。 さらに冷戦終結により海軍の任務が陸上への攻撃支援に移っていった事もあり、76mm砲では 地上支援任務に対して明らかに威力不足と認識されるようになりました。 そういった世界情勢の変化を考慮し、また127mmMk.42速射砲搭載艦の退役といった 現状をかんがみた変更だと思われます。 #right(){(97:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **日本の戦艦の副砲ですが第二次大戦中実戦で役に立った例はあるのでしょうか? 大和級以外の戦艦が装備している舷側副砲(ケースメイト式といいます)のことであれば、 ソロモンを巡る海戦で金剛級戦艦が実戦で使用しています。 普通に役に立ったようですが。 #right(){(97:777)} **日本の戦艦で副砲による対空射撃は行われたのでしょうか? けっこう大和は副砲を使用していますよ。 レイテ湾突入の際には、米巡洋艦に対して8分間の射撃を行っていますし、 対空砲火としても、水上特攻の天一号作戦の序盤に、偵察の飛行艇に向けて発射しています。 発射に手間がかかる主砲に比べ、即応性が高い副砲は、けっこう便利に使われています。 #right(){(97:783)} **護衛艦に搭載している127ミリ砲で第3世代戦車の正面装甲を直撃して1発で破壊できるでしょうか? 護衛艦に用いられる艦砲の弾種は現在HE(榴弾)が主流であり、AP(徹甲弾)はまずありません。 これに対して戦車砲弾はAPFSDS弾とHEAT弾が主流であり、単なるHEでは正面装甲は 貫通が不可能です。 信管を調節してHESH(粘着榴弾)的に使用するしかなさそうです。 しかし命中が正面装甲なら一時的に戦闘力を失っても完全撃破にはいたらないと思われます。 #right(){(98:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} 正面装甲打ち抜かれないとしても戦車で護衛艦と撃ち合いたくはないな #right(){(98:111)} **昔の軍艦の大砲の口径って簡単に誤魔化せたんですか!? 砲の口径を誤魔化すと言うのは、簡単には出来ませんが、徹底した情報管理によって、 日本海軍が大和級の主砲を16in砲とごまかし続けたケースもありましたし、 最上級の8in砲換装も同じく、太平洋戦争まで気づかれていませんでした。 #right(){(98:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} 排水量や砲の口径は、ある程度誤魔化すことは可能です。 ドイツの例のポケット戦艦にしろ、日本の蒼龍・飛龍にしろ、 条約との絡みで、少なめの数字を公表しておりました。 砲についても、最上型が15.5cm砲を装備しておいて、 開戦前にこっそり20cm砲に取り換えていた例もあります。 ただし、外見からでも推定はある程度可能なので、 倍近い数字を誤魔化すことは、ちょっと不可能ごとに思えます。 #right(){(98:829)} **18世紀の帆船海軍小説だ思うのですが、「迫撃砲」「追撃砲」という表現が出てきて、 >どちらが船首・船尾の砲か、わからなくなってしまいました 「追撃砲」は普通は艦首に付いている物だろう。フランス式設計の松島級は 艦首に副砲がついているが、これを「追撃砲」としている #right(){(99:196)} 追撃砲(chaser)は、艦首と艦尾、両方についています。 艦首のものをbow chaser、艦尾のものをstern chaserと言います。 19世紀半ば頃までの軍艦は、ほとんどすべての大砲を両舷にまとめており、 艦首・艦尾の方向に発砲できるのは、これら追撃砲(大型艦でも2~4門)だけでした。 #right(){(99:225)} **船舶に積まれている速射砲は砲撃中に装填が可能だと聞いたのですが本当でしょうか? ものにもよるけど、速射砲、と呼ばれる大砲は、砲本体-自動装填装置-即用弾倉 という構成になっていて、砲は自動的に装弾→発砲→排莢という動作を行う (砲の動作は油圧で行われるのが一般的)。  砲が排莢すると、装填装置が即用弾倉から即座に砲に弾を装填し、 砲は発砲・・・という動作を繰り返す。  だから、砲弾の装填は即用弾庫に対して行われ、 弾庫に対する装填作業は砲が発砲していてもそれに関係なく行える。 #right(){(103:486)} **戦艦、巡洋艦の主砲の二連装、三連装のメリット、デメリットについて教えてください。 連装の場合、たとえば10門搭載するためには砲塔5基が必要となり、 船体が長くなるという欠点があります。 一方、三連装では、砲塔一基あたりの重量が連装砲塔よりもかなり重くなり、 製造や運用に困難が生じます。また損害が生じた場合の火力低下率が増大します。 #right(){(104:164)} 三連装砲塔のメリットとしては防御部分を短く出来る事が上げられます。 砲塔の下には弾薬庫が有る訳ですから、その横は装甲板で守らなければ成りません。  デメリットとしては砲の交互射撃が難しくなる事と、作業スペースと尾栓の 開く向きの関係で中央砲の発射速度が低下する事が挙げられます。 斉射の場合でも中央砲に合わせる限り、発射速度が連装に比べて低下する訳です。  例えば、装甲を含めた重量的な要素で三連装3基9門と 連装4基8門が同じだったとしても、手数では9門の方が劣る可能性も有る訳です。 #right(){(104:165)} 大和級の九四式46センチ三連装砲塔だと、尾栓の開く方向は後方から見て    左 右 右      となっています。 また、米海軍のMk.12やMk.15などの20センチ砲は尾栓を下方に向かって 開放する形式になっています。 このため、これを搭載したMk.ⅩⅤ三連装砲塔は左右砲の中心間の距離を わずか250センチに収めることに成功しています。 #right(){(104:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **射程100kmの艦砲なんてありませんよね? 米海軍の5in艦砲MK45mod4は、ERGM(開発中)というというロケットアシスト誘導砲弾を使って 110km超の射程を得るそうです。まあ実質ミサイルですけどね。 #right(){(106:47)} **速射砲と他の火砲は、連射するとどれほど差が出るのですか? その「速射砲」が戦後の艦載砲のことならいくつか比較してみると 5インチ 従来型 MK30 毎分15~22発  速射砲 MK42 35発 MK45 20発 OTOブレダ 40発 3インチ 従来型 MK22 毎分20発  速射砲 MK33 45発 OTOブレダ 80ないし100発 OTOブレダスーパーラピッド砲 120発 #right(){(106:706)} **現代の軍艦は一つの砲塔には一つの砲しか付いていないように思います。 >これは連射技術の向上や、命中精度の向上により、連装が不要になったということですか? 主に経済性の問題 #right(){(107:853)} 基本的にはあなたの考えた通り。 だが一番の理由は、現代戦では艦船の主力兵器はミサイルと空母艦載機になったので、 砲を使う機会が少なく、大きくかさばる多連想砲塔を載せるのは、艦上スペースの無駄だから。 ロシアのキーロフ級ミサイル巡洋戦艦のように、連装の速射砲塔を載せてたフネもあります。 #right(){(107:853)}※キーロフ級の2~4番艦のみ **ある小説で要塞砲と艦砲では艦砲の方が不利であるという記述がありました。 >素人考えだと自由に移動できる艦砲の方が有利に思えてしまうのですが、何故なのでしょうか? 揺れない地面に据え付けてあって、装甲は鉄筋コンクリートで無制限に強化できて、 下手をすると水面から見えない位置に置いてある要塞砲が艦砲と撃ち合って不利なわけがないから。 #right(){(110:950)} 戦艦が要塞砲の射程外からでも撃たないと 巡洋艦ぐらいだと要塞側が防御力、火力、照準で上回る #right(){(110:953)} 要塞砲と艦砲で砲撃戦を行った具体的な例では、ドイツ軍の1940年の ノルウェー侵攻でのオスロ攻略作戦で、40年4月9日に ドイツ重巡「ブリュッヒャー」が要塞砲によって撃沈された例があります。 #right(){(110:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **現在、20cm以上の砲載せた軍艦持ってる国ってある? アメリカにもありません。 アメリカ海軍のアイオワ姉妹は既に全艦退役しています。 南米の(旧)米重巡群も退役していますし、 今現在世界に20cm以上の備砲を持つ軍艦は在籍していません。 #right(){(111:16)} >ちなみにいま一番大きい備砲つんでるのはどの船ですか? 現用だとロシアの130mmかな、ソブレメンヌイ級が積んでる砲 #right(){(111:31)} **海軍の艦船の主砲の砲弾って何を積んでるんでしょうか? >榴弾とか徹甲弾とかHEAT弾など一通り積んでるんでしょうか? >もし、主砲で艦隊戦をするとしたら、相手の艦船に撃つのは徹甲弾でしょうか? WW2なら徹甲弾と榴弾、徹甲榴弾 戦艦には徹甲弾、駆逐艦なんかには徹甲弾だと貫通してしまうので榴弾 艦船にHEAT弾ってのは聞いた事が無いが… #right(){(112:23)} **連合艦隊の戦艦の砲弾は、外れて海面に落ちてから、魚雷の働きをするというのは、実際にできたんですか? 戦艦土佐の廃艦に伴う実験で、水中弾効果が発見されたので それ以降の撤甲弾には水中弾効果を発揮できるように被帽に工夫されている。 #right(){(113:402)} **WW2で米艦艦載の40mm機関砲(ボフォーズでしたっけ?)を記録映像などで見ていると >4門のうち纏められた2銃身が交互に後進しているのは、二銃身連動なのでしょうか? ポムポムの類は、単に撃発機能が反動等の均等化のために連動しているだけで、 遊底動作が連動しているわけではありません。 そのためには2銃身が近接している必要があります。 典型的なのがソ連の機載機関砲、Gsh-23です。 残念ながら図解しているサイトを見つけることができませんが、Gsh-30、2A38対空機関砲、 そして米のGE225、25mm機関砲などに採用されています。 原型は一次大戦まで遡り、ドイツのGastが機載機銃に採用したものが最初のようです。 GE255には外部動力方式のものもあったようです。 ロシアの高速機関砲についての技術レベルは高く、基本的には単なるショートリコイルである Gsh-301が西欧のリボルバーキャノン並みの性能を発揮しています。 #right(){(114:system)} **太平洋戦争時の米軍が使っていた127㎜砲弾や20mm機関砲弾は、今の護衛艦でも使うことができるのでしょうか? タマはむりぽ。 ぜんぜん違う。 #right(){(115:175)} **「艦砲射撃」とは、戦艦の砲での射撃じゃ無い場合でもそう呼称する事があるのでしょうか? 軍艦の砲を使って何かを射てば、艦砲射撃ですが。 #right(){(119:377)} **海上自衛隊の訓練支援艦のottoメララ76㎜砲は何のためにあるのでしょうか? 訓練に使う。 #right(){(120:639)} もし、標的が誘導できなくなり、自分に向かってきた場合の防御用。 #right(){(120:646)} **揚陸艦の甲板上からFH70みたいな火砲で対地砲撃は出来ないのでしょうか? それだったら護衛の駆逐艦やフリゲート艦に艦砲射撃してもらった方がいいと思うよ。 発射速度段違いだし・・・。 (アメリカのタラワ級には艦砲射撃用に5インチ砲がついてた(今は撤去)。 それ以上を求めるなら空母艦載機に爆撃してもらえばいいし・・・。 #right(){(124:254)}※タラワ級は全艦退役済 できるかできないか、ってことで言えば「やってやれないことはない」という程度かと。 野戦榴弾砲は駐錐(スペード)というものを地面に食い込ませて 安定させることが必要だから、地面に食い込ませられないかわりに 甲板にしっかり固定しなきゃいけないだろうけれど。 ただ、甲板も砲架も痛むと思う。 #right(){(124:255)} アメリカの現用艦載砲は対空よりも対地がメインとされていて、 5インチ(127mm)では威力が足りないから8インチ(203mm)の艦載速射砲を開発しようという計画もあった (結局ボツに)。 だけど上にもあるように、「それだったら航空機に爆撃してもらえばいいじゃない・・・」ということになる。 艦載砲の射程は限られているし、結局小口径砲の砲撃では航空攻撃に比べるとどうしても劣る。 ただ、艦載砲の砲弾は陸上砲のものに比べると威力が若干大きい (人力装填を考慮しなくていいので大きめに作れる)し、 なにより発射速度が桁違いなので、127mmといっても野戦榴弾砲の155mmや203mmに比べて そんなに見劣りするものではないよ。 #right(){(124:257)} **メラーラ製76mm艦載速射砲の命中精度教えて下さい。 http://www.navweaps.com/Weapons/WNUS_3-62_mk75.htm によると。 Oto-Melara の 76mm Super Rapid Gunは、最大連射速度で10発撃った場合、 1000mの距離で0.3mil内(約30cm内)に標準偏差としておさまるとメーカーは主張している。 (標準偏差を統計的に正確な意味で使用しているなら、射弾の99.7%が1m以内に命中することになる) おなじ 76mmでも Compact Gunの場合は最大連射速度で発射すると故障しやすく、 また460m射距離でも20発の最大速度連射を6×6mの標的内に留めることが困難と言われる。 Super Rapid Gunの方が改良されていると同時に可動部品数が少ないのが この精度の差を生んだらしい。 #right(){(480:334)} **護衛艦などに搭載されてる速射砲は1分間で約100発発射可能らしいですが、どんな感じで発射されるんでしょうか? >マシンガンみたいにダダダって発射されるんでしょうか? 発射間隔としては自動拳銃の方が近いかもね。 マシンガンの発射速度は物によってはその8~10倍以上だから。 実際に見た方が早いかと #video(https://www.youtube.com/watch?v=eiT1_SWf1hA) #right{(497:195-198)}※動画削除のため別の動画に修正 **何故現在の巡洋艦、駆逐艦、護衛艦などの戦闘艦には主砲は単装砲塔が一基だけ搭載されるだけなのですか? 軍艦を作ろう! と考えたとしてください。 現代であれば対空対水上射撃の各レーダーとかアンテナをマストに載せます。いわば軍艦の一等地です。 これらが増えれば載せるマストも大きく頑丈になり場所もとります。船の速度を出そう、とすると大きな煙突 が要ります。ガスタービンの吸排気塔ともなればそれは巨大になります。ヘリコプター甲板。ASWでも捜索 でもヘリがあるとないとでは大違いです。格納庫で雨風潮を防いで整備すれば、高いヘリを買ったかいがあ るというものです。 ここまでのっけると、武装に割ける甲板というのは結構狭くなってきます。昔であれば対戦任務艦なら射程 の違いによってアスロック、ボフォース、ヘッジホッグ、短魚雷と一通り並べる必要がありましたが、技術の 進歩した現代であればVLSにアスロック詰めたり、ヘリに短魚雷載せて遠くまでカバーさせられます。VLS にはエリアディフェンスのスタンダードやポイントディフェンスのESSMも詰められますから、さらに場所を節 約できますね。 とはいえ、砲に割けるスペースはあまり残ってません。対空、対水上、対地と何にでも使えた主砲ですが、 ミサイルの性能、信頼性が上がっているので対空でも対艦でもそっちを強化したほうが安いです。砲で40キ ロ先の目標に当てようなんて考えたら大口径砲と公算射撃ができる門数が必要ですが、ASMなら8発積ん でもミサイルだけなら5トン以下ですし、100キロ先でもへいちゃらです。 対空射撃もミサイルの発達と「軽量でどこでも置ける」CIWSのおかげで、砲だけに頼る必要もなくなりました。 発射速度を上げれば複数搭載しなくても効果は同じですし。対地攻撃なら射程と弾頭重量が重要なので、 やはり門数は必要条件にはなりません。無くすには割り切りも必要ですが、残すにしても重量ウン十トンの 砲熕兵装なんて、1基あれば十分なわけです。 ま、射界だの投射弾等重量だの砲の発射速度だのドクトリンだので取捨選択はあるでしょうが、基本的には 多連装砲塔を複数装備しなきゃ対処できない敵というものが存在していない、ということです。 基本的に連装砲、複数塔ってのは命中率の低さや発射速度の遅さを補う為のもの。 高度なFCSや自動装填装置が存在するのならば基本的に連装はいらない。 ロシアの連装砲は自動装填装置の性能の低さを補う為のもの。 砲塔の数はその艦の設計思想によって変わります。 イタリア艦が砲装重視なのは地中海での運用を想定した小艦艇への対抗の為、 ズムウォルト級は対地砲撃を重視した設計の為です。 #right(){(560:790,796)} **ポムポム砲って何で評判悪いの? 初期型は威力が弱く、改良型は射程が短く弾道も適当で、しかも故障率が高かった為。 そのうち優れた威力・射程・弾道・重量共に優れた対空砲がボフォース社から出て、ポムポム砲は立ち消えた。 #right(){(戦争板初質スレ1:570)} 自国の複葉機を想定目標として照準機をセットしていたので、九六式陸攻、 一式陸攻といった高速機には当てることが出来ませんでした。 