「題名ないー」(2005/11/23 (水) 18:53:02) の最新版変更点
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<p>24 名前:<strong><font color=
"#009900">o/2S3MWbO</font></strong><font color="#009900">◆YWX5warON6</font>
[] 投稿日:2005/11/23(水)02:50:20 ID:oU8nzwsBO<br>
2月。田んぼに厚く降り積もった雪はどこまでも続いているような気がして、僕は歩き続けた。<br>
前も後も右も左も真っ白な世界。歩けば歩くほど深い光の中に沈みそうで怖くなる。<br>
足を止め、後ろに倒れてみた。粉雪が舞い上がりしばし何も見えなくなる。<br>
聞こえるのは風の音と透き通る少女の声だけ。<br>
…声?<br>
上体だけ起こし周りを見渡す。でも目の前に広がる雪景色は変わっていない。<br>
白。<br>
空耳だろうか、もう聞こえないが随分きれいな声だった気がする。<br>
また聞きたい。<br>
僕は何をしているのだろう。父も母も家族みんな札幌に行った。お前も来い、と父は言ったが僕は断った。この町を離れるのが怖かったし、札幌は何か嫌だったから。<br>
それに、こうして雪の中に埋まって風の音を聞く事もできなくなっていただろう。<br>
高校は友達とちょっと話して、本を読む。そして勉強してまたちょっと友達と話す。結構気に入っている。<br>
しかし今は冬休み。学校の事は頭の隅に置いておく。<br>
しかし何だろう。透き通る声がまた聞こえる。</p>
<br>
<p>27 名前:<font color=
"#009900"><strong>o/2S3MWbO</strong>◆YWX5warON6</font> []
投稿日:2005/11/23(水) 03:20:54 ID:oU8nzwsBO<br>
とりあえず24の補足です。<br>
主人公は18歳。高3。名前は決めてませんが追々w<br>
「色彩と音の調和」を土台においてみました。<br>
そして声は当然…わかりますね?ツンデレ度も、あからさまにはしないつもりです。</p>
<br>
<p>31 名前:<font color=
"#009900"><strong>o/2S3MWbO</strong>◆YWX5warON6</font> []
投稿日:2005/11/23(水) 04:02:19 ID:oU8nzwsBO<br>
(すごい…綺麗だな…どこを見ても真っ白で…本当に綺麗)<br>
僕は目を閉じ、まぶたを通して差し込む光を感じながら少女の声を聞いていた。<br>
透き通るような声。ちょうど僕が今感じている光のようだ。真っ直ぐで、曲げない信念すら含んでいる。<br>
(この町…良い町だな。山も綺麗で…ずっとここにこうして寝ていたいな…)<br>
もう僕は気付いていた。少女はサトラレだ。今届いているのだって思念波だろう。でも、そんな事はほんの些細な問題だ。今は少女の声を静かに聞いていたい。<br>
目を開けると、青空が広がっていた。雪は止んでいたが周りはまだ白銀の世界。<br>
僕は何をするわけでもなく、ただ青を見ながら白に身を任せた。そして透明を聞いた。<br>
(空が青い…私の周りの世界は真っ白で…なんか溶けちゃうようだな。…向こうにいるの誰だろう?)<br>
僕はハッとした。</p>
<br>
<p>60 名前:<font color=
"#009900"><strong>o/2S3MWbO</strong>◆YWX5warON6</font> []
投稿日:2005/11/23(水) 13:50:31 ID:oU8nzwsBO<br>
少女が近づいてくる。僕は、青空を見上げて横たわったまま動かなかった。<br>
(あっ…誰か倒れてるのかな。どうしたんだろ)<br>
ざくざくざく。<br>
雪を踏む音が聞こえる。雪の鳴き声が確かに聞こえる。<br>
妙に心地良くてちょっと笑った。<br>
「何してるんですか…?」<br>
彼女が言う。紛れもない声。<br>
「空を…ね。」<br>
僕は寝ころんだまま答えた。少女は僕の顔を覗き込む。<br>
少女はとても可愛かった。凛とした幼さと芯のある目。<br>
(ここら辺に住んでる人なのかな?)<br>
「あの…ここら辺に住んでるんですか」<br>
「うん」<br>
(よかった…)<br>
何が良かったのだろう?<br>
「〇〇町3区6-3ってこの辺ですよね。ちょっと案内してもらえませんか?」<br>
それは僕の住所だ。今は家族が出て行って僕独りの家。<br>
「…それ僕の家なんだけどな」<br>
(え!?あっ…何で!?確かにここに住めるようになってたハズ…)<br>
「でもそこに住むように言われてるんですけど…」<br>
忘れてた。あの家は余りに広すぎる。だから一部屋だけ下宿人を入れる、そう父が言っていた。<br>
「ああ、下宿の人か」<br>
「…はい」<br>
「…じゃあ行こうか?」「はい」<br>
そうして、雪の上を二人で歩いて帰った。何か話をしたような気もするが覚えてない。心の声も聞こえなかった。<br>
僕らは、雪の鳴き声を聞きながら帰った。</p>
<br>
<p>71 名前:<strong><font color=
