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いよいよ一曲目前半のまとめに入る。
冒頭と同じ音形を使っているのはだれでも気づくことだけど、念のため。冒頭は#ひとつのト長調だったのに、ここは#が2つのニ長調。入りの音で言えば、冒頭はHでここはFis。すぐに気が付くことだけど、音取り段階でちょっと気をつけたいのは、ソプラノとテナーが遅れてCisから入ってくるのが、自分が冒頭とまったく同じフレーズなのではなく、低声が冒頭と同じことをやっているその調で5度上からかぶって入るってこと。大きな違いは「いまうまれ」の「れ」の音。DじゃなくてEになっています。
mfスタートでffまで持っていくので直前の休符などで十分体を柔らかく準備することが大切。クレッシェンドが始まった後で遅れて入るソプラノとテナーに楽譜上mfと書いてあっても、少し大きいところからはじめる場合と、楽譜どおりmfからはじめる場合とがあります。

冒頭では、ある意味、なにもわからないまま、いま生まれたばかりと歌っていたことが、ここ数ページの描写で帰納的にわかってきたはず。冒頭と同じフレーズでありながら、それだけの音楽を経て、今、一段と何かをつかみ始めた確信や、早くもいっぱしの流れを見せ、
小さいながらもうねりやせせらぎを生む川としての形を持っていること。景色の雄大さや、やがて向かう海を思えば取るに足らない小さな水の動きながら、しかしそれがこれから始まるドラマの源であることを思うと、決して軽んじることができないとわかる。
そういった気持ちが、ffなり、「かわ」についたテヌート記号つきの>記号なりを使って表現されることになると思う。一瞬のアカペラを経てこのニ長調の主和音に飛び込むと、いよいよ音楽が動き始める。
この「かわ」に向けて、直前でブレスしてよいかどうかは指揮者の趣味なので、確認しましょう。書いてないし、切れてないし、くどいのいやなひとはブレスさせません。ffテヌートアクセントを激しく欲しかったりその後の5拍伸ばしをしっかりたっぷり欲しい人はブレスさせてでも欲しいかも。

オープニングとしての演出を頭に描いてみれば、ここをどう作っていくべきかくらい、おのずとわかってくるものだろうと思います。