当たれば威力は大きかったんでしょうけど、日本海軍でも40ミリヴィッカース 機関砲を止めて25ミリオチキス機関砲に対空装備を換えていますから、 大したものでは無かったのかも知れません。 #right(){(38:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **艦砲の弾着観測について質問です。 >弾着修正のために観測する水柱は、海面に着弾時に発生する水柱でしょうか? 弾着観測、第2次世界大戦時の日本ということで。 一発の徹甲弾で水柱は一つだと思います。 戦記などを読んでもコンマ何秒か進んだ後の爆発は出てこないと思います。 通常、艦船vs艦船なら徹甲弾を用いますので。。。 ちなみに十数メートル程度の誤差は当然出ると思います。 例えば9発撃てばある程度散らばります。その弾幕を少しずつ敵艦に近づける。 基本的には直接狙うというより弾着が夾叉(キョウサ)するように、 それで一つくらい当たる、という程度です。「近800、左300」という風に指示します。 朝日ソノラマ「死闘の水偵隊」が参考になると思います。 #right(){(14:925)} 徹甲弾は敵に当らずに海に落ちると爆発せずそのまま沈んでしまったと思います。 よって着弾時の水柱を見る、というのが正解では。 蛇足ですが、多数のフネでボコスカ撃ちまくってると敵艦が水柱だらけになって、 どれが自艦の撃った弾だか分からなくなります 日本海軍は主砲弾に染料を詰めるというやりかたで弾着確認を容易にしてました。 #right(){(14:945)} **海賊船が装備していた短くて黒い大砲の正式名称を教えてください。 カロネード砲でしょう。 http://hometown.aol.com/tleighu/cannon.html 砲丸の材料は鉄がメイン。鉛のものもあります。 木造船ですから、弾着すれば木片を撒き散らし、 これがけっこう殺傷効果あります。マストや帆桁を壊せば操艦能力を奪うこと ができ、旋回砲塔のなかったこの時代、それは戦闘能力を奪うに等しくなります。 のちに臼砲(上記サイトのMortar)が作られ、導火線付きの爆薬入り砲丸も 使用されるようになりましたが、射程や信頼性などの問題があり、艦対艦の 戦闘にはまず使われなかったようです。 砲丸を焼いて撃ち込み、火災を誘発させることも行われましたが、木造帆船の 上で火を焚くのは自殺行為なので、地上の要塞から艦船を攻撃するときに使用 されたようです。弾のまわりに鎖をとりつけ、帆や索を破壊することも行われました。 #right(){(63:14)} ちなみに、カロネード砲はメルビル将軍によって1759年に発明され、最初スマッシャーと呼ばれましたが、 1779年英海軍に採用された際、スターリングにあるカロン鉄工所で作られたところから、 カロネードと呼ばれるようになりました。 #right(){(63:18)} もうひとつ>>14の補足になりますが、 カロネード砲が出回る以前、16~17世紀の話だと口径によって名称が違います。 大まかに言えば6~8インチの砲が"カノン"Cannon、4~6インチ未満が"カルヴァリン"Culverin 3~4インチ未満が"ミニオン"Minionと名づけられていました。 (本当はもっと細かい分類があります。) このうちもっと多く用いられていたのはカルヴァリン(弾丸重量は7.7~8.2キロ)です。 弾丸は、鋳鉄の球弾(Round Shot)が最も多用されましたが、これは鉄の塊で、命中した弾丸が マストなどの構造物を破壊して人員を殺傷したり、操艦ができなくなることを狙っていました。 その他の弾丸として、二個の球弾を鎖でつないだ連鎖弾・多くの散弾を束ねた葡萄弾等が 用いられたそうです。 軍艦への榴弾の搭載は18世紀に入ってからといわれています。 #right(){(63:名無し軍曹)} **構造の堅いところには、両用砲、対空砲の弾だと損傷はどれぐらい与えられる物なんでしょう? ボフォース(機銃)で艦船を「撃沈」するにはどれだけ弾が要りますか? 当たり所が悪い(弾薬に引火とか)なら、撃沈まで行くでしょうし、小艦艇くらいで装甲の無い ものなら数十発で撃沈は可能だと思います。 少なくとも対空砲でも大穴は空くと思いますよ。 #right(){(67:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **最近の軍艦には、後部大砲がないものが多いがなぜ? >ヘリコプターのためかなと思ったが、タイコンデロガ級はヘリ格納庫も後部大砲も持っている。 現代の軍艦の艦砲は地上攻撃、対空攻撃、小艦艇相手の交戦が目的です。 海戦は対艦ミサイルによって行われるものであり、艦砲同士の殴り合いは例外的な場合と考えられています。 小艦艇相手にはCIWSの応用や重機関銃なども使用されますから、 後部に大口径の砲がなくともデメリットにはなりません。 ライフル砲は滑腔砲に比べて弾着精度が高く、地上攻撃などで長距離砲撃を 行う要求もある艦砲においてはライフル砲の方が優位です。 滑腔砲は砲身に無理をかけずに初速を上げやすい、HEATなどの回転させると 威力のある弾種を使いやすいという長所がある一方、ライフルに比べると弾着精度に劣ります。 5kmにも満たない直射距離交戦ならともかく、艦砲に使用すると精度の低下が露わになってしまいます。 艦砲の相手の一つは、小艦艇というより小舟艇ですな。 小艦艇、たとえばパトロールボートサイズですら対艦ミサイルを搭載していますから、 艦砲でミサイル艇と交戦しようとする前に、相手のミサイルが飛んできています。 相手にするのは本当に小さな自爆ボートの類です。 この場合、RAMやファランクスのようなCIWSを水上目標に使用できるよう改良したものがなければ 重機関銃が使用されますが、ちょこまか動き回るスピードボート相手にお互い揺れる状態で 弾を当てるのはなかなか難しい。 