"#009900">以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</font></strong>[]
投稿日:2005/11/23(水) 15:25:15 ID:oU8nzwsBO<br>
僕は歩いていた。可愛い少女と、風の音と、雪の声と共に。<br>
家につき、ドアを開けた途端にすべてが消えてしまいそうで怖かったが、少女は普通に入っていったのでほっとした。<br>
とりあえずソファーに座らせ、紅茶をいれた。少女はただ僕のすることを見ていた。<br>
(よさそうな家…私の部屋はどこかな?)<br>
僕は少女に<br>
「気になるなら見てきて良いよ。階段を上がって左の部屋だから」<br>
と言ったが、いえ、と一言いって下を向いた。<br>
少女の向かいに座る。紅茶をすすめ、僕は言う。<br>
「僕は八坂真。この家の主ってとこかな。家族はみんな札幌に行ったから今は僕独りなんだけど」<br>
(一人暮らしなんだ…えらいなぁ)<br>
「言っとくけど、僕は高校生だから。だから昼間はいない。家にあるものは好きに使っていいよ」<br>
「はい。ありがとうございます」<br>
「…君は?」<br>
「あっ…咲南です。大島さな。15歳です」<br>
「何でこの町に?」<br>
(家出…)<br>
彼女は口をつぐんで目線を下げた。<br>
「…いや、いいよ。ごめんね?」<br>
「いや、大丈夫ですから」<br>
…どんな理由の家出にせよ、相当深刻なのだろう。言及はしないことにした。<br>
「じゃあ部屋案内するよ」<br>
「あっ…はい!」<br></p>
<p>72 名前:<font color=
"#009900"><strong>o/2S3MWbO</strong>◆YWX5warON6</font> []
投稿日:2005/11/23(水) 15:29:09 ID:oU8nzwsBO<br>
今気づいたが、彼女は荷物を持っていた。<br>
「持ってあげるから貸して」<br>
「い…いいですよ!自分で持てます」<br>
「遠慮しなくていいんだよ」<br>
「…じゃあお願いします」<br>
(優しい人だな…感じいいし)<br>
僕は少しうれしくなった。<br>
部屋を見せた。彼女は部屋が気に入ったらしくしばらく見入っていたが、やがてこちらに向き直り<br>
「ありがとう」<br>
と言った。<br>
透き通った声に色がついたような気がした。</p>
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<p>24 名前:<strong><font color=
"#009900">o/2S3MWbO</font></strong><font color="#009900">◆YWX5warON6</font>[]
投稿日:2005/11/23(水)02:50:20 ID:oU8nzwsBO<br>
2月。田んぼに厚く降り積もった雪はどこまでも続いているような気がして、僕は歩き続けた。<br>
前も後も右も左も真っ白な世界。歩けば歩くほど深い光の中に沈みそうで怖くなる。<br>
足を止め、後ろに倒れてみた。粉雪が舞い上がりしばし何も見えなくなる。<br>
聞こえるのは風の音と透き通る少女の声だけ。<br>
…声?<br>
上体だけ起こし周りを見渡す。でも目の前に広がる雪景色は変わっていない。<br>
白。<br>
空耳だろうか、もう聞こえないが随分きれいな声だった気がする。<br>
また聞きたい。<br>
僕は何をしているのだろう。父も母も家族みんな札幌に行った。お前も来い、と父は言ったが僕は断った。この町を離れるのが怖かったし、札幌は何か嫌だったから。<br>
それに、こうして雪の中に埋まって風の音を聞く事もできなくなっていただろう。<br>
高校は友達とちょっと話して、本を読む。そして勉強してまたちょっと友達と話す。結構気に入っている。<br>
しかし今は冬休み。学校の事は頭の隅に置いておく。<br>
しかし何だろう。透き通る声がまた聞こえる。</p>
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<p>27 名前:<font color=
"#009900"><strong>o/2S3MWbO</strong>◆YWX5warON6</font>
[]投稿日:2005/11/23(水) 03:20:54 ID:oU8nzwsBO<br>
とりあえず24の補足です。<br>
主人公は18歳。高3。名前は決めてませんが追々w<br>
「色彩と音の調和」を土台においてみました。<br>
そして声は当然…わかりますね?ツンデレ度も、あからさまにはしないつもりです。</p>
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<p>31 名前:<font color=
"#009900"><strong>o/2S3MWbO</strong>◆YWX5warON6</font>
[]投稿日:2005/11/23(水) 04:02:19 ID:oU8nzwsBO<br>
(すごい…綺麗だな…どこを見ても真っ白で…本当に綺麗)<br>
僕は目を閉じ、まぶたを通して差し込む光を感じながら少女の声を聞いていた。<br>
透き通るような声。ちょうど僕が今感じている光のようだ。真っ直ぐで、曲げない信念すら含んでいる。<br>
