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終戦 Phase-60


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水平線上に浮かぶ戦艦の群れから、多くのMSがこちらへと向かってくる。さらにその頭上を越えて数多のミサイルが自分達の方へと発射されている。
発射されたミサイルは一定の距離と高さまで到達すると、放物線を描くように今度はこちらへと進んでくる。
『迎撃を開始してくれ!』
カガリが意を決してオーブ全軍に指示を出す。
その瞬間、配置されていたムラサメやM1アストレイ、そしてオルガ達やキラ達が、ミサイルの迎撃を開始した。

「僕、地味だなぁ…」
ミサイルを迎撃しつつ、GAT-X370・レイダーのパイロットであるクロトは呟いた。
仲間であるオルガのカラミティやアウルのアビス、ネオの乗るアカツキ、それにフリーダムは初っ端から最大火力のフルバーストで次々とミサイルを破壊している。
フルバーストは威力はもちろんの事、見た目も相当派手なので、圧倒されて動きを止める敵も少なくない。見た目で言えば、シャ二のフォビドゥンが放っている曲がるビーム、フレスベルグも相当なインパクトがある。
逆にそこまで火力や見た目に富んでない、つまり別の面で秀でている機体だと、片手をミサイルに向けて掲げて迎撃するしかないのだ。
しかし、その中でもクロトのレイダーは一際地味だった。なぜなら・・・
「何で僕だけ実弾兵器なんだよ…」
そう、先にあげた以外の機体のほとんどは、ビームライフルを空のミサイルに向けて放っている。しかし、クロトのレイダーだけが右腕の超高初速防盾砲、つまり実弾を空にばらまいているのだ。
アスランのジャスティス、スティングのカオス、ステラのガイアはもちろん、量産機であるムラサメやM1アストレイでさえビームを放てるというのに。
「あ~あ、何か弾が勿体無い気がしてきたよ。」
そう言って一足先に撃つのをやめる。
すると同時に周りのビームライフル組も次々と撃つのをやめていく。
モニター越しに空を見るともうミサイルは残っていない。どうやらフルバースト組がかたづけてくれたようだ。



しかし、戦いはこれからだ。まだ疎らだが、接近してきた敵のMS群がこちらに向けて攻撃を開始してきている。味方の連中も散開を開始している。
自分達は「敵を片付ければ、自由に動いていい」と出撃前に言われているので、独断で動いても構わないだろう。
(かといって、僕一人で突っ込んでもなぁ…)
敵の数を見れば、一人でどうにかなるレベルじゃない事は一目瞭然。
(ここは少しザコの相手でもして、しばらく様子見かな・・・)
と、クロトが珍しく冷静な判断をした時、スピーカーから聞きなれた声が聞こえてきた。
『僕はあのミネルヴァって艦に行って来るよ!あの艦はいろいろと厄介だしね!』
アウルの声だ。どうもアウルは久しぶりの戦闘からくる興奮と自分の力の過信から、単身で敵方主力の一つに向かうつもりらしい。気持ちはわからないでもないが。
(バカだね…)
『んなっ!!止せ、アウル!いくらお前でも、あの数じゃ無理だ!もう少し様子を見ろ!』
この声はネオだろう。本気で反対しているようだ。まあ、当然のこと。
しかし、アウルはその声に耳を貸すつもりはない様で、
『大丈夫大丈夫、おまかせってね!』
と言って、アビスと共に海中に飛び込み、さっさとMA形態となりミネルヴァの方へと行ってしまった。

『こっちの海中用のMSはアイツのアビスしかいないんだろ?誰かついて行った方がいいんじゃねぇか?』
「僕が行くよ」
オルガの提案に真っ先に名乗りを上げる。
アウルがいれば戦闘の効率も上がるだろうし、敵に落とされる確率もグッと下がる。それにこれなら『味方の援護』という立派な大義名分がある。敵陣に突っ込むチャンスだ。
「二人で空と海から行けば、やられはしないでしょ。ま、一人でも僕はやられないけどね!」
『そうだな。スマン、クロト。頼む。』
「はいはい」
レイダーをMA形態に変えてアウルの後を追う。



