隣の家にツンデレのサトラレが越してきた

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809 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/05(土)22:00:58ID:lVJ2Kuf2O

ここはとあるのどかな王国、モナ。
外にはモンスターがうろついてはいるけれどまだ、平和を保ってはいた
そんなある晴れた午後、王宮のとある豪華な一室に一人のお姫様が退屈そうにベッドに寝転んで足をばたばたさせていた
ツン姫「こんなにいい天気なのに~…外に出してよ~クソ親父っ!ちくしょう…」
毒づく女の子は御年17歳、このお城の主、モナー3世の一人娘、ツン姫
代々モナ城は小さな国ながら神聖王国であり、王は神の代弁者として高度な神聖魔法を使う事が出来た。癒し、解毒、解呪、そして蘇生…
王国の統治者として王は全ての神官を統べる立場にいた
しかし、ツン姫はあろうことか、神官としての修行には興味を全く示さずに、もっぱら魔術の修行にばかり精を出していた
もちろんモナー王は快く思うはずもなく、今日も言うことを聞かない娘をお仕置きとして部屋に閉じ込めを家臣に命じていた
ツン姫「こらっ…出せ!見張りはブーンなんでしょ?!出さないとメラぶっぱなすわよ!?」
(;^ω^)「ひ、姫様…どうかモナー様のお怒りが収まるまで穏便にお願いしますお…ブーンのお願いでございますお」
ツン姫「あんたのお願いなんか聞かないわよっ!さぁ開けなさい、あたしの言うことと親父の言うことどっちが大切なの?」
(^ω^)「姫さま、そんなわがままを言われたら困りますお…」
この若い神官はブーンといい、ツン姫と同い年。小さな頃からツン姫お付きの神官として、モナー王の信頼も厚い優秀な神官だった


812 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/05(土)22:49:03ID:lVJ2Kuf2O

ツン姫「もういいわ…扉燃やしちゃうんだから!」
静かな声で魔術の詠唱をはじめるツン姫
(^ω^)「それだけはおやめくださいお!」扉を開け中に入ってくるブーン
ツン姫「ひっかかったぁ♪」
急いで入ってきたブーンの足元をすり抜け部屋から脱出するツン姫
( ^ω^)「ひめっ…」
ツン姫「ばいば~い♪」一目散に走り去るツン姫

城の裏の広い草原、そこでツン姫は大の字になって寝転がっていた
ツン姫「青い空ってほんと気持ちいい~♪城ん中はお祈りばっかして辛気臭くて肩こるから嫌になるわ全く…何で私お姫様になんて産まれちゃったのかしら…」
深いため息をつくツン姫、しかしその憂鬱を吹き飛ばすように、優しいそよ風とお日様の光がツン姫をなでる

一刻ほどたった時、遠くからかすかにツン姫を呼ぶ声が聞こえる
( ^ω^)「ひめさま~…」
体を起こし、声のする方に体を向けるツン姫
ツン姫「…どしたのブーン?それと二人の時は姫様言うなって言ってるでしょ」
少し頬を膨らませブーンをにらむツン姫
(^ω^)「そうは参りません、モナー様に申し訳が立ちませんお」
ツン姫「あんたも大変ね(笑)どしたの?」
(^ω^)「夕刻にノマネ国からの御使者の方がいらっしゃるそうですお、夜の宴に姫様も出てもらうので、準備をするために戻ってこいとのモナー様からの言付けを預かってきましたお」
ツン「めんどい」心からめんどくさそうに即答するツン姫
(^ω^)「そう言わないでくださいお(焦)今日の姫様の脱走でブーンまたモナー様に給料引かれますお…今月三回目だおツラスwww」
ブーンは何かにつけてツン姫のわがままを聞いてあげていた、ツン姫もそこはわかっていたので心の底で感謝をしていた


813 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/05(土)23:25:14ID:lVJ2Kuf2O

ツン姫「わかったわ…あんたが餓死されたら寝覚め悪いからね」
諦めるようにため息をつくツン姫
(^ω^)「ありがとうございますお、では急いで参りましょう」
出てきた時とうってかわってとぼとぼと城に帰っていくツン姫

所変わってモナー王の私室
(´∀`)「ツン、さきほど来たノマネからの使者の用件なんだが…まぁ簡単に言えば同盟の申し入れだな
 それでお前に返礼の使者としてノマネに行ってもらいたいんだが…」
ツン姫「ふぅ~ん、勝手にすれば~…えっ?お父様今なんて?」
(´∀`)「お前にノマネまで使者として行ってもらいたいと言った」
目を白黒させてモナー王を見つめ返すツン姫
ツン姫「どういう風の吹き回し?ずっと私を外に出そうとしなかったくせに(笑)」
(´∀`)「まぁお前にもそろそろ外の世界を経験してもらいたいと思ってな」
ツン姫「もちろん、私一人で行かせてくれる…わけないわよね?」
( ´∀`)「あたりまえだ。三十人の使節団を付ける」
がっくりと肩を落とすツン姫、それじゃ城の中と変わらない
ツン姫「わかりました…」素直に頭を下げるその目に怪しい光が灯る、モナー王はそれには気付かなかったようだった
( ´∀`)「これは返礼の書状、大切に持っていくんだぞ
 出発は明日の朝、今日の夜の宴は出なくていいから準備をしなさい。いいね?」
ツン姫「わかりました」内心ニヤリとするツン姫


820 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/06(日)00:26:47ID:QIdBhjvKO

城内いたる所で宴のにぎやかな雰囲気に包まれる
比較的新しい強国であるノマネ国との対等な関係の国交樹立は、領土拡張欲のない神聖王国国王モナー三世にとっても望むところだった
ツン姫は旅の支度を整えていた、動きやすくて丈夫な革のドレス、ブーツ、使い慣れた鞭を腰に巻く
そして魔術の師匠であるククリから譲り受けた魔術師の杖と魔力を増幅するモナ家家宝の指輪をつける
城の金庫から金貨をちょろまかすことも忘れない、準備はだいたいそろった、行動に移すのは警戒の緩んでいる今しかない、後は…

どんどん、ツン姫は目の前のドアを叩いていた
( ^ω^)「こんな遅くにだれだお…?」
寝惚け眼のブーンが不思議そうにドアを開ける
ツン姫「早く用意なさい、出かけるわよ」
( ^ω^)「ひ、姫様?!出発は明日のあさでは?」
おもいっきり焦るブーン
ツン姫「ぞろぞろたくさん引き連れて動くのはあたし好きじゃないのよ
 行かないならあたし一人で行くわよ?ついてきてもいいわよ、先行ってるから」
とことこと歩き出すツン姫
(^ω^)「じ、地獄の底までついて行きますお、待ってくださいお~あわわ…」
急いで支度を始めるブーン
ツン姫「てか、ブーン今回ので首になっちゃうかもね(笑)」
振り返ってくすくす笑いながらブーンの慌てぶりを楽しそうに眺めるツン姫


828 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/06(日)12:44:15ID:QIdBhjvKO

