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chikugogawa

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さて、曲も大詰め。ラスト3ページです。ざっと楽譜を見てみましょう。特に音量に注目してみてください。pで始まりますがすぐにffまでクレシェンドしていきます。そしてその先には、頻繁に何度もクレシェンドの記号は出てきますが、デクレシェンドはもうありません。fffとかいう無茶な音量も求められます。
音の高さも、ソプラノはすごく高く、テナーはまぁ高いところ。ピアノパートもジャンジャカ鳴りまくっています。
テンポはGrandiosoです。それなりに遅いです。40-50秒くらい全力で歌うことになります。その間、休符は「祈りながら」の前の8分休符と、「筑後川」の前の4分休符2個しかありません。
一言で言うと、「タイヘンです。」
ただ、冷静に見ると、本当のテクニカルな山はfffで歌う「有明の海」の「り」にあって、ffの「筑後平野の百万の」は一段下だってわかります。

まず日頃の訓練で、こういうところを歌っても、すぐに力尽きてしまわないようにすることも大切です。ただそれは仰向けの姿勢から上半身を起こす、いわゆる「腹筋」をやるような訓練のことではないです。腹式呼吸のいろんなことを思い出してください。
もちろんちゃんとした発声であることも大切です。いい加減に歌うと、喉が上がってしまってすぐに声が枯れる、締め付けたような声で聞き苦しくなるか、逆にファルセットだけのか細い、迫力のハの字も感じないような声になるか。いずれにしてもここで欲しい音じゃないです。

サビのところだから、ffだから、筑後川と、筑後平野と、成長した自分と、この愛の壮大さを表現したいから。
気持ちはわかります。でも、ここで持ちうる力のすべてを使ってしまうのでなく、「有明」まで持っていけるように工夫してみてください。

でも温存、という考えじゃないかも。
ひとつの方向として、「筑後平野の」を全力で歌い、「有明」はそこに根性を乗せる、という解釈もあります。大きな音から、なお搾り出す技ってのはそういう感じで、うまく指揮者に乗せられてくれればいいのですが、いろんなことに裏打ちされた状況からでないとちょっと怖くもありますね。
全体の力量を見て、バトンテクとの関係もあっての指揮者マター。


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