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箱庭療法
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mentalhealth777
箱庭療法(治療法・心理療法)
箱庭療法【はこにわりょうほう/Sandspiel Therapie (独)/Sandplay Therapy(英)】
箱庭療法は心理療法の一種で、縦57cm×横72cm×高さ7cmの箱の中に、クライエントが、セラピストが見守る中で自由に部屋にあるおもちゃを入れて行く手法。表現療法に位置づけられるが、作られた作品は言語化される時もある。基本的に自由に見守られながら表現することが重要であるといわれている。現在は成人の治療にも使用されるが、もともとは遊戯療法(Play Therapy)から派生した。米国や欧州等、世界で用いられる手法であるが、日本でも幅広く用いられている。 歴史 英国の小児科医でクライン派のローエンフェルト(Lowenfeld,M.)が世界技法(The World Technique)を作り、1929年に発表した。その後、スイス人のドラ・カルフ(D.Kalff)がユング心理学を基盤としてさらに発展し、「砂遊び療法」(Sandplay Therapy,Sandspiel Therapie)として確立した。
箱庭療法は当初は主に子ども用のセラピーとして使用された。その理由として、子供や思春期の人間は複雑な概念や言語の構成が苦手であり、どちらかというと、遊びや象徴的な表現の中で、自己表現をする事が多く非言語的な手法による治療は有意義との意見がある。しかし、その後、子供だけでなく、広く精神障害を持つ患者に使用された。現在、ヨーロッパだけでなく、米国でも使用されている。
箱庭療法の施行において、大学や大学院等において専門訓練を受けた者がセラピストとしてその場に居合わせる必要があり、素人療法的に箱庭を使用することには注意が必要であるとされる。
日本への導入
ユング研究所に留学中だった河合隼雄の友人が、カルフに日本人がスイスで研究している事を告げ、河合とカルフが会う事になる。カルフと会った河合は、箱庭療法を体験する事になるが、直観的に河合がかつて小学生の頃に見た「箱庭遊びと似ている」と思ったという。河合隼雄は箱庭療法に接した際、欧米と比較して非言語的表現の多い日本の文化に適していると思い、日本へ導入したという。「箱庭療法」はSandplay Therapyの河合隼雄による訳である。
そして1965年、河合隼雄により箱庭療法が日本に紹介された。最初は天理市と京都市に導入され、その後は日本で急速に普及、独自の発展を見せた。現在では、病院・学校等のカウンセリングルーム・心理療法一般・そして少年鑑別所等の機関で使用されている。その後、日本箱庭療法学会が設立される。
日本の中の箱庭のルーツ
日本には、伝統的にお盆の上に石を置き、風景を作る盆石(ぼんせき)や、盆山・盆景などがあり、古くから箱庭で遊ぶ文化があったという。江戸時代末期から明治初頭にかけては多くの流派があった。湯川秀樹は幼い頃、盆石遊びをし、その遊びを通して「自分の世界を作っていた」という。このように、箱庭が日本に古くから伝わる遊びや風習の中にあったといえる。
1985年に国際箱庭療法学会International Society for Sandplay Therapy が設立された。
道具
箱と砂 箱庭ではカルフが使用した大きさとほぼ同じ縦57cm×横72cm×高さ7cmくらいの大きさの箱に砂が入っている。米国では箱庭療法を導入している病院があるが、基本的に箱のサイズは規格化されておらずバラバラである。砂の種類は特に決まっておらず、基本的に自由で色々な砂を使用する(砂浜の砂、土など)。
箱庭の枠
ちなみに、箱庭の枠(高さ7cmの部分)であるが、これは非常に重要である。統合失調症の治療で有名な精神科医で日本独自の風景構成法を考案した中井久夫は、東京で河合の箱庭に関する発表を聞き、箱庭に枠が使用されている点に注目した。そして、患者が箱庭の「枠」がある為に、箱庭による自己表現が可能であり、治療効果がある事に気づいたという。
中井は紙の縁を枠として考え、治療者が枠をハンドライティングで描くという、自身の風景構成法の「枠付け法」に応用した。中井や山中康裕などの医療系の精神科医が、箱庭療法を病院に持ち込んだ為、箱庭が教育現場だけでなく、病院臨床でも使用される契機となる。
おもちゃ
使用するおもちゃは特に決まっておらず、規格化されておらず、セラピストが自由に集めてくる。
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