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四季

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四季

森博嗣 講談社文庫


春・夏・秋・冬の四部作。
氏のデビュー作であるすべてがFになるから続いた"S&Mシリーズ"と、黒猫の三角から始まる"Vシリーズ"の総集編的なシリーズ。

主人公はタイトル通り、その圧倒的存在感で君臨した『神に最も近い人間』であり、多重人格者であり、殺人犯である真の天才、真賀田四季。

四季の過去と今までのシリーズの補完、そしてその後を描いたシリーズであり、それ故にいきなりこのシリーズを読んでも絶対理解不能。でも読んでても半分くらいしか理解できない(ぁ

幼年期。時期は"赤緑黒白"の頃。
彼女の代表的な別人格が主軸。特にどうってほどでも無いお話だが、上記反転部の登場人物らとの出会いという意味でとても重要。
ところで、森川須磨と森川素直の関係は?

少女期。"すべてがFになる"のプレストーリ。
彼女が幽閉される事になった事件に関するお話。"泥棒"と"刑事"との出会いと"助教授"とのニアミス。
それと重要なのはやはり、彼女が多重人格である理由と犀川林と明言した点だろう。

成年期。"捩れ屋敷の利鈍"の後の頃。反転部の作品はシリーズにおいて特殊な位置付けなわけですな。
"すべてがFになる"の隠された真相と、歴代の主人公たちが介する豪華なお話。この『切断の理由』は素晴らしい。しっかしS&Mコンビはやはりいいキャラしとるなぁ。

その後。"女王の百年密室"のプレストーリ。うーん、ここに繋げるとは思ってなかった。いやぁ、サエバ・ミチルという名前で確かに連想できたかもしらん。作中に登場するエージェントはやはり、反転部の続篇で登場するんだろうか。
本作はS&Mシリーズを彼女の視点で回想している所がミソ。最後の最後で瀬戸千衣もやってくれて非常に満足。


いやー、今までのシリーズが好きな人にしか絶対おすすめできんわコレ(w
ただ、俺のような真賀田スキーには結構楽しめるんじゃないかなー。
好きになり、そして諦め、
なにも好きにならないようにして、それにも厭きて、
どちらでも良い、なにも決めない、なにも求めない、そんな状況にも懲りて、
最後には好きになり、けれど、好きだったものは消えている。
愛して、そして破壊して、なにも愛さないように努め、それにも疲れ、
どちらでもない、なにも触れない、なにものにも触れさせない、そんな状況もまた陳腐化し、最後には愛する形を創り出し、そして、愛したものを失ったと気づく。
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