ツン姫「てか呑気よね~、お姫様が正面からどうどうと城でていこうとしてるの誰も止めないんだもん…うっ酒クサッ」
衛兵「ぐごごごご…」
城の警備にあたるべき衛兵も酔いつぶれ眠りこけていた
ツン姫「この国の行く末、不安だわ…いつも肩こるような固い国のくせに、行事があるとこれだもの…」
( ^ω^)「姫様…」
ブーンが複雑な表情でツン姫を見つめる
ツン姫「し、心配してるわけじゃないのよ!まぁいいわ、追手がこないうちにとっと行くわよ」
( ^ω^)「御意」
一気に門を駆け抜けていく二人

( ´∀`)「ツンは出発したか?」
(´・ω・`)「は、無事出立されたようです」
神官長であるショボンが答える
( ´∀`)「ブーンが一緒ならまず心配あるまいて…」
(´・ω・`)「…よいのですか?…」
( ´∀`)「何がじゃ?」
(´・ω・`)「確かにブーンの神官戦士としての能力は疑う余地はありませぬ、姫様を十分に守り通す事でしょう。しかし…」
王の表情を窺う神官長( ´∀`)「…続けよ」
(´・ω・`)「姫様もお年頃、二人の仲が進み、恋仲となったらいかがされるのですか?」
(´∀`)「わしはあれには窮屈な思いをさせてきた、それに后に先立たれた今、わしにはあれしか子がおらぬ。恋愛くらい自由にさせてやりたいものじゃ…
というかあの性格では相手が出来るのかという心配の方が大きいわい(笑)」
(´・ω・`)「しかしどうみてもブーンは姫様を…」
(´∀`)「そうじゃな(笑)しかしお前の養子でありあれだけ優秀な男
 わしとしては構わないと思っておる。だからあやつをツンにつけたのだからな」
(´・ω・`)「もったいなきお言葉…」
(´∀`)「城に閉じ込めるより、外の世界を沢山見て世の理、人の業を知って欲しいと思うのじゃ」


835 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/06(日)19:22:54ID:QIdBhjvKO

(´∀`)「それにあやつは嘘がつけん、心情が表情にですぎる
 一人の人間としてそれは美徳といえるかもしれんが、人の上に立つものとしては心情を隠さねばならぬときもある
 多くの人間と触れ合うことでそういった術も覚えて欲しいと思うのじゃ」
(´・ω・`)「確かに姫様は好きなものは好き、嫌なものは嫌とはっきりお顔に出るお方ですからな…」
流れる沈黙…
(´∀`)「今夜はもう遅い、あやつの無事を神に祈り眠りにつくとしよう。そちもさがってよいぞ」
(´・ω・`)「は、ではおやすみなさいませ…」
国王の私室から退出する神官長
( ´∀`)「まったく誰に似たのかのう…」
ため息をついてつぶやくモナー王であった

同じ頃、城の厩舎
ツン姫「ブーン、遊んでないで早く用意なさい
 ソラ、遅い時間にごめんね、これから出掛けるから頼むわね」
たてがみを撫で尾花栗毛の牝の愛馬に語りかけるツン姫、甘えるように鼻面をツン姫のほほにこすりつけるソラ
ツン姫「くすぐったいよソラ。いい子ね、鞍乗せるからね、よいしょ…」
鞍を置き、あぶみに足をかけ、身軽くソラにまたがるツン
一方遊んでると言われたブーン、彼としては遊んでいるわけではないのだが…
(^ω^)「こらテンっ!言うこと聞くおっ、ぬぉっ顔舐めるなお~…てか噛むな~」
同じく尾花栗毛の牡のテン、ソラとは兄妹で非常に仲がよい。兄のテンはブーンの愛馬、妹のソラはツンの愛馬だった
ツン「先行くからね、おいかけてらっしゃい。ソラ、行くわよっ」
(^ω^)「ひ、姫様お待ちくださいお~!こらテンっ、いいかげんに悪戯やめるお
 ソラがいっちゃったのにお前はお留守番でいいのかお?」
回りを見回すテン、隣にソラがいないのをやっと気付いておとなしくなる


836 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/06(日)20:18:05ID:QIdBhjvKO

ツン姫「遅いわね…」
街の外でブーンとテンを待つツンとソラ
ツン「星が綺麗ね…うわぁぁ…」
ふと空を見上げ感嘆の声をあげるツン
ツン「お城の中からじゃみれない光景ね…んっソラ?どうしたの」
突如脅えた声をあげるソラ、そちらの方を見ると風もないのに草むらがわずかに動いていた
ツン「モンスター?!」
魔術の詠唱を始めるツン
ツン「…いつでも出てこいッ!でもこんな町のすぐ側にモンスターが出るなんて…」

ガサッ、姿を表すその大きな影
ツン「オ、オーク?!嘘でしょっ!!」
このあたりではあまり見ることのない強力なモンスターだった
ツン「なんでこんな所にオークが?ちくしょうッ、メラぁッ!!」
ボンッ!!一直線にオークに襲いかかる火球
「ぐぉぉっ!!」火球が顔に直撃して怯むオーク
その間にもソラから降り、走りながら魔術の詠唱を再び始めるツン
ツン「一発できめてやるんだからッ、喰らえ~!イオッ!!!」
どか~ん!爆発をまともに受け吹き飛ぶオーク
ツン「まだなのっ?!」
しかしまだ倒れない、鋭い視線をツンに向け雄叫びをあげツンに突進してくる
ツン「接近戦はヤバい…うそっ?!早ぇッ!」
間近に迫るオーク、槍を振りかざしツンに襲いかかる。ザクッ
ツン「しまった?!痛いッ…この~乙女の柔肌に傷付けたわね?」
何とか突撃をかわしたもの右の二の腕を切りつけられてしまった
「ぐぉぉっ!」人間の血を見て興奮したのかさらに襲いかかろうとするオーク
ツン「やばい…詠唱が間に合わない…ブーン助けてっ!!」


838 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/06(日)20:55:33ID:QIdBhjvKO

そのとき風のようにオークとツンの間に入りこむ一体の影
( ^ω^)「姫様ッ!!」
ブーンの剣が夜空の月光を受け妖しく光る、オークの首筋に振り下ろされる光の筋
「がぁおぁぁ!!」どた~ん…
断末魔の叫び声を上げ地面に倒れるオーク
その巨体が大きな地響きを起こす
(^ω^)「ひ、姫様、お怪我は?…あわわ腕から血が?!」
ツン「平気よ、これくらい…なんともないん…だから…」
声は強がっていたが表情は明らかに傷の痛みに歪み、かたかたと小刻に震えていた
( ^ω^)「失礼致します…『※☆¥◆∈○…』」
そっとツンの胸に手をあてるブーン、溢れる光
ツン「きゃあああ!!何すんのよこのスケベぇ!!!」
バチコーン
( ^ω^)「ぐえっ…」吹っ飛ぶブーン
ツン「そ、そんな急じゃびっくりするじゃない…こういうのはムードとか順番ってものがあるでしょ、だから…」
顔を赤らめ自分の世界に入っていくツン
(^ω^)「あ、あの、姫さま…ブーンは心を静める神聖魔法をかけただけですお」
ツン「え?…あ、ほんとだ」
妄想から覚めるツン、確かに先ほどの心の中の動揺、恐れといった感情がなくなっていた
( ^ω^)「こちらの方も…ホイミ」
ぱぁぁ…優しい光がツンの右手を包む、みるみる塞がる傷
ツン「あ、ありがと…」
(^ω^)「姫様ッ!もし姫様の身に何かあったらこのブーン、モナー様に会わせる顔がありません
 何とぞ無茶をなさりませんように…これに懲りましたら一人で動き回るのをご自重下さい」
頬を膨らませながらも素直にうなずくツン姫


