もしも3馬鹿常夏トリオが種死に出てたら 格納庫

Dominions  Phase4c

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匿名ユーザー

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「みんな、お待ちどうさま!」
フレイが土鍋を運んできて、コンロの上に置く。
真っ赤なキムチ汁がほどよいとろみでぐつぐつと煮立ち、
その中にひたった白菜や湯豆腐、豚肉がおいしそうな湯気を立ち昇らせていた。

オルガ「ハッ、ハ~ン目移り・・・するかよぉ!!」
クロト「豚肉・速攻!」
アウル「今日は、もらうぜ。このヤロー!」
ステラ「・・・おさかな・・好き・・・。」
シャニ「うざ~い。人の箸、押さえんなよ・・・。」
クロト「しらないね。ガードしなきゃ食われる。そんだけだろうがぁ!」
オルガ「クロト、てめえもうぜえ!」
シャニ「・・・クッ」
アウル「箸を・・・換装した?」
フレイ「シャニ・・・。箸をさっさと鍋から拾いなさいよね。」
ステラ「・・・お豆腐・・・おいしい・・。」
いつもの様に奪い合いが繰り広げられる中、
今日は冷静なスティングがため息を一つつき、口を開いた。

スティ「おい、たまには騒がずに慎ましく行こうぜ?
それにさっきから肉ばっかりじゃねえか。ちゃんとバランスを・・・。」

フレイ(スティング、今日は冷静ね。)
オルガ「おらよ。」
クロト「そらぁぁぁ、取り・分け!」
シャニ「・・・ハイ。」
アウル「ほいっと。」
スティ「・・・お前等。取ってくれるのはいいが、何で長ネギ、白菜、豆腐、椎茸なんだ?」
アウル「バランスっていったじゃんか。」
クロト「蛋白・質!美・田民!」
スティ「・・・・。」
オルガ「おお?煮えてるなぁ、あそこの肉も。あれも、もらうぜ!」
シャニ「駄目だよ、あれは。・・・美味いんだぜ?」
スティ「・・・。野菜と豆腐だけで俺の飢えが満たされるわけねぇ――っ。
あの肉は、俺がぁああああああ。」

フレイ(短い忍耐だったわね・・・。)
ステラ「おいしい・・・。フレイ・・・料理、上手。」
フレイ「え?・・・ありがとう。(まったく周りにかまわずに食べてるわね・・・。)」
アウル「スティング、バランスはぁ?」
スティ「うるせえ!お前は白菜の芯でも齧ってろ。」
シャニ「・・・妥当だね。」
アウル「ああっとー、手が滑ったぁ!」(バチャ!!)
シャニ「・・・・。」(ポタポタ・・)
アウル「ご~めんねぇ、言われたとおりに白菜食べようと思ったらさぁ。」
シャニ「・・・気にすんなよ。」
フレイ「シャ、シャニ。顔吹いたほうが・・・」
シャニ「・・・ここにも白菜あるから、これも食べなよ!!」(バチイ!ベチィ!)
クロト「うわっ、シャニ!この野郎!」
オルガ「ノーコンの癖して投げんなよ!てめえ。」
アウル「周りに八つ当たり?カッコ悪いってんじゃね?そういうの。」
シャニ「お前!お前!お前ぇ―――――っ」(バクバクバクバク)
オルガ「なっ。・・・くっそお!もう肉がねえ。こおの馬鹿シャニ!」
アウル「何、鍋から直に食いまくってんだよ、ボォケェ!」
クロト「ルール違反だ、ぶぁ~か。」
シャニ「・・・フンッ・・・。」
スティ「汁がついたままの顔で、何を勝ち誇ってやがるんだ、お前は!」
フレイ「・・・。ステラ、あいつらの真似だけは、しちゃ駄目よ?」
ステラ「おさかな?」
フレイ「・・・そんな単語、口にした覚えないんだけど。ハイハイ、お魚追加ね?」
ステラ「ウェ~イ!」
フレイ「あんた達も!まだお肉あるから・・・。」
クロト「オヒョー!」

冷蔵庫に向かいながら、フレイはふと、ミリアリアとの会話を思い出してしまい、
顔を暗くする。
(何が、分かるっていうのよ・・・。)
ステラ達が、バスケが明日できるかもというだけで、あんなに喜んでいたことを。
こうして普通に鍋を囲んで騒いだりすることを。知りもしないくせに・・・。

(今度は・・・私も・・・。)
そうだ、自分にだってステラ達のためにできることはある。
もう、前のベッドで震えていることしかできなかった自分じゃない。力になりたい、少しでも守りたい。
大切な人たちを・・・守りたい。

「フレ~イ!!」
「あ、ごめーん。今いくね!」
開けっ放しになっていた、冷蔵庫からおお慌てで肉と魚、一応野菜も取り出し、
6人の所へ戻る。 既に煮立っているので、すぐにどれも食べごろになった。
そして・・・

クロト「おっしゃあぁぁあ!再・開!」
オルガ「何で、てめえが仕切るんだよ。」
スティ「冗談じゃないぜ、これ以上ドタバタするのは。」
アウル「戦線離脱してくれるっての?」
スティ「誰がするか!」
シャニ「・・・結局、食い意地はってんだね。」
オルガ「てめーが言うな。」
と、魚を一心に食べていたステラが、横にいるフレイの目が少し潤んでいるのに気づく。

「・・・フレイ・・・泣いてる?」
「え、泣いてない、泣いてないわよ。ちょっと煙が目に入って。」
不覚にも、少し泣いてしまったらしい。どうも自分は涙もろくていけない。
フレイは慌てて涙をぬぐう。すると――

スティ「悪かったな。フレイ・・・。俺達ばっかり食べちまって。」
オルガ「考えたら、フレイ全然食ってねえよな。」
クロト「分・配!」
アウル「ワリィ。気がつかなくてさあ。」
シャニ「・・・ハイ。」
ステラ「泣かないで・・・」
たちまち、フレイの取り皿は肉と魚で一杯になる。

「ちょっと何よ!これじゃ私が食い意地張ってるみたいじゃない!
もう、バカ! ・・・ばか・・。」
泣いたりなんかしたら、絶対変だ。
そう思うのになぜか涙が出て・・・声がつまる。

ステラ「フレイ~。なか・・・ないで。フレイが泣くと・・・ステラ・・・悲しい。」
スティ「な、なんだ。肉じゃなくて野菜か?それとも・・・。」
クロト「豆・腐?」
オルガ「ひょっとして白・菜じゃねえのか?・・・って、うつったじゃねえか!」
アウル「逆切れしてる場合かっつーのぉ。なあ、フレイ、ひょっとして椎茸?」
フレイ「違う、違うから。もうアンタ達ったらホントに、もう・・・。」
シャニ「・・・泣くか笑うかどっちかにしようよ。」
ステラ「わかめはだまれ!」

心配して、大マジメに肉やら魚やらを取ってくれたり、
何が欲しいのか聞く6人が可笑しくて。だけど暖かくて。
フレイは泣きながら笑い・・・少し祈った。

どうか、みんなとずっと一緒にいられますように・・・と。

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