そこで空中炸裂弾を使用した35mm機関砲などが使用されますが、大口径を利して 大口径砲で空中炸裂弾を撃つと相手の回避行動範囲全体を破片で埋め尽くせるので とても有効であるといわれています。同じ理由で対空防御にも使用されます。 まあ、現代の艦砲の使用目的は地上攻撃以外ではそんなもん。 最後に「では対艦ミサイルを撃ち尽くしたのに対艦攻撃が必要なら」という場合。 そのような艦は対艦攻撃を行いません。艦隊の他の艦にまかせて、自分は足の長いSAMを持っていれば 艦隊、あるいは僚艦の対空防御に専念し、それもなければ精々自分を守って他艦の足手まといにならないよう努めます。 対潜能力を持っていればそれを活かし、この機会に情報収集という手もあるでしょう。 #right(){(332:477,479,480)} **艦砲による対航空機射撃の有効性について >現代戦闘艦から航空機に対する攻撃で、ミサイル以外の攻撃って今時意味あるんでしょうか? >例えば Mk 45 5インチ砲 なんかは、対空戦闘をも意識している、とのことですが、音速で飛んでる戦闘機に加害できるものなんでしょうか? 「高射砲」だろうが「高角砲」だろうが「対空砲」だろうが英語じゃみんな同じAAG。低空用の対空機関砲だから、というべきところだろう。 #right(){(599:541)} 現代の艦載砲で対空能力がないほうが少ないでしょう。ほとんどが両用砲です。 特に米海軍の5吋砲なんて1934年に採用したMk12から継続的に改良と発展を重ねてMk45に至っています。 当然、航空機の進歩に追随する形での発達ですから音速を超す目標にも対応します。 5吋砲よりも、小口径の3吋砲ではOTOメララのコンパクト砲等は、高速目標に高い追尾能力と最大毎分85発の発射速度を誇っています。 バージョンアップしたスーパー・ラピッド砲は毎分120発の発射速度です。この辺りが艦載砲のベストセラーです。 質問をする時はIDを貼られる事を推奨します。 #right(){(599:オッチャン ◆7nTy3neLp2)} 実際には発射速度の低いMk45や英軍の114mmは、対空砲として使うのはあまり考慮してない。 また、超音速戦闘機だからといって、対艦(対地)攻撃が、超音速で行われるということもないだろう。 ついでにMk42やMk45の5インチ54口径は、30年代から使われてる5インチ38口径とは別物だ。 #right(){(599:567)} 第四次中東戦争で、ファントムなどのジェット機に対して、シルカ等の対空砲が効果があったのがわかりました。 また、種類が違う兵器ですが、工夫して比較してみましたところ、艦砲がジェット機に対しても、多少は役に立ってくれそうに思えてきました。 ▽ シルカ ZSU-23-4 発射サイクル: 毎分200発 (2000発というが、実際の運用上この程度だったらしい?) 弾体重量: 0.187kg 投射質量/分: 37kg/分 ▽ Mk 45 5インチ砲 発射サイクル: 16-20 発/分(18として計算) 弾体重量: 32 kg 投射質量/分: 576kg/分 ・5インチ砲のほうが、投射量がある。  →シルカの戦果が複数台によるものとしても、シルカの10倍以上(10台以上)の投射量がある。 ・迎角は、シルカ85度に対して、5インチ砲65度でシルカに利がある。  →前モデルのMk42 5インチ砲ではシルカと同じく85度だったそうです。   Mk45にとって、対空性能という観点ではマイナスポイントになり得るでしょう。 ・有効射程はシルカ2kmに対して5インチ砲24km。  →当然ですが、艦砲と対空砲の有効射程は、単純に比較できません。   しかし、今回の疑問の趣旨から、「少なくとも艦砲にシルカ以上の射程距離があるか?」を判断すれば、口径から考えても当然にYESと言える。 #right(){(599:545)} **日本海軍は46cm以上の砲の製作試作をしたことがあるんでしょうか? まず、八八艦隊計画艦用に搭載を予定した45口径46センチ砲の事前研究として、 1916年から48センチ砲の試作が始まっています。 1920年12月に完成した同砲は、呉近くの亀ヶ首試射場で発射実験を実施していますが、 砲尾が破損する事故を起こしてしまいました。 しかしこの砲の開発成果を踏まえて、後の大和級戦艦用の46センチ砲は設計されました。 日本海軍は46センチ砲搭載の大和級戦艦用に引き続き85,000トンの超大和級戦艦を計画しましたが、 この艦に搭載予定の50.8cm砲は40年秋から設計に着手し、41年6月より呉海軍工廠で 砲身二門の試作に着手しました。 この砲は「試製甲砲」と呼ばれましたが、超大和級戦艦の建造中止に伴い試作は中止されました。 この段階で、試作一号砲の砲身は尾栓を取り付ける直前まで製造が進んでいました。 #right(){(326:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **現在の技術で大和砲のような巨砲を建造した場合、総合的に見てコストで迎撃ミサイル超えることは可能でしょうか? それは不可能。 現代の径空脅威(空対地ミサイルにせよ、攻撃機にせよ)は、速度が速く、低空で侵攻してくる上 ステルス性が考慮されているため、直射砲で追従するには大きな角速度で砲を回す必要があります。 大口径の砲は、砲弾の危害半径を大きくでき、高度な信管を使用することが可能な反面、 当然重量が大きいため、素早く回すためには大変な仕掛けと動力が必要になります。 また、発射速度も砲弾や装弾部の慣性が大きいため限度があり、連射が利きません。 速度の速い現代の脅威相手では、二発目を装填しているうちに着弾してしまうでしょう。 SAM並みの対空戦能力を持たせようとしたら、とんでもない規模の防空要塞になってしまいそうです。 オト・メララが誘導砲弾を開発してはいますが、今のところ試験に成功したというレベル。 