840 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/06(日)21:36:03ID:QIdBhjvKO
ツンの表情には、私を守るのはお父様に申し訳がないだけなのかと言う不満の色がありありと浮かんでいた
(^ω^)「姫様に何かあったらブーンは生きて参れませんお…何とぞブーンに姫様をお守りさせて下さいお」
真面目で鈍い、幼馴染みの若い神官にひとつ小さく溜め息をつくツン
でも誰よりも自分を大切に思ってくれる気持ちは日頃からよくわかっているつもりだった
ツン「わかったわ、もう勝手に動き回らないから…しっかり私を守るのよ、頼りにしてるわ」
(^ω^)「身命にかえましても姫様をお守りいたしますお」

にっこりブーンに微笑むツン、素直で純粋な笑顔だった
ツン「じゃあ行きましょ、テンとソラは無事かしら?」
(^ω^)「向こうの木の下に二頭とも待たせていますお」

じゃれあうように寄り添う二頭の兄妹
ツン「お前たちはほんとに仲いいんだね、兄妹っていいなぁ…」
少し寂しそうに呟くツン
( ^ω^)「……」
ツン「お兄ちゃん…か…ソラ、テンと一緒に行こう」
ソラに跨るツン、ブーンもテンに跨る
ソラにゆられながらツンは思い出していた、いつでも傍らにいたブーンの事
同い年だけどいつもいつも私の心配をしてくれていた、守ってくれていたブーン。さっきもピンチを助けてくれた…
【お兄ちゃん…みたいなものか、頼れるお兄ちゃん、そして…キャ(////)】
一人顔を赤くするツン
(^ω^)「しかし何故この地にオークが…せいぜいスライムナイト程度しかこの地にはいないはずだお」


844 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/06(日)22:32:13ID:QIdBhjvKO

ツン「いたもんはいたもんだから考えたって仕方ないわ、さぁ夜中の間に港町のモスまで行くわよ!ソラ、行こ!」
( ^ω^)「お、お待ち下さいお!テン、行くお」
深夜のモナー街道を東へ走る二騎の騎影、月の光と星の瞬きが二人と二頭を照らしていた

ツン「眩しい…綺麗~」
モスに着く頃、海から太陽が顔を出し始めていた
海面に太陽の光が反射してキラキラ光る
海から吹くゆるやかな風は潮の匂いを運んでくる
( ^ω^)「町が見えてきましたお」
ほっとした表情でブーンが語りかける
ツン「まず宿とって休みましょ、ずっと騎りっ放しで疲れたし、テンとソラも休ませてあげなきゃいけないし
今日一日ここに滞在して明日の朝出発でいいわよね?」
( ^ω^)「それでよろしいかと思いますお」
ツン「ソラ、あと少しお願いね」


( ^ω^)「姫様、ここでよろしいですかお?」
海沿いに立つ落ち着いた雰囲気の宿の前に二人は立っていた
テンとソラは町の入り口の貸し厩舎に預けていた
ツン「ちょっと…モナ出てからずっと思ってたんだけど姫って呼ぶのやめなさいよ
 他の人にばれたら厄介だし、城の人間は誰もいないのよ?」
唇を尖らせたツンの顔は、呼び捨てしなさいと訴えていた
( ^ω^)「はい…ツン…さま」
ツン「少しずつなれなさい、モナ国王女としての命令よ」
( ^ω^)「…わかりましたお(矛盾してるお)」
ツン「いい?多分あなたはあたしより強いし、あたしにとって頼りになる旅のパートナーよ?
だからあたしが城出るときあなたを連れてきたわ、外ににいるときぐらい対等に接して欲しいの…
守ってくれるのは嬉しいけれど、姫だから守るみたいで…嫌、なの…」


854 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/06(日)23:38:26ID:QIdBhjvKO

神妙な面持ちで頷くブーン
(^ω^)「身に余る光栄ですお、ツンひ…様はブーンの大事な方でございますお」
ツン「(はっ!?あたしったら何を口走ってるのかしらっ?)ち、違うのよっ、あ、あたしは別にブーンに守ってもらわなくたったって、ひ、一人でも十分やっていけるしブーンが守りたいっていうからしかたなく…あぅぅ」
顔が耳まで真っ赤になるツン
そんなツンを見て優しく笑うブーン
(^ω^)「一生、ブーンはツン様をお守りいたしますお…身命にかえましても」
ツン「ふ、ふんっ、どうしてもって言うなら、ずっとそばにおいてあげるわよっ…」
言葉と裏腹にツンの顔は喜びに溢れていた
( ^ω^)「では、宿に入って休みましょう」
ツン「あ…ま、待って」


その日の夕方、目覚めた二人は情報収集を兼ねて町を歩いていた
ツン「にぎやかね~、あ、林檎飴食べたい!」
( ^ω^)「ひとつ下さいお」
ツン「ありがとブーン♪えへ☆」
( ^ω^)「(か、かわいいお…)」
ツン「うん?どしたのブーン?あたしの顔になんかついてる?」
小首を傾げてブーンに訪ねるツン
( ^ω^)「な、なんでもありませんお…」
ツン「ふ~ん、あ、あれ防具屋さんじゃない?あたし新しい防具欲しいな」
( ^ω^)「じゃ行きますお」
ツン「こんにちはっ!何がいいかなぁ…あっブーン見て見て!あれ最近出たばっかの身交わしの服ver.05よ!かわいいっ♪おじさん、試着してもいい?」


857 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/07(月)00:10:43ID:hQ+wAU7XO

親父「おう、今日入荷したばっかで残り一着なんだよソレ。着てみな」
ツン「わぁ可愛いっ♪でもちょっと膝丈短いかなぁ…う~ん」
親父「今はそんくらいが普通だな。それにそのブーツにとっても似合ってると思うぜ」
ツン「ブーンどうかな?似合う?」
踊るようにくるりと一回転しながらブーンに尋ねるツン
(^ω^)「とっても似合ってると思いますお(うはwwせくすぃww)」
ツン「教科書通りの答えね(笑)じゃおじさんこれ下さいな、いくら?」
親父「毎度っ!本来なら3000ゴールドなんだけど、このネックレスとセットで3500ゴールドでどうだ?
 その組み合わせは今イチオシなんだぜ?」
ネックレスのトップは百合の花をモチーフにした鈴でプラチナ製、魔徐けの効果があるとの事らしい
ツン「この鈴もかわいい~、じゃセットでお願いします」
親父「毎度ありぃ$」
ツン「ブーンは何か買う?」
(^ω^)「盾が欲しいお、おじさん何かいい盾ありますかお?」
親父「ニイちゃん見たところ神官戦士だよな?ならこのシルバーシールドなんてどうよ?神官王モナー様の祝福付きらしいぜコレ」
(^ω^)「…(モナー様いつの間にそんなサイドビジネスを始められたのですか…)…」
ツン「…(お父様ったら…あきれた)…」
親父「おうどした?買うか?」
ツン「防御力高そうよ、デザインも結構いけてる感じするし(お父様の祝福除けば)」
( ^ω^)「いただきますお、いくらかお?」
親父「毎度$4000ゴールドになるけどいいか?」
(^ω^)「買うお(モナー様の祝福なかったらもうちょい安かったかもしんないお)」


