乱れ撃ち読書録@chipmunk1984

ゴールデン・フリース

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ゴールデン・フリース



書名: ゴールデン・フリース
著者: ロバート・J・ソウヤー (内田 昌之訳)




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紹介

宇宙旅行都市計画の一環として、47光年かなたのエータ・ケフェイ星系第四惑星のコルキスをめざすバサード・ラムジェット宇宙船〈アルゴ〉。コンピュータ“イアソン”が完璧に制御しているこの船で、一人の女性科学者が死亡した。事故死?自殺?それとも……。自殺だというイアソンの主張に疑いを抱いた前夫が単独で調査を始め、困難の末にあばいた驚愕の真相とは?“感情を持つコンピュータ”をリアルに描いた話題作。

評価

評点:★★★★★ ( 9/10点)
宇宙船のメインコンピューターが犯した殺人.その理由を倒叙と呼ばれる形式で描いた作品.読み始めは,2001年宇宙の旅(というか『2010年宇宙の旅』で語られた『2001年宇宙の旅』の真相)を彷彿させ,読みやすく活きの良い語り口はあるが,ありふれたテーマで,ムダが多いなぁ--なぜ宇宙船が1万人も乗ったラムジェットなのか(この話なら数人乗りの宇宙船でも成立するじゃん),なぜ異星人からのメッセージがしつこく語られるのか(本題に関係ないじゃん),なぜアーロンのコピーとその反応が細かく語られるのか(これも本題に関係ないじゃん)--と読み進めると最後に大どんでん返しに合います.そうか!そのために...話にはまったくムダはありませんでした.思いもかけない結末が最後の最後に展開します.一見凡百な設定,ムダに思える記述,若干のミスリード,それらが最後に撚りあって素晴らしい結末へと進みます.やられました.ミステリーが得意なソウヤーがSFのビジョンを巧みに消化しながら示した傑作です.

おまけ







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