隣の家にツンデレのサトラレが越してきた

題名無いお

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15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2005/11/20(日) 08:49:04 4JdPfxfkO
俺「ツン、一緒に帰ろ」
ツ「あんた、毎日同じ事言ってるわよ」(…良かった)
俺「それで、一緒に帰ってくれるの?」
ツ「まぁ…帰る方向同じだし…仕方無いわね」
校門の前で、足早に帰るツンを呼び止める。
これが俺の日課。 毎日同じ事を繰り返す。
俺「そんでさぁwww」この言葉も毎日言ってる。
ツ「…うん…それで?」
この言葉も
俺「山田がまた先生に怒られてんだよwww」
ツ「…そうなんだ」
この日課も随分長くなる、始めは俺への罵詈雑言ばかりだった、口と心両方から言われると少し傷ついたけど、それに負けない程ツンが好きだった。
俺「楽しくないか?」
ツ「…別に…」
それからは徐々に心を開いて行く気がした。 でも、最近は様子が変な気がする。
俺「ツン、大丈夫か?」
ツ「何が? それにあんた何かに心配されたくない」
俺「もし病気なら俺が看病してやろうかwww」
ツ「だから何でもないって言ってるでしょ!」
俺「…マジで…本当にどうしたんだ?」
ツ「…だから…何でもない」(ゴメン…分かんない)
俺「なら…良いけど…無理すんなよ」
ツ「あんたに心配される程落ちぶれてない」(ありがと)
俺「何だよ折角人が心配してんのにw」

最近ツンの心の声に雑音が増えた気がした。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 08:49:24 ID:4JdPfxfkO
ツ「………」
俺「…手繋がないか?」
ツ「…何で?」
俺「…寒いし…それに…(ツンの心の声が聞こえないから)…俺、ツンの事好きだし」
ツ「ち、ちょっと何言ってんのよ…いきなり」その増えた雑音を少しでも取り除きたかった。
俺「気付いてたんだろ?」
ツ「まぁ…」(…分かんない…今の気持ちが…)
聞きたくなかった。 雑音を聞くと何故か悲しい気持ちになるから。
俺「………」 ギュ
ツ「い、いきなり手掴まないでよ」(///)
白くて細い手を少し強引に掴んだけどツンの気持ちは分からなかった。 只ツンの手が冷たいだけだった。
俺「…だから、ツンが…嫌じゃなければ…その…付き合って欲しいんだ!」
ツ「え…ゴメン…」(どうしよぅ…私も…)
俺「ツンの支えになりたいんだ」
ツンが悲しい顔になるのが辛くて、雑音が増える度周囲から人が去って行くのを見るのが耐えられないから。
ツ「…ゴメンなさい」
そう言って走り去るツンは泣いていた。
ツ(私と居ると…皆に嫌われるから…)
最後に聞こえたツンの声は今迄聞いた事のない無機質な声だった。


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 11:23:35 ID:4JdPfxfkO
俺は去って行くツンの背中を只見ていた。 情け無いのは分かってる、だけど俺が追いかけて…それで?
ツンは俺を…拒絶したのに俺が追いかけてって…抱き締めて…一生ツンの事を守るって言うのか?
俺「クソッ…情け無いよ…本当に…」
今どこに目をやれば良いか分からなかった、取りあえずツンの居た場所に目を向けるとキーホルダーが落ちていた。
俺「ハハ…都合よ過ぎだよ…」
嬉しかった、俺の買ったキーホルダーをツンがまだ持っていた事とツンに会いに行く理由が出来た事が。

拾った時に行く事は出来た、でも俺が今ツンの家に立ってるのは10時、人の疎らになった公園を歩きたかった。
俺「…夜分すいません…ツンさん居ますか」
ツ「…私だけど…何の用」(何で来るの…)
チャイムを鳴らして話し掛けるとツンの声がした。
俺「あのさ…ツンがキーホルダー落としてったから…届に来た」
ツ「…なら…郵便受けに入れといて」(キーホルダー…)
俺「…ここには無い…有る場所迄連れてくから少し歩かないか?」
ツ「…なら持って来て」
俺「…良いから…歩いてくれ…頼む」
ツ「…分かった」


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 14:00:31 ID:4JdPfxfkO
ツ「…それで、どこにあるの?」
俺「公園」
ツ「…何で公園にあるのよ」
俺「あん時俺…追いかけらんなかったじゃん…だから、今回はカッコつけようと思ってw」
ツ「…寒いの我慢してるんだから早くしてよ…」
俺「…あのさ…何かあったのか?」
ツ「…何もないと思う?」
俺「…ゴメン(クラスで避けられてる事…)」
ツ「あんたも…どうせ」
俺「…ツンは俺の事嫌いか?」
ツ「………」(…好きに決まってるじゃない…何でそんな事言うのよ…)
俺「………」
ツ「…ヒック…エグ…」(なんで…優しくするの…)
俺「…泣くなよ」
ツ「…何でよ! 何で…私が…」
俺「俺は…ツンと一緒に居たいんだよ」
ツ「…あんたまで…避けられるかもしれないのに?」
俺「………」 ギュー
ツ「ちょっと! いきなり抱き付かないで!」
俺「ゴメン…でも…俺の事なら大丈夫だよ…ツンがしたいようにしろよ」
ツ「…良いの?」(…隆)
俺「なんでダメなんだよ、良いに決まってんだろw」
ツ「…そうだよねw」(ありがと…隆)
俺「久しぶりに笑ったなw」
ツ「…五月蠅いわね…」俺「その方が良いよ」
ツ「…あり…がと」
俺「じゃぁ手繋いで行こうかw」
ツ「その…キーホルダーならもう良い…」
俺「なんでだ?」


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/11/20(日) 14:01:20 ID:4JdPfxfkO
ツ「…キーホルダーなんて落としてないの」(私が…持ってるし)
俺「………」
ツ「ドジなんだから…(あんたから貰った物…そんな簡単に落とす訳ないでしょ)」
俺「…じゃぁ…俺は何拾ったんだ?」
ツ「知らないw ったく…ドジなんだから(私が支えても良いよね)」
俺「それで…本物はどこにあるんだ?」
ツ「それは…秘密かなw(無くさない様にしまってあるのw)」
俺「そっか…じゃ、寒いし帰るか」
ツ「そうね…寒いし…」
俺「手繋いで行くか?」
ツ「…仕方ない…かな(本当は腕組みたいんだけど…)」
俺「何なら…腕…組んでも良いぞ」
ツ「ば、バカ…幾ら寒いからって…(恥ずかしいし…)」
俺「ほら! 行くぞ!」 ギュ
ツ「ほ、本当に腕組まないでよ!(…暖かい)」
俺「暖かいな」
ツ「当たり前でしょ(…明日からも、一緒に帰れるよね…)」
俺「あのさ、明日も一緒に帰って良いか?」
ツ「遅いと先に帰るからね(良かった)」
俺「明日からも前と一緒だよな」
ツ「一緒だよ(ずっと…)」
俺「ツン…好きだよ」
ツ「私も…(…大好き)」
誰もいない道を帰る時、俺もツンは何も喋らなかった…でも、今聞こえるのは雑音じゃなくてキレイな…何かの旋律の様だった。

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