862 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/07(月)01:16:58ID:hQ+wAU7XO

買い物を終え、防具屋を出る二人
ツン「お父様の祝福って…いったい何が起こるのかしら?」
(^ω^)「神官王として名高いモナー様ですからきっと、癒しの力が込められてるのではないでしょうかお?」
買ったばかりの盾を頼もしそうに見つめるブーン、そのとき遠くから何か呼ぶ声が聞こえた
女の子「お~いブーン!」
ツン「ん?何かしらあの女の子こっち見てブーンって叫んでないかしら?ブーン知り合い?」
( ^ω^)「この声はまさかっ…?!」
女の子「やっぱりブーンだ、きゃ~久し振り♪」
ブーンに抱きつく女の子
ツン「な、な…」とっさの事に言葉を失うツン
( ^ω^)「こ、こら抱きつくなお!」
女の子「何でそんなに冷たいこと言うのぉ?久し振りに会ったのにぃ」
( ^ω^)「そ、それは…もごもご…」口ごもるブーン
女の子「こっちの可愛い子はブーンの彼女~?」
(^ω^)「お、恐れ多いことを…この方はモナ国王女…」
ツン「私ツンって言います」
びっくりする女の子
女の子「えぇっ?!ツン姫様?何でこんなとこに?!…そうとは知らずご無礼をお許しください」
頭を下げる女の子
ツン「今は身分を隠して旅してるから気になさらないで、所であなたのお名前は?いでたちからみると武闘家の方かしら?」
ヒメ「はい、私はヒメと申します。お察しのとおり武闘家です」


905 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/07(月)22:23:02ID:hQ+wAU7XO

ツン「ハル(※変更します)って言うんだ…綺麗な名前」
にっこり笑って答えるハル
ハル「ありがとうございます、名付けてくれた亡父もきっと喜ぶと思います」
その笑顔は確かに春のようなあたたかさがあった
ツン「ブーンと…知り合いなの?」
やや表情をこわばらせ、作り笑いをするツン
ハル「はい、以前このモスの大灯台が魔物に占拠された時、モナ城からの討伐隊が派遣されたのはご存じですか?」
ツン「覚えてるわ、船が出せないって大騒ぎになった時ね…そう言えばその中にブーンいたわね」
思い出したように掌をたたくツン
ハル「はい…その時、地元の私の父もご一緒させて頂きました、父も名うての武闘家だったのですが、運悪く…」
うつむくハル
ツン「たくさん犠牲者が出たって聞いたわ…うちの神官戦士団も三人、それと地元の武闘家の方一人って…あなたのお父様だったのね」
目の前で十字を切り祈りをささげるツン
ハル「ありがとうございます、父もきっと喜びます…」
流れる沈黙…
ツン「こんなとこで立ち話もなんだから、お食事でもしながらお話しない?」
ハル「え?いいんですか?」
ツン「ご飯はみんなで食べた方が美味しいわ、ね?ブ~ン?」
(あんた、お父さんを亡くしたこの子に優しくしたんでしょ?全く天然記念物級のお人好しなんだから。そこがあんたのいいとこなんだけどね)
( ^ω^)「は、はい、ブーンもそう思いますお」


907 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/07(月)22:56:08ID:hQ+wAU7XO

海沿いの一軒のレストランに入る一向
ハル「ここの料理は絶品なんですよ♪ね、ブーン?」
( ^ω^)「う、うまかったお(し、視線が痛いお)」
ツン「それは楽しみだわ~(ほ~う…後でどうしてくれようこの男)」
適当な所に落ち着く三人、ウェイターにおすすめを持ってくるように頼む
ハル「ブーンは、私の父の形見を持ってきてくれたんです…この腕輪」
左手にはめられた意匠がかった腕輪をツンに見せる
ツン「それ、もしかして星降る腕輪?」
古代の遺産とも言われるその腕輪を見るのはツンでも初めてだった
ハル「はい、その通りです。父は遠い異国の女王様から授かった物と言って片時も身から外しませんでした
 これをブーンが私の所に持ってきた時、父がこの世からいなくなったということを思いしらされました…
 塞ぎ込む私をブーンは毎日毎日励ましてくれて…いつしか私もブーンのおかげで心の平静を取り戻す事が出来ました」
ブーンを見て微笑むハル
ツン「なるほど、そういう知り合いなのね」
うなずくツン
ハル「私は、ブーンがいたから父の死から立ち直ることが出来ました
 心の支えになってくれたブーンにいつしか恋心を抱くようになりました…
 ブーンがモナ城に帰る日、私はブーンに思いの丈を打ち明けました…」
ツン「え?ほ、ほんとに?」
まさかそこまでは想定外だったらしく、ツンはおろおろと慌て出す


909 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/07(月)23:33:31ID:hQ+wAU7XO

ハル「でも…優しく、断られました…『自分には一生かけて守らなくてはいけない人がいる
 ハルはこれだけかわいくて、優しくて、一生懸命なんだから
 必ず一生沿い遂げられる素敵な人に出会えるから』って…」
その時の情景を思い浮かべるかのように目を閉じるハル
ツン「そうなんだ…(ま、守らなくちゃいけない人って…私?)」
不安そうにブーンを見つめるツン
相変わらず居心地悪そうにそわそわしているブーン
ハル「ふられちゃったんですよね…それから私は、自分を鍛えるために修行に励みました
 父の残した書物を読み、各地を転々とし…まぁ、素敵な人に出会えればいいなぁなんてちょっと思ったりもしましたけど(笑)
 なかなかいませんね、ブーン以上の人は」
二人の様子を見てくすくす笑うハル
ハル「お二人はこれからどちらにいかれるんですか?」
( ^ω^)「海を渡ってノマネに行くつもりだお」
やっとブーンが口を開く、早くこの話題から脱出したくて仕方ないようだ
ハル「あ、それちょっと…問題アリ」
ツン「どうして?」怪訝そうな顔をして尋ねるツン
ハル「昨日の夜から、大灯台今度は海賊の一団に占拠されちゃったの
だから私これから大灯台に行って、海賊蹴散らそうって思ってた所にブーンと再会したってわけなの」
ツン「ならあたしたちも手伝うわ、結局船に乗らなきゃ私達進めないわけだし
可愛い女の子一人でバ海賊の巣に行かせるわけには行かないわ」


