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SF西遊記

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SF西遊記



書名: SF西遊記
著者: 石川 英輔




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紹介

(適切な紹介が見つからなかったので今回は講談社版の『あとがき』を記載します)
「SF西遊記」は、SF同人誌「宇宙塵」の第一四〇号から第一五二号の間に、八回にわたって断続的に連載したものを完結させた作品である。連載は、「八戒の巻」までで中止したので、その後の部分は今回新しく書き下ろした。また、「八戒」までの部分も大幅に手を入れたので、実質的には全篇書き下ろしのような形になってしまった。
この物語は、いうまでもなく、有名な中国の小説「西遊記」をSF化したパロディーである。西遊記は明代(十六世紀中期)に、呉承恩が書いたということになっているが、物語自体は、民衆の間で講釈師などによって語り継がれ、適当に追加されたり改作されたりして出来上がっていたらしく、呉承恩は、それを章回小説の形にまとめ上げた人である。つまり、これ程面白くて複雑な話が自然発生的に生まれてきたというのだから、漢民族の文化的底力はさすがたいしたものである。……

評価

評点:★★★★☆ ( 8/10点)
『パロディー』と呼ぶのも恥ずかしくなるようなベタな作品である.お釈迦様は超コンピューターで,悟空をはじめとする妖怪達は超生命体だったりサイボーグだったり.玄奘三蔵が宇宙船『白馬号』に乗って天竺(グリドラクータ星)を目ざす冒険物語なのだが,内容はまんま『西遊記』で,それなりにSFチックな工夫があるとはいえセンスオブワンダーとはほど遠い.でも,じゃぁつまらない話なのかというと,これが凄く面白い.もちろん,僕が初めてこの作品を読んだのは中学生の頃で,多少懐かしさからくる贔屓目もあるだろうが,今でも一気に読める楽しさがそこにある.これは石川英輔氏のセンスもさることながら,『西遊記』の持つ本質的なおもしろさが現代でも十分通用するということだろう.岩波文庫版『西遊記』も読んでみようかな.

おまけ


岩波文庫版はこちら.

















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