(この町…良い町だな。山も綺麗で…ずっとここにこうして寝ていたいな…)<br>
もう僕は気付いていた。少女はサトラレだ。今届いているのだって思念波だろう。でも、そんな事はほんの些細な問題だ。今は少女の声を静かに聞いていたい。<br>
目を開けると、青空が広がっていた。雪は止んでいたが周りはまだ白銀の世界。<br>
僕は何をするわけでもなく、ただ青を見ながら白に身を任せた。そして透明を聞いた。<br>
(空が青い…私の周りの世界は真っ白で…なんか溶けちゃうようだな。…向こうにいるの誰だろう?)<br>
僕はハッとした。</p>
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<p>60 名前:<font color=
"#009900"><strong>o/2S3MWbO</strong>◆YWX5warON6</font>
[]投稿日:2005/11/23(水) 13:50:31 ID:oU8nzwsBO<br>
少女が近づいてくる。僕は、青空を見上げて横たわったまま動かなかった。<br>
(あっ…誰か倒れてるのかな。どうしたんだろ)<br>
ざくざくざく。<br>
雪を踏む音が聞こえる。雪の鳴き声が確かに聞こえる。<br>
妙に心地良くてちょっと笑った。<br>
「何してるんですか…?」<br>
彼女が言う。紛れもない声。<br>
「空を…ね。」<br>
僕は寝ころんだまま答えた。少女は僕の顔を覗き込む。<br>
少女はとても可愛かった。凛とした幼さと芯のある目。<br>
(ここら辺に住んでる人なのかな?)<br>
「あの…ここら辺に住んでるんですか」<br>
「うん」<br>
(よかった…)<br>
何が良かったのだろう?<br>
「〇〇町3区6-3ってこの辺ですよね。ちょっと案内してもらえませんか?」<br>
それは僕の住所だ。今は家族が出て行って僕独りの家。<br>
「…それ僕の家なんだけどな」<br>
(え!?あっ…何で!?確かにここに住めるようになってたハズ…)<br>
「でもそこに住むように言われてるんですけど…」<br>
忘れてた。あの家は余りに広すぎる。だから一部屋だけ下宿人を入れる、そう父が言っていた。<br>
「ああ、下宿の人か」<br>
「…はい」<br>
「…じゃあ行こうか?」「はい」<br>
そうして、雪の上を二人で歩いて帰った。何か話をしたような気もするが覚えてない。心の声も聞こえなかった。<br>
僕らは、雪の鳴き声を聞きながら帰った。</p>
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<p>71 名前:<strong><font color=
"#009900">以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</font></strong>[]投稿日:2005/11/23(水)
15:25:15 ID:oU8nzwsBO<br>
僕は歩いていた。可愛い少女と、風の音と、雪の声と共に。<br>
家につき、ドアを開けた途端にすべてが消えてしまいそうで怖かったが、少女は普通に入っていったのでほっとした。<br>
とりあえずソファーに座らせ、紅茶をいれた。少女はただ僕のすることを見ていた。<br>
(よさそうな家…私の部屋はどこかな?)<br>
僕は少女に<br>
「気になるなら見てきて良いよ。階段を上がって左の部屋だから」<br>
と言ったが、いえ、と一言いって下を向いた。<br>
少女の向かいに座る。紅茶をすすめ、僕は言う。<br>
「僕は八坂真。この家の主ってとこかな。家族はみんな札幌に行ったから今は僕独りなんだけど」<br>
(一人暮らしなんだ…えらいなぁ)<br>
「言っとくけど、僕は高校生だから。だから昼間はいない。家にあるものは好きに使っていいよ」<br>
「はい。ありがとうございます」<br>
「…君は?」<br>
「あっ…咲南です。大島さな。15歳です」<br>
「何でこの町に?」<br>
(家出…)<br>
彼女は口をつぐんで目線を下げた。<br>
「…いや、いいよ。ごめんね?」<br>
「いや、大丈夫ですから」<br>
…どんな理由の家出にせよ、相当深刻なのだろう。言及はしないことにした。<br>
「じゃあ部屋案内するよ」<br>
「あっ…はい!」</p>
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<p>72 名前:<font color=
"#009900"><strong>o/2S3MWbO</strong>◆YWX5warON6</font>
[]投稿日:2005/11/23(水) 15:29:09 ID:oU8nzwsBO<br>
今気づいたが、彼女は荷物を持っていた。<br>
「持ってあげるから貸して」<br>
「い…いいですよ!自分で持てます」<br>
「遠慮しなくていいんだよ」<br>
「…じゃあお願いします」<br>
(優しい人だな…感じいいし)<br>
僕は少しうれしくなった。<br>
部屋を見せた。彼女は部屋が気に入ったらしくしばらく見入っていたが、やがてこちらに向き直り<br>
「ありがとう」<br>
と言った。<br>
透き通った声に色がついたような気がした。</p>
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