910 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/08(火)00:12:11ID:W53XRY+eO

ハル「え…姫様にそんな危険な事お願いできません」
首を横に振るハル
ツン「私もいっぱしの魔術師よ、神官戦士のブーンもいるしバランス的にちょうどいいはずよ」
にっこり微笑むツン
ハル「姫様…魔術師なんですか?モナの姫様なら神官かとばっかり…」
ツン「祈ってるばっかの退屈な毎日にうんざりしてた反抗期の賜ね(笑)」苦笑いでハルに答えるツン
ハル「…本当によろしいのですか?」
こくりと頷くツン
ツン「ひとつだけ条件があるの…私のこと、『モナの姫』じゃなくて友達って思ってくれると嬉しいな…」
少し顔を赤らめてハルに語りかけるツン
ハル「ありがと…ツン。私ほんとはとっても不安だったの…でも三人いれば海賊なんて何も怖くないわ、よろしくねツン」
手を差し出すハル、握り返すツン
ツン「うん、よろしくハル」
(^ω^)「善は急げですお、来た料理冷めないうちに平らげて大灯台向かいましょうお」
ツン「そうね、いただきま~す」
ハル「いただきま~す」


937 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/08(火)22:42:59ID:W53XRY+eO

大灯台の前には見張りが二人…いや二体いた…
ツン「ちょっと…あれ人間じゃないわよ?突撃兵じゃない!?海賊じゃなかったの?」
困惑した表情でハルに尋ねるツン
ハル「私が町長に聞いた話では海賊と言う話だったのに…なんでモンスターが?」
戸惑いを隠せない様子のハル
(^ω^)「あいつら…海賊の格好してるお…もしかして…ネクロマンシー?まさかまた…」
つぶやくようなブーンの言葉を遮るようにツンが語りかける
ツン「細かい事は後でなんとかしましょ、相手がモンスターなら遠慮はいらないわ
 中の仲間呼ばれたら厄介だからあいつら瞬殺するわよ、いい?」
こくりと頷き二手に散る二人、同時にツンが低い声で魔術の詠唱を始める
ツン「喰らえッ!!」
指先に魔力を凝縮させたメラを二発、モンスターの目を狙い打ち出すツン
ボンッ!ボンッ!
「ぐわぁ…」「ぎゃあ!」顔面に炎のレーザーを受けもがき苦しむ二体の突撃兵
隙をつくように魔物に襲いかかる二つの影
ハル「はぁーっ!!」ドカッ!
( ^ω^)「……!!」ザシュッ!
ハルの強烈な蹴りが一体の顔面を蹴り砕き、ブーンの剣の一閃がもう一体の首を切り落とす

ツン「予定通りね、気付かれないうちに走るわよ!」
( ^ω^)「御意」
急ぎ塔の内部に潜入する一向


938 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/08(火)23:09:13ID:W53XRY+eO

ツン「イオっ!」ボッカーン
響き渡る爆音、吹っ飛ぶリビングデッド

ツン「なんなの?ゾンビばっかじゃない…全くこの臭い、なんとかして欲しいわ…せっかく新しい防具買ったばっかりなのに…」
うんざりしたように鼻をハンカチで抑えるツン
塔の内部に入ってからもリビングデッドや突撃兵といったアンデッド系のモンスターばかりが出現していた
(^ω^)「占拠した海賊が何者かに皆殺しにされて、ネクロマンシーでゾンビにされたと考えてよろしいかと思いますお」
腕組みをして答えるブーン
ツン「ちょっと!ネクロマンシー使えるのってかなり高位の闇司祭でしょ?マジで?」
冷静なブーンの分析に慌てるツン
ハル「まさか…前の大灯台占拠事件の時と同じ奴…」
脅えるように青ざめていくハルの顔
(^ω^)「それは無いはずだお、ブーン達神官戦士団が奴の亡骸を焼却処分したお…
 しかし、今回のボスが奴のように強大な魔力を持っているモンスターだとしたら…
 前回は十人で戦い四人の犠牲者を出してしまいましたお…三人だけでは心許ないのではと思いますお…」
不安そうにツンを見つめるブーン
ツン「だいじょぶよ、あんたもあれからレベルアップしてるし、ハルの強さはかなりのものだし
 何てったって魔術師のあたしがいるのよ?しっかりあなた達をサポートするわ。ハルどうする?」
ハル「倒す…あいつら父さんの仇だから」
唇をぎゅっと噛み、力強く返事をするハル
ツン「よし、行きましょ」
うなずく二人


939 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/08(火)23:47:17ID:W53XRY+eO

ツン「どうブーン?前と同じ奴?」
(^ω^)「姿形はほぼ同じなんで同種族のモンスターかと思いますお」
ここは最上階入り口、三人は陰に隠れ様子を窺っていた
(^ω^)「あいつのザキに気を付けてくださいお…精神力高めておかないとあっと言う間にあっち連れていかれますお」
こくんと頷く二人
ハル「私とブーンが直接攻撃するからツンは援助お願いね?」
ツン「任せといて…まず一発、でっかいやつかますわよ!
 これ一発で終れば楽なんだけどね…ぶっぱなしたら二人ともお願い」
詠唱に入るツン
ツン「メラミぃーっ!!!」
人の体の大きさはあろうかという火球がネクロマンサーに襲いかかる
ネクロ「…何だ?ぐわぁぁぁぁ!!!」
炎に包まれるネクロマンサー
精神力を使い果たしがっくりと膝を落とすツン
ツン「やった?!…ブーン避けてッ」
炎の中から繰り出される鎌の一撃がブーンを襲う!
( ^ω^)「うぉっ?」
カキィーン、乾いた音を立てるシルバーシールド。見事な受け流しだった
ハル「くらぇぇぇ!!!」ばきっ!
その隙をつくように強烈な回し蹴りをネクロマンサーの頚部に叩き込むハル、よろめくネクロマンサー
( ^ω^)「喰らうおっ!!」
ネクロ「させるか人間め!!」
鎌でブーンの剣をなぎ払うネクロマンサー、バランスを崩すブーン
ネクロ「お前は終りだ」
その隙をつくかのように横から飛び出すハル
ツン「バイキルトっ!!ハルっ今よ!」
ハル「任せてツンっ!おりゃあ!!」ドゴン!
ネクロ「ぐはぁ…」