それも、十分有効に誘導できるなら、ばかでかい砲弾は要らないわけで、その意味でも巨砲は無用。 結局の所、巨砲の存在意義というのは長射程、大きな貫通力にあるわけで、 前述したように近距離に接近するまで目標を発見できず、目標に大した装甲がない場合、 巨砲は単なる邪魔者に過ぎないわけです。まあ、視覚的パフォーマンスというヤツまで考えれば ストーリーは変わってくるかも知れませんが。 #right(){(326:933-937)} **今の艦艇でも艦隊防空や個艦防空を考えると、主砲は前後に1基づつ設置した方がよくありませんか? 対艦戦での砲撃って今はほとんど考えてないから、2門積むだけ無駄。 対艦ミサイルを迎撃するのでも、こんごう、あたごなら、SM2で迎撃してる間に回頭して、 砲を向ける事ができるので、2門積むのは無駄。 後ろに砲塔があるとヘリの格納庫が設置できないのでヘリコプターの運用に制限が出てくる。 はたかぜ型もヘリ甲板はあっても格納庫がない。 ミサイルメインの現代で水上艦同士が艦砲を撃ち合うような戦闘が可能性として低いのに、ヘリの運用を犠牲にする価値がない。 #right(){(617:433,436)} **現代の艦載砲が大口径にならないのは用途が限られてるから? 主砲は、ミサイルに大半の役目を譲ったとはいえ不要でもないので付けてある。 ミサイルがあるから遠距離戦闘には使わないだろうけど、近接戦闘や対地攻撃などで 使うことはありうるから。海自艦では、主砲が対地攻撃に使用できる唯一の兵器。 それに昔と違ってレーダー照準の全自動、速射も可能だから砲門も多数は要らない。 だいたい76ミリ~127ミリが一~二門。 #right(){(86:70)} 現代では、軍艦の主砲の最も大きな存在意義は「威嚇射撃ができる」だったりする。 #right(){(86:74)} ドイツは新造フリゲートに陸軍の155mm砲やMLRSの艦載改造型搭載を検討したし アメリカはズムウォルト級駆逐艦に155mm砲を実際に採用しました。 多任務が想定される冷戦後の戦略環境では、砲の役目はむしろ増えており その用途には76mmはやはり小さいのです。 各国の新造フリゲートを調べてみればわかりますが、前級で76mm砲だったのが127mmに強化された例が多数存在します。 それ以上の口径にならないのは、つまり、現時点で127mm級以上の大口径艦載砲が存在しないからです。 新たに大口径砲を開発するよりは、既存のプラットフォームや技術を流用できる最大砲である 127mm砲の長射程化・誘導砲弾化などの性能向上が現在のトレンド、ということです。 #right(){(617:468)} **Mk45 127mm砲の給弾機構がいまいちよく分からないのですが >砲弾が円柱状に縦に並んでて、それを下からアームで押し上げて砲塔に送信し、砲塔内で砲弾を90度回転させ装填するということであってますか? Mk45の構造図が出てるので参考に。 http://www.fas.org/man/dod-101/sys/ship/weaps/mk-45.htm 「MAGAZINE」って書いてる場所で、水兵さんが4人くらいでエッチラオッチラと5インチ砲弾を楊弾筒に給弾する。 >という事は自動なのは上のほうだけで下は基本、手動装填でやってるんですか? そう。 装填ドラムには異なった弾丸/信管/装薬の組み合わせをリザーブしてるが、 射耗したらそれを給弾するのは手作業。 後、無人なのは砲塔内だけで、装填ドラムが有る操作室にも2名配置されてる。 弾庫から手で弾丸を持って来て、チェーン式の昇降楊弾筒にセットする。 OTOメララみたいな発射レートの速い艦砲でも基本的に同じ仕組みだったはず。 ただ、メララは装填ドラムが複数有った。 #right(){(初心者質問スレ367:27-39)} **最近の軍艦に単装砲が多いのはなぜですか? 用途による。 充分な発射速度が得られる単装砲が出来たから。 #right(){(俺初質スレ431:607)} **交互打ち方は1~4番まで主砲があったとして、最初に1番3番が撃ち、次に2番4番、また1番3番……というやり方じゃ無理だったのでしょうか 交互撃ち方は射撃諸元を集めている段階。ここで重要なのは目標艦を散布界の内側 に収めること。散布界は砲弾のばらつきのことで、長径で200メートルとかの楕円形に なる。この中に敵艦が収まったら、全力で射撃する。 散布界はけっこう広いし、同型艦でさえ同じ形にならなかったりもするので、射撃のペー スを上げるために交互撃ち方をやるにせよ、全部の砲塔を使わないとただでさえ難しい 遠距離射撃の諸元集めがもっとややこしくなる。 散布界に収める。あとは撃ち続ければ確率であたる、というのが砲戦の流れなので、砲 塔ごとにぶっ放していると散布界がわかんなくなっちゃう。もちろん、射界の制限で前の 砲塔しか、後ろの砲塔しか使えない、というケースもあるけど。 #right(){(662:ふみ ◆Y.QUKJBduY)} **護衛艦の76㎜砲はハープーンを迎撃する能力があるのでしょうか? 『むらさめ型』に装備されているのはOTOの76mm速射砲でミサイル対処能力がある、イタリア軍艦なんてCIWSにしとる。 イージス艦装備の127mm砲だけど『こんごう型』に装備されているOTOの奴は対処能力がある。 『あたご型』に装備されているMk45には無い。 >また海上自衛隊は実際にこのような訓練をしているのでしょうか。 航空目標への射撃訓練ならやっている。 #right(){(293:420)} **日本軍がやった探照灯による射撃ですが、戦艦にやらせずに駆逐艦とかの小さい船にやらせた方が良かったのでは? >小さいから敵の弾は当たりにくいし 日本海軍の夜戦の手順としては、旗艦が探照灯照射によって目標艦を指示、 それに集中射撃を行うことになっていた、水雷戦隊なら旗艦の巡洋艦、夜戦 部隊に戦艦が組み込まれていれば戦艦が担当する。 