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昨日に引き続き対比の話。

1 「かわのおとこ」と「かわのおんな」の1音めの低声が違う
 ベースはD、アルトはFis。高声とは5度ハモリか3度ハモリかの違いで、いずれもD-durの中から単純に拾った音。おそらく音域でアルトには無理させずにしっかり鳴らしたかった程度の理由なので、この差をことさらに強調する必要はなく、1音めもアルトはきちんと参加してちゃんと鳴らせ、ってくらいの意味。

2 2/4の小節のcresc.の長さ(終点)が違う
 男声は「おとこ」の「こ」に入ってすぐのところまでcresc.で女声は「おんなの」の「の」に入るところまでcresc.。この違いはあまりに微妙。テクニカルには非常に厳しく、何を意図したのかさっぱりわかりません。「あー」を歌っているパートが1ページ目は2拍目までなのに、2ページ目は小節いっぱいcresc.です。この差も表現しづらいし、それで何を描きたいのやらって感じです。可能なら多少やってみましょう。たんに手書き段階の楽譜がそういう位置に見えるから出版側で清書するときに厳密に手書きのポイントに合わせたという程度なのかもしれません。
ただ、「あー」のパートのほうが長くcresc.をやっているという意識は多少描きやすい部分かもしれませんので作りこみの過程で指揮者の指示をよく確認しましょう。

3 3/4の小節でアクセントの有無
「たくましい」にアクセントがあって、「きよらかな」にアクセントがないのは理由がわかりやすいですね。この曲を聞いていただける聴衆のありがちなレベルからいっても、このくらいのところは非常に伝わりやすく、かつ伝わると面白みとなる部分ですので、この差はしっかりと対比づけたいところです。ただ単にアクセントがあるときよりもしっかり押して、逆に「きよらかな」ではdolce, legatoでteneramenteな音楽づくりが必要でしょうね。

4 3/4の後ろのブレスの位置が違う
これは単にテキストの切れるポイントの差ですから、そのとおりやればいいだけでしょう。ことさらに対比付ける部分ではないです。ですが、このブレスそのものが普通ならつなげてしまいそうなところに明示的に書かれたブレス記号なので、音楽の間のとり方にはいずれも注意が必要で、表拍で入るか裏拍で入るかが違ってもいい形で「ため」を作らなければならないところ。指揮者のバトンテクと、歌い手みんなの集中力や緊張感が求められるところです。

5 最後のデクレシェンドの位置が違う
「胸板」の「た」ではすでにdecresc.が始まっていますが、「うなじ」の「じ」は1拍弱の長さ、大きな音量を維持するように指示されています。これは、この後の音楽にフレーズを受け渡していくという意識を持つ上で、ppで始まる音楽へ受け渡すか、大きなうねりを描いた後でmfの音楽に受け渡すかの差かと思います。続きの音楽を描いて自然なつながりを描こうと思えば、細かい差を意識しなくともやってしまう差かもしれません。