971 名前: ◆iQO/KNrhZ.2005/11/09(水)22:26:50ID:gIwW7j0NO

魔物の腹部に炸裂する渾身の右拳!苦痛に歪む魔物の顔、勝利を確信するハル
しかしその時、苦悶のうめきをあげたその口から真っ赤な炎がほとばしる
ハル「きゃぁぁぁぁ…!!」
腹部にまともに炎を受けのたうち回るハル
ツン「ブーン!早くっ!回復魔法を!!!」
ツンの声より早く反応しハルに駆け寄るブーン、癒しの優しい光がハルを包む
ネクロ「させるかっ…!!」
魔物の掌から生じる衝撃波がブーンを襲う
( ^ω^)「ぐぁっ…」
衝撃波で壁まで吹き飛ばされるブーン
ツン「こいつ…強いっ…でもっ!」
腰から鞭を取りだし魔物に向けて振るう、的確に魔物をからめとる
ツン「どうよっ!!」ネクロ「こしゃくなっ…」鞭を力任せに引き千切ろうとする
( ^ω^)「くらうおっっ!!」
魔物に一瞬出来たその隙を見逃さず、横から復活したブーンが魔物の首めがけて猛烈な突きをくりだす
ネクロ「ば、ばかな…ゴフッ…」
ぶしゅー…首と口から吹き出る真っ赤な鮮血
ゆっくりと倒れていくネクロマンサー…ツン「やった…の?」
( ^ω^)「手応えあったお…」
ハル「…父さんの仇、取れた…よね?」
(^ω^)「!?ハ、ハル、胸…服燃えちゃって…見えちゃってるお(*´▽`*)」
ハル「え、え?嘘…やだ見ないで~ブーンのえっちぃ…」
慌てて胸許を隠すハル
ツン「ヒャド…」ゴン
(^ω^)「い、痛いお姫様、頭の上でヒャドやめてくださいお」
ツン「デレデレしないっ!ふんっ…」
そっぽをむくツン


973 名前: ◆iQO/KNrhZ.2005/11/09(水)22:49:57ID:gIwW7j0NO

その時、急激に回りの気温が下がる
ツン「何?まさかっ?!」
振り返ると倒したはずのネクロマンサーが最後の抵抗をしようとしていた
「おまえも一緒に連れていくぞ姫っ…ザキッ!!」
( ^ω^)「あぶない姫様ッ!!」
ツンをかばうようにネクロマンサーの前に立ちはだかるブーン
( ^ω^)「がはっ…」
血を吐きながら、崩れるように倒れていくブーン
ネクロ「神官が余計な真似を…皇帝陛下に申し訳がたたぬわ…クソ…」
最後の力を使いきり力尽きるネクロマンサー
ツン「嘘ッ?!嘘でしょブーン…ブーン? 」
倒れたブーンを抱え必死によびかけるツン
(^ω^)「姫様…ブーンは…ひ、姫様を守って死ねて…本望でございますお…お別れで…」
がくりとブーンの首が落ちる
ハル「や、やだよ?え…ブーン?返事して…」
ツン「な…何つまんない芝居してんのよ?あたしを守るのは当然だけど、さ、先に死んでいいなんて一言も言ってないわよ?
 早く起きなさいよ、ねぇ?ねぇったらっ…いや…だよ…ブーン…お、おきて…お、お願い…」
最後はもう、涙が溢れ声になっていなかった

29 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/10(木)22:24:35ID:IUQ+3JNBO

ツンは激しく後悔していた
父は蘇生の神聖魔法、すなわちザオリクを使う事が出来るこの世で数少ない人物との一人とされていた
娘であるツンは一子相伝の秘として以前その魔法を教授されていた
しかし、当時の彼女は魔術の修行にのめり込み適当に聞き流していたのだった
ツン「お父様…ごめんなさい…あなたの娘はせっかくザオリクを教えてもらったというのに…大切な人一人、救えない馬鹿者です…
 ブーン…ごめんね…あたしがザオリク使えたら助けて…あげれたのに…」
ブーンを胸に抱き、大粒の涙をこぼすツン、ブーンの頬にこぼれる涙…
ぽたん…ぽたん…
ぱぁぁぁ…
ブーンの頬が光り出し、その光が全身に広がっていく…
ハル「ツン…何か、したの?」
眩しそうに目を細めながらツンに尋ねるハル
ツン「え?私…何もしてないよ、まぶしい…え?」
ぱりーーん
乾いた音をたて、ツンの指輪に付いていた青い石が粉々に砕け散る
そしてさらに眩しい光が部屋中を包む
ハル「なんなの?!眩しくて何も見えないよっ?」
ツン「誰…なの?」
ツンの目にははっきりと見えていた、羽毛を巻き散らせる大きな大きな羽が
そしてツンの胸に眠るブーンを見て優しく微笑む穏やかな顔が…
ツン「やめてっ!!ブーンを連れていかないでっ!!お願い……
 え?違う…の?助けて…くれるの?」


34 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/10(木)23:31:49ID:IUQ+3JNBO

(ふんっ、最初で最後なんだからね…あとは自分で精進なさい、馬鹿娘)
ツン「え?最初で最後…?何が、ねぇ?」
少しずつ光が収まり元の明るさに戻っていく
ハル「…なんだったの?誰とお話してたの?」
怪訝そうにハルが口を開く
ツン「何か、羽の生えた私…と?」
目の前で起こった事実が信じられないように呆然とするツン
その時だった
( ^ω^)「ぶぇくしょい…?あれ?」
ツン、ハル「?!?!」
一斉にブーンをみつめる二人
じわっと目に涙を浮かべブーンに抱きつくハル
ハル「ブーン!!!生き返ったのねー!良かったぁ!え~ん…良かったよぉ…」
ブーンに抱きつき泣きじゃくるハル、ブーンはまだ状況がつかめていないようだった
(^ω^)「ハル…何で泣いてるお?ブーンは…あ?!あいつのザキで…死んだはずだお!何で…?」
思い出したようにはっとするブーン
( ^ω^)「もしかして…ハルもやられたのかお?」
ひゅんひゅんひゅん…ゴンっ☆
(^ω^)「ぐえっ…」飛んできた銀の盾が見事にブーンの頭を直撃する
ツン「何馬鹿な事言ってんのよ、あんたは生き返ったのよ…この馬鹿っ!アホっ!まぬけ!ムッツリスケベ!
 次あんな真似したら、また私をかばって危ない事して死んじゃいそうになったりしたら…
 ……ぐすっ…………
 …したら…ぜ、絶対に…ゆ、ゆるさ…ないんだからね…ひくっ」
下を向いて強がってはいたが、明らかにツンは泣いていた


36 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/11(金)00:29:08ID:s/Iu/VnZO

(^ω^)「姫様が…生き返らせてくださったのですかお?」
ツンは何も答えない、ただ下を向いて肩を震わせていた
ハル「そうだよ…ツンがブーンにザオリク…してくれたんだよ」
(^ω^)「ざ、ザオリクですかお?!ひ、姫様…いつの間にそんな高度な神聖魔法を会得なされたのですかお?」
ぐいっと指を突き出すツン、そこには石のなくなった家宝の指輪がはめてあった
(^ω^)「…モナ家に伝わるこの指輪は、代々の奥方様が魔力を石にこめて作られた指輪と義父から聞いたことがありますお…
 この指輪にこめられた桁外れの魔力を解放した時、その石は砕けちると義父は申しておりましたお…」
ハル「思いっきり砕けてたね、それから光が広がって…気付いたらブーンが生き返ってたよ」
ツン「…多分お母様が力貸してくれたと思う…この石割れた時、私にそっくりな天使が現れたの…
 私が物心つく前に死んじゃったから顔は覚えてないけど、お父様はあたしに若い頃のお母様そっくりってよく言ってたし…
 それであたしに出来ないはずのザオリク、一度だけ出来たんだと思うの…」
じっと指輪をながめるツン
(^ω^)「ブーンのために…家宝の指輪、壊してしまって申し訳ありませんでしたお
 そして、命を救っていただいてほんとうにありがとうございましたお…
 一度なくしたこの命…一生姫様を守るために使う事を誓いますお」
ツンの前に膝まづき、改めて忠誠を誓うブーン
ツン「迷惑よ…」