海岸の仲間達から少し離れると、近づいて来ていた敵方のMS群が、一人単身で突撃しているクロトに照準を合わせ始めた。
レイダーのコクピット内にアラームが響き渡る。
「うひょー!」
機体を上昇させて、ビームライフルやミサイル、機関砲など様々な攻撃をかわす。
「ザコのクセに武装は多いね。」
ザフトが誇る航空攻撃型MS、AMA-953・バビ。今、クロトが相手をしているこのバビは、クロトの言うとおり、量産期ながらも多数の火器を装備しながらも、かなりの運動性を持つ高性能機だ。
「だからってこの僕にそんなもんが当たるわけないだろ、バーカ!」
バビ達の遥か上空まで上昇していたレイダーの向きを変えて、一気に下降するクロト。
「はああ、抹・殺!」
高速で下降しながら、両肩部内に装備させているM2M3・76mm機関砲を乱射する。
急な方向転換と凄まじい速さに対応できないバビが次々とそれによって落とされていく。
虫けらのように海へと落ちていく仲間のバビ達に気を取られたのか、それとも上空から襲い掛かる漆黒の襲撃者に恐れをなしたのか、他のバビ達の動きが鈍る。
その隙にクロトはレイダーをMA形態からMS形態へと戻し、破砕球・ミョルニルを取り出して、動きを止めているバビを片っ端からスクラップに変えていく。
「撃・滅!・・・んん?」
再びレイダーのコクピット内にアラームが響き渡る。見れば前方からやはり先程と同じようにビームやらミサイルやらが飛んでくる。
「だから当たんないって言ってるだろうが!」
ミョルニルを振り回してそれらを防ぐ。万能すぎるミョルニル。
しかし、いくらミョルニルを振り回しても敵の攻撃は止まない。
「やば……。やっぱ数が多すぎだよ」
ミョルニルをこうやって振り回していれば敵の攻撃が当たる事はないが、同時にこちらが攻撃する事もできない。相手の方が数は多いのだ。囲まれて後ろからも攻撃されれば、ミョルニルでも防ぎきれない。戦争はやはり「質より量」だ。
「コンテニューはできないしなぁ…。」
クロトが打開策を練っていたその時、レイダーのさらに上空、そして海中から無数の閃光がバビ達を貫き、海へと沈めていった。



『何やってんのさ、クロト。だらしないなぁ。』
『間に合った。大丈夫?』
海中からレイダーの右方に飛び出してきたのはクロトが追いかけてきたはずのアウルが駆るアビス。
上空からレイダーの左方に舞い降りてきたのは海岸に残ったはずのキラが操るストライクフリーダムだった。
「お前を追っかけてきたんだよ、アウル」
『え?何で?』
『アウルが心配だったからだよ。オーブには君のアビスしか水中用MSがないのに対して、あっちはグーンやゾノとか結構充実してるから。』
「だから僕がわざわざ後を追ってきたんだろ。」
『別にまだ何とも交戦してないけどね。あっちの第1波は地上だけみたいだよ。』
「で、アウルはともかく何でお前までいるんだよ、白いの」
ナチュラルに会話に溶け込んでいたキラに、クロトが問いかける。
『同じだよ、やっぱり心配だったから。海岸の方はオルガやムウさんを中心に何とかなったから。』
「それはわざわざどうも」
以前は敵でしかなかったキラとフリーダムに助けられた事は、クロトにとって少し複雑だった。
2年前にオーブを襲った自分達を紆余曲折あったとはいえ、オーブ軍に入隊させてくれたカガリやキラの心は未だ理解のできるものではなかった。
『ま、ここら辺はあらかた片付けたからいいんじゃない?次は・・・お?』
アウルが何か声を上げたのでクロトもレーダーを見る。
敵機の反応がある。しかも三つだけ。
『これは大物の予感がするよ!』
「ですね!」
あれだけのバビの大群に対して今度は三機だけとはどういうことか。少数でもかなり腕の立つパイロット、そして特機であることを意味する。
相手はザフトと地球軍の連合だ。一体どんな相手が出てくるのか。
『来たよ!』
キラが声を上げる。
クロトはモニター越しにその3機の姿を見た。



「ルナマリア・ホーク、コアスプレンダ-、行くわよ!」
ミネルヴァからルナマリアが乗ったコアスプレンダーが発進する。
シンのデスティニーとレイのレジェンドは彼女よりも先に発進して別行動をとっている。
ミネルヴァから出るとチェストフライヤー、レッグフライヤー、フォースシルエットが次々と射出される。
それらはコアスプレンダーを中心に合体し、ZGMF-X56S/α・フォースインパルスガンダムとなる。
『ルナマリア、聞こえる?』
「はい、艦長。聞こえてます。」
インパルスのコクピット内にミネルヴァ艦長、タリア・グラディスの声が響く。
『あなた、今回の戦闘で始めての小隊長・・・といってもあなたを含めてたった3機だけど、油断はしないでね』
「はい」
『数が少ない分、彼らもあなたに劣らず腕が立つわ。それじゃあ、頼んだわよ。』
通信が切れる。
「・・・隊長って言っても、ホント、名前ばっかりな気がするんだけど。」
あのメサイア攻防戦の後も引き続き、インパルスのパイロットとしてミネルヴァに残る事となったルナマリア。恋人であるシンや、メサイアの中から救出されたレイも引き続きパイロットとして同じくミネルヴァに乗艦している。
今回の戦闘、発進5分前まではルナマリアはこの戦闘の意味が見出せなかった。彼女もオーブの人間が条約拒否する気持ちはよくわかったし、彼女自身も地球に二度とこれなくなってしまうのは嫌だったからだ。
しかし軍人という立場上、上からの命令に逆らう事はできず、言われるがままに戦闘に参加するしかなかった。
「でも、あんなもの持ってたんじゃ話は違ってくるわよ…」
だが、そのオーブへの攻撃に対する躊躇いは今はもうない。あの6機を見たからだ。
かつてオーブを襲撃したというフォビドゥン、レイダー、カラミティという地球軍の3機。そしてアーモリーワンで強奪されたカオス、アビス、ガイアの3機。
なぜあんなものがオーブにあるのか。新しく製造されたのか、はたまた自分の知らない裏のルートから手に入れたのか。どっちにせよアスハ代表の気が知れない。
「あれは今回の条約には関係なく、とにかく破壊しなきゃ、ダメなんだから!」
その時、インパルスのレーダーが機体の接近を告げる。数は二つ。どちらも味方の識別信号を出している。
「来たわね」
『コートニー・ヒエロニムス、ソードインパルス。お待たせしました。』
『同じくリーカ・シェダー、ブラストインパルス。合流します。』