探照灯は110センチが標準で、150センチは大和型にしか使われていない。90 センチとか75センチもあったそうだがそれはおいといて、110センチ探照灯であ れば200Aの電源を必要とし、照度は探照灯の数で補うことになっていた。そし て、複数の探照灯を使うときは、これを同一目標に向けるために双眼鏡で覗い た方向にモーターで探照灯を向ける射撃指揮装置に似た管制機も使った。 前もって点灯した状態を鎧戸でふさぎ、旗艦が敵を捕捉してから照射すること になっていたから、これを他の艦にやらせるとなると旗艦と同等の索敵能力を 駆逐艦以下も持ち、旗艦からの指示を確実にこなせないと戦術自体が成り立 たないことになる。これに先の大電力、複数の探照灯の設置場所、そして探照 灯管制機の問題もあわせると、駆逐艦程度の船では寸法が足らない、置く場 所が無いということになる。そもそも指揮下の駆逐艦に「旗艦が目標を選ぶか ら照らされた目標にのみ撃て、照らし始めたら射撃開始、別のを照らしたらそ っちに目標変更」という簡潔な指示を下す手段でもあるので、それが非常にや やこしくなる。 旗艦の指揮官の意図を駆逐艦にまでリアルタイムで徹底させるような戦術デー タリンクじみたことができる技術があれば、探照灯戦術なんぞに頼らなくてもレ ーダーでもなんでも作れそうな気はする。 #right(){(668:ふみ ◆Y.QUKJBduY)} **帆船時代の戦闘艦で、最も射程が長いのはどれぐらい? 艦種ではなく、砲で決まります。射程が長い24ポンド砲で、最大装薬射撃で 射程は1.8km程度ですが、この距離では命中は期待できず、まぐれでしか当たりません。 ある程度の命中が期待できる有効射程は1km程度。帆船時代の砲撃戦は50m以内が 通常の交戦距離でしたから、それで十分なわけです。 コングリーブのロケットは1780年には登場しており、射程は3.6km程度。 ただし、これもまぐれ当たり的なもので、展開した部隊や都市などを攻撃するには十分ですが、 船舶への命中は期待できません。 #right(){(677:system ◆systemVXQ2)} この当時の砲は先込め式で砲身にライフリングが切られてないので遠距離で撃ちあっても命中率は高くない。 海戦は数十~数百mで撃ちあうことが多いので射程よりも砲の数の多さとか弾の重量(威力)が重要。 http://en.wikipedia.org/wiki/68-pounder_gun これは汽船時代に入ってからの先込め式砲だが、有効射程は2700mで最大射程は3300m。 20世紀に入ってからの砲戦距離は1万mを超えるのが普通なので、それに比べればごく近距離での戦闘しかできなかったのがわかるだろう。 #right(){(677:913)} **戦艦の3連装砲の斉発は3発ではなく2発であるというのは本当ですか? 過去に出た同様の質問へのレスでは、3発同時発射可能な3連装砲は これまで存在したことがないらしい 松本喜太郎『戦艦大和の設計と建造』 「大和の46センチ3連装主砲塔は3砲身の同時斉射可能なような強度はなく2砲身の同時発射のみ考慮されていた。」 戦艦が斉射をするのは命中率を上げるため 同時に発射することにより敵艦を包むように着弾させる 対艦射撃で全門同時に撃たないなんてありえません ただ3連装砲塔では発射時の干渉を防ぐため 真ん中の砲の発射を遅らせます #right(){(287:550-590)} **戦艦の主砲は大口径の無反動砲にしちゃダメなんですか? 無反動砲だと初速が稼げず、貫通力が得られません. 以下のサイトのを参考にして特徴を理解ください. http://sus3041.web.infoseek.co.jp/contents/gun_type/gun_type.htm #right(){(284:112)} **46cm砲を発射した際の爆風はどれぐらいでしょうか? 『戦艦入門』(光人社刊、佐藤和正著)よりの引用。 「爆風の威力はたとえば人間の意識が一時もうろうとなるときは、一平方cmあたり1.16kg の圧力がかかった場合である。ところが、46cm砲一門を発射したときの圧力は5mはなれたところで 一平方cmあたり10kgの圧力がかかる。三連装で斉射すると20kgになる。これでは人間はおろか、 カッターや飛行機など、艦上に搭載されたものは全て破壊されて、あとかもなく飛び散ってしまう。 爆風の圧力に対して、人間が耐えられるのは、一平方cmにかかる圧力が0.5kg以下の場合である。 この数値にたっする距離まで避難していれば無事だが、46cm砲の単装発射でさえ、砲口から50m はなれていなければならない。三連装の一斉射撃では77.5mを要する。 つまり「大和」型戦艦の艦上では爆風が全艦をおおってこれから逃げる場所はないということになる。」 #right(){(687:481)} **戦艦、巡洋艦の主砲の二連装、三連装のメリット、デメリットについて教えてください。 連装の場合、たとえば10門搭載するためには砲塔5基が必要となり、 船体が長くなるという欠点があります。 一方、三連装では、砲塔一基あたりの重量が連装砲塔よりもかなり重くなり、 製造や運用に困難が生じます。また損害が生じた場合の火力低下率が増大します。  三連装砲塔のメリットとしては防御部分を短く出来る事が上げられ ます。砲塔の下には弾薬庫が有る訳ですから、その横は装甲板で守ら なければ成りません。  デメリットとしては砲の交互射撃が難しくなる事と、作業スペース と尾栓の開く向きの関係で中央砲の発射速度が低下する事が挙げられ ます。斉射の場合でも中央砲に合わせる限り、発射速度が連装に比べ て低下する訳です。  例えば、装甲を含めた重量的な要素で三連装3基9門と連装4基8 門が同じだったとしても、手数では9門の方が劣る可能性も有る訳で す。 #right(){(104:164-165)} **鎮遠の主砲の発射速度が一時間に三発と書いてあるのですが、本当にそんなに遅かったのですか? 