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<こいつら・・・いい加減にぃ!> <しつこい!>  スティングとクロトは、かなり追い詰めれていた。バッテリーを大量に消費してしまったため フルスピードでかっとばせない。そのためダガーLはともかく、戦闘機やウィンダムを一気に引き離してしまえないのだ。    予定では、追撃があればわざとギリギリの速度で飛んで誘いアビスとフォビドゥンと共に叩く予定だったのだが そんな余裕はまったくない。とにかく、ウィンダムのビームだけはと、必死で機体を振る。 爪で運ばれている機体の中のオルガとステラはさぞかしイイ乗り心地だろうが、我慢してもらうしかない。  しかし、戦闘機から放たれるミサイルはカラミティやガイアを掠め、ガイアとカラミティは放たれる機銃で被弾する。 その度に振動が襲い、クロト、スティングの背に冷や汗が流れる。PS装甲は無限ではない、これ以上浴びれば・・・。 撤退すべき時にしなかった後悔が襲ってくるが、ねじ伏せる。今は悔やんでいる時ではない。移動すべきポイントまではまだかなりある。 しかし・・・ついに最悪の事態が勃発した。 「畜生が、こんの馬鹿MS!」  カラミティの機体が見る見るうちに鉄灰色に変わっていく。PSシフトダウン!無敵の兵器MSがただの兵器に成り下がる時だ。 <オルガぁ!てめーは、いつもいつもいつもドカドカ撃ちすぎなんだよ。バカ、バカ、ぶわ~か!> <うっせーよ> <そんなこと言ってる場合か!> <オルガ。私のせいで・・・> <関係ねえ。元はといや、俺のせいだ。・・・おい、クロト!> <んだよ> <あそこの岩山のとこに俺をおろせ> <何言い出すかねえ、この馬鹿は。地上からギガランチャーと装甲散弾砲であれ全部相手にする気?> <時間を稼いでやるってんだよ。レイダーだけは割と余ってバッテリーだろうが? ステラとスティングのフォローに回れ。  そうすりゃてめえらは確実に> <聞けないね> <おい、ふざけたことぬかしてんじゃねえぞ。状況分かってんのか?> <やだね。そんなら、僕も一緒に戦うだけさ> <甘ったれたことぬかしてんじゃねえ!> <そりゃてめーだろ。俺を残して逃げろなんて、何年前のゲームだよ。今時そんな、くせー台詞!> そう言って、クロトはレイダーを大きく下げた。二発のミサイルがその背に着弾しレイダーが大きく揺れる。 <ぐぁ!・・・誰も言わねーよ!!> <そういうことだな。おい、こうなったら覚悟決めるぞ、あそこで迎え撃つ。ステラ、オルガ、お前達は岩陰から援護しろ> <僕とスティングでなんとかするってわけね。> <まあ、そうだな。ステラ、オルガのフォローに回れ。・・・大丈夫か?> <・・・それほど支障はない。分かった、私がオルガを守る> <くっそぉぉおお、てめーらどいつもこいつも馬鹿ばっかりかよ> <馬鹿はだまってなよ。じゃあ・・・行くぜぇ!!> <おお!>    カラミティとガイアをクローから離し、カオスとレイダーは敵に向き直った。 敵が殺到してくる。ウィンダムはともかく、その後ろのダガーLと戦闘機の群れは・・・。 あれを一機落とすにもビームが一発必要なのだ。    そしてPS装甲がつきれば、戦闘機のミサイルでも十分MSは破壊されてしまう。 レイダー以外のMSはどれもバッテリー切れが近い。しかも、カオスのビームライフルの残弾はわずかに3発、ミサイルはゼロ。 敵の数がこんなにも、プレッシャーとなるのは始めての経験だった。   <とにかく、テメエら全部、撃・滅!> <そおら、来やがれ。蚊トンボども!>  必死で気力を奮い起こし、レイダーが破砕球を、カオスが、ビームライフルを構え敵の真っ只中へ飛び込んでいく。 <やっぱ主役は、遅れて登場するもんだよねぇ!> <・・・なんかいっぱい来てるね>  突然飛び込んできた通信に一瞬、スティング達が耳を奪われる。 そして6条のビームが、敵とスティング達の間を薙いだ。 見上げるとフォビドゥンとアビスが上空に浮かんでいた・・・。 <いやぁ、ナタルが遅いから待ち伏せポイント前にしろっていいだしてさぁ。参った、参った> <・・・人のこと遅いって何度も急かしたヤツの台詞とは思えないね> <無事か? ザブナック、ブエル、ルーシェ、オークレー>  次々と、入ってくるアウル、シャニ。ナタルの3人の通信にクロトとスティングは、ホッと一息ついた後 ニヤリとして、武器を構えなおした。来るなら、来やがれ!しかし、敵は2機を見た瞬間、凄まじい勢いで離脱していく。 <はぁあ? な~んか拍子抜けだなぁ・・・> <・・・終わり?> どことなく、不満げな二人の声にスティングは苦笑した。 <いや・・・お前らのおかげだ。正確に言うとナタルの一手目が効いてたってことだがな> <何だよ、そりゃ?> <説明は後だ。オルガとステラを艦に運んでやらねえと> <はぁ? あそこでPSが切れてるオルガはともかく、ステラに何かあったのかよ?> <後だといっただろうが。ちょいと疲れた。今は勘弁してくれ、アウル。> <分かったよ>  通信を切った瞬間、緊張が解け、スティングはすさまじい疲労感に襲われた。 しかし、その疲れすら今は心地よく感じる。全員で生き残った・・・。 心から安堵感が込み上げてきてスティングはしばしその感覚に浸った。 <・・・ワーニャ副指令、命令どおり撤退いたしました> <ご苦労だった。責任は私が持つ、そのまま帰還しろ>  ワーニャ司令は、そう言って通信機を置いた。待ち伏せがあったら、すぐに撤退せよと命じたのは 他ならぬワーニャ副司令だった。あの4機の桁外れの力、そして短時間で消息を絶った8機のウィンダム、 理由はそれで十分だった。 (我々の戦いは、まだまだ先が長いのだからな・・・)    この戦いで仮に勝てたとして、基地から撤退しなくてはならなくなっては元も子もない。 それにしても、派手にやられたものだ。この復旧、人員に補充、施設の修理・・・頭が痛くなってくる。 ワーニャは、ため息をつきつき司令のいる部屋に向かった。

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