広島東洋カープバトルロワイアル2005
2.『選抜』開始
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匿名ユーザー
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「皆、突然の集合ご苦労じゃった。驚かせてすまんかったのぉ」
画面の中には笑みを浮かべた「元監督」の山本浩二がいた。
「さて、具体的な説明の前に今回集まってもらった理由から話そうかの」
室内に緊張の糸が張り巡らされたかのように、誰もが身動き一つせず画面に集中している。
室内に緊張の糸が張り巡らされたかのように、誰もが身動き一つせず画面に集中している。
「…これから『選抜』を始めようと思ってな。真の赤ヘル戦士の選抜を」
「皆も分かっていると思うが…今季のチーム成績はお世辞にも良いとは言えん。むしろ最悪といってもいいくらいじゃ」
「あまりの腑甲斐なさに球場からファンは離れ、買収っちゅう不愉快な話題まで出てくる始末だしのぅ」
「…ワシはもう一度強いチームに戻ってほしいんじゃ。もう一度、強い赤ヘル軍団にの」
「その為には少々の犠牲を払っても、一度壊さんと」
「つまり皆には新生カープの礎となってもらいたいんよ。闘志と実力無き者は新生カープは必要ないけん」
「あまりの腑甲斐なさに球場からファンは離れ、買収っちゅう不愉快な話題まで出てくる始末だしのぅ」
「…ワシはもう一度強いチームに戻ってほしいんじゃ。もう一度、強い赤ヘル軍団にの」
「その為には少々の犠牲を払っても、一度壊さんと」
「つまり皆には新生カープの礎となってもらいたいんよ。闘志と実力無き者は新生カープは必要ないけん」
「じゃけぇ『選抜』から漏れた闘志と実力無き者にゃぁ…残念じゃが死んでもらう」
死ぬ?戦力外の喩だろうか?つまり試合で判断すると?ではその試合とは?
多くの選手がこの時点で元監督の意を理解した。
しかし理解はしても納得はできない。できるはずもなかった。
そして画面の中の「元監督」は笑顔のまま最終通告をした。
多くの選手がこの時点で元監督の意を理解した。
しかし理解はしても納得はできない。できるはずもなかった。
そして画面の中の「元監督」は笑顔のまま最終通告をした。
「皆にゃぁこれから殺し合いをしてもらうけぇ」
「な、何かの冗談だろ?」
誰ともなく呟きが漏れた。張り詰めていた緊張の糸は切れ、ざわめきが広がる。
誰ともなく呟きが漏れた。張り詰めていた緊張の糸は切れ、ざわめきが広がる。
「静かに」
松本が再度ざわめきを制した。田村が素早くリモコンを操作する。
画面の元監督が笑顔のままで静止し、映像はビデオ録画されたものだと分かった。
「…まだ信じられないんですか」
やれやれ、といった口調で松本が話し始めた。
「僕らも最初半信半疑でしたけど、球団は本気ですよ」
その証拠をお見せします、そう言って松本が田村に目配せする。
軽く頷いた田村はまたビデオを再生させた。
松本が再度ざわめきを制した。田村が素早くリモコンを操作する。
画面の元監督が笑顔のままで静止し、映像はビデオ録画されたものだと分かった。
「…まだ信じられないんですか」
やれやれ、といった口調で松本が話し始めた。
「僕らも最初半信半疑でしたけど、球団は本気ですよ」
その証拠をお見せします、そう言って松本が田村に目配せする。
軽く頷いた田村はまたビデオを再生させた。
「…とは言っても、やっぱり皆いきなりは信じられんと思うけぇ…」
「木村一喜」
名前を呼ばれた木村一喜(27)の肩が揺れた。
「木村一喜」
名前を呼ばれた木村一喜(27)の肩が揺れた。
「…お前にゃぁ借りがあったのう」
「森伊蔵の借り、返してもらわんと」
「森伊蔵の借り、返してもらわんと」
田村がビデオを一時停止すると、どこからともなく電子音が聞こえてきた。
ピッ、ピッ、ピッ
木村一喜は立ち上がったままポカン、としている。どうやら電子音は木村の首輪から発せられているらしい。
木村一喜は立ち上がったままポカン、としている。どうやら電子音は木村の首輪から発せられているらしい。
ピッピッピッ
段々と音の間隔が狭くなってきて、新井はその音に何かぞっとする響きを感じた。
段々と音の間隔が狭くなってきて、新井はその音に何かぞっとする響きを感じた。
ピピピピピピピピピピ
突然音が止んだ。次の瞬間、選手達は目を見張ることになる。
突然音が止んだ。次の瞬間、選手達は目を見張ることになる。
閃光。爆発音。
赤い。
首が、首から上が、ない。
赤い。
首が、首から上が、ない。
木村一喜の体は糸が切れたように、膝を折って前のめりに倒れた。
そこら中に脳しょうと頭蓋の欠片と血をばらまいて。
そこら中に脳しょうと頭蓋の欠片と血をばらまいて。
「う、うわあああああ!」
部屋の中で誰かが嘔吐する水音と、叫び声とが混ざり合う。
松本が制止するが、その声ももはや届かない。
そんな松本をよそに、田村が機関銃を「木村一喜だったもの」に向けた。
部屋の中で誰かが嘔吐する水音と、叫び声とが混ざり合う。
松本が制止するが、その声ももはや届かない。
そんな松本をよそに、田村が機関銃を「木村一喜だったもの」に向けた。
「やめろ!!」
誰かの叫び声の後、強い雨の音と共に赤い飛沫が周りの選手にかかった。
木村の血を浴びた選手の顔や、ユニフォームに赤の斑点ができた。
誰かの叫び声の後、強い雨の音と共に赤い飛沫が周りの選手にかかった。
木村の血を浴びた選手の顔や、ユニフォームに赤の斑点ができた。
…もう誰も言葉を発しようとはしなかった。室内に血の臭いが立ちこめる中、沈黙がその場を支配していた。
【木村一喜(27)死亡 生存者残り41人】
リレー版 Written by リレー開始 ◆WX10dB5Sm2