38 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/11(金)01:11:57ID:s/Iu/VnZO

一気にまくし立てるツン
ツン「ちょっとあんたそこに座りなさい、いい?誰かに命を犠牲にしてまで助けてもらうことって、ものすごく重いのよ?
 それこそその人の一生全て背負うんだから…あんた、あたしまだ若いのにそんな十字架をかよわいあたしに背負わす気なの?
 あたしを一生守るのは当~然!!だけど、あんたも死なないように、自分の命もしっかり守りなさい、いい?わかったら返事なさい」
ぽか~んとしているブーン
ツン「へ・ん・じ・は・?」

61 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/11(金)21:07:32ID:s/Iu/VnZO

(^ω^)「あ、ありがたきお言葉ですお!強くなって、姫様を一生…お守りいたしますお」
膝まづき、深々と頭を垂れツンに返事をするブーン
ツンの顔はまだふくれっ面だった
(この朴念仁が…はぁ)
ブーンにはツンの言わんとしている事はよく、わかっていた。
長い付き合いでツンの表情を見るだけで考えはだいたいわかる
もちろんブーンもツンに対して深い愛情を抱いていた
ただブーンの心の根底には、王国に対する強い忠誠心があり、主君の娘であるツンに対し一歩が踏み出せなかった
ツンにはそれがもどかしくて仕方ないのであった
ツン「まぁ…いいわ」深い溜め息をつくツン、そして話題を変える
ツン「でも、魔物は何で二度もこの大灯台を占拠したわけ?このただの灯台を?」
首をかしげるツン
(^ω^)「姫様はご存じありませんか?この大灯台の種火を元に起こした火はいかなる金属をも溶かすといわれていますお
 この種火を使えば、ミスリルやオリハルコンも思いのままに加工できるのですお」
ツン「へぇ…そうなの?初耳だわぁ」
あまり興味無さそうなツン
ハル「ねぇ…あんまし関係ないかもしんないんだけど、あのモンスター最後『皇帝陛下に申し訳が立たぬわ』って言ってたよね?
 モンスターが皇帝の部下って事なのかなあ?」
不思議そうに二人に話しかけるハル


62 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/11(金)21:30:04ID:s/Iu/VnZO

顔色を変えるブーン
( ^ω^)「ハル、それはほんとかお?」
ツン「そんな事言ってたっけ?」
こくりとうなずくハル
(^ω^)「皇帝といえばこの世界に一人しかいないお…アベックス帝国の女皇帝アユ…
 今回我がモナ国が同盟を結ぶノマネ国は帝国の傘下のひとつに過ぎないお…」
腕を組み考えにふけるブーン
ツンはいまいち理解できていないようで、呑気にあくびをしていた
(^ω^)「姫様っ!あくびしてる場合じゃありませんお!」
ツン「あ、ごめん話難しくて眠くなっちゃった…魔術たくさん使ったし」
眠たそうに目をしぱしぱさせるツン
(^ω^)「帝国の傘下にモンスターがついていること、そのモンスターが姫様を害そうとしたこと…
 今回の同盟、帝国の陰謀が見え隠れします。モナに近いこの地で種火を独占しようとしたこと、間違いなく帝国はわがモナ国を狙っていますお!
 ノマネに行くのは危険です、いますぐモナに戻りモナー様にご報告し、善後策を検討いたしましょう!」

ツンは事の次第をようやく理解したらしい
ツン「って事はあのクソ生意気そうな女皇帝に私達はめられそうになったってこと?」
(^ω^)「皇帝は姫様より年上ですお(笑)」苦笑するブーン
ツン「そんな事はどうだっていいわ、じゃあ一度モナに戻るって事?」
(^ω^)「それが一番よろしいかと…」力強くうなずくブーン
ツン「短い自由だったわね…」がっくりと肩を落とすツン


63 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/11(金)21:59:31ID:s/Iu/VnZO

町の入り口の厩舎に三人は来ていた
ツン「ハル、一度お別れね…せっかく仲良くなれたのに…」
ハルの手を握り今にも泣き出しそうなツン
ハル「本当はついていきたいけど、父さんにしっかり報告したいんだ
 母さん病気がちで看病も必要だし…ツン、ブーン私の事、忘れないでね…」
ツンの掌をぎゅっと握り伏し目がちに涙をこぼすハル
ツン「落ち着いたらまた、遊びにくるわ。それまで元気でねハル…絶対ね、約束よ?」
ツンはハルとずっと一緒に旅を続けたかった
初めて出来た、自分を王族と意識せずに接してくれる仲間…
しかし母を心配するハルに無理強いは出来なかった
ツン自身も父と自分の産まれ育った国が心配で仕方なかったから…
ブーンの話を聞いてから、妙な胸騒ぎがずっと続いている。嫌な予感
ハル「私はずっと待ってるよ、ツンはお城の人達のために早く、お城に戻ってあげて。
 ブーン…どんな時もツンのことしっかり守ってあげて、私もさっきみたいなのは嫌…自分も大切にしてね…」
そういいながらブーンにぎゅって抱きつくハル
慌ててツンの方を見るブーン、しかしツンは優しい目をしていた
(ハルを泣かしたら許さないんだから…今日だけ、抱きしめてあげていいわよ)
(^ω^)「(姫様…)ハル…わかったお、姫様はブーンが守るお…また会いにくるからハルも元気でいて欲しいお」
優しくハルを抱き締めるブーン


65 名前: ◆iQO/KNrhZ.[]投稿日:2005/11/11(金)23:18:43ID:s/Iu/VnZO

ハル「うん、またねブーン…」
そのとき、砂埃とともに一体の騎馬が町の門に駆け付ける、響き渡る兵士の声と馬のいななき
兵士「開門願いたい!!モナよりの急使ですっ」


92 名前: ◆iQO/KNrhZ. []投稿日:2005/11/12(土) 22:49:29 ID:8/HkuE+mO

門に回り兵士を引き留めるツン
ツン「どうしたの?何があったの?」
兵士「ひ、姫様っ!ちょうどようござりましたっ!モナー様が…モナー様が…」
ただならぬ慌てぶりにツンの心に不安がつのる
ツン「慌てなくていいわ…落ち着いて話なさい」
自らを落ち着けるように兵士に語りかけるツン
兵士「礼拝中に潜んでいた刺客に襲われ…重体でございまするッ!」
( ^ω^)「何ッ!?それで刺客は捕えたのかお?」
顔色を変え兵士に問い詰めるブーン
兵士「はっ…しかし舌を噛み切り自害して果てました…」
悔しそうにうつむく兵士
青ざめた顔で兵士にたずねるツン
ツン「お父様の容態は…?」
兵士「刺客の刃に猛毒が仕込まれておりました…神官長さまが必死に癒しの神聖魔法をかけ続けていますが…
 容態は芳しくありません…姫様、一刻も早くご帰還を」
ツン「わかったわ、お父様っ…無事でいて…」
唇をぎゅっと噛み怒りと悲しみをこらえるツン
( ^ω^)「姫様っ、急いで戻りましょう…」
ハル「ツン…」
心配そうにツンを見つめるハル
ツン「ハル、ごめんねあたしたち行くわ…またね」
ハル「ツン…頑張って」
ツンを抱き締めるハル
ツン「ありがとう…落ち着くよハル、ばいばい…」
手を振るハル
( ^ω^)「姫様、急ぎますお!テン、頼んだお」
ツン「うん…ソラ、行くわよ、お願い…」


