乱れ撃ち読書録@chipmunk1984

神はサイコロを振らない

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神はサイコロを振らない



書名: 神はサイコロを振らない
著者: 大石 英司




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紹介

かつて、忽然と消息を絶った報和航空四○二便YS-11機が突如、羽田空港に帰還した。しかし六十八名の乗員乗客にとって、時計の針は十年前を指したまま……。戸惑いながらも再会を喜ぶ彼らと、その家族を待ち受けていた運命とは--。歳月を超えて実現した愛と奇跡の物語。

評価

評点:★★☆☆☆ ( 4/10点)
一言で言ってしまうと『良くある話』.『黄泉がえり』と同じパターンで,還ってきた人は実は自分のためでなく周囲の人たちを変えていくために還ってきたというパターンのお話です.SF仕立てで,マイクロブラックホールとか量子論とか(この本のタイトル自体量子論を彷彿させますよね)ありますが,それについては非常につっこみが浅いのでSFとして期待して読むと失望させられます.日本の話なのですらすらと読むことはできますがそれまでかな.人間ドラマも登場人物が多く,描写が散漫で,やはり底が浅くて表面的です.お暇なら.


おまけ

[ネタバレ注意]
エピローグの中心になっている『通信機』の話ですが,『現在の物質は10年前には持って戻れない』設定ですから,成立しないように思えるのですが...なぜ通信だけは時間を越えられたのか論理的な説明はありませんでしたね.また人が消失する場面も,この設定だと服や指輪だけが綺麗に残る描写だけど実際は胃の中の未消化の食物とかも一緒に現場に残るんだよねきっと...この辺の考証が甘くてファンタジーになっちゃってますよね.どうせならわかりもしない量子論の話よりもオカルトにしちゃえば良かったと思うのですが.








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