「よし、これで3人揃ったわね。」
ルナマリアのインパルスに赤いインパルスと緑のインパルスが接近する。
この3機が今回の戦闘で配備された「インパルス部隊」だ。
近距離に強いソード、遠距離に強いブラスト、そして中距離に強い(可もなく不可もない)フォースインパルス。理屈上、どんな相手が来ても対応できるはずなのがこの部隊の特徴である。
ルナマリア以外のパイロット。かつてコートニーはカオスの、リーカはアビスのテストパイロットを務めていた。
『でもまさかオーブがあんなものを出してくるなんて思わなかったわ』
『ああ。フリーダムやジャスティスぐらいなら予測はしていたんだが。』
「いったいどういうつもりなのかしらね、オーブは。」
コートニーもリーカもやはりアレは予想外だったようだ。発進数分前にあんなものに出て来られては誰でも戸惑ってしまう。予測できていたものがいるなら、会ってみたいくらいだ。
『わからないが、少なくともあれらは破壊した方がいいんだろうな』
「そうよね。フリーダムやジャスティスと違って、アレは戦争を悪化させた奴らなんだから。」
『見て!』
突然リーカが叫ぶ。
ルナマリアも慌ててモニターを確認する。
「うわ、いきなり大当たりってとこかしら」
『そのようだな…』
彼女達のモニターに映ったのは友軍のバビ達を次々に落としてゆくフリーダム、アビス、そしてレイダーの姿だった。
ルナマリアはフリーダムやアビスは以前から何度も目にしていたが、レイダーは実際に目にするのは今回が初めてだ。
データによれば可変機構を持つ機体らしいが、今はMS形態をとっている。果たしてどのような機体なのか。
『隊長、どうするの?』
リーカが問いかけてくる。相手も接近はしてこないものの、こちらに気づいたようだ。迷っている時間はない。
「仕掛けるわよ! リーカ、援護は頼んだわよ。」
『OK! 任せて!』
言うが早いかリーカは上空に上がり、ケルベロスの照準を3機に合わせる。
「コートニーは私と一緒に前に出るわよ!」
『了解した!』
ルナマリアのフォースインパルスはビームライフルを、コートニーのソードインパルスは対艦刀・エクスカリバーを構えて、3機へと向かっていく。
「ええい!」
掛け声と共にルナマリアはビームライフルのトリガーを引いた。



『赤もいる! 緑もいる! ハハッ、今日は気前がいいじゃん!』
『へえ、アレがアウルたちが戦ってたインパルスって奴?』
『そうだよ。合体とか分離とかするんだぜ。』
『マジ!? 楽しそうじゃん、それ!』
向かってくる機体にアウルとクロトは大はしゃぎしている。
「でもあの機体が3機ってのは初めてじゃない?」
キラは以前介入した幾つかの戦闘を思い出す。
いつもあの機体は1つのコアを中心に、他のパーツを切り捨てて別のパーツを換装していた。一気に3機で全種類が出てくるのは初めてだ。
『言われてみればそうだね。ま、全部落とせば問題ないでしょ!』
アウルのその台詞と同時に、フォースインパルスがビームライフルを放ってくる。
『おお!あっちもやる気じゃん。』
アウルもクロトも攻撃を仕掛けようとしている。
「二人とも、気をつけてね。油断は、しないで。」
『わかってるよ。行くぜぇ!』
『そりゃあ!滅・殺!』
アビスとレイダーがブースと全開で前に出てきたフォースとソードへと向かう。
キラはそれから目を離し、視線をやや上空にむける。
その視線の先には突撃する二人に照準を合わせていると思しきブラストがいる。
「二人の邪魔はしない方がいいし、させない方がいいよね…」
キラはそう言ってブラストの方へと機体を向けた。

オーブ・オノゴロ島付近海上
キラ・ヤマト、ストライクフリーダム
クロト・ブエル、レイダー
アウル・ニーダ、アビス
VS
ルナマリア・ホーク、フォースインパルス
コートニー・ヒエロニムス、ソードインパルス
リーカ・シェダー、ブラストインパルス
      • 戦闘開始
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