乱れ撃ち読書録@chipmunk1984

弥勒戦争

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弥勒戦争



書名: 弥勒戦争
著者: 山田 正紀




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紹介

超常能力ゆえに、自ら滅びの運命を課す独覚一族。その一人である結城弦は、長老から、人類を第三次世界大戦の危機に陥れようとする、正体不明の独覚の存在を知らされる。ところが、一族の掟に従い、悪しき独覚を除こうとする結城たちの前に姿を現したのは、ブッダ入滅後五十六億七千万年を経て現世に出現し衆生を救うと言われている弥勒だったのだ……。”神”をテーマに描く傑作SF。

評価

評点:★★★★★ (10/10点)
デビュー2作目に書かれた山田正紀の最高傑作.滅びの運命を持つ独覚たちの苦闘が,格好良くも悲しげに描かれてゆきます.仏教をモデルにした独覚,声聞,弥勒といった設定が巧みで,戦後の日本の空気をうまく醸し出しながら物語は進みます.皆が滅んでいく中,最終章の弥勒と結城の対話はもの悲しくも透明感溢れる描写で,さらりと物語を締めくくります.

おまけ

個人的には,デビュー2作目に最高傑作を書いてしまった,作者 山田正紀に若干の同情の念があります.
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