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Dominions Phase14


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「ザブナック、オークレー。何か言いたいことはあるか?」
「何も。」
「・・・ねえ。」
 そう言って、スティングとオルガは下を向く。
3分の1で帰れ、というのはカオスとレイダーが一機ずつ運搬するという
逃走方法の不安定さ、そして不測の事態も考えたバッテリーの配分であった。
それが今なら・・・いや、分かっていた。
 それなのに、自分達は自分達の力を過信し、戦場での熱狂を求めて、それを無視した。
その結果は・・・ ナタルが察してアウルとシャニを向かわせてくれなかったら、
どうなっていたか。

「ここが軍なら、命令違反でどうこう・・・。となるのだが、ここは軍ではない。
お前達に対し何かを強制したり、 罰したりするものは存在しない。」
 そこまで言って、ナタルはオルガとスティングを鋭い目で見据える。

「だからこそ、余計にお前達自身が自分で今度の出来事から何を学ぶのか、
それが重要だ。分かるな? オークレー、ザブナック。」
「ああ。」
「くそ、分かってるぜ。」
「そうか。・・・二人とも無事で良かった。」
 そう言って、ナタルはそっと二人の肩に手を置く。
その顔には心からの安堵の表情が浮かんでいる。 そして優しい声でナタルは言った。
「あまり・・・心配させるな。」
 ナタルのその言葉に、オルガとスティングは黙って拳を握り締めると頷いた。

「ルーシェ、大丈夫か?」
 ナタルは次にステラに声をかけた。ステラは左手を吊っている。
機体が揺れた時、打ち付けてしまったのだ。
 強化人間ゆえ直りは早いが、打ち付けたときは酷く痺れていたらしく、
そのせいで機体を起こすのが遅れてしまったというわけだ。

「・・・大丈夫。オルガ・・・スティング・・・クロト、ごめん。」
「いいさ。だけど、次の戦闘では気を抜いたりするなよ?」
「戦場では、フォローし合うもんだからね。んなこと一々言わなくていいよ。」
「元々俺のせーだしな。悪かったと思うぜ、お前らには。」
と、アウルが口を開いた。

「だけどらしくねーじゃんか。一体何考えてたワケぇ?」
「・・・シン・・・のこと。」
 そのステラの言葉に、アウルは珍しくステラに険悪な目を向ける。

「たくさぁ、そりゃ分かるけど戦場で」
 そこまでアウルが言いかけたとき、ドアが開き誰かが走りこんできた。
黒髪に真紅の眼。シン・アスカ・・・。
 思いがけない乱入者に全員が眼を丸くする。 しかし、シンはそんな周りに頓着せず、
ステラに駆け寄った。

「ステラ!」
「・・・シン。」
「傭兵の中の女の子が・・・怪我したって聞いて。大丈夫なの?」
「・・・うん。」
「良かった・・・。」
 シンはそういって、安堵の息を吐く。
そして怒りの表情を浮かべて、ナタル達を睨みつけ、怒声を上げた。

「どうして・・・どうして、ステラにまだこんなこと、させてるんだ。アンタ達は!」
「・・・シン・・・聞いて。ステラは」
「事情も知らないでなぁに、言ってんだか!」
 シンに必死で訴えようとするステラの声をアウルが遮った。
その眼には敵意が浮かんでいる。

「いきなり入ってきて怒鳴り散らしてさぁ。礼儀知らずってんじゃね? そういうの。」
「・・・誰だよ、アンタは。」
「教えてやんねーよ。」
「イチャモンつけたいだけなら、黙れよ。」
「はぁ? 何だよその言い草。マッジ、ムカつくなお前。」
「・・・よさないか、ニーダ。」
 ナタルが止めに入る。それにしても、クールさを信条とするアウルが感情をむき出しにしてケンカを売るような言動をするのは珍しい。

「シン・アスカ。君が怒るのは当然だ。ステラが未だ戦場にとどまり、MSで戦う理由を、
私の口から述べるのは容易い
 だが、作戦の前にも言ったがルーシェと話してみてくれ。
本人の口から聞くのが一番いいだろう。我々は席を外す。」
 そう言って、ナタルはステラ以外の全員に退出するよう促した。
アウルも、もう一度シンを睨んだ後出て行き、部屋にはステラとシンだけが残された。

「・・シン・・・。」
「ステラ・・・」
 シンの左手がそっとステラの頬にふれ、ステラのすみれ色の瞳とシンの真紅の瞳が交錯する。
二度と会えない、そう思って別れた。だが、今お互いがお互いの目の前にいる。
そのことが、何か夢のように思えて・・・。二人はただ、黙ったまま見つめ合っていた。

 どれくらい、そうしていただろうか? シンは左手をおろした。
「えっと・・・座ろうか。」
「・・・うん。」
二人は並んで腰を下ろす。

「だけど・・ステラ、本当にどうして?」
「・・シンが、守ってくれたから。・・・ステラ、今ここにいるの。」
「ステラ・・・。」
「死ぬの、嫌・・怖い・・駄目。でも、シンは、怖いのも嫌なのも我慢して、
ステラを守ってくれた。だから今、シンと会える。
 スティング、フレイ、アウル・・・オルガ・・・クロト・・・シャニと一緒にいられる。
 今・・・楽しいの、嬉しいの。・・・シンが明日をくれたから。」
「・・・」
「だから・・・ステラも、みんなを守る。・・・誰かに明日をあげたいの。
ステラ・・・シンみたいに・・・なりたいの。 シンがくれた明日が・・・嬉しいから。」
そう言って、ステラはシンの眼をまっすぐ見つめたのだった。
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