汽力とかそんなものを上手く利用出来なかった時代で、しかも、大口径砲の砲弾、装薬など 重いものを扱う必要がある上、水兵の練度が余り高くなければ、そんなもんです。 日本の三景艦も主砲の発射速度については、似たようなものですよ。 #right(){(278:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **大戦前中の戦艦等、軍艦の主砲の砲弾の、砲口初速や終末速度はどうやって計測していたのでしょうか 日本海軍の場合だけど、 電線を細かく張った網を枠にはめたものを二つ用意し、 これらを一定距離離して射線上に配置し、網に電流を流す。 砲弾を発射して網を貫通させ、電流が流れなくなった瞬間をオシログラフで計測して、 二地点を通過した時間から速度を求める。 このやり方だと砲口を出た瞬間の砲弾の速さを計測することはほぼ無理なので、 砲口付近の速度から様々な条件を加味して、計算によって初速を求める。 多分戦車とかも似たようなやり方だと思う。 でも今はこんな面倒なことはしないでレーダーとかを使うよね。 #right(){(161:299)} **艦艇に旋回砲塔が出始めたのはいつ頃からでしょうか? おそらくスウェーデン人技術者ジョン・エリクソンの設計によるモニターが一番最初でしょう。 クリミア戦争中の1854年、ジョン・エリクソンがフランス海軍に旋回砲塔を備えた装甲艦を提案したが容れられなかった。 エリクソンはこの後南北戦争中の1862年に完成したモニターの設計を担当した。 モニターが低乾舷で航洋性が低かったのに対して、大型の航洋艦に砲塔の装備を行ったのがイギリス海軍である。 クーパー・フィッリプス・コールス大佐がクリミア戦争の戦訓に基づき、 1850年代末から浮砲台の建造、続いて大型で航洋性のある艦への砲等の搭載を主張していた。 1860年代初めからコールス式砲塔艦と呼ばれる砲塔の下部を船体に埋め込んだ型の装甲艦が各国で建造されたが、 大型航洋艦でそれが実現したのは1860年代の末になってからであった。 イギリスで1869年モナーク、1870年キャプテンが竣工したが、1870年にキャプテンは転覆してコールス大佐を始め472名が死亡した。 原因は乾舷の不足とトップヘビーによる復元力不足と言われる。 この事件から暫らくは砲塔は沿岸防衛用の小型艦に限定されたが、 1873年にはある程度航洋性を犠牲にして帆走設備を削減した大型の砲塔搭載艦デバステーションがイギリスで竣工する。 蒸気機関の発達により帆走設備の大幅な削減や撤廃が可能になった為、 上部の重量の減少や砲塔の射界の確保・旋回・配置が容易になり、 また、動力に蒸気・水圧が利用されるようになると砲塔搭載の利点が大きくなり、大型航洋艦への砲塔の搭載が一般化していく。 しかし、砲塔は重心位置の低下の為に低い位置におかれることが殆んどであり、航洋性を損なうことが多かった。 1880年の末になるとこの欠点の解消と、より大型の後装砲の搭載のためバーベット艦が登場する。 これは、バーベットと砲身を分離し砲身をバーベットの上に剥き出しで配置してバーベットの上部まで乾舷を増し航洋性が高められたものである。 そして砲身部分の周囲が次第に装甲で覆われるようになっていき、これ以降一般的に見ることができる砲塔が完成する。 #right(){(162:767)} **代表的な現代の艦砲を教えて下さい。 上から、生産国・形式・発射速度・口径 アメリカ  アメリカ  ロシア  ロシア  フランス  イギリス イタリア イタリア  スウェーデン  Mk42   Mk45  AK-130  AK-176  1968-Ⅱ  Mk8   OTO127 OTO76SR   MkⅡ 45発/分 20発/分 45発/分 120発/分 78発/分 25発/分 45発/分 120発/分  220発/分 127mm  127mm  130mm  76mm   100mm  114mm 127mm   76mm    57mm #right(){(209:663)} **戦艦や巡洋艦の主砲の水平射撃は、雷撃機に対して有効なんでしょうか? どっちかというと俯角射撃のほうが有効。雷撃機の進路に水柱を立てて射点を外させるか、うまくすれば水柱に巻き込める。 #right(){(俺初質スレ2048:852)} ミッドウェー海戦の戦訓でも、敵雷撃機編隊に主砲による水柱は有効とあるね 戦争後半になると、米雷撃機は高度100m以上から高速高高度雷撃するようになるけど #right(){(俺初質スレ2048:854)} **高射砲や高射機関砲ってもう需要ないの? 高射砲ってたいてい地対空ミサイルになってる。 高射機関砲はツングスカやゲパルトのように携帯ミサイルを搭載したハイブリット車両になてる。 #right(){(俺初質スレ2049:249)} 艦砲は高射砲ってか両用砲が多いな CIWSも機関砲タイプは高射機関砲の一種と言えなくはない #right(){(俺初質スレ2049:250)} **水圧式砲塔のメリットとデメリットを教えて下さい 水圧式 重い配管がスペースを食う技術力が低くても大きな力を出せる 電気式 軽いコンパクト技術力がなかったらとびくとも動かない #right(){(俺初質スレ2050:335)} **WW2の駆逐艦の20cm級の砲は役に立つのですか? >一線級艦隊に比べ対艦対地には威力射程とも不足しているように思いますが 質問の意味が分からん、駆逐艦の砲は10~12.7cmだが これは装甲のない駆逐艦同士や、それ以下の小艦艇或いは対空射撃に使う 対地攻撃に駆逐艦の砲が使用されたことはあったがきわめて限定的 大物相手には魚雷を使えばいい #right(){(俺初質スレ436:143)} ----

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