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佐藤春夫訳「徒然草」二十二」(2015/02/11 (水) 19:58:06) の最新版変更点

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 何事につけても昔がとかく慕わしい。現代ふうはこの上なく下品になってしまったようだ。指物《さしもの》師の作った細工物類にしても昔の様式が趣味深く思われる。手紙の文句なども昔の反古《はこ》が立派である。口でいうだけの言葉にしたところが、昔は「車もたげよ」「火かかげよ」と言ったものを、現代の人は「もてあげよ」「かきあげよ」などという。主殿《とのも》寮の「人数《にんじゆ》立て」というべきを、「たちあかししろくせよ」(松明《たいまつ》を明るくせよ)と言い、最勝講《さいじようこう》の御聴聞所《ちようもんじよ》は「御講の盧」というべきを「講盧《こうろ》」などと言っている。心外な事であると、さる老人が申された。

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