108 名前: ◆iQO/KNrhZ. []投稿日:2005/11/13(日) 11:53:58 ID:eiPIHDjdO
ひたすら馬を飛ばし帰路を急ぐ二人
ブーンがちらりと振り返ると、ツンは青い顔をして押し黙り、じっとたずなを操っていた
ツン「…(お父様…お願い、無事でいて…)」
( ^ω^)「(姫様…)」
一方ブーンは思案に暮れていた
(^ω^)「(おかしいお…礼拝の時間に襲われたと言っていたお。しかし、礼拝中刺客が紛れ込めるほど警備と警戒は薄くないはずだお…
 警備は義父上様の管轄内だし、ぬかることはないはずだお…その警備の網をくぐり抜ける程、腕のいいアサシンが送り込まれてきたという事かお?
 しかしそれ程の腕なら、捕まるようなヘマはしないはずだお…なんか釈然としないお」

程なくしてモナの町に到着する二人、しかし町の様子が明らかにおかしい…
駐留している兵士の数が半端ではない


112 名前: ◆iQO/KNrhZ. []投稿日:2005/11/13(日) 14:57:15 ID:eiPIHDjdO

それもモナ国兵士本来のシルバーの鎖かたびらではなく、見慣れぬ意匠のプレートメイルを身に付けている
( ^ω^)「て、帝国の紋章…どういう事だお?!」
愕然とするブーン
ツン「占領…されたの?お父様が伏せってる時に…?許せないッ!!」
怒りに頬を紅潮させ、今にも兵士に飛びかからんとするツン
ブーンが必死になだめようと前に立ちはだかる
(^ω^)「姫様、まずは情報集めが先ですお。我々はまだモナで何が起こったか全て把握しているわけではありませんお…
 住民から、何が起こったかを聞いてから次に何をすべきか決めた方がいいと思いますお」
首をブンブンとふるツン
ツン「いやっ!!今すぐお父様に会いに行くのっ!!帝国の兵士なんか怖くないんだからっ!それに…」
( ^ω^)「………」ツンの唇を不意にふさぐブーンの唇
ツン「何すんの…あ…んっ…」
心の動揺が少しずつ収まるのを感じるツン、それと同時に沸き上がる羞恥心
どこからともなく現れるハンマーを振り下ろすツン、ドカン☆
ツン「なななななな、何すんのよ?!この馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ぁ!!!!!
 (あたしの初めてを~)何て事すんのよっ!こういうのは雰囲気ってものがあるでしょこの朴念仁っ!!(ブーンにあげちゃった…)」


115 名前: ◆iQO/KNrhZ. []投稿日:2005/11/13(日) 16:13:05 ID:eiPIHDjdO

大きなたんこぶをさすりながら謝罪するブーン
(^ω^)「申し訳ありませんお…しかし、姫様の声で兵士がこちらに来ようとしておりましたお
 万一のために姫様の顔を見られないように隠そうとしたのですが…つい…臣下としてあるまじき行為、どんな罰も受けますお」
フードで顔を隠しそっぽを向くツン。その頬は紅潮し耳まで真っ赤だった
ツン「ふ、ふんっ…あたしも軽率だったわ、だから別に罰も何もないわ。ただ…」
( ^ω^)「…ただ?」
何ですかというように首を傾げるブーン
ツン「ふんっ!!何でもないわよっ…もうっ(もっと雰囲気作ってよね…はぁ)」
がっくりと肩を落とすツン、しかし思い付いたかのようにポンと手を叩く
ツン「じゃあ、情報収集しましょうか…あ、罰というか国の中で姫様呼ぶのやめなさい、様づけも一緒よ?基本はタメ語ね」
にやりとするツン
( ^ω^)「…はい…だお」
心底困った顔でうなずくブーン、その顔を見て満足そうに歩き出すツン
ツン「でもこれだけ兵士がたくさんいるから出歩いてる人はほとんどいないわね…どうするのブーン?」
(^ω^)「ブーンの友達に情報屋がいるお、そいつに聞いてみるお」
ツン「…」じぃっとブーンを見るツン
(^ω^)「す、すみませんでしたお!!恐れ多いことでしたお!」
慌てて平伏するブーンを見てくすくす笑うツン
ツン「やればできるじゃない(笑)その調子でいいわよ」


130 名前: ◆iQO/KNrhZ. []投稿日:2005/11/13(日) 21:41:16 ID:eiPIHDjdO

町の裏手のとあるみすぼらしいあばら屋…二人はそこで立ち止まる
ツン「ここなの?」怪訝そうにブーンに問い掛けるツン
( ^ω^)「そうだお…ついて来てくださいお」
おもむろに建物に近付き扉を叩く叩くブーン
男「誰だ?」中から聞こえる男の声
( ^ω^)「ブーンだお、ニダーいるかお?」
勢いよく扉が開き、出迎える男
男「これはブーンさん、お久しぶりです!お頭なら下にいます、中へどうぞ」
( ^ω^)「ありがとうだおドクオ。ツン行くお」
ツン「う、うん…(お頭?ブーンの交友関係って一体…)」
板張りの床をはがすと地下への階段があらわれる、階段を降りていく三人

階段を降りると豪勢な部屋が現れる
ツン「…ここは?」驚いたように声をあげるツン
( ^ω^)「モナの盗賊ギルドの本部だお」
ツン「と、盗賊?!」ツンの驚きを流し奥に語りかけるブーン
( ^ω^)「ニダー久しぶりだお、元気だったかお?」
<`∀´>「おうブーン、久しぶりだな。お前の親父もも大胆な事やったな…?!」
ブーンの隣に立つツンを見て驚愕の表情にかわるニダー
<`∀´>「ツ、ツン姫?!何でここに?!死んだはずじゃ…」
(^ω^)「ど、どういう事だお!?」身を乗り出しニダーに問い詰めるブーン
<`∀´>「お前…張本人の息子なのに何も知らないのか?」
怪訝な表情でブーンをみるニダー


134 名前: ◆TmqNQE3e0. []投稿日:2005/11/13(日) 22:09:34 ID:eiPIHDjdO

(^ω^)「ブーン達はモスに行っててモナー様が刺客に襲われたと聞いて今モナに戻ったばかりだお
 そうしたら町の様子がおかしいからニダーにモナの状況聞きに来たんだお」
<`∀´>「なるほど…なら

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